NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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近4年では、兵庫、名古屋、金沢、笠松と、異なる所属の馬が勝利しているこのレースだが、今回は東海地区以外からの遠征は兵庫のみ3頭。そして前走重賞勝ち馬が3頭いるが、摂津盃のナムラタタが9番人気、くろゆり賞のイイネイイネイイネが8番人気、岐阜金賞のサンヨウスフィーダが7番人気と、いずれもけっこうな人気薄での勝利だっただけに、ここも狙いが難しい。
ナムラタタは前2頭が競り合って息の速い流れで後方からの追走。向正面から徐々に位置取りを上げて直線大外から豪快に差し切った。1年以上勝ち星から遠ざかっていたが、吉村智洋騎手は末脚に賭けた自信の騎乗だったようだ。6歳での重賞初制覇だが、昨年1月には1870メートルの新春賞で2着もあり、地方での7勝のうち5勝が1400メートルだが、脚質的にこの距離でも能力を発揮できる。
3歳のサンヨウスフィーダは、今年春は苦戦が続いたが、6月以降は3歳の特別戦や準重賞で好走を続け、前走岐阜金賞が8馬身差の圧勝。ここに来て急上昇という印象。3歳牝馬で古馬の牡馬より4キロ軽い53キロも有利といえそう。
イイネイイネイイネは、くろゆり賞では6着までコンマ2秒差というゴール前の接戦を制した。2022年の金沢・MRO金賞以来、じつに3年ぶりの重賞制覇。前走名港盃7着で人気を落としたと思われるが、一昨年12月に中央から戻って以降、24戦して3着以内を外したのは6回だけ。特に今年はA1特別で常に好走していた。
中央オープンから昨年兵庫に移籍したサンライズホープは、重賞では4着が最高という成績だが、A1の特別戦では上位争い。前走摂津盃はナムラタタの5着だが、0秒5差ということでは能力的にそれほど差はない。
昨年3歳でこのレースを制したのがキャッシュブリッツ。続いてウインター争覇でも2着と好走したが、休み明けの前走くろゆり賞が9着。ひと叩きされての上積みがあるかどうか。
◎2ナムラタタ
◯8サンヨウスフィーダ
▲5イイネイイネイイネ
△4サンライズホープ
△9キャッシュブリッツ
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地方馬同士では無敗だったフジユージーンを2度に渡って完封したヒロシクン。赤松杯がクビ差、シアンモア記念が半馬身差という接戦だったが、どこまで行っても差は詰まらないのではないかというレース内容だった。そのヒロシクンは、JpnIの南部杯を別にすれば、地方馬同士の岩手のマイル戦はここまで8戦全勝。それにしても、回り(右・左)だけでなく、砂質も全く違う水沢でも盛岡でも同じように能力を発揮できるのはすばらしい。今回、水沢1600メートルの2番枠なら楽にハナをとれそうで、無理に競りかけてくる馬でもいない限り逃げ切り濃厚と見る。
相手にはヘリオス。中央在籍時はダート短距離で実績を残してきたが、転入3戦目となった1800メートルのあすなろ賞では、4コーナーで先頭に立ったミニアチュールを直線で競り落として完勝。9歳でも衰えのないところを見せた。転入初戦だった水沢の栗駒賞は4着だったが、砂の重い高知でも何度も好走経験があり、水沢でも能力を発揮する。
フジユージーンは、前述の通り4歳になっての2戦では、ともにヒロシクンに惜敗したが、ひと夏を越しての成長があれば逆転の可能性は十分。
中央2勝クラスから川崎を経由して転入したシンヨモギネスは、盛岡4戦のうちマイル戦は3戦していずれも2着。中央時代も2勝、2着9回と勝ちきれないも少なくなかった。今回は初めての水沢コースでどうか。
中央3勝クラスから転入初戦の栗駒賞を制したスプラウティングは、ここまで岩手で5戦3勝。中央時代はダート1400メートル以下での実績だったが、前走白露特別でマイル戦も克服。栗駒賞を制した水沢に舞台が替わって上位争いも期待できそう。
ライアンはゴール前接戦となった桐花賞を制し、ヒロシクン(4着)に土をつけた。前走初秋特別もボウトロイとの追い比べをアタマ差で制したが、好走・凡走の波が大きいタイプだけに押さえまで。
◎2ヒロシクン
◯1ヘリオス
▲4フジユージーン
△8シンヨモギネス
△10スプラウティング
△3ライアン
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北海道のベラジオゼロは、デビューから3連勝で栄冠賞を制した。その後、勝ち星がないものの、いずれも世代を代表するレベルの馬たちとの対戦。北海道スプリントカップJpnIIIは5着だったが、中央勢との厳しいペースを経験したことでの上積みは期待できる。今回はコーナー4つの1500メートルとなるが、門別1700メートルのブリーダーズゴールドジュニアカップで勝ち馬とそれほど差のない3着に好走しているだけに問題ないだろう。
