2月23日に佐賀で行われた九州産馬による交流のたんぽぽ賞では、飛田愛斗騎手がタケノサイコウをまこと見事な騎乗ぶりで勝利に導き、中央から転入しての連勝を9に伸ばした。
出走10頭中6頭が中央馬だが、コロナの影響で鞍上はすべて地元佐賀の騎手。山口勲騎手の1番人気イールテソーロが逃げ、差なく2頭が続いて、中央の人気上位馬3頭が先行集団を形成。向正面に入ると4番手以下はやや離れた。タケノサイコウの飛田騎手は、スタート後の直線では中団よりうしろにいたが、徐々に位置取りを上げていき、3〜4コーナーで一気のまくり。4コーナーを回るところで4頭が横一線となっての追い比べは見ごたえがあった。
そしてゴール前。大外のタケノサイコウが抜け出し、飛田騎手はガッツポーズ。2着イチザウイナーには3/4馬身差だが、着差以上に余裕のある勝利。直線争った中央3頭のうち、佐賀のトライアルを使っていたのはイールテソーロだけで、あとの2頭は佐賀初参戦。飛田騎手は、どこから仕掛けていけば勝てるか、まるで中央有力3頭の能力がわかっていたかのように差し切った。
ゴール後、「スーパーヤングチャンピオン、君の名は、ヒダマナト」という中島英峰アナウンサーの決め台詞もよかった。
飛田騎手にとっては、デビューからわずか4カ月半ほどだった昨年のこのレースが重賞初制覇で、そして連覇。地元佐賀所属馬にとっては、2001年のコウセイロマン以来、じつに21年ぶりのたんぽぽ賞制覇となった。
それで今年も気になるのが、佐賀のリーディング争い。昨年は、このたんぽぽ賞当日に飛田騎手は1日6勝を挙げる活躍で、2月末日現在で、飛田騎手34勝、山口騎手32勝。デビューからまだ4カ月半ほどという若者が、佐賀では絶対的存在の山口騎手とリーディングを争い、一時的とはいえ上回っていたことは驚きだった。
今年はここまで、山口騎手27勝に対して、飛田騎手25勝。とはいえ騎乗数は飛田騎手のほうが少なく、勝率と収得賞金では飛田騎手が上回っている。山口騎手は、3月28日の誕生日で52歳。今年なのか、来年なのか、世代交代という可能性はありそうだ。
話は変わるが、少し前のこと。スカパー!で佐賀競馬の中継を見ていて、ある映像に釘付けになった。
『うまてなし。』という、佐賀競馬場移転開設50周年のプロモーション映像だ。
YouTubeの佐賀競馬オフィシャルチャンネルでも公開されているので、ご覧になった方もいるのではないだろうか(フルバージョンはこちら)。
おなじみ、中島アナのナレーションで、「しかし、そのみちのりは、決して平坦ではありませんでした。九州の競馬をともに盛り上げてきた、中津競馬、荒尾競馬の廃止。九州地方競馬、最後の砦......」とはじまる。中津競馬、荒尾競馬がまだ元気だった頃を知っている身としては、一瞬差し込まれた懐かしい映像には、おおっ!となった。
出演は、騎手や調教師だけでなく、主催者や従事員のみなさんが、ぞろぞろとパドックに入ってくる場面は壮観だ。
そして佐賀競馬場にかかわる人々を紹介していく。まずは正門横にある、龍ラーメン、のだ屋のおじちゃん、おばちゃん。ここから始まるのが、ファンにとってはうれしい。清掃員、警備員の紹介まである。そして、「頼まれたら、なんでも焼いちゃう、うまてなし。」という紹介は、佐賀競馬場を知るファンにとっては、ニヤリとする場面だ。
この映像をつくったのは、おそらく広告代理店なのだろうが、センスがいい。競馬が好きな人がつくったに違いない。
もうひとつ、YouTubeのオフィシャルチャンネルでは、『てっちゃんの部屋』というのが始まった。"てっちゃん"というのは佐藤哲三さんのことだが、その第1弾(#1)は、飛田愛斗騎手との対談。騎乗技術について語るとても濃い内容で、最後のほうには、傍で見ていた金山昇馬騎手と、金沢から期間限定騎乗中の魚住謙心騎手も登場する。こちらも必見ですよ(こちら)。
