NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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新馬戦の勝ち方がネットなどで話題になっているエンドレステイル。スタートから鞍上がほとんど仕掛けることなく、向正面ではすでに後続との差を10馬身ほどに広げ、直線でも持ったままのゴール。2着馬に2秒8差をつけてマークした勝ちタイムが1分23秒9。昨年、ドライブアウェイが堆金菊特別を勝ったときのタイムが、これよりコンマ1秒速い1分23秒8だったが、不良馬場でのもの。2歳のデビュー戦で、高知の馬場ではタイムは出にくいと言われる稍重での1分23秒9は相当に速い。2戦目でどんな勝ち方を見せるか。
相手筆頭はデビュー2戦2勝で堆金菊特別を制したサンフラワームーン。新馬戦で5馬身差をつけたクスダマに、2戦目ではゴール前で半馬身差まで迫られたが、スタートから主導権をとって危なげのない勝ち方。エンドレステイルと同厩舎なだけに無理に勝負に行くとも考えられず、マイペースでどんなレースを見せるか。
デビューから2着を4回続けたのがクスダマで、そのうち2戦の勝ち馬はサンフラワームーンだった。そして前走、潮菊特別がデビュー5戦目での初勝利。好位3番手の外につけると、3コーナー過ぎで先頭に立って押し切った。デビュー戦以外は負けても僅差で、ここも崩れることはなさそう。
デビュー2戦目でクスダマを負かしているのがジョウショーボビー。前走潮菊特別はスタートで出負けして後方からとなる苦しい展開となってクスダマの3着。とはいえ直線では前2頭と同じように伸びて、4着馬には7馬身差をつけた。
その潮菊特別でゴール前、クスダマに半馬身差まで迫ったのがトサノシュジンコウ。サンフラワームーンが勝った堆金菊特別でも、2着クスダマとは1馬身差で3着。▲クスダマ以降の3頭は能力的にほとんど差はなさそう。
◎2エンドレステイル
◯4サンフラワームーン
▲10クスダマ
△7ジョウショーボビー
△8トサノシュジンコウ
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ソイジャガーは中央未勝利から転入して4連勝。しかも距離伸びて古馬C2の夕凪特選(1750メートル)が大差圧勝。そして前走3歳同士の佐賀城特別(1800メートル)ではスーパーフルールに8馬身差をつけた。5連勝での重賞初制覇に期待だ。大井から笹川翼騎手を呼んだのもその期待の表れだろう。
佐賀三冠の期待がかかるのがムーンオブザエース。九州優駿栄城賞以来4カ月の休み明けとなった前走は2着だったが、古馬A2に格付けされてのものなら評価を落とすことにならず、しかも1400メートル戦だった。真価を発揮するのはやはり中距離。三冠目で強敵が現れたが、地元生え抜きの意地を見せたいところ。
高知のザセンチュリーは、中央未勝利から転入して2連勝のあと、2番人気に支持された黒潮菊花賞は4コーナー手前で失速して10着。あらためてこの距離でどうか。
1400メートルの佐賀ユースカップを制したニシノリンダだが、その前には古馬B級1800メートルの水無月特別を制し、前走も古馬B級1750メートルの仲秋特別でアタマ差2着。この距離でこそ能力を発揮する。
もう1頭高知から遠征はヤマノアシオト。大井に遠征した黒潮盃、兵庫からの遠征馬がワンツーだった西日本3歳優駿では結果が出なかったが、高知優駿3着好走ならここでも上位争いは可能。
ツモは5連勝で臨んだ九州優駿栄城賞では1番人気に支持されたものの3着。続く1400メートルの佐賀ユースカップは10着だったが、巻き返しのかかる一戦。
◎5ソイジャガー
◯2ムーンオブザエース
▲10ザセンチュリー
△4ニシノリンダ
△8ヤマノアシオト
△1ツモ
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コウテイは、今シーズン勝ち星はまだないものの、昨シーズンも初戦のA1混合特別を制したあと、2勝目が帯広記念で、しかもそれが8歳での重賞初制覇だった。その後にはばんえい記念で3着と高重量戦への適性を示した。今シーズン崩れたのは、790kgと軽量の重賞・旭川記念だけ。賞金を稼いでいないだけに、昨年の北見記念2着のときと同様、別定増量なしの850kg。シーズン終盤に向けて、どんどん基礎重量が重くなってくるこれからがコウテイの季節だ。
5歳で古馬重賞を2勝し、6歳になってさらに充実ぶりを見せているのがクリスタルコルド。今シーズン重賞は旭川記念を制したのみだが、岩見沢記念3着は評価できる内容。昨年の北見記念は5着で、今年も同じ860kgでの出走だが、歳を重ねて経験を積んだぶん、昨年以上の結果を期待したい。
