11日(水)、浦和競馬場にて第98期騎手候補生の修了記者会見が行われました。
志望者数が減り、年1期制となっていた地方競馬教養センター騎手過程ですが、人材確保のために12年ぶりに秋の期を復活。
その復活第一号が98期となります。
同日には無事に免許試験の合格も発表され、晴れて10月から騎手となることが正式に決まった4人。
一人一人の詳細なプロフィールをご紹介していきます。
【岩手所属 関本玲花(せきもとれいか)】
岩手県奥州市出身
関本浩司厩舎
身長152.4cmで小柄なため、なかなか筋力がつかずに入所試験は2度落ちてしまったそう。
中学校を卒業してからは飲食店でアルバイトをしながら試験に備え、「3度目でダメだったら諦めるしかないと思っていた」そうですが、見事合格!
担当教官のお話では、
「努力して体力もつけてきましたし、ここに来て技術がかなり伸びました。根性があるので実戦に行っていいタイプだと思います」ということです。
お父様の厩舎に所属ということで、
「家では普通の親子ですが、競馬場へ行ったら師弟だという自覚を持たないといけないと思っています」と関本さん。
勝負服はお父さんの柄を継いで色違いということです。
「目標とする騎手は木之前葵さんです。競馬場実習は冬場だったので、その間笠松で乗せてもらったんですけど、その時にお会いすることが出来て嬉しかったです。
岩手はもちろんですけど、お世話になった笠松でも乗ってみたいですし、レディースのレースで勝ちたいです!」と笑顔で語ってくれました。
【浦和所属 中島良美(なかしまよしみ)】
大阪府吹田市出身
平山真希厩舎
騎手を目指したきっかけは、「15歳上の姉が競馬好きで、子供の頃に阪神競馬場に連れて行ってもらい、騎手を見てカッコいいなと思いました」。
高校2年生までは大阪の普通高校に通っていたそうですが、高校3年生の時に一念発起。
千葉県成田市にある馬の専門学校インターアクションホースマンスクールに編入しました。
平山真希現調教師以来の、南関東での女性騎手誕生となります。
「平山先生は馬乗りに関してはとても厳しいですが、命が懸かっていることなので当然だと思っています」と中島さん。
南関東でも女性騎手の2キロ減が適用になりましたから、活躍が楽しみです。
担当教官のお話では、
「競馬場実習へ行ってとても成長しましたね。
1期下にも浦和所属の女性候補生がいるので、いい意味でライバル関係が出来るんじゃないでしょうか」
ということです。
ちなみに1期下、99期には浦和と笠松、2人の女性候補生が現在競馬場実習中。
さらに、今年4月入所の101期にも2人の女性候補生がいるそうですよ!
【名古屋 浅野皓大(あさのこうだい)】
岐阜県羽島市出身
今津博之厩舎
浅野くんは期の中で盛り上げ役、まとめ役の中心人物だったそう。
「一番年上というわけではないんですけど、妹がいるからですかね。周りに気を配るのは好きです」とお兄ちゃん的発言。
お父さんが競馬好きで、小さい頃から笠松、名古屋、中京といろいろな競馬場へ行っていたそう。
名古屋での競馬場実習中には憧れの武豊騎手に会い、サインをいただいたそうで、
「もうめちゃくちゃ嬉しかったです。いつか一緒のレースに乗りたいですし、地方馬で中央の馬たちに勝ちたいです!」と力強く目標を語ってくれました。
【佐賀 金山昇馬(かなやましょうま)】
東京都練馬区出身
池田忠好厩舎
東京都出身ですが、佐賀は絶賛新人騎手を募集中だったこと、一昨年デビューの出水拓人騎手が活躍していることなどから、佐賀競馬への所属を決めたそうです。
「初めて佐賀に行った時から雰囲気が良かったですし、すぐに馴染むことが出来ました。ホームシックなどもなかったです」。
ここ数年、騎手不足に悩まされていた佐賀でのデビューということで、こちらまで嬉しくなってしまいました。
出水騎手のように、たくさん乗せてもらってたくさん勝ってくれることを楽しみにしています。
金山くんは視力が悪く、センターの試験を受けるためにレーシックの手術を受けたそう。
「60万円もかかってしまったので、活躍して親孝行したいです」という言葉にはこちらがウルウル...
