
ネクストスター北日本(水沢1400メートル)、ダイヤモンドカップ(盛岡1800メートル)という広域交流重賞では、地元岩手勢はことごとく惨敗。その中で唯一、ダイヤモンドカップで2着と健闘の走りを見せたのが、高知から転入初戦だったリケアカプチーノ。ここでも近年の高知デビュー馬のレベルの高さを見せつける結果だった。そのリケアカプチーノは、高知で強敵相手にオール連対。移籍直前の仙台屋桜特別で3馬身差をつけて2着にしりぞけたユラリユラメイテは、その後黒潮皐月賞で3着という結果からも、リケアカプチーノの能力の高さがわかる。今回、全馬未経験の2000メートルという距離に不安がある馬が多いなかで、1800メートルでも結果を残しているリケアカプチーノが断然の存在といえそう。
ユウユウコラソンは2歳時にも重賞入着実績があり、冬季の南関東移籍から戻っての初戦、ネクストスター北日本こそ11着惨敗だったが、その後は1600メートル戦3連勝でイーハトーブマイルを制した。別格のリケアカプチーノを除けば能力面ではこの馬が最上位。あとは400メートルの距離延長を克服できるかどうか。
ユウユウスプレマンは、ダイヤモンドカップでは7着だったが、地元岩手勢だけの着順ではリケアカプチーノに次ぐ2番目。12月以降、岩手ではマイル以上を使われているように、距離的にはおそらくマイル以上での期待と思われ、あとはダイヤモンドカップでリケアカプチーノと1秒8あった差をどこまで詰められるか。
サウザンドマイルは若鮎賞制覇など、2歳時は重賞も含めすべて3着以内。7カ月ぶりの実戦で3歳初戦となった前走はユウユウコラソンに1秒6差をつけられて4着だったが、叩き2戦目での上昇を期待したいところ。
ラヴェイは、冒頭で触れた交流の2戦こそ結果を残せなかったが、正月には金杯を制し、冬休み明けのスプリングカップでも2着好走。今回は地元馬同士で巻き返しなるかどうか。
佐賀からの転入初戦を制したサンロックンロールはここまで3着以内を外していないが、佐賀で唯一中距離を走った1750メートル戦が3着。距離克服が課題となる。
◎7リケアカプチーノ
◯10ユウユウコラソン
▲1ユウユウスプレマン
△5サウザンドマイル
△8ラヴェイ
△4サンロックンロール
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六甲盃の過去5年で2勝、2着・3着も各2回と好成績を残している南関東から今年も3頭が遠征。なかでも勝ち切れないながら好走を続け、前走幸オープンで5馬身差の圧勝を見せたゴールドレガシーに注目だ。中央オープンから転入後、2戦目以降はマイル戦をずっと使われているが、中央での4勝はすべて1800メートル。小回りコースならこの距離にも対応できるはずだ。
相手筆頭は地元のマルカイグアス。昨年3歳時、兵庫優駿から3カ月空けての園田オータムトロフィー、そして古馬初対戦となった園田金盃と、重賞3連勝のレースぶりでは、今年の古馬戦線の主役になるかと思われた。ところが新春杯2着、白鷺賞4着は案外。今回、重賞3連勝の鞍上だった鴨宮騎手に戻っての巻き返しに期待だ。
中央未勝利から転入して、連戦連勝に近い成績でクラスを上げ、重賞挑戦は2度めとなるのがフラフ。重賞初挑戦となった新春賞では、勝ったインベルシオンを2番手で追いかけたものの直線失速して6着。その後3カ月半のブランクがあっての復帰戦となった前走では単独先頭で直線を向くと、攻め寄せた3頭をクビ、クビ、ハナという接戦ながら振り切って勝利。強敵相手の経験は生きるはず。
メイショウハクサンは昨年来、重賞に4度挑戦して6着が最高という成績。前走で1年以上ぶりの勝利をマークしたものの、8歳での上積みがあるかどうか。
ツムタイザンは昨年3月に笠松のマーチカップを勝って以降やや落ち込んだが、前走の特別戦で前述フラフとの接戦で3着は復調と見てもよさそう。
南関東からもう1頭、ノットリグレットは1年近く勝ち星がないものの、その間も2着4回、3着1回。レースのレベル的にもゴールドレガシーとそれほど変わらない。人気がなければ馬券のヒモとして狙ってみたい。
◎11ゴールドレガシー
◯3マルカイグアス
▲5フラフ
△9メイショウハクサン
△4ツムタイザン
△1ノットリグレット
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駿蹄賞はゴール前3頭がクビ、クビという差の接戦。向正面で早め先頭に立ったサンヨウテイオウがそのまま押し切ろうかというところ、4コーナーではまだ3馬身ほども離れた位置だったカワテンマックスが追って追ってなんとかとらえたところがゴール。そしてカワテンマックスよりさらにうしろにいたコパノエミリアも直線での伸びが目立って差し切ろうかという勢いで惜しくも3着。コパノエミリアはここには不在となったが、園田に遠征したのじぎく賞を8馬身差で圧勝して能力の高さを示した。
さて、わずかの差でも勝ちきったカワテンマックスが強いと見るか、展開次第ではサンヨウテイオウにもチャンスがあるとみるか。サンヨウテイオウはすでにキャリア17戦で今年これが7戦目。一方、カワテンマックスはここまで5戦、駿蹄賞が正月の新春ペガサスカップ以来3カ月半ぶりの実戦だったことを考えると、上積みが期待できるのはカワテンマックスだろう。
2歳時にネクストスター名古屋を制したエレインアスティは、1番人気に支持された東海クイーンカップでは2着に敗れたが、クビ差先着された相手が前述のコパノエミリアということでは、◎◯ともそれほど実力差はないと見て良さそう。2頭の間に割って入る可能性もありそう。
