馬場に登場した候補生たちが、最初に行ったのはカドリール。
カドリールとは集団で行う供覧馬術で、普通は乗馬の鞍、姿勢で行います。
しかし、このあと模擬レースがあるということで、センターの修了式では競走姿勢でカドリールを行うのです。
競走姿勢で、馬たちを細かく(輪乗りしたり、交互に進んだり)動かすのはとても大変なことです。
2年間の厳しい訓練を経たからこそできるもの。
この見事な演技に、ご両親やご家族、所属調教師たちも大きな拍手を送りました。
続いては、いよいよ模擬レース。
1枠1番 テイクザクラウン
木村直輝くん(水沢)
2枠2番 マルブツクラウン
保園翔也くん(浦和)
3枠3番 ダノングラッド
塚本雄大くん(高知)
4枠4番 シツジツゴウケン
岡村健司くん(船橋)
5枠5番 コングラチュレート
鈴木祐くん(盛岡)
6枠6番 サトノエンデバー
中越琉世くん(川崎)
7枠7番 カイウンダンディー
加藤聡一くん(名古屋)
候補生たちの顔写真&勝負服姿はこちら↓をご覧下さい。
94期騎手候補生修了式~候補生紹介
ゲートが開くと各馬キレイなスタートを決め、先行争いへ。
内枠を利用して、2番マルブツクラウン&保園くん(浦和)が先手を奪うと...
そのまま独走態勢に入り、ゴール前では影をも踏ませない圧勝で1着となりました!
初めて勝負服を身にまとって戦った候補生たち。
レース後は、みんな晴れやかな表情をしていました☆
続いては、いよいよ最後の行事、制服に着替えて修了式です。
一人一人に修了証書が手渡され、加藤くん(名古屋)が答辞の挨拶で号泣する姿を見て...わたしもウルウルしてしまいました。
この修了式をもって、教養センターでの2年間の候補生生活、すべてを終えました。
地方競馬参与として、毎月2度ほどセンターに訪れ候補生たちを指導している桑島孝春さんは、
「ここの期はけっこうやる気になってました。20代の子も何人かいたので、上の子に引っ張られてみんな真面目にがんばってました。先生方もよく教えていたし、上手くなりましたね。
去年の子もほうぼうで勝っているけど、この期もいいと思いますよ。
まあ実際にデビューしてみないとホントのところはわからないんでね。
毎年NRAグランプリの新人賞、プロスポーツ大賞新人賞を獲る子が出てますので、この期にもがんばって欲しいです」
先月29日、栃木県那須塩原にある地方競馬教養センターにて、第94期騎手候補生の修了式が行われました!
2年間の厳しい訓練を終え、今年は7人が無事に騎手免許試験に合格。
晴れて修了式を迎えました。
修了式の前には、最後の訓練である、カドリールと模擬レースが行われました。
模擬レースの枠番順に、候補生たちをご紹介します。
1枠1番
木村直輝くん 水沢・関本浩司厩舎所属
「勝負服は、赤に青の山形一文字にしました。勝負の赤と、青は勝負で冷静さを保つために入れました。
騎手を目指したきっかけは、母に船橋競馬場に連れて行ってもらって、レースに乗る騎手を見てカッコいいなと思ったからです。
ここでの2年間は、いいこともあったけど辛いことの方が多かったです。
競馬場実習では、ここでは教官に指示された通りに乗るんですけど、競馬場ではある程度自分で考えて調教するので、馬の気持ちをよく考えるようになりました。
今後の目標は、1年目で岩手で50勝以上して、小林凌先輩に負けないようにがんばりたいです!活躍できるジョッキーになり、たくさんの方に乗せてもらえるようになりたいです」
2枠2番
保園翔也くん 浦和・山越光厩舎所属
「勝負服の由来は、自厩舎の厩務員さんが騎手時代に着ていた勝負服の、紫と黄色をいただいて、そこに星と一本輪という自分が好きなデザインを入れました。
騎手を目指したきっかけは、たまたま高校生の時にテレビで競馬を見て、そこから毎週競馬を見るようになりました。
オルフェーヴルの1回目の凱旋門賞の時のスミヨン騎手の姿を見て、日本中の夢と期待を背負っている姿を見て、騎手っていうのはカッコいいなと思い、自分も多くの人の夢を乗せて走りたいなと思いました。
何の経験もなしにセンターに入ったので、馬の乗り方も手入れの仕方もまったくわからなかったんですけど、やってみると辛いことよりも楽しくできました。
身長は165cmありますが、体重管理は全然大丈夫です。
目標は、見澤譲治騎手や繁田健一騎手のように、浦和競馬のエースと呼ばれる存在になりたいです。」
3枠3番
塚本雄大くん 高知・雑賀正光厩舎所属
「勝負服は、兄弟子の永森大智騎手、岡村卓弥騎手、松木大地騎手のデザインを継ぎました。