名前に馬がつくのでご両親が競馬好きかと思いきや、
「親子三代午年なので、馬という字をつけたかったみたいです。昇る馬なので、名前の通り昇って行きたいです!」
ということでした。
10月から各地でデビューする98期生の4名、これから宜しくお願い致します。
修了供覧は角馬場でのカドリールからスタート。
昨年引退し、春から教官となった江川信幸元騎手も、教官として馬場の中から生徒たちを見守ります。
音楽に合わせた演技と、耳目社の大川充夫アナウンサーが生徒たちのメッセージを代読し、厳粛でしんみりとした雰囲気に。
10名息の合ったカドリールを披露し、いよいよ最後の訓練はレース形式で行われます。
第1R『職員に感謝特別』
1枠1番サクシード 多田羅誠也(高知)
2枠2番セリトスガッテン 東川慎(笠松)
3枠3番デイジーデイズ 木本直(園田)
4枠4番ヨザクラオシチ 小野楓馬(門別)
5枠5番ヴェリタスフェスタ 濱尚美(高知)
レースは好スタートを切った木本騎手がハナ、最後まで勢い衰えずそのままゴール。
2着は濱騎手で、後方からロングスパートで追い上げました。
第2R『馬に感謝特別』
1枠1番テンカイチ 大木天翔(大井)
2枠2番モンデスタン 妹尾将充(高知)
3枠3番タイセイマックス 兼子千央(金沢)
4枠4番ノブレジェンド 福原杏(浦和)
5枠5番ペプチドパール
こちらも好スタートを決めた福原騎手が逃げ切り勝ち。
2着は大木騎手が後方から追い込みました。
これで2年間の訓練がすべて終了。
晴れやかな笑顔で集合写真に納まりました♪
みんな明るくてフレッシュ!
教官も交えてパチリ。
そして、超特急で制服に着替え、スーツケースなど荷物をすべて持って、修了式へ。
塚田理事長から修了証書を授与されました。
皆勤賞は塚本くんと多田羅くんの2名。
2年間一日も休まず、怪我もなく、すべての訓練と授業をこなしたというのは立派です。
無事に修了式を終え、全国の競馬場へ帰って行った97期たち。
4月から順次デビューしていくのが楽しみだし、それぞれの初勝利や、ヤングジョッキーズシリーズでの活躍も楽しみです!
10名の97期騎手候補生のご紹介、part2です。
大井競馬場
三坂盛雄厩舎所属
大木天翔(おおきかける)騎手
千葉県市川市出身
「勝負服は、赤は縁起がいい色なのと、自分の腕で白星を重ねるために、腕に星を入れました。
目標は、御神本訓史騎手と西啓太騎手です。
1年目でしっかり乗鞍を増やし、勝ち星を増やせるよう頑張ります。よろしくお願いします」
園田競馬場
保利良平厩舎所属
木本直(きもとなお)騎手
兵庫県西宮市出身
「勝負服は、先生の父親である保利良次先生のデザインをいただきました。
特技はピアノで、目標としている騎手は永島太郎騎手と杉浦健太騎手です。
与えられた仕事をきっちりとこなせるジョッキーになりたいです!」
高知競馬場
宮川浩一厩舎所属
妹尾将充(せのおまさちか)騎手 同じく高知の妹尾浩一朗騎手とは血縁関係はありません。
広島県廿日市市出身
「勝負服は、もともとタスキ柄にしたかったので、厩舎カラーの紫を使ってデザインしました。
今年の目標はヤングジョッキーズシリーズのファイナルラウンドで勝つことで、最終目標は2000勝ジョッキーになることです!」
妹尾将充騎手の師匠、宮川浩一調教師。
わたしにとってはセンター時代の1期後輩であり、厳しい時期を一緒に過ごした仲間です。
「調教師として弟子の修了式に来るというのは、感慨深いものがありますね。
競馬場実習に来た時にはまだまだな部分も多かったですが、たくさんの関係者の方に乗せていただきましたし、教えたことをすぐに吸収してだいぶ上達しました。
性格も明るいので、このまま素直に育って、みんなに可愛がってもらえるような騎手になって欲しいです。
将充の勝負服に合わせたメンコも作ってあるんです。紫に白で桜吹雪が入っているデザインで。
デビューが本当に楽しみですね」
しっかり師匠していました!
