
これまでも読売レディス杯のトライアルとして準重賞で行われていた金沢クイーン賞だが、今年から重賞に格上げされ、第1回として行われる。
お松の方賞1〜3着の4歳馬がいるものの、それらの馬とは未対戦のシスターアクト、ホウオウジュレップを狙ってみたい。
シスターアクトは大井のB3で頭打ちという成績だったが、金沢移籍後はA2〜A1の特別戦を4戦して、1700メートルで3着以内が3回。1400メートル戦では流れに乗れず9着に負けているだけに今回の1500メートルがどうかだが、2走前の良馬場1700メートル1分48秒4、前走の不良馬場1700メートル1分47秒0という走破タイムを評価するなら、重賞初挑戦でもチャンスありと見る。
ホウオウジュレップは、昨年金沢在籍時にC級からA2特別まで勝って7勝をマーク。冬期は大井で3戦し、今年開幕とともに金沢に戻ってB級から再びA2特別まで6戦してすべて3着以内。昨年の読売レディス杯は9着だったが、遠征勢が上位を独占し、あのハクサンアマゾネスが3着だったというメンバー。今回、地元の牝馬同士なら勝負になりそう。
前述のとおり、お松の方賞で1〜3着のハリウッドスマイル、リケアマロン、ポンヌフは挑戦者の立場。
ダイヤモンドラインは昨年以降は2勝を挙げたのみで勝ちきれないレースが多いものの、百万石賞2着、今年の利家盃3着など重賞でも上位争いの実力。長距離での活躍が目立つが、昨年末の金沢ファンセレクトカップ(1500メートル)では重賞5勝のオヌシナニモノに1馬身半差2着があり、牝馬同士のここなら当然上位争い。
◎2シスターアクト
◯5ホウオウジュレップ
▲7ハリウッドスマイル
△8リケアマロン
△9ダイヤモンドライン
△6ポンヌフ
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このレースが地方全国交流となった2018年以降の7回で、南関東4勝、北海道2勝で、地元岩手は2020年にエイシンハルニレが制したのみだが、それにしても名古屋からの転入3戦目だった。その後の4年間では地元岩手所属馬は3着が2回だけと苦戦している。今回も南関東、北海道からの遠征勢が強そうだ。
大井のキエティスムは北海道所属として出走した盛岡・ジュニアグランプリが5着だったが、大井移籍後は1200メートルのみを使わて2勝。前走の勝ちタイム1分12秒2は、重馬場とはいえ重賞レベル。交流となって以降、地元岩手は1勝と書いたが、岩手所属騎手は4勝。遠征有力馬に地元騎手が騎乗することもめずらしくなく、山本政聡騎手は2022年に浦和のスターオブケリーで制している。
2番手評価も大井のヨシノダイセン。デビューから短距離のみを使われ1200メートルで2勝。前走優駿スプリントトライアルは、本番の優駿スプリントに向けて有力馬が出走するだけに、そこでの4着は評価できる。キエティスムの1分12秒2は破格だが、この馬の1分13秒1も優秀なタイム。
北海道のトレヴェナは、ここまで12戦して1勝のみだが、3着を外したのが2回のみ。重賞では他地区遠征も含めて2着・3着が2回ずつ。そのうち2着2回が門別の1200メートル戦だけにこのメンバーなら能力上位。山本聡哉騎手は、交流になって以降、船橋、岩手、北海道の馬で計3勝を挙げている。
もう1頭北海道のエターナルウインドには期間限定騎乗を延長した船橋の山本聡紀騎手。門別では1200メートル以下のみを使われ、3勝はいずれも2歳時だが、2走前の古馬B3B4特別(1000メートル)でクビ+クビ差の3着は評価できる。
地元岩手勢では、1400メートルの重賞2勝を挙げているポマイカイが上位食い込みを狙う。イーハトーブマイルを制したユウユウコラソンは久々の1200メートルがどうか。
◎9キエティスム
◯6ヨシノダイセン
▲11トレヴェナ
△8エターナルウインド
△7ポマイカイ
△10ユウユウコラソン
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昨年の盛岡は度重なる悪天候にたたられ、走路状況悪化により7月下旬以降芝のレースが行われず、予定されていた芝重賞もダート変更で行われた。それゆえ芝のレースは昨年7月21日に行われた、いしがきマイラーズ以来、1年近くぶりとなる。そしてこのサファイア賞は、昨年まで芝2400メートルで行われていたが、今年は芝1700メートルに距離短縮となった。
昨年予定されていた芝の2歳戦も7月14日に新馬戦がわずかに1レース行われたのみで、盛岡の芝を経験しているのは、そのレースを勝ったエイシンダリアだけ。同馬も含め中央で芝を経験した馬がちょうど半数の6頭というメンバー。
そのなかで、芝でもダートでも実績上位なのがゲレル。中央では勝ち上がれなかったものの、札幌芝1500メートルの未勝利戦で0秒2差の3着、0秒3差の5着という惜しいレースをしていた。3歳になって岩手の冬季休催明けとともに転入すると4連勝。5連勝を狙った前走は6着に敗れたが、スタートでトモを落として出遅れ、最初のスタンド前では1頭だけ最後方に置かれてしまっただけに参考外としていいだろう。
