平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。元騎手の目線からレースを分析から、現役時代の思い出など、様々な話題を楽しく書き綴ってまいります!
平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。元騎手の目線からレースを分析から、現役時代の思い出など、様々な話題を楽しく書き綴ってまいります!ちょっと更新が遅くなりましたが、15日の高知の模様をお伝えします。
 
黒船賞はこちら↓にレポートしていますので、
 
 黒船賞はダノンレジェンドが連覇!
 
今回は藤田菜七子騎手についてのレポートです☆
 
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藤田騎手見たさに1レースからものすごい人が来場しました。
入場者数は前年比167%増の2660人。 
売店の売れ行きもものすごく、黒船賞前には完売しているお店もありました。
菜七子効果、おそるべしです!
 
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初勝利か?と注目された3レース。
メトロノースに騎乗して逃げましたが、3コーナー辺りで手応えが怪しくなって3着に。
勝ったのは大先輩の別府真衣騎手でした!さすがまいーごです☆
 
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レース後の会見で、別府騎手は
「菜七子ちゃん、ごめん!と思いながら差し切ってました(笑)。みんなに怒られたけど、そこは勝負なので。
今日一日を通して、菜七子ちゃんが成長しているところが見られてすごいなと思いました。1レースごとに上手くなっているし、最後の2レースは高知のレースに慣れて流れに乗っていました。
 
ファンの方もものすごかったですね。1レースからこんなに人がいることがないので人間が物見しちゃいました(笑)
また菜七子ちゃんにはぜひ高知に来て欲しいですし、別の場所でもまた一緒に乗りたいです」
 
そして、藤田騎手は
「別府騎手にいろいろ教えてもらいたいと思って高知に来て、その通りいろいろ教えてもらいましたし、これからもまた教えて欲しいです。
別府騎手は本当にベテランの技というか、フォームもキレイだし追い方もキレイだし、すごい方だと思います。
 
初勝利が出来なかったのは悔しいですが、JRAとはまた違ったコース形態の高知で競馬をさせてもらったことは、とても勉強になりました。
プレッシャーもありますが、それを力に変えてがんばります!」
 
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そして、温かい眼差しで見守っていた根本調教師は
「まずは、別府騎手はじめ高知競馬の皆さん、応援してくれたたくさんの方々に感謝しています。
レースを見ていると、小回りの高知にも上手に対応していたので、対応能力は凄いのかなと思いました。
あとは勝負所でもう少しガツンと行ければいいと思うので、その辺りはもっと経験を積んで学んでほしいです」
 
3レースのメトロノース、そして12レースも騎乗依頼をした別府真司調教師は
 
 
「高知で初勝利させてあげたかったです。
やっぱりJRAのレースとは違いますから、高知ではスタートしてもう少し気合を付けて逃げた方がリズムに乗れるんですよ。
でもその辺りも経験して、今後に活きてくれればと思います。
 
うちの娘のデビューの頃より落ち着いて乗れていますよ。
高知競馬も盛り上がったし、またぜひ遠征に来てほしいですね」
 
 
そして、高知の帝王・赤岡修次騎手は
  
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「新人の子にしたらきっちり乗れてますよ。違和感はないですね。
ただ、やっぱり勝負となると普段乗り慣れていない小回りなので、最初のゲートを出して行くという対応が難しかったと思います。
慣れてくれば、すぐに対応できるようになると思いますね。
 
1レースからすごい人が来てくれて、こんなに来るんやって驚きました。
効果は絶大ですね。
初勝利してくれたら一番よかったですけど、高知を盛り上げてくれてとても感謝しています。
また一緒に乗りたいです」
 
 
ということで、初勝利はお預けとなりましたが、高知競馬を大いに盛り上げてくれた藤田菜七子騎手。
今週末は初の重賞騎乗も控えていますので、これからもぜひがんばって欲しいです!!
 
 
本日高知競馬場で行われた『黒船賞』。
1番人気に支持されたダノンレジェンドが、人気に応えて強いレースを見せてくれました!
 
