NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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2歳牡馬の特別戦・青雲賞は5→3→2番人気の決着、続く前開催の2歳A-1戦も7→3→4番人気と、ともに1番人気が馬券圏外で波乱の決着。その混戦を示すように、今回は10頭中牝馬が6頭。過去10年のナナカマド賞の出走馬を見ても、牝馬3頭は何度かあるが、4頭が一度だけ。牝馬がこれほど賞金上位にいるのはめずらしい。混戦の要因はそのあたりにありそう。しかも今回、いちい賞を制して牝馬では賞金最上位のフェスタクィーンが不在となっている。
断然といえる存在がいない以上、青雲賞を制してここまで5戦オール連対のホクセイイワキヤマが連軸としての中心。
キョウエイジェットは青雲賞5着のあと、前開催のA-1戦では7番人気ながら障害2番手の一線から軽快に歩いて抜け出した。4勝はオレノコクオウと並んで最多。
そのオレノコクオウは、青雲賞、前走A-1戦と、ともに1番人気に支持されるも4着、5着と期待を裏切った。ここは巻き返しのかかる一戦。
スターノチカラは、ここまで10戦して1勝のみだが、3着以内8回と上位安定。で、やはり印上位は牡馬の4頭。
牝馬では、ここに来て2連勝と調子を上げてきたピュアリーヒナリ、いちい賞は出走取消も、前走A-2戦を勝ったジェイノヒメが上位食い込みを狙う。
◎2ホクセイイワキヤマ
◯9キョウエイジェット
▲4オレノコクオウ
△6スターノチカラ
△10ピュアリーヒナリ
△7ジェイノヒメ
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過去9回で5回優勝の北海道から今回は遠征がなく、しかし南関東3頭、兵庫2頭、高知1頭が遠征。地元勢もこれまで4勝しているが、経験の浅い地元勢は苦戦となりそう。
川崎のスプリンガフォートは、デビューした北海道でアタックチャレンジを勝ち、移籍した川崎では2戦目の前走シャイニングトレジャーを勝利。門別、川崎それぞれでJRA認定競走を勝った。門別では1000メートルのみ4戦使われたが、川崎での2戦は今回と同じ1500メートル。前走は後続を引き付けての逃げから、直線では2着馬との追い比べで3馬身突き放しての完勝だった。昨年4月にデビューし、すでに82勝(10月10日現在)を挙げている佐野遥久騎手にとっては重賞初制覇のチャンスだ。
もう1頭川崎のサラサチャレンジは、前走遠征した園田プリンセスカップでは3コーナー手前で先頭に立って、直線でも単独先頭だったが、じっくり溜めて仕掛けた地元のココキュンキュンに差し切られての2着。展開ひとつで能力的に差はないと思われ、今回鞍上が吉原寛人騎手なら大きなアドバンテージとなる。
冒頭で地元勢苦戦と書いたが、門別から転入初戦のグリーゼが期待となりそう。デビュー戦のフレッシュチャレンジを勝ったのみだが、栄冠賞以降で対戦した上位馬は門別の重賞で勝ち負けしている世代トップレベルの馬たち。前走外回り1700メートル戦で3着に好走しての転入初戦だけに調子を上げて臨む一戦だ。
兵庫のココキュンキュンは前述のとおり園田プリンセスカップを山本咲希到騎手の好騎乗で快勝となったが、今回はアウェーの舞台でどうか。
園田プリンセスカップ4着だったハーティパーティも連下争いなら。先日地方通算5900勝を達成した川原正一騎手は2017年7月の金沢スプリントカップ(ドリームコンサート2着)以来となる金沢での騎乗だ。
◎7スプリンガフォート
◯3サラサチャレンジ
▲10グリーゼ
△1ココキュンキュン
△5ハーティパーティ
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ラウダーティオはデビューから2連勝の2着との着差が、大差、4馬身いう完勝。前走ビギナーズカップは2着に敗れたものの、勝ったレジェンドバローズはデビューから3連勝で圧倒的に強かった。今回はその強敵が不在となり、前走の走破タイム1分27秒2(良)は、盛岡1400メートルでメンバー中最速、1分27秒台はこの馬だけ。先手を取っての逃げ切りに期待だ。
