ばんえい競馬が存亡の危機に立たされている。
新聞などでは「廃止」という見出しとともに、今の帯広開催で最後かという記事が目立つが、まだこれで最後と決まったわけではない。
旭川、北見、岩見沢はすでに撤退を表明し、厳しい状況ではあるものの、まだ帯広での単独開催の道は残されている。
赤字を出さないやり方があれば、十分に存続の可能性はあるのだ。
署名運動など、さまざまなところで存続へ向けた運動が起きているが、ぼくも微力ながら「つづけよう!ばんえい競馬」というホームページを立ち上げ、赤字を出さないための方策をみなさんから提案していただいている。
ぜひとも、ご協力いただければと思う。
もちろん一番の協力方法は、オッズパークでたくさんばんえい競馬に投票していただくことだが。
7月8,9日にばんえい岩見沢開催に行ってきた。9日の日曜日は特に天気がよかったこともあり、家族連れなどが多く競馬場は賑わいを見せていた。
今、ばんえい競馬を現地で観戦して楽しいことのひとつに、野外でジンギスカンが堪能できるということがある(ただし日曜日か祝日に限られる)。これはファンサービスの一環として調騎会の仕切りで行われているもの。1人前600円はかなりお得だ。
さて、この7月からオッズパークでもばんえい競馬の馬券が買えるようになった。
ばんえい競馬は、馬体重1トン前後の馬たちによるバトル(?)を実際に間近で見たほうがより楽しめることは間違いない。しかし、ネット上での観戦&馬券でもかなり楽しめることも間違いない。
地方競馬は少頭数になると固い決着になることが多く、馬券的に面白みに欠けると思われがちだ。ところがばんえい競馬の場合、フルゲートが10頭にもかかわらず、そんなことはないと断言できる。
たとえばぼくが岩見沢に行った8日は、全12レース中馬連複が3桁配当だったのは3レースしかない。だからといって大荒れになるわけでもなく、20〜60倍程度の賭け甲斐のあるレースが多かった。
というのは、ばんえい競馬の場合はたとえ同じようなメンバー同士のレースであってもさまざまな要因によってまったく違う結果になることも珍しくないからだ。
ひとつは馬場の水分量によるもの。平地の競馬が馬場状態を良・稍重・重・不良で表すのに対し、ばんえい競馬では水分量がパーセントで細かく表示される。それだけレースに与える影響が大きいためだ。
平地の場合も馬場状態による巧拙はあっても、実力とかけ離れた結果になることはそれほど多くない。ところがばんえい競馬では展開がまったく違うものになってしまうのだ。
もうひとつはソリの重量によるもの。平地でも別定戦やハンデ戦はあるが、500キロ弱から1トンのソリの重量によって争われるばんえい競馬は、10キロ程度の増減でもレースがまったく違うものになってしまう。近走と比較して10キロの増減をどう読むかが予想の最重要ファクターであるといってもいい。
それから第2障害でどういうタイミングで仕掛け、越えられるかということも結果を大きく左右する。普段は楽に障害をクリアしているような大本命馬が、なんらかの理由によって障害で手間どったりすることもある。
そのため、たとえば単勝1.1倍、馬連複でも2倍を切るようなガチガチのレースでも簡単にひっくり返ってしまうようなこともよくあるのだ。
大きいくくりとしては同じ「競馬」だが、平地の競馬とばんえい競馬は、まったく別物と考えるほうがいい。
予想の視点がかなり違うので最初は戸惑うかもしれないが、コツがわかればこんなに楽しいものはない。
ばんえい競馬未体験の方は、ぜひともオッズパークでばんえい競馬にトライしてみてはいかがだろうか。
「交流元年」と言われたのが1995年のことで、あれからもう10年以上が過ぎた。中央と地方の交流、また地方同士の交流が当たり前のようになったことで、地方競馬もこの10年ほどでかなり変化してきた。
かつてほとんど中央競馬としか関わりがなかった社台グループが、最近では地方競馬でも共有オーナーの会員を募集するなどしてかなりの頭数を使っているということなども、その変化のひとつだろう。
そしてUAE・ドバイのシェイク・モハメド率いるダーレーグループの日本法人、ダーレー・ジャパン・レーシングの参入も地方競馬にとっては、ひとつの大きな「事件」だった。
当初は船橋が中心で、最近では大井にも所有馬が増えてきたが、今年の2歳馬からは、岩手にも進出してきた。
デビューはこれからだがパチョリという2歳牝馬が、馬主ダーレー・ジャパン・レーシングとして岩手に登録されている。
ちなみにダーレーの生産馬では、岩手ダービー・ダイヤモンドカップを制したオウシュウクラウンがすでに岩手で活躍しているが、これはダーレー・ジャパンの所有馬ではなく、馬主は西村専次氏。05年の千葉サラブレッド2歳トレーニングセールに上場され、このときは主取りとなったが、その後西村氏にトレードされたのだろう。
そうした縁があったからなのか、ダーレー・ジャパン所有のパチョリは、オウシュウクラウンと同じ櫻田浩三厩舎に入厩している。