色は兄(船橋・塚本弘隆騎手)と同じ、目立つ黄色を入れました。
騎手を目指したきっかけは、小さい頃から背が小さかったので、それを活かす仕事に就きたいと思っていました。
それに、兄の影響もあります。
センターでの2年間はすごくためになる時間で、これから活かしていきたいです。
とてもいい厩舎に所属することができたので、先生に恩返しできるようがんばります。
目標は、高知で愛される、認められる騎手になることです。
具体的には1日1勝を目指します!」
4枠4番
岡村健司くん 船橋・椎名廣明厩舎所属
「勝負服の由来は、形は椎名先生の騎手時代の形をいただき、色は椎名先生の奥さんの(旧姓・稲川)由紀子さんの赤をいただきました。
騎手を目指したきっかけは、父親の会社の近くに乗馬クラブがあって、そこで小学校6年生から乗馬をしていたんですけど、競馬にも興味がわいて志すようになりました。
地元は長野なんですけど、そこの乗馬クラブが成田の乗馬クラブを紹介してくれて、そこに通っていた椎名先生の奥さんとのご縁で所属することになりました。
先生も奥さんも2人とも元騎手なので、自分の思っていることを素直に伝えられるし、わからないことはすぐに聞けるので恵まれた環境だなと思ってます。
ここでの2年間は、辛いということよりも毎日馬に乗れて楽しかったです。ここを出られて嬉しいというよりは、正直2年間だけでは物足りないというか、もっと勉強したいなと思います。技術も全然足りないと思うので、これからも努力していきます。
目標は新人賞を獲って、ゆくゆくは南関東で必要とされる人材になることです!」
5枠5番
鈴木祐くん 盛岡・櫻田康二厩舎所属
「勝負服は、岩手にない柄にしたくて元禄の模様にしました。色は厩舎カラーが青で、自分も好きな色なので青と白を組み合わせました。
騎手を目指したきっかけは、小学校6年の時にテレビで馬が走っているのを見て、すごくカッコ良く見えて騎手を目指しました。その時見たのはドリームジャーニーが勝った朝日杯です。
最後方から一気に差して来て、すごくカッコ良かったです。
競馬にはまったく関係ない家庭に育ったんですけど、身長小さいし動物が好きだし、「そういう仕事はどう?」って親に言われていたので、それで競馬の中継を見たんです。
センターは厳しいのはわかってましたけど、それ以上に厳しくて辞めたい時もありました。
でもやっぱり騎手になりたいっていう気持ちが強かったのと、実は一回辞めるって言ったんですけど、教官が「お前ならやれる」って信じてくれたので続けることができました。
目標は、去年デビューした小林凌さんに負けないということです。」
6枠6番
中越琉世くん 川崎・武井和実厩舎所属
「騎手を目指したきっかけは、もちろん父を見てです。
勝負服は、父のデザインを受け継ぎました。父には自分から「受け継ぎたい」と言いました。
重みがありますけど、そこを超えるためにがんばります。
競馬の世界に入ってみて、厩舎の人間関係など難しい面もありますが、しっかりとプロ意識を持って接していきたいです。
センターの2年は長いようで短かったです。
4月1日にデビューが決まっているので、初勝利を目指します。
目標は、高知でリーディングジョッキーとして活躍していた父を超えることです。」
7枠7番
加藤聡一くん 名古屋・川西毅厩舎所属
「勝負服の由来は、強そうでインパクトのある赤を使って、タスキは厩舎のカラーを使いました。
馬主さんや厩舎の方々、ファンの皆さんの想いを背負って、自分が最後のタスキを繋ぐという意味合いを込めて、タスキにしました。
騎手を目指したきっかけは、父が昔目指していて、それに影響されて僕も目指すようになりました。
競馬場実習に行ってみて、実際に競馬場で生活してみると、やっぱりここでの生活は甘いんだなと感じました。
現場は求められることが本当にシビアだし、仕事として馬に接するので、仕事に対する意識と馬に関する知識をもっと深めていかないとなと思いました。
川西先生は厳しいですけど、調教の時も細かいところまで見てくれるし、育ててくれるので、先生のためにも早く認められて一人前の騎手になりたいです。
デビューしてからの目標は、初騎乗初勝利と、年間に80勝を達成することです。
80勝が名古屋の減量解除の数字なので、具体的な数字を上げて目標に向かってがんばります!」
ちょっと更新が遅くなりましたが、15日の高知の模様をお伝えします。
黒船賞はこちら↓にレポートしていますので、
黒船賞はダノンレジェンドが連覇!
