平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。元騎手の目線からレースを分析から、現役時代の思い出など、様々な話題を楽しく書き綴ってまいります!
平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。元騎手の目線からレースを分析から、現役時代の思い出など、様々な話題を楽しく書き綴ってまいります!10日に金沢競馬場で行われた『金沢シンデレラカップ』は2番人気だったマナバレンシアが勝利。
騎乗した柴田勇真騎手と共に人馬初重賞制覇となりました!
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柴田勇真騎手に喜びの声を伺いました。
赤見:初重賞制覇、おめでとうございます!
柴田:ありがとうございます。念願のっていう感じで、すごく嬉しいです。
赤見:かなりの大接戦でしたが、ゴールした瞬間勝ったことはわかりましたか?
柴田:勝ったかな、届いたかな、というくらいでした。
直線向いた辺りから、前止まってるぞと、これは行けるんじゃないかって思っていました。
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赤見:かなり速い流れでしたが、道中はどんなことを考えていました?
柴田:前が速かったので、内でじっとしていようと思っていました。
どこから行くかというのはもう乗っている感覚で、ここでこうしようとかは考えていなかったです。
直線内にいたんですけど、外に切り返せるタイミングがあったので、外に出してからもう1回ハミを取ってくれたんです。
展開に恵まれた面はありますが、そこからの脚は僕もびっくりしました。
赤見:マナバレンシアはどんな馬ですか?
柴田:もうかなりやんちゃ娘ですよ(笑)。調教でも馬場に入ってからクビを下にもぐらせたりして、よく落ちそうになります。
毎日大変なので、それもあって余計に嬉しかったです。
赤見:柴田騎手ご自身のことを伺いますが、大きな怪我もあり、勝負服も変えたり、デビューからの6年でいろいろなことがありました。
柴田:ありましたね。本当にしんどい時期もありました。
特に怪我の時ですけど、入院していた時にはただ目の前の出来ることをやろうと思っていました。
復帰してからは周りの方々に支えていただいて。
乗せてくれる関係者の方々、特に金田厩舎、厩務員さん、馬主さん、本当にたくさんの方のお陰です。
赤見:その金田厩舎で勝てたというのも大きいですね。
柴田:そうなんです。そこも嬉しかったですね。
マナバレンシアの担当の厩務員さんとすごく仲良くて、年下なんですけど、「このレースはこうだよ」とかいろいろ教えてもらったりしているんです。
赤見:何ていうお名前の方ですか?
柴田:辻加武斗(かぶと)君です。
赤見:もしかして装蹄師の辻さんの関係者ですか?
柴田:そうです!息子です。
子供の頃はよくポニー競馬とか草競馬に乗っていて、騎手を目指していたんですけど、かなり体が大きくなって、今は厩務員さんとして頑張っています。
赤見:わたしもポニー競馬の時にお会いした記憶があります。若い世代2人で結果を出したというのも嬉しいですね。
柴田:本当に嬉しいですね。いろいろ相談しながらやって来たので。
マナバレンシアはさっきも言いましたけどかなりやんちゃで、嫌気が差すとやめてしまったりする面もあるんですけど、能力は相当高いと思うので、今後も楽しみですね。
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赤見:では、ご自身の今後の目標を教えてください。
柴田:ずっと重賞を勝つことを目標にして来たので、今回達成出来て嬉しいです。
今後もマナバレンシアで勝ちたいですし、他の馬たちともいろいろな重賞を勝ちたいです。
これからも頑張りますので、注目していただけたら嬉しいです。
10月14日に地方競馬通算900勝を達成した宮下瞳騎手にお話を伺いました。
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赤見:900勝達成、おめでとうございます!この数字は意識されていましたか?
宮下:そこまでは意識していなかったですけど、区切りの数字ですし、とても嬉しいです。
今年はたくさん乗せていただいて、いい馬とも巡り合って、レースに乗っていても楽しいですし、周りの関係者の方々や、応援してくれるファンの皆さんに感謝しています。
大目標の1000勝に向けて、これからも頑張ります!!