NARグランプリ2021の表彰馬・表彰者が発表された。表彰馬では、2歳最優秀牝馬と牡馬が北海道所属馬だった以外は、やはりというべきか南関東所属馬が受賞。一方で、表彰者のほうはさまざまな地区から選ばれた。
なかでも祝福すべき選出は、打越勇児調教師の最優秀勝利回数調教師賞と、所属する宮川実騎手の最優秀勝率騎手賞、高知の師弟コンビの同時受賞だ。打越調教師は2年ぶり3度目の受賞だが、宮川騎手は初受賞となった。
ただなんとも残念なのは、コロナ感染拡大の影響で、昨年に続いて表彰式典が行われないこと。宮川騎手はもちろんのこと、優秀新人騎手賞の飛田愛斗騎手(佐賀)、優秀女性騎手賞の佐々木世麗騎手(兵庫)などが実際に表彰されるところやインタビューなどは見たかったし、多くのファンにも見てほしかった。
NARグランプリの表彰では、2008年までは調教師と騎手は総合的に最優秀調教師賞、最優秀騎手賞という表彰しかなく、勝利回数、賞金、勝率が部門別に表彰されるようになったのは09年から。それ以降、昨年までの13年で、最優秀勝利回数調教師賞は高知の調教師がじつに8回も受賞している(田中守調教師1回、雑賀正光調教師4回、打越調教師3回)。
最優秀勝率騎手賞も高知の赤岡修次騎手が5回受賞しており、今回の宮川騎手で高知所属騎手はのべ6回目の受賞となった。
ここ10年、高知競馬が右肩上がりで売上を伸ばしてきたことを象徴しているかのような活躍といえよう。
打越勇児調教師の父・打越初男氏は、騎手として高知競馬では初めて地方通算2000勝を達成し、調教師としても活躍。しかし2011年に60歳の若さで亡くなられた。打越勇児調教師は、父の厩舎を引き継ぐかたちで2012年に調教師となった。2年目の13年には早くも110勝を挙げると、以降は年間100勝を下回ることがなく、18年には197勝で初の全国トップ。19年には202まで勝利を伸ばして2年連続での全国1位。20年はわずか1勝差で2位だったが、21年はキャリアハイとなる206勝で、前述のとおり最優秀勝利回数調教師賞3度目の受賞となった。
宮川実騎手は、1999年に打越初男厩舎からデビュー。2007年には初の年間100勝超となる117勝で高知リーディング2位まで躍進。翌08年には139まで勝利数を伸ばし、デビューから10年足らずで高知リーディングの上位に定着した。しかし09年5月2日、レース中の落馬事故で顔面を複雑骨折、左目を失った。
それでも何度かの手術を経て、約1年後の10年5月29日には奇跡的に復帰。11年に打越初男調教師が亡くなられたあとは別の厩舎に移ったが、12年の打越勇児厩舎開業とともに所属となった。
高知競馬は08年度に1日平均の売上が約4000万円にまで落ち込み、その後は回復傾向にあったが、まだまだ厳しい時代。打越勇児厩舎は、開業したばかりの12年12月5日、船橋・クイーン賞(JpnIII)にアドマイヤインディで遠征。宮川実騎手を背に14頭立て12番人気で3着という好走は、ちょっとした感動だった。
宮川騎手は、翌13年6月1日に地方競馬通算1000勝を達成。そして今年1月9日には、さらなる大台の地方通算2000勝に到達した。
いまこの師弟コンビには、期待の有力3歳馬がいる。昨年、デビューから圧倒的な強さで4連勝という快進撃を見せた牝馬のマリンスカイだ。2着につけた着差は、8馬身、9馬身、8馬身、8馬身というもの。高知所属馬として初めて全日本2歳優駿(JpnI)にも出走。スタート直後、他馬にぶつけられる不利もあって13着と残念な結果となったが、明けて3歳の高知の三冠路線のみならず、全国区での活躍も期待したい。