今回は藤田菜七子騎手についてのレポートです☆
藤田騎手見たさに1レースからものすごい人が来場しました。
入場者数は前年比167%増の2660人。
売店の売れ行きもものすごく、黒船賞前には完売しているお店もありました。
菜七子効果、おそるべしです!
初勝利か?と注目された3レース。
メトロノースに騎乗して逃げましたが、3コーナー辺りで手応えが怪しくなって3着に。
勝ったのは大先輩の別府真衣騎手でした!さすがまいーごです☆
レース後の会見で、別府騎手は
「菜七子ちゃん、ごめん!と思いながら差し切ってました(笑)。みんなに怒られたけど、そこは勝負なので。
今日一日を通して、菜七子ちゃんが成長しているところが見られてすごいなと思いました。1レースごとに上手くなっているし、最後の2レースは高知のレースに慣れて流れに乗っていました。
ファンの方もものすごかったですね。1レースからこんなに人がいることがないので人間が物見しちゃいました(笑)
また菜七子ちゃんにはぜひ高知に来て欲しいですし、別の場所でもまた一緒に乗りたいです」
そして、藤田騎手は
「別府騎手にいろいろ教えてもらいたいと思って高知に来て、その通りいろいろ教えてもらいましたし、これからもまた教えて欲しいです。
別府騎手は本当にベテランの技というか、フォームもキレイだし追い方もキレイだし、すごい方だと思います。
初勝利が出来なかったのは悔しいですが、JRAとはまた違ったコース形態の高知で競馬をさせてもらったことは、とても勉強になりました。
プレッシャーもありますが、それを力に変えてがんばります!」
そして、温かい眼差しで見守っていた根本調教師は
「まずは、別府騎手はじめ高知競馬の皆さん、応援してくれたたくさんの方々に感謝しています。
レースを見ていると、小回りの高知にも上手に対応していたので、対応能力は凄いのかなと思いました。
あとは勝負所でもう少しガツンと行ければいいと思うので、その辺りはもっと経験を積んで学んでほしいです」
3レースのメトロノース、そして12レースも騎乗依頼をした別府真司調教師は
「高知で初勝利させてあげたかったです。
やっぱりJRAのレースとは違いますから、高知ではスタートしてもう少し気合を付けて逃げた方がリズムに乗れるんですよ。
でもその辺りも経験して、今後に活きてくれればと思います。
うちの娘のデビューの頃より落ち着いて乗れていますよ。
高知競馬も盛り上がったし、またぜひ遠征に来てほしいですね」
そして、高知の帝王・赤岡修次騎手は
「新人の子にしたらきっちり乗れてますよ。違和感はないですね。
ただ、やっぱり勝負となると普段乗り慣れていない小回りなので、最初のゲートを出して行くという対応が難しかったと思います。
慣れてくれば、すぐに対応できるようになると思いますね。
1レースからすごい人が来てくれて、こんなに来るんやって驚きました。
効果は絶大ですね。
初勝利してくれたら一番よかったですけど、高知を盛り上げてくれてとても感謝しています。
また一緒に乗りたいです」
ということで、初勝利はお預けとなりましたが、高知競馬を大いに盛り上げてくれた藤田菜七子騎手。
今週末は初の重賞騎乗も控えていますので、これからもぜひがんばって欲しいです!!
本日高知競馬場で行われた『黒船賞』。
1番人気に支持されたダノンレジェンドが、人気に応えて強いレースを見せてくれました!
ミルコ・デムーロ騎手
「今日はすべてにおいてすごく良かったです!