赤見:900勝の時のお写真も素敵な笑顔で、すごく楽しそうだなというお気持ちが伝わって来ました。
宮下:そうですね。以前は勝ちを意識し過ぎていたところがあったと思います。今ももちろん勝つことにこだわっていますが、一度引退したことで気持ち的にはだいぶ変わって、すごく楽しいですね。
今年鼻を骨折したんですけど、今後また怪我をするかもしれないし、いつまで乗れるかはわからないじゃないですか。そう考えたら、馬に乗れる今が楽しいし、大事にしたいと思っています。
赤見:今年はここまで89勝(2020年10月20日現在)を挙げていて、43歳でキャリアハイですよ?!もう本当にすごいとしか言いようがないです。
宮下:ありがとうございます。たくさんいい馬に乗せていただけるお陰ですし、馬たちが頑張ってくれるお陰です。
赤見:2キロ減になったというのは大きいですか?
宮下:そこも大きいですね。2キロ減になった当初は、あまり意識していなくて、せっかくの2キロ減をちゃんと活かせていなかったと思うんです。
でも2キロ減ということを重視して依頼をしていただく馬もいますし、どういう競馬をすれば減量を活かせるかということを考えるようになりました。
赤見:私事で恐縮ですが、わたしは42歳で体力低下をかなり感じていますし、特に第二子出産後にガクッと来たのですが...、何度も言っちゃいますが、43歳でキャリアハイってすごすぎます!
宮下:ありがとうございます(笑)。
わたしも復帰した当初は疲れとかを感じたんですけど、逆に今はあまりないですね。すごく充実していて、馬に乗ることが楽しくて。
赤見:朝の調教はどのくらい乗っているんですか?
宮下:1:20から23~24頭くらい乗っています。
赤見:20頭を越えると相当キツイと思いますが...
宮下:以前に比べると頭数は増えたんですが、今はなんか、慣れちゃいましたね。
7:40に一度中断して、子供たちを送ってから、また戻って2~3頭乗って終わり、という感じです。
赤見:お子さんたちの支度はどうしているんですか?
宮下:朝ごはんは隣のおばあちゃんが食べさせてくれるんです。本当に感謝しています。
着替えなどの準備はもう2人とも大きいので、箱の中にそれぞれの着替えを入れておくと、自分で着替えてくれます。
今は小学校3年生と年長さんになって、だいぶ手が掛からなくなりました。上の息子が弟の面倒を見てくれるので助かります。
赤見:旦那様(小山信行さん)は現在韓国で調教助手のお仕事をしているということで、お一人で子育てをしながら騎手も頑張るというのは、相当大変じゃないですか?
宮下:自分の時間というのはあまりないですけど、すごく充実していますよ。それは子供の存在が大きいですね。日々の成長を見られるのも嬉しいし、わたしがやらなくても出来ることが増えてますから。
それに、すごく応援してくれるし、カッコいいと言ってくれるのも嬉しいです。
赤見:競馬とお子さんのこと以外で、何か楽しみにしていることはありますか?
宮下:ネイルですね!毎回ではないですけど競馬開催の前に色を変えています。手は目線によく入るので、色が変わってキレイになっていると、新鮮な気持ちになります。
赤見:ずっと日本の女性騎手の記録を更新し続けているわけですが、プレッシャーはないですか?
宮下:今はないですね。あまり意識していないですし、1勝ずつ積み上げていきたいです。
周りの方にフォローしていただきながら、騎手を続けることが出来て、本当に助けていただいて感謝しかないです。これからも周りの方々に感謝の気持ちを忘れず、頑張ります!!
11日に金沢競馬場で行われた兼六園ジュニアカップは、牝馬ながら56キロを背負ったサブノタマヒメが、デビューから無敗の6連勝を果たしました。
管理する金田一昌調教師にお話を伺いました。
赤見:兼六園ジュニアカップ制覇、おめでとうございます!サブノタマヒメは56キロでも強かったですね。
金田:ありがとうございます。強かったですね。
先頭に立ってからはハミを外してフワフワしていて、後ろから馬が来れば来るだけ伸びましたから、着差はクビ差でしたが差し切られることはないだろうなと思っていました。
砂を被っても怯まないですし、これでまだ目一杯走ったことがないわけですから、どのくらい強いのか正直まだわからないなという印象です。
赤見:デビュー前から期待が高かったんですか?
金田:セリでオーナーに買っていただいた馬ですから、もちろん期待はしていました。でも正直ここまで走るとは...、期待以上に頑張ってくれていますね。
赤見:普段はどんな性格なんですか?