そんな宮川調教師の姿を見て...わたしも勝手に感慨深かったです。
さて、高知は現在売り上げ絶好調。
廃止の危機に合ったことが幻かというくらい、本当に好調で、賞金諸手当もかなり上がっているのです。
そのことについて伺うと、
「実感はありますね。本当にいい流れに乗れて、たくさんの方々に支えていただいて感謝しています。
きっかけはナイターを始めたことなどいくつかあると思いますが、一発逆転ファイナルレースなど、レースが面白いと言ってもらえるのが一番嬉しいです。
これからもファンの皆さんが楽しんで馬券を買えるよう、一生懸命頑張りますので、高知をよろしくお願いします」
いい流れの高知に、今回一気に3名の新人騎手がデビュー。
新しい風を吹かせてくれそうですね。
高知競馬場
工藤真司厩舎
多田羅誠也(たたらせいや)騎手
大阪府高槻市出身
「勝負服を選んだ理由は、柄は厩舎で統一なので赤岡さんと同じ柄で、色はシンプルでわかりやすものを選びました。
目標は赤岡修次騎手です。兄弟子として近くにいる存在で、偉大な記録も持っているので尊敬しています」
高知競馬場
那我性哲也厩舎
濱尚美(はまなおみ)騎手
広島県廿日市市出身
「勝負服は、自分が体験入所した時に、95期の修了供覧で渡邊竜也さんが着ていたV字がカッコいいと思って、一目ぼれして自分もその柄にしたいと思いました。
赤は自分のイメージカラーと、地元カープの色、黒は一見地味に見えるんですけど、自分の色も引き立てつつ他の色も引き立てるので、自分もそんな騎手になりたいと思い選びました。
目標は、年間500鞍騎乗することです!
若者らしく頑張っていくので、応援よろしくお願いします」
地方競馬全体では、鈴木麻優元騎手以来5年ぶりの女性騎手誕生。
高知では別府真衣騎手、森井美香元騎手(現目迫美香さん)以来、約14年ぶりの女性騎手デビューです。
勝負服の柄や色の意味をここまでしっかりと伝えた新人が過去にいたかな?というくらい、柄にも色にも強いこだわりがあるんだなと。
そして、目標が勝ち星ではなく乗鞍数というのも新鮮でした。
ぜひ頑張って欲しいです!!
27日(水)に、栃木県那須塩原にある地方競馬教養センターにて、
第97期騎手候補生修了式が行われました。
毎年見に行っている修了式ですが、毎年本当に感動するし、とても新鮮な気持ちになります。
97期は12名入所して、2年間の厳しい訓練に耐え、10名が騎手免許試験に合格し、修了の運びとなりました。
それでは初々しい新人騎手をご紹介していきます。
其の壱ではまず5名から。
門別競馬場
小野望厩舎所属
小野楓馬(おのふうま)騎手 ちなみに、小野先生とは親戚関係はまったくないそうです。
北海道日高郡出身
馬産地である静内出身の上、ご両親ともに牧場に務めているそうで、静内農業高校の馬術部出身。
「勝負服は、地元で有名な静内二十間道路の桜にちなんでピンクを選び、他にいない形を選びました。
一つ一つ積み重ねて、技術を身に付けて、今年30勝するのが目標です」
水沢競馬場
酒井仁厩舎所属
塚本涼人(つかもとりょうと)騎手 兄2人も騎手(金沢・塚本隆弘騎手、高知・塚本雄大騎手)
静岡県島田市出身
「騎手の兄たちが活躍している姿を見て、カッコいいなと思って騎手を志しました。
勝負服は黄色が好きなので、主に黄色を使いました。兄たちと同じ黄色になったのはたまたまです。
今年の目標は50勝することです!」
岩手での活躍はもちろん、兄弟3人でのレースも楽しみですね。
浦和競馬場
水野貴史厩舎所属
福原杏(ふくはらまい)騎手
東京都江戸川区出身
97期には女性騎手がいる、という話から、よく福原杏くんが間違えられていたそうですが、男性騎手です!
「名前の由来は聞いてないんですけど、よく女性に間違えられて、今まであまり自分の名前が好きではなかったのです。でも今は逆に注目していただけて、とても好きになりました。
今年の目標は、自厩舎で5勝することです!」
インタビュー後、お母さまに「名前の由来めちゃくちゃ聞かれるから!」と言って笑っていました。
杏と書いて"まい"くん。
珍しい名前で、インパクト大ですね!
笠松競馬場
後藤正義厩舎所属
東川慎(ひがしかわしん)
岐阜県羽島郡出身
「勝負服は父と同じダイヤ柄にしました。目標は渡邊(竜也)さんの1年目の記録を抜くことです!