他地区からの遠征馬4頭を迎え撃つ地元の筆頭はケイズレーヴ。ぎふ清流カップ、兼六園スプリントを連勝中だが、今回は一気の相手強化。とはいえこの馬も兵庫チャンピオンシップJpnIIで5着の経験がある。地元馬とはいえ、引き続き鞍上は吉原寛人騎手だ。
大井のヨシノダイセンは、大井1200メートルで実績を重ね、盛岡に遠征したハヤテスプリントでは、同じ大井所属馬には屈したものの2着を確保。大井1200メートル1分13秒1、盛岡1200メートル1分11秒8という持ちタイムなら、ここでは能力上位。一気に距離延長となった前走黒潮盃(1800メートル)はさすがに距離が長かったか8着。今回は名古屋1500メートルのコースをこなせるかがカギになる。
北海道のウィルオレオールは、ここ2戦は距離も長く相手も強かったが、2歳時には船橋1600メートルの平和賞を勝ち、門別内回り1600メートルの北斗盃では、のちに三冠馬となるソルジャーフィルドにアタマ差で2着に食い下がった。1500メートルは能力を発揮できる舞台だ。
兵庫のベラジオドリームは、ぎふ清流カップでは逃げて直線まで先頭だったが、ケイズレーヴに3/4馬身交わされての2着。3着だったラピドフィオーレが、その後高知で重賞2連勝しているだけに、この馬も地方同士なら全国で通用するレベルだ。
◎6ベラジオゼロ
◯3ケイズレーヴ
▲7ヨシノダイセン
△1ウィルオレオール
△8ベラジオドリーム
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このレース過去5年で4勝という北海道から、今年も強力なメンバーが遠征してきた。ミスティライズはフレッシュチャレンジを勝ったあと、リリーカップ、フルールカップと重賞でともに2着。北海道勢以外はここが重賞初挑戦という馬たちで、その経験の差は大きい。
川崎から遠征のサラサチャレンジは、新馬戦を勝っての2戦目、準重賞・初陣賞は3着だったが、勝ったロードレイジングはその後、浦和・ルーキーズサマーカップも圧勝して、南関東の世代最初の重賞勝ち馬となった。小回りコース未経験の北海道勢に対して、コーナー4つの川崎コースを経験しているのはアドバンテージになりそう。あとは初めての長距離遠征と右回りがどうか。
ミスティライズが2着だったフルールカップで3着だったのがイイデヒロイン。1勝、2着2回は1100メートル以下で、1200メートルでは2戦ともやや差のある結果だけに、さらなる距離延長を克服できるかどうか。
北海道のヴィルユキヒメは、デビューから2戦、大敗が続いたが、4戦目に未勝利戦を勝つと、前走アタックチャレンジでは半馬身差の2着。徐々に力をつけてきた。ただこの馬も好走は1000メートルだけで、距離延長は課題となりそう。
地元馬では1400メートルで3勝を挙げているココキュンキュンが、地の利を生かして遠征勢に対抗できるかどうか。
◎1ミスティライズ
◯6サラサチャレンジ
▲8イイデヒロイン
△4ヴィルユキヒメ
△5ココキュンキュン
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8月17日のアルタイル特別は競り合った先行勢が総崩れとなって、中団〜後方を追走して馬たちが上位を占めるという出入りの激しい競馬だった。それでも3着までは人気順の決着だっただけに、ここでもその上位馬が中心となりそう。
勝ったプレアレジェンドはデビューから2連勝。中団追走から直線抜け出すという飛田愛斗騎手の落ち着いた騎乗ぶりで、着差以上の完勝という内容だけに、この馬の3連勝に期待する。
最後方から直線追い込んで2着に入ったのがサキドリトッケンで、3着のモーモーゴールドは中団から早めに動いて4コーナーで一旦は先頭に立ったが、ハイペースで先行した馬たちを負かしにいったぶん、直線で脚が上がってしまった。ここはアルタイル特別の2、3着逆転とみて、モーモーゴールドを対抗とした。
デビュー2戦目を勝ったときも後方からレースを進めていたサキドリトッケンが、今回は鞍上に吉原寛人騎手を迎えてどんなレースを見せるか。
上記3頭に対して、1戦1勝のトリトンテソーロ、ナッククィーンに食い込む余地があるかどうか。
◎9プレアレジェンド
◯4モーモーゴールド
▲12サキドリトッケン
△8トリトンテソーロ
△11ナッククィーン
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