11月14日(木)に名古屋競馬場で行われた東海菊花賞。
1番人気に応えて佐賀のグレイトパールが勝利しました!
今回初めてコンビを組んだ倉富隆一郎騎手にお話を伺いました。
赤見:東海菊花賞制覇、おめでとうございます!
鮫島克也騎手からの乗り替わりで1番人気でもありました。プレッシャーも大きかったのではないでしょうか?
倉富:ありがとうございます。そうですね、プレッシャーはかなりありました。勝ててホッとしましたね。
今回から自分で調教をつけていたのですが、前回までがどういう感じかわからなかったし、
調教ではなんというか、あんまり動じないというか、マイペースなんですよ。
だから本当にこれで大丈夫なのかなっていう不安はありました。
赤見:レースは中団から、最後はいい脚を使って貫禄勝ちでしたね。
倉富:もう前半からずっと追っ付け通しでした。最初っから最後まで追っ付けてましたね。
結果的に勝負所ではしっかりペースアップして強い競馬をしてくれたんですけど、
騎乗している感覚では、上がりの脚を使っている感じがわからなくて...。
というのもトビがものすごく大きいんです。1歩1歩が大きいからスピード感覚が他の馬に乗っている時と全然違っていて。
追い切りでも、先生から「14秒くらいの感覚で乗ったらちょうどいい時計が出るよ」って言われて、そのくらいの感覚で乗ったら上がり12秒台でしたから。
赤見:遠征で重賞を勝つのはグレイトパールにとっては佐賀移籍後初、そして倉富騎手にとっても久しぶりでしたね。
倉富:やっぱり刺激になりますね。僕としても毎朝の調教でいつも以上に気合が入りますし、自厩舎の馬で勝てて嬉しいです。
赤見:鮫島騎手からの乗り替わりというのも大きなプレッシャーですよね。
倉富:そうですね。もうすぐ5000勝近く勝っているすごいジョッキーですから。
ただグレイトパールは自厩舎の馬ですから、いつ自分にチャンスが回って来ても大丈夫なように準備はしていました。
この馬は先生の息子さんである(川田)将雅くんの縁でうちの厩舎に来たんですけど、
鮫島さんが乗っている時から馬のことについて話していましたし、僕も応援しながら見て来ました。
今回も話したんですけど、ちょっと乗り役泣かせというか、とにかく動じないんですよね。
調教中に追い切りが通り過ぎようが、ドシっと構えてますから。
レースではずっと追いっぱなしで、最後は脚がガクガクでしたね(苦笑)。
赤見:遠征で乗り替わりで、しっかり勝ち切ったことは大きかったですね。
倉富:なんだか台本があったんじゃないかっていうくらい、すごく上手く行きました。
将雅くんと話した時に、JRAでの最後の方は、負けてしまって自信を無くしてしまったんじゃないかと。
佐賀に来て心機一転、今回は遠征でも結果を出せましたし、これからまだまだ楽しみですね。
赤見:では、今後に向けての抱負をお願いします。
倉富:急にトップスピードになれるような器用な馬ではないですが、能力は高いですし、佐賀に来て約1年経って、この馬のこともだいぶわかって来ました。
この後は中島記念を視野に入れていくようなので、地元でも結果を出せるよう頑張ります。
これからも応援よろしくお願いします!
今月デビューした岩手の関本玲花騎手にインタビューしてきました!
赤見:まずはデビューおめでとうございます。
関本:ありがとうございます。
やっと最近実感が沸いて来たというか。一昨日(10/12)くらいまでは馬の後ろに入るのも怖くて、上手く馬群の中に入って行けなかったんですけど、やっと昨日くらいから馬群に入れるようになりました。
赤見:それは大きな変化ですね。今は楽しいですか?それとも大変さの方が勝っている?
関本:そうですね、今はまだ楽しいという感じではなくて、とにかく一つ一つのことがきちんと出来ていないので、しっかり出来るようになりたいという気持ちが強いです。
赤見:具体的にはどんなところですか?
関本:例えば、指示通りに乗るとか、あとはコーナーを回るのが苦手でいつも膨れてしまうので、そこをちゃんと回るとか。
赤見:そんな中、初勝利はデビュー3日目(10/7 盛岡第2R 1番人気スカイルーク)、早い段階で勝利しましたね。おめでとうございます!
関本:ありがとうございます。もう引っ掛かって行ってしまっただけで...。本当に馬のお陰です。
あんなに強い馬に乗せていただけたお陰で勝つことが出来ました。本当にありがたいです。
赤見:1番人気に乗った時のお気持ちはいかがでしたか?