父に憧れて騎手を目指しました。いつかは父の記録も抜きたいですが...30年騎手やって、2700勝出来ているのか。
実は最初はあんまり父のすごさがわかっていなかったんですけど、今はすごく実感しています。
一緒のレースに乗って勝ちたいです!」
お父さんである東川公則騎手。
普段の競馬の時とは違い、完全に父親の表情をしているのが微笑ましかったです。
「2年前の入所の時にも車で送って来たんですけど、あっという間の2年間でしたね。
背が高くて体重もギリギリだったので、よく頑張ったなと。感慨深いですね。
6人兄弟の5番目で、騎手になったのは一人だけなので、一緒にレースに乗ることを楽しみにしていたんです。
でも今は嬉しい気持ちと不安と、半々という感じで。
親ばかじゃないですけど、応援したい気持ちが強いです。
みんなに可愛がってもらえる騎手になって欲しいですね」
親子対決、どんなレースを見せてくれるか楽しみです。
金沢競馬場
中川雅之厩舎所属
兼子千央(かねこちひろ)騎手
大阪府大阪市出身
「金沢を選んだのは、何年も新人がデビューしていないのと、騎乗チャンスをいただけることが多いと聞いて選びました。
実習で初めて行きましたが、場所もすごくいいですし、人も温かくてとてもいい環境です。
勝負服は金沢ではV字がいないので、自分の好きな赤と黒でデザインしました。
目標は今年50勝することです!」
おなじ"ちひろ"なので、どんな子かなと楽しみにしていました。
とても実直そうで、18歳とは思えない落ち着きぶり。
名ジョッキーだった中川先生のもとで、大きく羽ばたいて欲しいです!
がんばれ、ちひろくん!!
最優秀勝利回数調教師賞
打越勇児調教師
「2012年の開業で7年目でこのタイトルを獲ることができ、感無量です。
雑賀(正光)先生を必死に追いかけてここまで来たので、今回雑賀先生を抜いてここに来られたことが嬉しいです。
父(打越初男元調教師)からの教えというのは、直接あまり話すことはなかったのですが、馬の扱いを人間本位にしてはいけない、馬のことを考えろということを教わりました。
スタッフ、馬を大事にするよう言われてきて、そこは意識しています。
(父の墓前に)リーディング獲れたよみたいなことは報告したと思います。
開業した時には高知競馬の景気が良くなくて、とにかく馬集めに苦労しました。
スタッフとの意思の疎通を大事にして、馬の状態を良く話し合いながらここまで来ました。
今年も去年に近づけるよう、またリーディングが獲れるよう頑張ります。
あと地元の黒船賞を獲りたいですし、他場での重賞も勝ちたいです」
最優秀勝率調教師賞
川西毅調教師
「3年連続6回目の受賞ということでありがたいのですが、去年は重賞を一つも勝てなかったので、これでいいのかなという想いがあります。
重賞にはこだわりがあるので、とても心残りですね。
一つも重賞が勝てず、もう一生勝てないんじゃないかと思った時もありましたが、慌てても仕方ないですし、生き物が相手ですから僕の都合のいいようにはいかないですね。
それに、出走回数も上がっていないんですよ。
勝率は30%くらいならいいかなと思っているのですが、なんせ出走回数が少ないですから、そこはもっと上げていきたいです。
何年も前から収得賞金1億円を目指していて、名古屋でも届かない数字ではないと考えているのですが、なかなか難しくて。
出走回数500走で勝率30%なら、目標達成が見えてくると思うので、今年はそこを目指して頑張ります。
いつもお正月開催はあまり成績が良くないのですが、今年はなぜかいいので(笑)。
この流れを消さないようにいきたいです。
収得賞金1億円、勝ち星は150勝以上、そして大きいところを勝ちたいです。
勝率は後からついてくるものだと思っています」
最優秀勝率騎手賞
山口勲騎手
「6年連続でこの賞をいただけて嬉しいです。
とにかく一つ一つのレースを大事に乗ること、終わった結果がこの数字という感覚です。
多く勝つ秘訣ですか?それは速い馬に乗せてもらうだけです(笑)
もうすぐ4500勝が見えてきましたが、1つ1つが通過点なので。
数字というよりも、また他場で重賞を勝ったり、味のあるレースをしていきたいです。
それで1年終わった時、7年連続勝率トップだったら嬉しいですね。
勝率自体にはそんなにこだわりはないんです(笑)」