
クリノチャールズは中央未勝利から高知で2勝を挙げての転入。金沢初戦は2着だったものの、その後2連勝。前走は中央未勝利との交流戦で、楽な手応えのまま3コーナー過ぎで先頭に立つと、追ってきた中央馬を1馬身差で振り切っての勝利。3着馬は7馬身離れ、クリノチャールズ以外の地元馬は7着以下だった。その勝ちタイム1分34秒5(良)は、同じ良馬場だったノトキリシマ賞の勝ちタイムより1秒4も早く、1500メートルの持ちタイムではメンバー中最速。そればかりか、ほかの馬で1分34秒台を出しているのは昨年雨の不良馬場でのものだけ。いきなりの重賞でも圧勝まであるかもしれない。
中央未勝利から転入して4戦3勝、2着1回のタルバンも底を見せていない。ここ2連勝では1400メートルで1分29秒台をマーク。冬休み明けの馬場では好タイム。あとは1700メートルへの距離延長でどうか。
既存勢力では、1700メートルの金沢ヤングチャンピオンを制しているダンナイが最有力。
ノトキリシマ賞で重賞2勝目を挙げたショウガマッタナシ、2歳8月に石川テレビ杯を制し、ネクストスター金沢、ノトキリシマ賞でともにショウガマッタナシの2着だったビバロジータらは、ともに展開次第という面があり、強力な転入勢相手にどんなレースを見せるか。
◎5クリノチャールズ
◯11タルバン
▲7ダンナイ
△2ショウガマッタナシ
△10ビバロジータ
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フジユージーンの復帰戦となった赤松杯はまさかの2着。逃げたヒロシクンを早めにとらえにかかったが、ゴール前とらえられそうでとらえきれずクビ差及ばず。今回は5カ月ぶりをひと叩きされての上積みもあるだろうし、広い盛岡コースなら能力を発揮する。
相手には、昨年の覇者グランコージー。昨シーズン、このレースを制したあと不振に陥ったが、冬休み明け2連勝で復活気配。ヒロシクンが外枠に入ったのに対し、グランコージーは1番枠に入って主導権がとれそう。昨年も1番枠からの逃げ切りだった。ヒロシクンとの先行争いがカギとなりそう。
そのヒロシクンだが、10番枠からではすんなりハナは難しそう。しかしながら盛岡・水沢でのマイル戦は8戦7勝。負けたのはJpnIの南部杯だけ。得意のマイル戦なら、グランコージーとの先行争いがよほどオーバーペースにならなければ崩れることもなさそう。
桐花賞を勝ってシーズンを締めくくったライアンは、年明け初戦の特別戦でも直線抜け出すと、グローリーグローリに1馬身差まで迫られたものの着差以上の完勝。もう少し長い距離で活躍していた印象だが、マイル戦も力を発揮できる舞台だ。
転入初戦、期待されたヘリオスはゴール前でようやく伸びてきたものの4着まで。2022年の南部杯で2着があるものの、マイル戦もやや疑問が残る。
ノーブルサターンは、昨年勝ち星がなかったとはいえ2着2回、3着2回。今季初戦の赤松杯でも、ヒロシクン、フジユージーンにクビ+クビ差という接戦で3着。11歳でもまだまだ元気だ。
◎8フジユージーン
◯1グランコージー
▲10ヒロシクン
△2ライアン
△3ヘリオス
△9ノーブルサターン
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サクラヒメは昨シーズンますます力をつけて、2022、23年シーズンには取りこぼしていたカーネーションカップ、ヒロインズカップをともにトップハンデで完勝。特に1月のヒロインズカップでは、障害を2番手で越えると渡来騎手は持ったまま、というかソリの上で立ったまま、前を行くニシキマリンを楽々と交わし去っての圧勝だった。今季初戦に予定されていたスプリングカップを出走取消となったことは心配だが、今井千尋騎手には重賞初勝利の期待もかかる。
ダイヤカツヒメは一昨年の覇者で、同シーズン(2024年1月)にはヒロインズカップも制した。たしかにそのときは重量に恵まれていたこともあり、昨シーズンはカーネーションカップ10着、ヒロインズカップ6着と重量を背負ったことで苦戦した。ただ今回、昨シーズンと状況が異なるのは、昨シーズン終盤にはオープン格付けされ一線級との対戦を経験し、そして今シーズンはA1級に降級となったこと。昨年以上に戦えるとみる。
ニシキマリンは1月のヒロインズカップで3着。当時はA2格付けの出走で、今回はB1格付の660kgでの出走。サクラヒメの壁は高いが、上位は狙える。
カフカは昨シーズン最終戦となった4歳オープンのクリスタル特別で2着に好走。今回、B2格付の650kgでの出走は、この馬も重量的に恵まれた。
スマイルカナは重賞3勝の実績などで賞金を稼いだことでA1格付となって苦戦しているが、牝馬同士なら上位争いも。