平地の競馬は大レースが集中する年末にクライマックスを迎えるが、ばんえい競馬は3月末のばんえい記念に向けて、いよいよ佳境を迎える。
牝馬が強い3歳世代
世代ごとのチャンピオン決定戦もこれから順次行われ、まず12月29日には3歳三冠目のばんえいダービーが行われる。
今年の3歳世代は、二冠目のばんえい菊花賞(11月7日)で上位3着まで牝馬が独占したように、牝馬が強い。そのばんえい菊花賞を制したサクラヒメは、続くばんえいオークス(12月5日)も勝って目下5連勝。遡ると6月28日の勝利以降では11戦8勝、2着2回、3着1回という成績で、夏以降急激に力をつけてきた。
3歳一冠目のばんえい大賞典(8月1日)を勝ったイオンも牝馬で、黒ユリ賞に続いて重賞2勝目、ばんえいオークスでもサクラヒメの2着だった。ばんえい菊花賞3着のアバシリサクラも2歳時には一冠目のナナカマド賞を制しており、この世代は2歳シーズンから牝馬中心に上位陣の争いが展開されてきた。
牡馬では2歳シーズン三冠目のイレネー記念を制したオーシャンウイナーが、ばんえい大賞典で2着と好走した。
2歳馬はイレネー記念に向けて
ばんえいダービーの翌日、30日に行われるヤングチャンピオンシップは、2歳シーズンの二冠目。このレースは出走条件がやや特殊で、5地区に分けられた生産地ごとの予選が行われ、その1、2着馬(計10頭)に出走資格がある。
今年の2歳馬は、一冠目のナナカマド賞(10月17日)を制したキングフェスタがここまで8勝を挙げて抜けた存在。同2着だったヘッチャラもここまで5勝を挙げ、2着6回、3着1回で、3着以内を外したのは一度だけという上位安定の成績を残している。
ナナカマド賞3着でここまで4勝のヤマカツエース、同じく4勝を挙げているトワイチロが続く存在。トワイチロは去勢されているが、それ以外の3頭は牡馬。
牝馬では3勝を挙げているニシキマリン、同じく3勝のサウスグリンらが牡馬相手に上位を狙う。
2歳世代(明け3歳)はこのあと牡馬の翔雲賞(2月6日)、牝馬の黒ユリ賞(2月13日)、を経て、3月19日に行われる三冠目のイレネー記念に向けての争いとなる。
4歳シーズン最後の一冠を制するのは?
ばん馬はサラブレッドに比べて成長がゆっくりなため、4歳シーズンにも三冠が設定されている。その三冠目(明け5歳)が1月3日の天馬賞。
4歳一冠目の柏林賞(7月4日)を勝ったのはゴールドハンター。昨年(2020年)12月にデビューして新人らしからぬ活躍を見せている金田利貴騎手はこの勝利が重賞初制覇でもあった。ゴールドハンターは2歳時には障害を避けてコース外に走っていってしまうなど激しい気性もあり、レースでは第2障害の手前まで金田騎手がそりの上に座っているのも特徴的だ。
二冠目の銀河賞を制したのが、柏林賞3着だったヤマトタイコー。3歳時にはばんえいダービー2着の実績もあり、デビュー12年目の渡来心路騎手とともに重賞初制覇となった。
しかしながらこの世代の中心的存在といえるのはキョウエイリュウ。2歳時には、ナナカマド賞、ヤングチャンピオンシップ、3歳時にはばんえい菊花賞、ばんえいダービーと、それぞれ二冠を制した。ここまで4歳シーズンの二冠は重いハンデに苦戦しているが、定量で争われる天馬賞で最後の一冠を狙う。
2歳シーズン(明け3歳)にイレネー記念を制し、3歳ではばんえい大賞典を勝ったコマサンダイヤは、4歳の今シーズンはクラスの壁に苦しんでいるが、銀河賞2着であらためて世代上位の能力を見せた。
世代交代で混戦の古馬戦線
