
メムロボブサップは昨年このレースを制して、ばんえいグランプリではアサギリの4連覇に並んだ。そして今年は史上初の5連覇を目標に前走で復帰。無難に障害を越えて、最後はタカラキングダムに差を詰められたとはいえ余裕をもってのゴール。今回、別定増量なしの790キロなら障害を失敗することもないだろうし、記録達成の可能性は高い。
キングフェスタは、790キロという重量で障害をちゃんと越えられるかどうか。これまで最高重量は、昨年のポプラ賞、今年のチャンピオンカップと2度経験していて、ともに障害でヒザをついて前の集団から置かれてしまったが、それでもともに2着に追い込んできた末脚はすごい。3月16日の蛍の光賞は785キロですんなり越えていたが、そのときは雪の降る軽馬場だった。今シーズン770キロの北斗賞では障害を完全に失敗して4着。さて今回は......。メムロボブサップからそれほど離されずすんなり越えての末脚勝負なら差し切る場面まで期待したい。ただしこの重量だと北斗賞の2の舞ということも考えられる。一線級相手となるとまだ狙い所が難しい。
クリスタルコルドは、今シーズン当初はやや落ち込んだが、北斗賞3着、そして旭川記念を制して調子を上げてきた。昨シーズンはその2重賞を連勝し、ばんえいグランプリは4着。今回も昨年と同じ800キロでどうだろう。年齢を重ねて昨シーズンより力をつけたと考えれば勝負になる。
インビクタは、例年シーズン序盤は好調で、今シーズンは勝ち星こそないもののここまでの重賞で3、2、2着。800キロくらいまでは難なくこなすことができ、あとはメムロボブサップより前で障害を越えられるかどうか。金曜日現在のピンポイント予報では、土曜日に傘マークがあり、日曜日は雷マーク。馬場が軽くなればこの馬の味方になる。
ばんえい記念2着と健闘したコマサンエースは、ばんえい十勝オッズパーク杯を制し、9歳にして重賞初制覇。その後も好調で、北斗賞を制して旭川記念が僅差の3着。今回、メンバー中唯一別定20キロ増の810キロとなるのは楽ではない。
◎7メムロボブサップ
◯1キングフェスタ
▲4クリスタルコルド
△5インビクタ
△6コマサンエース
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2017年まで重賞、18年以降準重賞として行われていたフェアリーカップだが、今年再び重賞に格上げされた。
ミニアチュールは今シーズンここまで勝ち星こそないものの、シアンモア記念3着、あすなろ賞2着、みちのく大賞典3着と、牡馬一線級との対戦で上位争い。距離も2000メートルまではオールマイティにこなしており、牝馬同士なら能力断然。このレースは準重賞だった昨年から連覇がかかる。
ケープライトは3歳秋以降、マイル以下を中心に使われているが、3歳時には1800メートルのひまわり賞、やまびこ賞でともに2着があった。昨年秋以降勝ち星から遠ざかっているが、オープン特別ではほぼ掲示板内を確保しており、2走前にも1600メートルで差のない3着に好走しているので、牝馬同士ならこの距離もなんとかこなせるのではないか。
金沢から移籍初戦となるポンヌフは、勝ち星こそ名古屋で挙げた1勝のみだが、ここまで2着は6回。重賞でも金沢では牝馬限定のお松の方賞3着、金沢クイーン賞2着と好走している。中央時代も含めて1700メートルで結果を残しており、牝馬同士のこの距離は好条件だ。
ブリーザフレスカは一昨年名古屋で重賞3勝。名古屋から岩手に転入しての近走は着外が続いているが、牝馬同士なら上位食い込みの可能性はある。
川崎から転入したエイシントゥランは、水沢1400メートルのB1戦を2連勝。以前はワンターンの超短距離での実績だったが、今年1、2月には川崎1500メートルでそれほど差のない2着、3着があった。さらなる距離延長に対応できれば、能力的にはそれほど見劣らない。
◎4ミニアチュール
◯8ケープライト
▲9ポンヌフ
△6ブリーザフレスカ
△5エイシントゥラン
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兵庫から遠征のヒメツルイチモンジは、今年5歳になっての笠松・ブルーリボンマイルが重賞初制覇だったが、それまでも重賞での好走はたびたびあり、昨年1月の高知・黒潮スプリンターズカップでは全国レベルのメンバーを相手に3着。前走兵庫大賞典は5着だったが、勝ったイグナイターをはじめ牡馬の重賞勝ち馬が何頭もいるなかでコンマ8秒差なら善戦といえる。金沢は初めてだが、輸送は何度か経験しており、牝馬同士のここなら期待大だ。
大井から遠征はミルニュイ。重賞初挑戦だった昨年の読売レディス杯は5着だったが、南関東の特別戦での勝利は何度もあり、佐賀ヴィーナスカップが、東海ダービーほか重賞勝利多数のセブンカラーズと接戦の2着。この1年で強敵相手の経験を積んでの参戦だ。