岩手デビューのフタイテンホイールは昨年秋に移籍した中央では1勝クラスで結果を残せなかったが、それでも3歳の特別戦やオープンで勝ち馬と1秒ちょっとの差で走ってはいた。岩手に戻っても4着が最高という成績だが、重賞を中心に使われているだけに、今回のメンバーに入れば能力上位。中央の芝で厳しいペースで揉まれた経験を生かせれば勝ち負けまである。
ラヴェイは2歳の北海道所属時に札幌・クローバー賞に挑戦して8着。その後岩手に転入して2勝、2着2回という成績があるが、いずれも水沢のダート。盛岡の芝で能力を発揮できるかどうか。
アイヨトワニは中央で5戦し、そのうち芝での2走がともに勝ち馬と1秒以内の差。岩手転入初戦こそ7着だったが、その後の7戦はすべて3着以内の好走。今回は相手強化となってどこまでやれるか。
ユウユウスプレマンは芝未経験だが、2走前のイーハトーブマイルでメンバー中最先着の4着は評価できる。
冒頭のとおり、この世代で2歳時に唯一盛岡芝で勝利を挙げているエイシンダリアだが、その後のレースぶりからは押さえまで。
◎7ゲレル
◯8フタイテンホイール
▲9ラヴェイ
△5アイヨトワニ
△10ユウユウスプレマン
△2エイシンダリア
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佐賀3歳の短距離路線。佐賀二冠の上位馬も出走しているが、ここは中央1勝クラスから転入してきたニシノリンダに期待する。佐賀では古馬B級に格付けされ、初戦こそ4着だったが、2戦目は逃げて惜しくもハナ差2着。不良馬場とはいえ1400メートル1分29秒5は好タイム。続く前走では1800メートルのB級特別を勝利。この時期の3歳馬がB級特別を制したことは評価できる。
九州優駿栄城賞で1番人気に支持されるも3着だったツモにもあらためての期待。3歳2月のデビュー戦は2着だったが、その後5連勝。そして臨んだ栄城賞だったが、勝ったムーンオブザエースを3コーナーで一旦はとらえにかかったものの直線で引き離されて3着。5月4日の1400メートル戦では稍重1分30秒3というタイムをマークしており、栄城賞で一線級と戦った経験でさらなる上積みも期待できそう。今年4月にデビューしたばかりの長谷川蓮騎手には、栄城賞で叶わなかった重賞初制覇の期待がかかる。
ビーチボーイは兵庫の3歳特別で頭打ちとなったが、転入初戦の古馬B級特別を制した。その価値については前述のとおり。兵庫では短距離を中心に使われてきただけに、この距離で能力発揮が期待できそう。
復活が期待されるのがミトノドリーム。2歳時は圧倒的な強さで3連勝したが、3歳になっての3戦は結果が出ず。佐賀皐月賞では2着だったが、勝ったムーンオブザエースに6馬身離された。1400メートルに戻って2歳時の強さを見せられるかどうか。
古馬B級で善戦のエムティピース、短距離に戻ってアオイノユメらは上位争いに食い込めるかどうか。
◎4ニシノリンダ
◯7ツモ
▲10ビーチボーイ
△6ミトノドリーム
△9エムティピース
△8アオイノユメ
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3歳時にばんえい大賞典を制し、ばんえい菊花賞でも僅差2着。ばんえい大賞典以来勝ち星から遠ざかっているものの、ここに来て自己条件で復調気配。前哨戦のライラック賞でも障害2番手からカフカと競り合って同着といってもいい際どい2着。そのときの20kg差が今回カフカが重量を背負ったことで10kg差となっただけに、重量的に有利と見る。
そのライラック賞で障害6番手からぐいぐい伸びて上記2頭に迫って3着に入ったのがショータイム。ホクセイハリアーとは、そのときの10kg差が今回同重量となるのは不利だが、昨年9月の3走目以降、17戦して3着以内を外したのは4回だけ。3月のクリスタル特別では同重量でホクセイハリアーに先着しており、能力的に差はない。
ウルトラコタロウは2歳時から重賞で善戦を続け、障害はほとんど先頭で越えるものの末が甘くなって3着が5回。それでも3月のクリスタル特別を障害先頭から勝ちきった。今季4戦は第2障害までに置かれてしまい不振が続いているが、前走で復調気配を見せただけに、さらに状態アップなら勝負になる。
カーネーションカップ、ライラック賞と連勝したカフカは、その賞金を重ねたがゆえに今回680kgでの出走。牡馬相手では勝ち負けまではどうか。
年明けから好調のフレイムファースト、前走自己条件を勝って臨むユーフォリアも連下なら。
◎8ホクセイハリアー
◯6ショータイム
▲5ウルトラコタロウ
△10カフカ
△9フレイムファースト
△7ユーフォリア
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