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ミルコ・デムーロ騎手
「今日はすべてにおいてすごく良かったです!
パドックも、馬の体も、返し馬もスタートも良かった。
今日は58キロだったけれど、全然問題なかったです。
 
4コーナーで早めにドリームバレンチノが動いて来たけれど、手応えに余裕がありました。
すごく頑張ってくれましたね。
 
1400mはどうかなと不安に思ったけれど、全然大丈夫でした。
これからも1200mから1400mで活躍してくれると思います。
 
僕自身にとっては、かなり久しぶりの高知でした(2000年以来)。
前回は2着に負けたけど、今日勝てて嬉しいです。
いいコースだし、またぜひ来たいです!」
 
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村山明調教師
「今回は休み明けでしたし、輸送もあったので追い切りが軽めだったんですけど、スタッフを信頼して任せていました。
58キロの斤量や輸送などの不安要素をクリアして、強いレースをしてくれましたね。
 
レースはミルコに任せていました。
彼が一番この馬のことをよくわかっていますから。
4コーナーで早めに来られたけど、よく頑張ってくれましたね。
 
1400mに関しては、微妙に長いのかなという気持ちもありましたが、JRAでも勝ってるし、去年この舞台で勝っているのでこなしてくれると思っていました。
 
今後は去年と同じローテーションを進んで行く予定で、次走は4月6日の大井『東京スプリント』の予定です。
今年は川崎で行われるJBCスプリント(1400m)を最大目標にしています」
3月3日、川崎競馬場でJRA16年ぶりの女性騎手、藤田菜七子騎手がデビューしました。
一日の流れはこちら↓のレポートに書いたので、
 
  川崎デビュー(1)
  川崎デビュー(2)
 
このブログではデビュー日を終えた後に行った共同記者会見のコメントをレポートします。
 
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「デビュー日に6鞍も乗せていただいて、とても勉強になりました。乗せてくれたオーナー、調教師、厩務員、関係者の皆さんに心から感謝しています。
 
最初のレースはとても緊張しました。パドックで整列した時が一番緊張したんですけど、馬に跨ったら自然と緊張しなくなりました。
他のジョッキーからも『緊張しないで』と優しく声を掛けていただいて、とても有難かったです。
 
初戦はゲートインを2度することになったんですけど、一度目はけっこう緊張してしまって。『いよいよだ!』と思っていたら後ろから出されてしまったんですけど、二度目はまったく緊張しないでゲートインすることができました。
 
レースは自分が思っていたような位置が取れなくて、少し後方からになってしまいました。
模擬レースとは違ってプロとして挑む初めてのレースで、やはりいろいろなことを考えながら乗っていました。
 
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このデビュー戦のために浦和の工藤伸輔調教師が特注のメンコを作ってくれると聞いて、とても楽しみにしていました。
『菜七子』と名前入りでとても可愛らしいメンコを作ってくれて、本当に嬉しかったです。
レース後はいただけることになりました。
 
2戦目は4着だったんですけど、河津先生からの指示は『馬なりで、馬に任せて』ということでした。
馬の行くなりにスムーズに進めたんですけど、追い出す時に前が詰まったり、人間が焦ってしまって最後届きませんでした。
ただ、勝てなかったものの差して来られたので、少し自信になりました。
 
3戦目は2着で、直線は『これは勝てる!』と正直思いました。
ゴールに入った時はまだわからなかったんですけど、『勝っていればいいな』と思いながら戻って来て。
 
(2着争いをした的場文男騎手が、「あの子、7000勝できるよ」と言っていたが)
とても有難いお言葉をいただきました。
 
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12レースは3着だったんですけど、前目に付けたいと考えていました。
2番手から進んで、3コーナーから外の馬が動いて来たので『来るの早いな』と思ってちょっと焦りました。
4コーナーで手応えが良かったので勝てたと思ったんですけど。
 
勝てなかったのは悔しいですが、たくさんのいい馬に乗せていただき本当に感謝しています。
(初めて手にした賞金の使い道は?)
馬具を買ったり、両親と一緒にご飯を食べに行きたいです。
今日は両親と弟が応援に来てくれて、すごく励みになりました。
 