パチョリの父は日本でも繋養されていたジェイドロバリーで、母はMarrubiumという血統。全兄の3歳馬ハーブポットという馬が船橋所属となっているが、ハーブポットがUAE産であるのに対し、パチョリはイギリス産。ジェイドロバリーを受胎した母馬がイギリスに送られて誕生した産駒なのだろう。
聞くところによると、パチョリだけでなくほかにも何頭かダーレー・ジャパンの所有馬が岩手に入厩してくるらしい。
岩手に入ったダーレー・ジャパンの馬たちが、今後どんな活躍を見せるのかはもちろん、それによって岩手競馬がどう変わっていくのかも楽しみなところではある。
内田利雄騎手が、6月24日から8月15日まで岩手競馬で期間限定騎乗する。昨年に続き岩手では2度目のこと。
状況はこの1年で大きく変わり、期間限定騎乗も地方競馬のすべての地区で、それぞれの条件に沿った形で受け入れられるようになった。
1年前、こういう形で(当時は「短期所属替」と言っていた)騎乗が可能になったことは驚きとともに伝えられた。
当時、ぼくは少しでも早く状況を把握したくて水沢まで話を聞きに行った。
その年の3月限りで宇都宮競馬が廃止となり、居場所をなくした内田利雄騎手は、騎手免許は全国共通のものだから、1カ所にとどまらずに全国の競馬場を転戦して騎乗できるよう希望し、その道を模索していた。
当時から、2〜3カ月ずつさまざまな競馬場に所属して全国を回りたいという希望を持っていたが、それはかなり夢物語に近かった。しかし、その後、笠松、南関東(浦和)、兵庫と所属場所を替え、そして今回また岩手に戻ってくるという、思い描いていたことを最初の年から実現してしまったことには驚くばかりだ。
3000勝ジョッキーとはいえ、いわばアウェーの地で、有力馬はなかなかまわってこないという厳しい状況。それでも岩手では、船橋からの遠征馬でクラスターカップGIIIへの騎乗を果たした(11着)。
笠松では、かつて同じ北関東の高崎で活躍していた川嶋弘吉厩舎のタイガーロータリーの鞍上をまかされ、重賞・スプリントを制した。
昨年はJBCが名古屋での開催だったことで、その時期に笠松に所属してJBCにも騎乗できれば……という希望も見事に叶え、そのタイガーロータリーでJBCスプリントに出走した。
そうこうしているうにちに最大の目標だった南関東でも期間限定騎乗の門戸が開かれ、年明けからは浦和に所属して南関東で騎乗した。
こうやって活躍している場面ばかりを挙げていくと華々しいが、やはり生活は苦しいという。賞金の高い南関東で長期間騎乗できるなら別だが、賞金がギリギリまで切り下げられたような地区ではかなり厳しいという。
それゆえ、厩舎の空き部屋か、調整ルームの一室を借りて住むという生活が続いている。
栃木にいる家族と離れた生活を強いられることも、並み大抵の苦労ではないだろう。
さて、2度目の岩手でのシーズンがスタートする。
1年間全国の競馬場をさすらい、おそらくパワーアップしているであろう騎乗ぶりを、また岩手の地で見られるのが楽しみだ。
今年、新たな試みとして行われる「ダービーWeek」が近づいてきた。念のため日程を掲載しておく。
6/4(日) 九州ダービー 栄城賞(佐賀)
6/6(火) 札幌ダービー 北斗盃(札幌)
6/7(水) 東京ダービー(大井)
6/8(木) 兵庫ダービー(園田)
6/9(金) 東海ダービー(名古屋)
6/11(日) 岩手ダービー ダイヤモンドカップ(水沢)
ぼくは今のところ、九州ダービーと東京ダービーに行く予定だ。
レースはもちろんだが、中でもやはり佐賀競馬場で行われるオープニングイベントが楽しみ。わざわざ佐賀まで行くのは、このオープンニングイベントの取材のためといってもいいくらいだ。
あの関口房朗氏が来場するというから、何が起こるかわからない。
そして、ぜひとも食べてみたいのが、777個限定販売の「ゴールデンバーガー」(500円)だっ!!!
佐賀競馬場の開催日にワゴン車で販売している「からつバーガー」と、関口会長とのコラボレーションということらしい。
自慢じゃないが、ぼくは佐賀競馬場でこの「からつバーガー」を今までに2度食べている。プレーンのハンバーガーは230円だが、写真はもっとも高価な380円也の「スペシャルバーガー」。食べかけなのは、まことにまことに申し訳ない。
「からつバーガー」は、注文するとまずバンズを温めるところからはじまって、卵や肉もそのつど焼いているので10分ほど待たされるが、間違いなくできたてが食べられるのはうれしい。かなりのボリュームがあり、手作り(たぶん)の上に、新鮮なレタスもたっぷりなので、街中のハンバーガーチェーンのものなどと違ってヘルシーな感じがする。
で、佐賀ダービー当日に販売される「ゴールデンバーガー」だが、特別に高級神戸牛を使用し、なんと金粉入り。普段の「からつバーガー」は写真のような包装紙なのだが、これが関口会長の顔写真入りになるらしいというから、なんともシュールだ。
『佐賀ダービー栄城賞』当日、第1レース前に佐賀競馬場に着いてまずやることは、限定777個の「ゴールデンバーガー」を食べること。これに決まり。