古馬戦線は、オレノココロ、コウシュハウンカイというツートップが昨シーズン限りで引退。ばんえい記念を制したホクショウマサルも死んでしまい、世代交代が一気に進んだ。
ばんえい記念に向けてもっとも重要な前哨戦となるのが、1月2日の帯広記念。
現役馬として唯一ばんえい記念(2019年)を制している9歳のセンゴクエースは、今シーズンは旭川記念(7月18日)を制した。
古馬戦線に本格参入の5歳2強が、ばんえい十勝オッズパーク杯(5月2日)と北見記念(10月31日)を制したアオノブラックと、ばんえいグランプリ(8月15日)を制したメムロボブサップ。
昨シーズンの帯広記念でオレノココロに僅差で2着だった7歳のメジロゴーリキは、岩見沢記念(9月19日)を制した。
同じく昨シーズンの帯広記念3着、ばんえい記念2着で台頭してきた6歳のキタノユウジロウは北斗賞(6月20日)を勝利。
ドリームエイジカップ(11月28日)では10歳の古豪シンザンボーイが2019年の北見記念以来の重賞制覇を果たした。
今シーズンの古馬戦線は、ここまで複数の重賞を制したのがアオノブラックのみと、世代交代のシーズンらしく混戦となっている。
少し前のことになるが、11月14日、久しぶりに帯広競馬場を訪れた。コロナの影響もあってなかなか競馬場の取材に出かけることもできず、開催中のばんえい競馬は2020年3月21日のばんえい記念以来、じつに1年8カ月ぶりのこととなった。
この日まず驚いたのは、コロナ以前と変わらないくらい多くの入場者でにぎわっていたこと。帯広市では1カ月以上コロナ陽性者がひとりも出ておらず、それゆえここにきて観光バスが一気に動き出したとのこと。現在の帯広競馬場には、『とかちむら』という地場産品を販売する『産直市場』を中心にした道の駅のような施設もあり、人気の観光スポットにもなっている。
そしてコロナの影響で長く無観客開催が続いていたにもかかわらず帯広競馬場はかなり進化していて、競馬や馬券にはあまり興味がないかもしれない観光客にも楽しめる場所になっている。
まずはスタンド裏。以前はおそらく単なるコンクリートの壁だったと思われるところが、ばん馬をモチーフにした美しい壁画となっていた。
さらにこれは以前からあるのだが、かつてスタンド裏のパドックだった場所にできた『ふれあい動物園』も充実。引退したばん馬だけでなく、ポニーやヤギなどさまざまな動物とふれあえるようになっていて、多くの人たちで賑わっていた。ここでは人参が販売されていて、馬に直接食べさせることもできる。
そして帯広競馬場に行ったら、競馬ファンもそうでない人も、ぜひ訪れたいのが入場門の外にある『馬の資料館』(入場無料)。ばんえい競馬が帯広市の単独開催(2007年度から)になる以前からある施設なのだが、当時はさまざまな歴史的資料が雑然と並べられているだけだったのが、近年ではきちんと順路ができて、展示物もかなり整理された。
ばんえい競馬に関することだけでなく、開拓時代の北海道と馬との関わりや、日中戦争のときに軍馬として十勝の馬が供出された歴史などもある。
ばんえい競馬ファンにとって必見は、ばん馬の祖ともいえる、イレネー号に関する展示だろう。
イレネーは明治44年にフランスから輸入され、昭和3年まで種牡馬として供用された。その直仔は579頭で、そのうち196頭が種牡馬となり、その血をひく種牡馬は全道で599頭にもなったと言われている。イレネー記念という、2歳シーズン(明け3歳)のチャンピオンを決める重賞のレース名としても知られる。
当然のことながら、競馬場内にも『とかちむら』にも、豚丼をはじめとした十勝ならではの食べ物も充実しているのだが、それをここで紹介すると長くなるので、また別の機会に。