小学校6年生の時から騎手を目指して以来、この日が待ち遠しかったです。
レースに乗ることができて感激しています。
今日は自分が思っていたようなレースができなかったので、点数を付けるとしたら30点くらいですね。
レースとレースの間も何をしていいのかわからずアタフタしてしまったし。
これから100点目指してがんばります。
 
土曜日からJRAでデビューする予定です。
積極的なレースをして、1つでも上の着順に持って来られるようがんばります。
 
こんなにたくさんの方々が川崎に来てくれて、応援してくれて本当に嬉しいです。
わたしなんかでいいのかな、という気持ちもありますが、わたしのモットーは1鞍1鞍を大事に、オーナー、調教師や関係者のみなさんに感謝の気持ちを忘れないことなので、その気持ちを大事に精いっぱいがんばります。
 
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師匠の根本康広調教師と。
  
まだまだ先の話で、今日デビューしたわたしが言うのもなんですが...
いずれは日本にもたくさんの女性騎手がいて、女性厩務員さんがいて、という風に、女性が増えてくれたら嬉しいです。
昨日は東京競馬場で、ダート頂上決戦フェブラリーステークスが行われました。
10冠馬ホッコータルマエは出走していないものの、フェブラリー2連覇中のコパノリッキーや、新興勢力であるノンコノユメ、モーニンなど豪華な顔ぶれが揃いました。
 
レースはJBCスプリントを制したコーリンベリーが引っ張る展開。
前に行きたい馬が多く、激しい先行争いが予想されていましたが、コーリンベリーが好スタートを決めてすんなり先手を奪いました。
 
直線では熾烈な争いが繰り広げられましたが、モーニンが力強く伸びて、初GI制覇。
2着は絶望的な位置から伸びて来たノンコノユメ、3着は7番人気のアスカノロマンががんばりました。
 
1着モーニン
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石坂正調教師
「これまでのモーニンのイメージとは違う競馬をしてくれて、改めてすごい馬だなと思いました。
 
今日はデキも良かったですし、スッと勝つならモーニンかなと思っていたのですが、ものの見事に勝ってくれましたね。
デムーロ騎手とは初コンビだったので、「スタートはちょっと遅いけど心配しないで」と伝えました。
思ったよりも後ろからになりましたが、折り合いもついていたし、直線は本当にいい脚を使ってくれましたね。
 
2歳の春頃に初めて見た時には、大きくていい馬だなと感じましたが、まだ緩くて入厩するのは時間が掛かるかなと思っていました。
能力の高い馬で、デビューしてからはトントン拍子で来てくれましたね。
 
(厩舎の大先輩であるヴァーミリアンと比べて)ヴァーミリアンはとても強い馬でしたが、またタイプが違ってスピードを兼ね備えている馬です。
まだまだ伸びしろがあるので、これからもっと強くなると思います。
 
これまでは短い距離の馬だと思っていたので、こういうレースができるならローテーションを考え直します。選択肢が広がりました」
 
マイルは少し長いのでは?と言われていたモーニンですが、直線の長い東京で圧倒的なレースを見せてくれましたね。
これで距離の幅が広がったということで、今後のローテーションが気になります!
ヴァーミリアンやベストウォーリア、ソリタリーキングといった、ダートグレード戦線で活躍する馬を多数輩出している石坂厩舎。
今後のモーニンの活躍も期待しています!
 
2着ノンコノユメ
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クリストフ・ルメール騎手
「休み明けだったせいか、直線に入ってから追い出した時に、反応するまで時間が掛かってしまいました...。
最後はものすごい脚で伸びて来てくれたんですけど」
 
直線の途中辺りまで、もうダメだ...と思わせる位置に居たノンコノユメ。
そこからの切れ味は素晴らしく、ダートとは思えない伸び脚を見せてくれました。
またGI2着でしたが、まだ4歳。
モーニンと共に新世代としてがんばって欲しいです。
 
3着アスカノロマン
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太宰啓介騎手
「この距離の分、ポジションを取りに行けなかったのですが、それも想定内でした。
直線を向いてからいい脚を使ってくれましたね。
体質が強くなって、輸送しても体が減らなくなりました。まだまだ良くなると思います」
 