A2からB2に降級したスーパードリームにも上位を狙えるチャンスはありそう。
◎4サクラヒメ
◯3ダイヤカツヒメ
▲2ニシキマリン
△9カフカ
△8スマイルカナ
△5スーパードリーム
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昨年から1400メートルに距離短縮となり、1着賞金が今年は3000万円に増額された。秋に行われる笠松グランプリと同じ舞台だけに、ローテーション的により密接な結び付きとなりそうだ。
ムエックスは中央3勝クラスから移籍した南関東では、マイル戦で9戦7勝、2着2回とほぼパーフェクトな成績。川崎マイラーズは接戦の2着争いに5馬身差をつける圧勝だった。ダート1400メートルは中央3歳時の未勝利戦以来となるだけにやってみないとわからないとはいえ、小回りのコーナー4つに多頭数でごちゃつくことが多い、大井内回りのマイル戦も問題なくこなしているだけに、笠松1400メートルでも能力を発揮できるとみる。その大井のマイルグランプリでは、テレ玉杯オーバルスプリントJpnIIIを制したスマイルウィに1馬身1/4差で2着、船橋の京成盃グランドマイラーズでは、兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIを制したフォーヴィスムにクビ差2着。能力はダートグレード級だ。
昨年サマーチャンピオンJpnIIIでグレード初制覇を果たしたのがアラジンバローズ。その後、佐賀のJBCスプリントJpnIで3着、黒船賞JpnIIIでも2着に善戦。中央ではダートの1700/1800メートルで結果を残していたが、兵庫に移籍して新たな活躍の場を開拓した。地方の小回り1400メートルは能力を発揮できる舞台だ。
アウストロも浦和の小回り1400メートルのゴールドカップで重賞初勝利。4コーナーで4、5頭が横に広がった大外から差し切ったが、2着が重賞3勝のエンテレケイア、4着が前述スマイルウィだから、レベルの高いメンバーだった。名古屋遠征でも梅見月杯を勝利。前走フジノウェーブ記念は6着だったが、むしろ小回りコースのほうが合うようだ。ここでも見せ場以上を期待したい。
笠松グランプリを制したストリームは押し出されて△まで。兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIで5着だったギガースにとっても得意の舞台で、能力的にもそれほど差はない。
◎9ムエックス
◯5アラジンバローズ
▲10アウストロ
△2ストリーム
△3ギガース
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リケアマロンは昨年3歳時、中央から転入して北日本新聞杯、加賀友禅賞を勝利。石川優駿は惜しくも3/4馬身差2着だったが、勝ったナミダノキスが同じく中央から転入して連戦連勝でサラブレッド大賞典まで制し、金沢二冠馬になった馬なので負けて強しといえる。その後、岩手に移籍してオータムティアラを勝利。秋に南関東で1戦、さらに高知で3戦して、開幕に合わせて金沢に戻ってきた。その初戦でA1特別を勝利。3コーナーからひとまくりで、その後、利家盃を制したマンガンを振り切った。ハクサンアマゾネスが引退した金沢でのあらたな女王候補といえそう。
名古屋から遠征がポンヌフ。中央未勝利だったが2着が2回。南関東を経由しての名古屋では4戦1勝、2着2回。若草賞土古記念は逃げて10着に沈んだが、兵庫のプリムロゼに終始直後で突かれる厳しい展開だった。今回はアルカウンとの先行争いがカギとなりそうだが、マイペース先行なら粘り込む場面がありそう。
一方で、その2頭が競り合って前潰れの展開になれば、末脚生かすダイヤモンドラインの出番となりそう。昨年は重賞タイトルこそなかったものの、百万石賞では4コーナー5番手から、金沢ファンセレクトカップでは4コーナー後方から、ともに直線大外を追い込んで2着。前走利家盃は3着だったが、ゴール前はマンガン、マリンデュンデュンと差のない競馬をしていた。今回牝馬同士なら能力は上位。
笠松のゼンダンキズナは重賞初挑戦となるが、休み明けのここ2戦で上昇気配。
8歳のネオアマゾネスは、かつて金沢に所属し、4、5歳時に徽軫賞を連覇。お松の方賞は昨年まで4年連続出走して4着が最高と、若い頃の勢いはないが、年明け調子を挙げており、笠松のA2特別で上位争いなら上位食い込みの可能性はありそう。
◎8リケアマロン
○6ポンヌフ
▲2ダイヤモンドライン
△3ゼンダンキズナ
△1ネオアマゾネス
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