金田:大人しいんですよ。人間で言えばちょっとダラダラしているタイプっていうんですかね(笑)。
特に2戦目くらいまでは前脚の出が硬くて、「大丈夫なのかな?」と思うくらいでした。
でも使っていくうちにどんどん良くなっていって、金沢プリンセスカップの時の調教ではかなりいい動きをするようになっていました。
これは相当走るなと感じたんですが、現状はそれ以上の走りですから、今後どこまで強くなるかはまだわからないですね。
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赤見:今後の予定というのはいかがですか?
金田:11月には地元で2歳戦が2つありますから、どちらかに出走したいと考えています。
赤見:10日(火)の金沢シンデレラカップ(1500m)か、22日(日)の金沢ヤングチャンピオン(1700m)ですね。
金田:そうですね。間がないですから両方というのは難しいので、馬の様子を見ながらオーナーと相談して決めます。
赤見:女の子は食が細い馬も多いですが、サブノタマヒメはいかがですか?
金田:それがすごくよく食べるんですよ。その点は調整する上でとても心強いですね。
今後は他地区の馬とも戦って行く機会があると思いますので、しっかり調整して、金沢にも強い馬がいるというところをファンの方々にお見せ出来るよう頑張ります。
10月1日に園田競馬場で行われた『姫山菊花賞』は4番人気エイシンニシパが勝利。
1番人気だったジンギが2着で、橋本忠明厩舎ワンツー決着となりました。
赤見:まずは姫山菊花賞制覇、おめでとうございます!エイシンニシパは7歳ですが、まだまだ健在ですね。
橋本:ありがとうございます。3歳の頃から毎年毎年重賞を勝ってくれて、本当にすごい馬です。これだけ息の長い活躍が出来る馬もなかなかいませんから。
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赤見:橋本先生から見て、エイシンニシパの一番の強さはどこですか?
橋本:とにかく落ち着いているところですね。オンとオフの切り替えがきっちりしていて、普段は余分なことをまったくしないんですよ。
馬房でも調教でも大人しいですし、おそらく新人の厩務員さんでも扱えるくらいの大人しさです。
赤見:姫山菊花賞はJBC指定競走ですが、この後の予定というのは?
橋本:オーナーと相談してから決めますが、大目標は園田金盃と考えていますので、おそらくこのままぶっつけで挑むことになるのではないかと考えています。
赤見:1番人気はジンギでしたが、2頭の力関係というのはいかがでしょうか?
橋本:ジンギも随分成長して力を付けて来てくれましたね。ただ現状ではエイシンニシパや、新子厩舎のタガノゴールドといった、これまで園田を引っ張って来た一線級に比べると、まだこれからだなというのが正直な思いです。
赤見:ジンギはこれからさらに成長が期待出来そうですね。普段はどんな性格ですか?
橋本:これがまたエイシンニシパとは正反対で、かなりやんちゃなんですよ(苦笑)。
最初に来た頃は3人がかりで扱ってもうるさくて、モノになるだろうかと心配したくらいです。
赤見:どんなことをするんですか?
橋本:例えば、自分の馬屋から外に出る時はいきなりキャンターで走り出す、運動場で立ち上がったらそのまま降りてこない...
赤見:立ち上がって前脚を下ろさないとは...。すごい図ですが、腰や後ろ脚が相当強そうですね。
橋本:そうですね(笑)。最近はだいぶ大人しくなって来ましたけど、馬場入り前に乗り替わろうとすると立ち上がるので、追い切り以外は担当厩務員が毎日調教しています。
あと以前はゲート入りに手こずって、だいぶエキサイトしてしまっていたのですが、覆面をしてゲート入りするようになり、ゲートの中で落ち着いていられるようになりました。
これはかなり大きな効果だと思っています。
赤見:ジンギの今後のご予定は?
橋本:オーナーと相談して決めますが、名古屋の東海菊花賞を視野にと考えています。
赤見:初めての遠征競馬ですが、やんちゃなジンギは大丈夫でしょうか?