関本:前日から周りの人たちに「明日グリグリの本命じゃん」て言われていて、前日からすごく緊張してしまいました。
これで差されたりしたらどうしようとか...。全然気持ちが休まらなかったです。
赤見:それでもスタートをしっかりと決めて、逃げ切り圧勝。素晴らしいレースでした。
関本:全然、全然。馬が本当に強かったので。
赤見:実はわたしもデビュー当時、「この馬で初勝利出来るから」と強い馬に乗せてもらったんですけど、出遅れて3着でした...。きっちり勝利を決めたこと、本当にすごいと思います。
関本:ありがとうございます。勝たせてもらった馬は引っ掛かると聞いていたのに肩ムチを打ってしまって。それで本当に引っ掛かってしまったんです。「やっちゃった...」と思ったんですけど抑えが利かなくて。もう本当に馬のお陰です。
赤見:ゴールした時はどんな気持ちでしたか?
関本:ゴールした時、「あ、終わったんだ」っていう感じで勝った実感とかはなくて。体がフワフワして力が入らなかったです。一つ勝てたことはとても大きくて、気持ちはだいぶ楽になりました。
赤見:お父さんである関本調教師はどんな感じでしたか?
関本:「お前より親父の方が緊張しているよ」ってみんなに言われました(笑)。なので、わたし以上に喜んでいたと思います。ただ、「おめでとう」とは言ってもらいましたけど、「コーナーちゃんと回れ」とか、掛かった時の対処など注意されました。
赤見:さすが師匠。初勝利というのが一つの目標だったと思いますが、この次の目標は?
関本:内容のあるレースをして勝ちたいです。これから一つ一つ丁寧に乗って、勝ち鞍を増やしていけるように頑張ります。これからもよろしくお願いします!
宮崎光行騎手(門別)が、フローラルカップ(1番人気ミステリーベルン)、イノセントカップ(6番人気ヘイセイメジャー)、サンライズカップ(5番人気ティーズダンク)で3週連続重賞制覇をやってのけました!
ホッカイドウ競馬は若手騎手の活躍が目立っていましたが、52歳の大ベテランが改めて存在感を見せてくれましたね。
サンライズカップ優勝時
赤見:3週連続重賞制覇、おめでとうございます!
宮崎:ありがとうございます。馬たちが頑張ってくれたお陰ですよ。
赤見:ミステリーベルンは1番人気でしたけど、ヘイセイメジャーとティーズダンクはそこまで上位人気というわけではない中で、勝ち切ってしまうのがすごいです。
宮崎:2歳戦なので、どうしても前走の成績とかが大きく影響しますし、古馬の人気とは違って、人気のない馬でも力差がなかったりするんです。
その中で、いろいろなことが噛み合って上手くハマってくれたなと。
赤見:2歳戦だからこそ、少しのことで結果に大きく影響すると思うのですが、意識していることって何ですか?
宮崎:ホッカイドウ競馬は2歳戦が主な競馬なのでね、そこは36年も乗っていますから(笑)。
特に返し馬から繊細な馬が多いですから、入れ込んだり、周りを気にしたり。そういう部分はかなり気を使っていますね。
赤見:では具体的にレースを振り返っていただきたいのですが、まずはフローラルカップのミステリーベルンからお願いします。
宮崎:その前のレースで初めて乗せてもらって、逃げてスムーズな競馬で勝たせてもらって。その時に返し馬からカーっとなる馬だなという印象があったので、なるべく落ち着かせるように気を付けました。
レースはポケットに入って、狭いところを抜け出して勝ってくれたから成長を感じたし、強い競馬でしたね。
今まで1200までだったから、1600の競馬も合ったのかもしれません。
赤見:イノセントカップのヘイセイメジャーは6番人気で勝ち切りました。
宮崎:この馬は自厩舎なんですけど途中から乗せてもらってて。
最初は1700mの重賞で4着で終わってしまって、その後JRAの芝に挑戦してダメで。
以前僕の弟弟子(山本咲希到騎手)が乗って栄冠賞で2着に来ていましたし、今回1200mに戻ってやれるんじゃないかっていう気持ちはありました。
赤見:3,4コーナーで先頭を伺うと直線しっかり伸びての勝利。いい勝ち方でしたね。
宮崎:今まではメンコをしていたんですけど、僕2回乗せてもらってちょっとズルい面があるなと。
今回は外して欲しいと言ったんです。それで行きっぷりが変わったみたいで。
赤見:そういうところもベテランの経験値ですね。
宮崎:そうですね。そういう部分は経験を重ねている分、プラスの部分だと思います。
なかなか若い子たちは調教師に助言するというのは難しいでしょ。
そういう意味でも僕なんかは言いやすい立場ですから。
赤見:そしてサンライズカップのティーズダンクは大外から差し切り勝ちでした。
宮崎:あの馬にも以前1度乗せてもらってて、その時は1700mで3着で。
今回特に指示もなく任せてもらえましたし、距離が延びるのは合うと思っていて、人気薄だったし、気楽に乗れたのも良かったかもしれないです。
赤見:今後の可能性というのはいかがですか?
宮崎:3頭ともまだまだ成長する部分はありますし、今後もすごく楽しみですね。
この後は人気になりそうですけど、人気に応えられるよう頑張ります!
赤見:来月53歳の誕生日を迎えますけれども、長く活躍する秘訣はなんですか?
