NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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西日本地区交流の開催場持ち回りで、今年は高知での開催だが、二冠馬ジュゲムーンは転入馬ゆえ出走権がなく、遠征馬は兵庫から2頭のみというメンバー。
ジュゲムーンの三冠を阻んだラピドフィオーレが再び遠征してきたが、ここはもう1頭兵庫から遠征のキミノハートを狙ってみたい。4月に3歳A級特別で3歳初勝利を挙げると、西日本クラシックは5番人気ながら逃げ切って見せた。兵庫優駿は3着だったが、勝ったオケマルはさすがに次元の違う強さで、それでも二冠ともオケマルの2着だったベラジオドリームに2馬身差3着なら評価できる内容。今回、田野豊三騎手がラピドフィオーレと被ったため、こちらには吉村智洋騎手が2歳時以来の騎乗。その乗替りがどちらにころぶか。
相手にはやはり黒潮菊花賞を6馬身差で圧勝したラピドフィオーレ。2歳時に兵庫ジュベナイルカップを制したものの、手前を替えられないなど気性的に難しい面もあってその後はなかなか結果がともなわなかったが、4歳になって成績が安定してきた。ただ兵庫優駿では先行勢のうしろにつけていったが勝負どころでペースが上がったところでついていけず5着。このときも3〜4コーナーを逆手前で回っていた。しかしながら黒潮菊花賞を含め田野騎手では重賞で3戦していずれも3着以内。鞍上との相性にも期待だ。
迎え撃つ高知勢の筆頭はヤマノアシオト。この世代、ドライブアウェイ、リケアカプチーノ、ジュゲムーンと、高知ではそのときどきで強い馬が現れて重賞タイトルこそないものの、高知の重賞では4戦して3着以内を外したのは黒潮皐月賞の5着だけ。前走、大井に遠征した黒潮盃はさすがに相手が強かったが、厳しいレースを経験しての上昇に期待したいところ。
黒潮皐月賞3着、高知優駿2着だったユラリユラメイテは今回も迷わずの逃げだろう。キミノハートに競りかけられると苦しくなりそうだが、マイペースで逃げられれば粘り込む場面も十分。
土佐春花賞を制しているトサノマイヒメは距離を克服できれば。
◎12キミノハート
◯6ラピドフィオーレ
▲9ヤマノアシオト
△4ユラリユラメイテ
△11トサノマイヒメ
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中央から転入して3戦2勝、2着1回のリトルサムシングの相手探しといえそうな一戦。前走トライアルの百万石かがやきナイター賞ではスタートからハナをを奪うと、3コーナー過ぎでは後続勢の鞍上の手が激しく動くなか、リトルサムシングの吉原騎手だけは楽な手応えのまま。直線ではほとんど追われることなく、2着エムティパルに7馬身差をつける圧勝となった。2走前の兼六園スプリントは2着だったが、勝ったケイズレーヴはネクストスター中日本を制するなど、東海地区の3歳世代を代表する1頭。2000メートルは初めてだが、そのレースぶりから距離延長はむしろプラスになりそう。
今回と同じ2000メートルの石川優駿を制したのがビバロジータ。勝ちきれないレースや、ときに大敗などもあるが、スタートで出遅れたりレース中に他馬を気にするなど難しい面があるため。その点、2000メートルならスタートでの多少の出遅れなら問題ないし、また馬群がばらけるだろうからレースはしやすいはず。能力が発揮できる条件だ。
ゴールドパースは2歳時に2勝を挙げて以来勝ち星がないが、もともと2着3着が多いタイプで、3歳になって出走した重賞4戦もすべて4着以内。加賀友禅賞では、勝ったショウガマッタナシにクビ差2着で、ビバロジータには先着した。ただ好成績は1500メートル以下で、初めての2000メートルをこなせるかどうか。
ショウガマッタナシは、ここまで地元の同世代相手に重賞3勝。百万石かがやきナイター賞では、3番手を追走したものの向正面から徐々についていけなくなり8着に敗れた。3歳になってからは初の大敗だけに、その後の状態が気になるところ。
石川優駿3着のあと古馬B2戦を勝ったのがタルバン。ここまで4勝がすべて1400メートルだけに、この馬も距離に対応できるかどうか。
金沢競馬は水害によってほぼ1カ月開催が行われず、この日が8月5日以来の開催。牧場に避難していた馬などいるため、当日の馬体重やパドックで状態をしっかり確認したい。
◎8リトルサムシング
◯10ビバロジータ
▲12ゴールドパース
△2ショウガマッタナシ
△3タルバン
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昨年は1番人気に支持されるも2着に敗れたラブラブパイロだが、前半馬群に包まれて位置取りを悪くしてしまい、スローで早めに抜け出したミニアチュールを半馬身とらえることができなかった。しかしながらここ2走は逃げて好走。今回はほかにこれといった逃げ馬もなく、積極的に位置をとって昨年の雪辱を期待する。
2000メートルの距離ならローリエフレイバーが能力を発揮する。昨年2100メートルのロジータ記念を制し、今年4月にはエンプレス杯トライアルのスプリングヒロインカップ(川崎2000メートル)を5馬身差で圧勝。エンプレス杯JpnII・9着はともかく、前走中原オープンで10着に負けているのは気になるところだが、ダートグレード2勝という実績のグロリアムンディをピタリとマークして、牡馬一線級相手ではいかにも流れが厳しかった。今回、あらためて牝馬同士なら能力を発揮する。