4着ベストウォーリア
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戸崎圭太騎手
「久しぶりでしたが、馬の雰囲気はよかったです。
流れには乗れたんですけど、時計の速い決着がどうなのかなと感じました。
それでも最後は来ているし、よくがんばってくれました」
 
6着タガノトネール
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柴田大知騎手
「一瞬オッ!と思いましたし、見せ場は十分作れたかなと思います。
案外ペースが流れなかったので、いい位置で自分のレースができました。
前に乗せてもらった時よりも強くなってますね。マイルも大丈夫です」
 
7着コパノリッキー
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武豊騎手
「残念です。いいレースはできたんですけど、枠が枠だっただけに...。
いいところで折り合えたし、砂を被っても大丈夫でした。最後も伸びているんですけど、伸び負けましたね。
ここ2走より内容はよかったです。」
 
10着ホワイトフーガ
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大野拓弥騎手
「時計が速かったですね。極端に速い時計になってしまいました。
距離的には合っているので折り合いはスムーズだったんですけど...」
【優秀女性騎手賞:木之前葵騎手】
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木之前葵騎手
「初めて受賞できてとても嬉しいです。
1年目は右も左もわからず、先輩たちにいろいろ教えてもらいながら乗っていましたが、2年目は少しわかって来て、多少ですが馬の上で余裕が出て来たかなと思います。
でもまだまだで、怒られて泣きながら乗っていることも多かったです(苦笑)。
 
去年は3年目で、馬に乗るのが本当に楽しくて楽しくて。
調教中は辛いこともありますが、その辛さがあってこそ、勝った時にかけがえのない喜びに感じます。
 
去年はいろいろな経験をさせてもらいましたが、新人王で1勝できて嬉しかったです。
同期の2人がやりあっていたので、しめしめと思っていました。
ポイントで2位だったのは悔しいですが、勝てたことが嬉しかったです。
 
イギリス遠征は、けっこう急で自分でもびっくりしたんですけど、まさか勝てるとは思いませんでした。
時差ボケもあって体調は万全ではなかったのですが、リラックスして馬に乗ることが出来ました。
ここで勝ったことでアブダビにも行けて、本当に貴重な経験になりました。
また機会があれば、ぜひ海外に行ってみたいです。
 
今年の目標は、後悔しないレースをすることです。
相手や人気馬をちゃんと見て、冷静にレースできるようになりたいです」
 
 
【優秀女性騎手賞:別府真衣騎手】
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別府真衣騎手
「7度目の受賞ということで、とても嬉しいです。
2014年は獲ることができなくてとても悔しかったので、また受賞することができて良かったです。
 
去年は自分なりに、自分らしく乗れたかなと思います。
海外に行ってから少しリズムを崩してしまっていて、去年の前半はまだ引きずっていたんですけど、後半になってすごくいい流れになりました。
今年もこの流れに乗ってがんばります。
 
ただ、たくさんいい馬に乗せてもらったのに、まだまだ取りこぼしも多いので、納得いく結果を出しているわけではありません。
もっと力を付けて勝ちたいです。
 
目標は、やはり女性騎手最多勝利の宮下瞳さんです。
意識はしていますが、それよりも目の前の1つ1つを大切にしていきたいです。
敵は自分自身なので。
 
まずはケガなく、1つでも多くかって、去年よりもさらに上を目指します!」
 
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【優秀新人騎手賞:中島龍也騎手】
「本当は昨年獲りたかったんですけど、先輩に獲られてしまったので、2年目も諦めずに「絶対新人賞を獲る!」という気持ちでがんばりました。
 
1年目からいい馬に乗せていただいて、減量もきいていたのでたくさん勝つことができました。
でも減量が減っていって、後半はあまり振るわなくなってしまいました。
2年目は前年を上回るように周りにアピールしながら、その先に繋がって行くように心がけました。
 
2年間あっという間でしたが、振り返ってみるといろいろなことがありましたね。
家族がとても喜んでくれて、ジョッキーになって本当に良かったと思っています。
 
金沢はこれから開幕するので、新しい年がどうなるのかとても楽しみです。
目標はリーディングを獲ることです。
重賞も勝ちたいし、去年以上の成績を挙げたいです。
まずはコツコツ小さいことからクリアして、周りに認めてもらえる騎手になりたいです」