ラガマフィンガールは、東海クイーンカップが2着エレインアスティから2馬身半差3着で、駿蹄賞が上位3頭の争いから3馬身離れての4着。上位勢とはその着差が示す能力差といえそうだが、いずれかが崩れたときを考えると、馬券のヒモとして押さえておく必要はありそう。
スターサンドビーチは2、3歳の東海重賞戦線では4着が最高という成績だが、前走園田に遠征した西日本クラシックで半馬身差2着のレースぶりからは力をつけた可能性はある。
◎2カワテンマックス
◯7サンヨウテイオウ
▲9エレインアスティ
△11ラガマフィンガール
△12スターサンドビーチ
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デビュー2戦目から圧倒的な強さで5連勝のツモ。2着につけた着差は、8馬身、8馬身、大差、9馬身、9馬身。そして4月以降3戦の鞍上は、デビューしたばかりの長谷川蓮騎手ということでも注目となる。初めての特別戦となった前走鯱の門特別のレースぶりも圧倒的なもので、後方追走から向正面で仕掛けるでもなく一気に進出すると、3コーナー過ぎで抜け出したときには長谷川騎手はもううしろを振り返っていた。直線ではムチを一発入れられたものの軽く追われただけでの楽勝だった。その1800メートルの勝ちタイム1分59秒2は、ムーンオブザエースの佐賀皐月賞の勝ちタイム(2分0秒4)より1秒2も速い。ただ鯱の門特別の馬場状態が不良だったのに対して、佐賀皐月賞は稍重。さらに長谷川騎手にはこれまで3キロの減量があったが、重賞のここでは減量がなくなるなど、今回はいくつか不利になる条件はある。加えて鯱の門特別での対戦相手で重賞実績があったのは、4着ガマダス、6着ロトファイター、8着サガノオジョウサンで、いずれも1400メートルの重賞で3着が最高というメンバー。一方のムーンオブザエースは2歳時から世代トップクラスとの対戦を続けてきての佐賀皐月賞圧勝。また今回、ツモはこれまでのような楽なレースをさせてもらえるとも思えず、そうしたさまざまな要因を考えるとムーンオブザエースに分がありそう。
ミトノドリームはデビューから3連勝でネクストスター佐賀を制したときには、佐賀のこの世代ナンバー1かという評価だった。しかしその後、遠征馬相手のネクストスター西日本で見せ場をつくれず6着惨敗を喫し、佐賀皐月賞でも2着とはいえ勝ったムーンオブザエースから6馬身差。あらためて2000メートルという距離でどうか。
アオイノユメはこれまで重賞で2着1回、3着3回と善戦。とはいえ、ル・プランタン賞では遠征勢相手に地元最先着で、佐賀皐月賞では2着ミトノドリームに半馬身差。中距離で3着以内を外したのは佐賀若駒賞の5着だけということでは、ここでも上位食い込みの可能性は十分。
馬券圏内はここまで4頭の勝負と思われるが、佐賀若駒賞を制したハクアイアシスト、花吹雪賞を制したプレミアムカインドらも波乱となれば圏内の可能性もありそう。
◎8ムーンオブザエース
◯6ツモ
▲4ミトノドリーム
△3アオイノユメ
△12ハクアイアシスト
△5プレミアムカインド
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どの馬にもチャンスがありそうな混戦だが、ミニアチュールに期待する。昨シーズン5連勝という活躍で制したすずらん賞以来勝ち星から遠ざかっているが、前走シアンモア記念では4コーナーから直線では2番手でフジユージーンと競り合った。結果的に2着フジユージーンに4馬身離されての3着だったが、現時点の岩手古馬最強クラスと互角に渡り合ったレースぶりは復調気配。盛岡1800メートルは3戦3勝という好相性の舞台でもある。
昨年のこのレースで3着だったのがフレイムウィングス。同じ盛岡1800メートルのすずらん賞でもミニアチュールの2着に好走。赤松杯は前3頭の接戦からやや離されて4着だったが、前走皐月特別を勝って調子を上げて臨む一戦だ。
スズカゴウケツは南関東から戻っての2戦、結果が出ていないが、昨年も同じく南関東から戻って赤松杯、シアンモア記念はともに掲示板外という成績ながらこのレースを制した。勝つまではどうかだが、人気がなければ積極的に狙ってみたい。
サンビュートは兵庫から転入初戦の青葉特別は4着だったが、他馬より2キロ以上重い59キロを背負わされてのもの。今回は別定戦とはいえ全馬57キロ(牝馬は55キロ)。兵庫所属時は勝ち星こそなかったものの、遠征も含めて2着3回という成績なら、通用する可能性は十分。
サクラトップキッドは昨年終盤、3歳ながら北上川大賞典を制し、桐花賞でも5着とはいえ勝ち馬とはコンマ4秒差。今回はそれ以来5カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているか。
ノーブルサターンは前走シアンモア記念こそ後方ままだったが、今季初戦の赤松杯ではヒロシクン、フジユージーンにクビ+クビ差という接戦で3着。11歳でも侮れない。
注目のヘリオスは転入後、やや期待を裏切る感じで4着、4着。前走シアンモア記念では3着ミニアチュールにゴール前で迫ったが、距離延長がプラスになると思えずここも見送る。
◎9ミニアチュール
◯8フレイムウィングス
▲1スズカゴウケツ
△7サンビュート
△5サクラトップキッド
△2ノーブルサターン
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