宮崎:体力的にはけっこうキツイですけど、今でもいい馬に乗せていただいていますし、こうやって勝たせてもらうと楽しいです。それが一番ですね。
赤見:では、ファンの方々にメッセージをお願いします。
宮崎:ホッカイドウ競馬は今年あと4週なのでぜひ注目していただきたいです!
2歳馬たちはその後も全国的に活躍していきますから、お気に入りの馬を見つけて応援していただけたら嬉しいです。
10日に門別競馬場で行われたエーデルワイス賞。
地元門別所属のコーラルツッキーが、7番人気という低評価を覆して勝利しました!
管理する田中淳司調教師にレース後のお気持ちを伺いました。
赤見:エーデルワイス賞制覇、おめでとうございます!
田中:ありがとうございます。上手く行きましたね。
前回出遅れて着順落としただけなのでちょっと人気無さすぎかなと思っていて。状態も良かったですし自信はありました。
赤見:これまでの勝利が1000mだったので、1200は若干長いのかなと勝手に思い込んでいました。
田中:そういう風に言われるんですけど、栄冠賞でも3着に来ていますし、前走は出遅れたことが大きかったので。
瞬発力というか切れる脚はないけど、最後までジリジリと伸びてくれる馬です。
逆に1200mの方がゆったりと走らせられる分、いいと思っていました。
赤見:今後距離に関してはさらに伸びてもという印象ですか?
田中:そうですね。今後はローレル賞などのグランダム・ジャパン2歳シーズンのレースを考えていて、
今年の最大目標は暮れの東京2歳優駿牝馬を予定しています。
コーナー4つ回る距離や左回りなど未知の部分もありますけど、また少しずつ教えながらやって行きます。
赤見:エーデルワイス賞が行われた当日は、ハッピーグリンがJRAに移籍するというニュースが出ました。
田中:そうなんですよ。当日の午後に登録抹消の手続きをして、その日の夜にダートグレードを勝つことが出来たので、
コーラルツッキーの頑張りはもちろん、ハッピーが後押ししてくれたのかなって服部騎手と話してました。
いろいろな想いがあって、余計にグッと来たというか。
赤見:ハッピーグリンはずっと地方所属で頑張っていましたが、出走出来るレースがないというのは本当に残念ですね。
田中:現行のルールでは、古馬になるとなかなかJRAに挑戦出来るレースがなくて。
オーナーも出来るだけ地方所属でという気持ちを持ってくれていたんですけど、こればっかりは仕方ないですよね。
これを機にもう少し柔軟なルールになってくれると嬉しいです。
赤見:では、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
田中:いつも応援していただき、ありがとうございます。コーラルツッキーはレース後もとても元気に過ごしています。
また一生懸命頑張りますので、応援よろしくお願いします。
9月1日にロータスクラウン賞を制し、見事佐賀三冠を達成したスーパージンガ。
管理する渡辺博文調教師にお話を伺いました。
ロータスクラウン賞
赤見:三冠達成おめでとうございます!
渡辺:ありがとうございます。調教師になって初勝利を挙げさせてくれた馬で、初重賞を勝たせてもらったことも嬉しかったですが、まさか三冠を獲ってくれるとは...。
ちょっと出来過ぎですよね(笑)。本当に馬に感謝しています。
赤見:以前はスタートがゆっくりで、後ろからの競馬になることが多かったですが、九州ダービー・栄城賞の辺りから、楽にいい位置が取れるようになりましたね。
渡辺:そうなんです。経験を重ねてどんどん成長してくれて。本当にすごい馬です。
高知優駿の後に古馬の重賞である佐賀王冠賞に挑戦したんですけど、ハッピーハッピーという強い馬もいたし、どのくらい戦えるかなという風に思っていたら勝ち切ってくれて。嬉しい驚きでしたね。
赤見:古馬も撃破したあとですから、三冠が掛かったロータスクラウン賞は安心して見ていられたのでは?
渡辺:いえいえ、競馬は何が起こるか最後までわかりませんから。無事に三冠を達成出来てほっとしました。
赤見:その後は14日の古馬とのオープンに出走して、2番手から早め先頭で勝利。今後の予定というのはいかがですか?
渡辺:馬の様子を見つつになりますが、今年は地元に専念して力をつけて、来年グランダムを目指したいと思っています。
赤見:以前、食道が普通の馬より狭く、ご飯を食べさせるのが大変だというお話でしたが、ここ2戦だいぶ体重が増えましたね。
渡辺:今でも食べさせるのは大変なんですが、以前に比べると良くなりました。
やっと食べたものが身になって来ている感じなので、今年は体を成長させることを優先的に考えて、地元でしっかりと経験を積んでいきたいです。
赤見:ではファンの方にメッセージをお願いします。
渡辺:いつも応援ありがとうございます。お陰様で三冠を達成することが出来ました。
来年はグランダムで全国に遠征したいと考えていますので、これからも応援よろしくお願いします。