ディオニスはデビューから2連勝。前走盛岡1400メートル戦は4番手から直線あっさり前をとらえての完勝。勝ちタイムは1分28秒4だが、そのレース内容からはタイムを詰めることは可能。
トゥーナスタディは盛岡芝1600メートルで3戦1勝、重賞では2着2回。盛岡ダートでも2勝を挙げており、前走中央芝への挑戦でスピード競馬を経験したことでの上積みは考えられる。
イタズラベガは芝も含めてデビューから3着以内の好走を続けてきた。前走水沢1400メートル戦は6着に沈んだが、3番手以下を離しての先行争いで共倒れ。今回はラウダーティオとの先行争いがカギとなりそう。
門別から転入初戦の水沢1400メートル戦を逃げ切ったフォーティチュード、前走イタズラベガが失速するところを差し切ったキララカらも上位争い。
◎7ラウダーティオ
◯1ディオニス
▲11トゥーナスタディ
△9イタズラベガ
△2フォーティチュード
△6キララカ
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ハクサンパイオニアは、1400メートルに特化して使われたここ6戦で5勝。4着に負けた日本海スプリントは、ハナをとったものの59キロを背負っていたことに加え、直後で突かれる厳しい展開だった。前走定量の百万石スプリントでは、日本海スプリントの覇者プレシオーソに4馬身差をつける完勝となった。ほかに重賞勝ち馬がリケアマロンだけという今回のメンバーなら、重賞連勝の可能性は高い。
ハクサンツキミテイは、昨年秋に中央1勝クラスから転入し、MRO金賞での2着を含めここまで金沢では14戦11勝、2着3回。ただ昨年末以降、8戦連続で1700メートル以上を使われてきただけに、久々の1400メートルでどうか。距離経験を別にすればハクサンパイオニアと能力差はない。
コパノフランシスは7月の金沢クイーン賞が10着惨敗で、続く読売レディス杯は5着だったが、遠征勢が強く10番人気という低評価ながら地元馬最先着。そして前走百万石スプリントが3着と、ここに来て調子を上げてきた。
大井から再転入初戦の1400メートル戦で3着好走のウインコマチ、日本海スプリントでハクサンパイオニアに先着する2着だったハクサンアルタイルらにもチャンスがありそうで、8頭立てながら混戦といえそう。
◎6ハクサンパイオニア
◯8ハクサンツキミテイ
▲3コパノフランシス
△4ウインコマチ
△1ハクサンアルタイル
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オケマルに無敗のまま兵庫三冠がかかる一戦。2歳時のネクストスター園田では逃げ粘るラピドフィオーレをなんとかゴール前でとらえたという危ないシーンもあったが、以降の4戦は2着に7馬身以上の差をつけての圧勝。しかも一戦ごとに力をつけている印象だ。今回大外枠とはいえ8頭立て。むしろ包まれる心配がないだけ安心してレースができそう。好位の外につけて、前走兵庫優駿と同じようなレース運びが想像できる。
相手筆頭はタンバブショウ。兵庫優駿は10着だったが、ここ2戦で古馬B2特別連勝は評価できる。4月に1700メートルでの勝ち星はあるが、ここのところの好成績が1400メートルのものだけに、距離をこなせるかがカギになりそう。
ラピドフィオーレは、2歳時の兵庫ジュベナイルカップ以降、勝ち星から遠ざかっていたが、ここに来て黒潮菊花賞、西日本3歳優駿と、高知に遠征して重賞連勝。2歳時は手前を替えられないなどの課題があったが、それを克服して能力を発揮できるようになったようだ。距離延長で結果を残しているのもプラス材料。
マカセナハレもここ2戦、1700メートル戦を連勝。前走のトライアルは平凡な勝ちタイムだったが、2走前は良馬場で1分53秒4。ここ2年のこのレースの勝ちタイムが1分53秒台で、連年どおりであれば通用する計算は成り立つ。ただオケマルが規格外なだけに、やはり連下争いまで。
アマノハバキリも2走前の1700メートル戦を1分53秒5というタイムで勝利し、前走がマカセナハレにクビ差2着なら能力的に差はない。
◎8オケマル
◯3タンバブショウ
▲5ラピドフィオーレ
△4マカセナハレ
△1アマノハバキリ
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