昨年14年ぶりに地元馬としてこのレースを制したのがミニアチュール。今シーズンは勝ちきれないレースが続いているが、それでもシアンモア記念、あすなろ賞、みちのく大賞典は、牡馬の一線級相手に2着または3着と善戦。南関東の強豪相手に連覇なるかどうか。
前走牡馬相手のオープン特別で差のない4着だったザオ、昨年3着だったマテリアルガールらもそれほど差はない。
南関東からの遠征馬4頭をミニアチュールが迎え撃つというメンバー。
◎8ラブラブパイロ
◯10ローリエフレイバー
▲6ミニアチュール
△7ザオ
△9マテリアルガール
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ヒメツルイチモンジは1年以上前になるものの、高知に遠征してハイレベルなメンバーの黒潮スプリンターズカップで3着に好走。その後、今年になって笠松のブルーリボンマイルで、セブンカラーズ、スマイルミーシャ、アンティキティラという重賞をいくつも制している牝馬を相手に勝利。その後、牡馬相手の飛山濃水杯3着、兵庫大賞典でもイグナイターの5着と好走。前走金沢の読売レディス杯でも直線先頭のアンティキティラを難なくとらえて勝利。牝馬同士のここなら能力上位だ。
北海道から遠征のポルラノーチェは、今季2戦目となったA2特別を6馬身差で圧勝すると、5月のヒダカソウカップも勝利。前走は勝ち馬と0秒9着だが、牡馬相手のA1特別だったことを考えれば評価を落とすことにならない。
高知のアンティキティラはなぜ遠征ばかりで走るのだろう。4月の兵庫女王盃JpnIII以降、今年も昨年とまったく同じローテーション。読売レディス杯は昨年勝利して今年は前述のとおりヒメツルイチモンジの2着。時期的にも夏に好成績を残している。
プリメイラは中央未勝利から昨年夏に転入し、下級条件からほぼ連戦連勝に近いかたちでクラスを上げてきた。名古屋移籍後に3着以内を外したのは、重賞の名古屋記念とトリトン争覇だけ。今回、牝馬同士の重賞でどこまでやれるか注目だ。
ペップセは、昨年8月に撫子争覇を制して以降、勝ち星から遠ざかっており、連覇を狙った前走撫子争覇も差のある4着。巻き返しのかかる一戦。
川崎から転入初戦となるコパノマイアミは重賞初挑戦。その川崎ではB1B2特別を制した実力なら、牝馬同士なら通用する可能性はある。
◎7ヒメツルイチモンジ
◯2ポルラノーチェ
▲8アンティキティラ
△3プリメイラ
△12ペップセ
△5コパノマイアミ
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地方競馬で行われるハンデ戦では、ハンデ差以上に能力差が大きく、トップハンデの馬が活躍することもめずらしくないが、サマーチャンピオンJpnIIIは過去10年のデータを見ると、軽ハンデの馬からトップハンデ(最高は60kg)の馬までまんべんなく馬券にからんでいる。
そういうわけで狙ってみたいのは53キロで出走する兵庫のエコロクラージュ。グレード経験は昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIII・7着、今年の黒船賞JpnIII・6着の2戦のみだが、兵庫ウインターカップではダートグレード入着経験のあるスペシャルエックスにクビ差2着、兵庫大賞典では定量57キロでイグナイターに0秒2差の3着に好走した。前走高知の福永洋一記念では4〜5番手あたりから長く脚を使っての差し切り勝ち。6歳だがここにきての充実ぶりがうかがえる。過去10年で53キロでの勝利はないが、53キロ以下の馬でも2着が3回ある。さすがに勝つまではどうかだが、3連系の連軸として狙ってみたい。
アラジンバローズにも連覇の可能性十分だ。昨年はハンデ54キロに加え、台風による延期で中央勢には厳しい環境が強いられるなど、たしかに恵まれた面はあった。しかし同じ舞台のJBCスプリントJpnIでは定量57キロで3着に好走。黒船賞JpnIIIでも直線絶望的な位置から追い込んで2着。今回人気になりそうなエンペラーワケアに先着した。前走オグリキャップ記念は4着だったが、勝ったムエックスがその後さきたま杯JpnIで2着に入っていることを考えると評価を落とす内容ではない。
本命・対抗とも兵庫所属馬となったが、グレードレースに限らず佐賀では兵庫所属馬の活躍が目立ち、このレースでも過去10年で兵庫所属馬はのべ8頭が出走して2勝、2着2回、3着1回と好成績を収めている。
実績最上位はエンペラーワケアで間違いないが、地方の1400メートルでは、黒船賞JpnIII、さきたま杯JpnIでともに3着。いずれも勝ったシャマルから1秒差の完敗といえる内容。ともに背負っていたのが57キロで、今回トップハンデの59キロで果たしてどうか。
グレード未勝利のクロジシジョーも59キロは背負わされすぎなような気がする。おそらくドバイゴールデンシャヒーンで勝ち馬と0秒2差4着のレーティングからそのような評価になっているのだろう。
高知のジュゲムーンは古馬重賞初挑戦がダートグレードでは楽なレースはさせてもらえないだろうが、今回と同じ舞台だったネクストスター西日本の勝ちタイムが56キロを背負って良馬場1分27秒3。同じく良馬場で行われた昨年のJBCスプリントJpnIの勝ちタイムが1分26秒8と0秒5しか変わらない。そうしたところでハンデ53キロなら計算上は互角の勝負も可能だ。
◎8エコロクラージュ
◯7アラジンバローズ
▲2エンペラーワケア
△5クロジシジョー
△1ハッピーマン
△4ジュゲムーン
×9ヤマニンチェルキ
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