夜になると目を引くのが、LED 15,000球が輝く『ばんえいイルミネーション』だ。そりに乗って記念撮影もできる。
そして競馬場を後にする際には、ライトアップされた偉大なるイレネー像を拝んで帰ろう。
早いもので、今シーズンのホッカイドウ競馬も11月2〜4日の3日間開催を残すのみとなった。
ホッカイドウ競馬は、以前から開催最終日に道営記念が行われていることだけでも、5カ月ほど開催が休みとなる前のラストという盛り上がりが十分にあったのだが、昨年からJBC2歳優駿がはじまり、それを含む3日間開催の最終日には道営記念と道営スプリントが行われることでは、"最後の盛り上がり"という感じはなお強くなった。
以下はすべて、あと3日の開催を残してのデータとなるが、今シーズンも調教師リーディングでは136勝を挙げている田中淳司調教師が圧倒的で、2位の角川秀樹調教師(94勝)に40勝以上の差。勝率2割超え(22.1%)も唯一で、2015年から7年連続での北海道リーディングを確定的にしている。のみならず、田中淳司調教師は園田プリンセスカップ(グラーツィア)での勝利を加えての137勝は、10月28日現在の地方全国リーディングで、なんと2位(1位は高知・打越勇児調教師の174勝)。ホッカイドウ競馬は開催が4月中旬からのスタートという状況を考えると驚異的な数字だ。
騎手リーディングのトップは131勝の石川倭騎手で、2位の服部茂史騎手が120勝。あと3日間で11勝差は、これもおそらく順位は変わらりそうもない。石川倭騎手は2019年から3年連続での北海道リーディングとなる。
2歳馬のレベルの高さも例年以上で、エーデルワイス賞JpnIIIではスピーディキック(石本孝博厩舎)がリリーカップから連勝。地元勢のエーデルワイス賞制覇は、これで5年連続となった。
他地区への遠征でも2歳馬の活躍が目立った。岩手では、芝のジュニアグランプリをモリデンブラック(桧森邦夫厩舎)が、知床賞をマックスレジェンド(川島洋人厩舎)が制した。南関東では川崎の鎌倉記念をシルトプレ(櫻井拓章厩舎)が、金沢では兼六園ジュニアカップをエンリル(角川秀樹厩舎)が、園田では前記のとおり園田プリンセスカップをグラーツィア(田中淳司厩舎)がそれぞれ勝利している。
10月31日の盛岡・南部駒賞にも北海道から有力馬4頭が遠征しており、シーズン終了後も引き続き他地区への遠征で活躍が期待される。
また11月3日のJBC2歳優駿(門別)では、地元ホッカイドウ競馬から重賞勝ち馬が多数出走予定。栄冠賞のモーニングショー、ブリーダーズゴールドジュニアカップのシャルフジン、サッポロクラシックカップのリコーヴィクター、リリーカップからエーデルワイス賞JpnIIIを連勝したスピーディキック、サンライズカップのナッジ、さらに他地区遠征で金沢・兼六園ジュニアカップを制したエンリルなど。中央勢はいずれも1勝馬だけに、今年も地元北海道勢の活躍が期待できそうだ。
最後に、今シーズンで印象的だったのは、ラッキードリームがホッカイドウ競馬史上6頭目の三冠馬となったこと。それが第1回JBC2歳優駿制覇からの三冠馬ということでは、互いのレースの価値をなお高めることとなった。
しかしなんとも残念だったのは、ラッキードリームを管理していた林和弘調教師が、三冠制覇となった王冠賞から約1カ月半後の9月4日、57歳という若さで亡くなられたこと。そのラッキードリームのほか、道営記念を制したショウリダバンザイ、リンノレジェンドなどは、馬主がホッカイドウ競馬の元調教師で父である林正夫さんで、父とともに多くの活躍馬を送り出した。ご冥福をお祈りしたい。