もう1頭兵庫のプリムロゼは、ここまで重賞では惜しくも勝利に至らず、2着4回、3着1回。その中には、園田オータムトロフィーでマルカイグアスの2着もあった。1400から1700メートルまでこなしており、距離適性的にも能力を発揮できる舞台。
さらに兵庫のラヴィアンは、デビューからほとんど連戦連勝に近い成績で勝ち上がり、重賞初挑戦だった今年1月のコウノトリ賞を勝利。兵庫サマークイーン賞では2着プリムロゼとはハナ+アタマ差の4着だけに、能力的に差はない。
地元馬では重賞4勝のリケアマロンが遠征勢相手にどこまでやれるか。
◎3ヒメツルイチモンジ
◯4ミルニュイ
▲5プリムロゼ
△12ラヴィアン
△1リケアマロン
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北海道のイイデマイヒメはデビューから2連勝でサッポロクラシックカップを制したあとは1200メートルを中心に使われ4着が最高という成績だったが、前走1700メートルに距離延長のフロイラインカップで、その後王冠賞で4着に善戦するゼロアワーには大差をつけられたものの2着。芝は未知数だがこの距離で能力発揮なら能力は高い。
大井から遠征はキングオブワールド。2歳時には門別から岩手に移籍して金杯で3着好走。南関東では勝ち星こそなかったものの、3歳上位組の1600メートル戦で2着という実力ならチャンスはありそう。
地元馬では、同じ舞台のサファイア賞を逃げ切ったサンカリプソに期待。再びマイペースの逃げが叶えば粘り込む場面もありそう。
水沢1400メートルのウイナーカップを制したのがリュウノナポレオン。芝の経験はないが、川崎から今年3月に転入後、3勝、2着2回ですべて掲示板と常に上位食い込みの実績。
兵庫から遠征はダックワーズ。ここ3戦、1700メートル戦を使われオール連対。前走初めての3歳A級特別でも僅差2着と充実ぶりがうかがえる。
中央で芝を経験しているグロリアスアスペンは勝ち星こそないものの、距離をこなせば先行粘り込みも。
◎10イイデマイヒメ
◯9キングオブワールド
▲8サンカリプソ
△7リュウノナポレオン
△4ダックワーズ
△3グロリアスアスペン
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昨年まで地方全国交流だった高知優駿が今年は地元限定となり、逆に黒潮菊花賞は地元限定から今年は地方交流となった。そこに遠征してきたのは兵庫から3頭で、そのうち2頭は重賞を勝っているが、ラピドフィオーレは2歳時のタイトルで、オモチチャンは牝馬限定戦ということであれば、中心はやはり地元高知勢。
ジュゲムーンは2歳時に門別から移籍し、ダートグレードで好走を見せると高知では圧倒的な強さで4連勝。前走、初距離の高知優駿でも3コーナー過ぎ、ほとんどもったままで逃げていたユラリユラメイテをとらえにかかると、直線で楽に突き放した。今回、遠征馬が前述のとおりなら、ここは死角なしといえそう。ユメノホノオ、プリフロオールインに続いて3年連続での高知三冠に期待がかかる。
相手には、中央未勝利から転入して2連勝のザセンチュリー。初戦は未勝利馬同士の対戦で9馬身差圧勝。2戦目がいきなり準重賞の魚梁瀬杉特別だったが、金の鞍賞を制し黒潮皐月賞でも2着だったリケアマキアートをクビ差でしりぞけた。中央ではダート1800メートルの新馬戦で大敗したが、あらためて距離延長に対応できれば、ジュゲムーン以外のメンバーとなら互角以上の勝負ができそう。
リケアマキアートは高知所属となって以降、9戦して3着以内を外したのが、姫路に遠征した兵庫ユースカップと高知優駿だけ。その高知優駿が差のある5着だっただけに、今回あらためて距離適性が試される。ここまで3頭、田中守厩舎の上位独占となるかどうか。
佐賀に遠征してル・プランタン賞を制した兵庫のオモチチャンは、その後の3戦は結果が出ていないが、全国交流や、牝馬同士でも古馬相手など相手が強かったのも確か。今度は遠征して牡馬相手にどこまでやれるか。
ミラクルドリームは門別から転入して、高知ではここまで13戦して3着以内を外したのが3回だけ。ただ1800メートルの山桃特別、1900メートルの高知優駿でともに差のある6着だっただけに、あらためてこの距離に対応できるかどうか。
ユラリユラメイテは、高知優駿では果敢な逃げを打ち、ジュゲムーンに早めにこられたもののそれでも3馬身差で2着に粘った。今回、ほかにこれといった逃げ馬がいないだけに、再度マイペースで逃げてどこまで粘れるか。
◎9ジュゲムーン
◯2ザセンチュリー
▲11リケアマキアート
△8オモチチャン
△12ミラクルドリーム
△5ユラリユラメイテ
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