パドックも、馬の体も、返し馬もスタートも良かった。
今日は58キロだったけれど、全然問題なかったです。
4コーナーで早めにドリームバレンチノが動いて来たけれど、手応えに余裕がありました。
すごく頑張ってくれましたね。
1400mはどうかなと不安に思ったけれど、全然大丈夫でした。
これからも1200mから1400mで活躍してくれると思います。
僕自身にとっては、かなり久しぶりの高知でした(2000年以来)。
前回は2着に負けたけど、今日勝てて嬉しいです。
いいコースだし、またぜひ来たいです!」
村山明調教師
「今回は休み明けでしたし、輸送もあったので追い切りが軽めだったんですけど、スタッフを信頼して任せていました。
58キロの斤量や輸送などの不安要素をクリアして、強いレースをしてくれましたね。
レースはミルコに任せていました。
彼が一番この馬のことをよくわかっていますから。
4コーナーで早めに来られたけど、よく頑張ってくれましたね。
1400mに関しては、微妙に長いのかなという気持ちもありましたが、JRAでも勝ってるし、去年この舞台で勝っているのでこなしてくれると思っていました。
今後は去年と同じローテーションを進んで行く予定で、次走は4月6日の大井『東京スプリント』の予定です。
今年は川崎で行われるJBCスプリント(1400m)を最大目標にしています」
3月3日、川崎競馬場でJRA16年ぶりの女性騎手、藤田菜七子騎手がデビューしました。
一日の流れはこちら↓のレポートに書いたので、
川崎デビュー(1)
川崎デビュー(2)
このブログではデビュー日を終えた後に行った共同記者会見のコメントをレポートします。
「デビュー日に6鞍も乗せていただいて、とても勉強になりました。乗せてくれたオーナー、調教師、厩務員、関係者の皆さんに心から感謝しています。
最初のレースはとても緊張しました。パドックで整列した時が一番緊張したんですけど、馬に跨ったら自然と緊張しなくなりました。
他のジョッキーからも『緊張しないで』と優しく声を掛けていただいて、とても有難かったです。
初戦はゲートインを2度することになったんですけど、一度目はけっこう緊張してしまって。『いよいよだ!』と思っていたら後ろから出されてしまったんですけど、二度目はまったく緊張しないでゲートインすることができました。
レースは自分が思っていたような位置が取れなくて、少し後方からになってしまいました。
模擬レースとは違ってプロとして挑む初めてのレースで、やはりいろいろなことを考えながら乗っていました。
このデビュー戦のために浦和の工藤伸輔調教師が特注のメンコを作ってくれると聞いて、とても楽しみにしていました。
『菜七子』と名前入りでとても可愛らしいメンコを作ってくれて、本当に嬉しかったです。
レース後はいただけることになりました。
2戦目は4着だったんですけど、河津先生からの指示は『馬なりで、馬に任せて』ということでした。
馬の行くなりにスムーズに進めたんですけど、追い出す時に前が詰まったり、人間が焦ってしまって最後届きませんでした。
ただ、勝てなかったものの差して来られたので、少し自信になりました。
3戦目は2着で、直線は『これは勝てる!』と正直思いました。
ゴールに入った時はまだわからなかったんですけど、『勝っていればいいな』と思いながら戻って来て。
(2着争いをした的場文男騎手が、「あの子、7000勝できるよ」と言っていたが)
とても有難いお言葉をいただきました。
12レースは3着だったんですけど、前目に付けたいと考えていました。
2番手から進んで、3コーナーから外の馬が動いて来たので『来るの早いな』と思ってちょっと焦りました。
4コーナーで手応えが良かったので勝てたと思ったんですけど。
勝てなかったのは悔しいですが、たくさんのいい馬に乗せていただき本当に感謝しています。
(初めて手にした賞金の使い道は?)
馬具を買ったり、両親と一緒にご飯を食べに行きたいです。
今日は両親と弟が応援に来てくれて、すごく励みになりました。
小学校6年生の時から騎手を目指して以来、この日が待ち遠しかったです。
レースに乗ることができて感激しています。
今日は自分が思っていたようなレースができなかったので、点数を付けるとしたら30点くらいですね。
レースとレースの間も何をしていいのかわからずアタフタしてしまったし。
これから100点目指してがんばります。
土曜日からJRAでデビューする予定です。
積極的なレースをして、1つでも上の着順に持って来られるようがんばります。
こんなにたくさんの方々が川崎に来てくれて、応援してくれて本当に嬉しいです。
わたしなんかでいいのかな、という気持ちもありますが、わたしのモットーは1鞍1鞍を大事に、オーナー、調教師や関係者のみなさんに感謝の気持ちを忘れないことなので、その気持ちを大事に精いっぱいがんばります。
師匠の根本康広調教師と。
まだまだ先の話で、今日デビューしたわたしが言うのもなんですが...
いずれは日本にもたくさんの女性騎手がいて、女性厩務員さんがいて、という風に、女性が増えてくれたら嬉しいです。