橋本:そこは心配していません。うちの厩舎は園田ではなく西脇トレセンなので、普段から輸送競馬をしていますし、姫路に行った時も問題ありませんでしたから。
高い能力のある馬なので、このまま順調に成長させてあげられるよう頑張ります。
8月の若鮎賞から、ビギナーズカップ、青藍賞、ジュニアグランプリと重賞4勝!絶好調の菅原勲調教師にインタビューしました。
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【デビュー2戦目の若鮎賞で差し切り勝ちしたマツリダスティール】
赤見:まずはマツリダスティールですが、若鮎賞、ジュニアグランプリと芝重賞を連勝しましたね。
菅原:すごいなというか、思っていた以上に走るんでちょっと驚きました。
最初はここまで走ると思わなかったんですけど、調教を進めるうちにどんどん変わって来て。
気性が前向きになっていったし、体も芯が入って来ましたね。
赤見:2戦目の若鮎賞が衝撃的な勝ち方でした。スタートで出遅れて、外々を回っても差し切るという。
菅原:普通じゃ負けますよね。2歳の2戦目であんな競馬が出来るのは本当にすごいですよ。
普段は割と大人しいんですけど、2戦目3戦目とゲートの中が悪くなる要素があるので、そこだけ心配しています。
でもジュニアグランプリも遠征馬相手に強いレースでしたし、あのレースを見て改めて強いなと感じました。今後はまだはっきり決めてないですが、地元の認定競走や、JRAで遠征出来るレースを視野に考えてます。
芝をメインに、ダートも走らないわけじゃないから、様子見しながら使っていこうと思っています。ダートはもう1頭走る馬もいるんでね、どう使っていくかというのは悩みどころですね。
赤見:ビギナーズカップを勝ったリュウノシンゲンですね。
菅原:この馬も走りますよ。性格がとにかく真面目。
レースでも癖がないし、砂を被っても嫌がる様子もなかったですし、どこからでもレース出来る馬ですね。
今後勝ち抜くようであれば、12月の全日本2歳優駿に行きたいなと思っていますが、まずは地元で勝っていかないと。
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【リュウノシンゲンとマツリダスティールのワンツーだったビギナーズカップ】
赤見:どのくらいの素質を感じていますか?
菅原:2頭とも素質はベンテンコゾウと比べてもそん色ないと思っています。このまま順調に成長してくれれば楽しみですね。
赤見:そして、青藍賞を勝ったヒガシウィルウィンは南部杯に行く予定ということですね。
菅原:岩手でどんなレースするかなと思っていましたが、移籍初戦は7ヵ月ぶりの休み明けということもあってか、なかなかパンプキンズを抜けなかったんですよ。
びっくりしたというか、相当ハラハラして。結果的には勝ってくれましたけど、僕の心臓に良くないレースでした(苦笑)。
ただ1回使って気が入りましたから、前走くらいの走りはこの馬には当然ですよね。それだけの実績のある馬ですから。
2回使ってさらに状態はいいので、この状態で南部杯でどれくらいやれるか楽しみです。
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【岩手移籍後2連勝のヒガシウィルウィン】
赤見:さらに、厩舎の看板馬ラブバレットも放牧から帰って来たそうですね。
菅原:はい。9歳の分、以前と比べると筋肉が落ちているというか、ハリがいい頃よりもちょっと足りないかなとは思います。どのレースから使うかは様子見しているところです。
2歳の時からずっと頑張ってくれて、性格がとても真っ直ぐな馬。真面目に頑張るところは変わらないですね。
僕にとって特別な馬なので、なんとかもうひと花咲かせたいなと思っています。
赤見:もう1頭、移籍後3連勝中のラストダンスについてはいかがですか?
菅原:この馬もびっくりするくらい走りますよ。これまでは体が弱くて走れなかったんだと思います。
まだ今も弱いところがあるので、もう少し体が出来て丈夫になれば、上のクラスでも戦えると思いますね。
赤見:弱いというのは体質がということですか?
菅原:そうです。全体的にですね。腰もそうだし、後ろも弱いし、前の出も硬い。調教ではぎこちない走りなんですけど、レースだと気が入っていい走りになるんです。
すごくいい素質があるので、成長を促しながらゆっくり使っていく予定です。
赤見:注目馬目白押しですね!
菅原:もう大変なことになってますよ。みんな心配で気が休まる時間がないです。
こういう馬たちがいると厩舎も勢いづくし、厩務員さんたちも張り切って、それが馬にも伝わってという、今すごくいい循環です。
ファンの皆さまには、いつも応援していただいてとても感謝しています。
皆さんの期待に応えられるよう、馬券で貢献出来るよう頑張りますので、岩手競馬に注目していただけたら嬉しいです。
宜しくお願い致します。