キングフェスタは、ばんえいグランプリでメムロボブサップの2着のあと、岩見沢記念を含め3連勝と絶好調。ただ高重量の経験は、その岩見沢記念の830kgが最高。今回、別定20kg増の870kgとなってどうか。ただ当日は雨予報が出ていて、馬場が軽くなれば有利になる。高重量戦での障害には不安があり、あっさり勝つか、着外か、という結果のような気がする。
インビクタは過去3年連続で出走しているが、競走中止、4着、6着と、やはりシーズン後半の高重量戦は難しい。メムロボブサップ不在で高重量戦に不安のあるメンバーも少なくないだけに、軽馬場を味方にどこまでやれるか。
5歳のタカラキングダムは、ここまで古馬重量では4着が最高という成績。来シーズン以降につながる経験になればという一戦。
◎3コウテイ
◯5クリスタルコルド
▲2キングフェスタ
△1インビクタ
△4タカラキングダム
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出走12頭のうち半数の6頭が北海道からの遠征(ほかに川崎1頭)。グランダム・ジャパン2歳シーズンの第2戦として10月12日に行われた金沢シンデレラカップは、例年北海道からの遠征が複数頭あるが、今年はゼロ(転入馬はいた)。オータムセールと時期が重なって馬運車が手配できなかったのが原因だったようだ。その金沢に遠征できなかったぶんが、今回の盛岡に回ってきたと思われる。
その北海道勢の能力比較が難しいが、トリップスに期待する。5月のフレッシュチャレンジを勝ったのみだが、2戦目のウィナーズチャレンジ4着の勝ち馬スペシャルチャンスはその後ネクストスター門別を制した。重賞リリーカップは勝ったリュウノフライトが5馬身差の圧勝で強すぎた。JRA芝のすずらん賞は度外視として、前走2馬身差で2着だったウィナーズチャレンジの勝ち馬シーテープは3勝馬。そうした強敵相手の経験が生かされるはず。距離延長が課題となるが、ハナをとってマイペースに持ち込み逃げ切りを狙う。
トリスティは、JRA札幌芝のクローバー賞で3着に好走。当日雨予報でもあり湿った盛岡の高速ダートで、そのスピードが活かせれば。
地元の期待はセイクリスティーナ。芝の若鮎賞、ジュニアグランプリを連勝し、さらに水沢の若駒賞では、前3頭の競り合いから直線だけで突き放して6馬身差圧勝。ここまで唯一の敗戦が、デビュー戦の盛岡ダートコースだったが、果たして。
川崎のサラサチャレンジは、園田プリンセスカップでは3コーナーで先頭に立ってそのまま押し切るかに思えたが、ゴール前外から伸びたココキュンキュンに差し切られて2着。続く金沢シンデレラカップはスタートで外から被されて位置がとれず、4コーナーでも外を回されるなどロスの多い競馬で4着。真価を問われる一戦だ。
そのほかも北海道勢で、フェアリーライズ、ゴールデンリング、ウィルラウスらはいずれも距離延長で能力発揮ならチャンスはありそう。
◎12トリップス
◯4トリスティ
▲6セイクリスティーナ
△8サラサチャレンジ
△9フェアリーライズ
△1ゴールデンリング
△11ウィルラウス
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7頭立ての少頭数だが、船橋、兵庫、高知からの遠征があり、地元実績馬と合わせて興味深いメンバーが揃った。
ミスズグランドオーは、大井A2以下特別での勝利という実績で高知への移籍。初戦の準重賞を勝ち、3番人気に期待された建依別賞はスタートで躓いて落馬。園田に遠征した1400メートルの園田チャレンジカップは、同じく高知から遠征したロレンツォに半馬身差で2着に敗れたが、高知からの遠征馬が3着以外の掲示板を独占。いまの高知のレベルの高さを示す結果だった。ここは重賞初制覇のチャンスだ。
地元の期待はハクサンパイオニア。1500メートルでは勝ち切れないレースもあったが、今年4月下旬から1400メートルに専念するようになって7戦6勝。日本海スプリントでは4着に負けたが、その前後のレースの勝ちタイムを見ても、能力を発揮していなかったことは確か。実際、続く百万石スプリントでは、日本海スプリントの勝ち馬プレシオーソに4馬身差をつけて楽勝。続く金沢鼓門賞も完勝。金沢1400メートルの舞台では底を見せていない。
船橋のジャックオレンジは1年半ほど勝ち星から遠ざかっているが、ここ2戦は船橋1200メートルのA2B1特別でそれほど差のない2着、3着と好走。ミスズグランドオーの大井時代の実績との比較でも見劣らない。
ヴァトレニは中央から兵庫に移籍しての2戦は惨敗だったが、3戦目となった1400メートルの特別戦を快勝。その勝ちタイム1分30秒7は、ミスズグランドオーの園田チャレンジカップの走破タイムより2秒以上遅いが、馬場状態の差もあり、地方馬同士の重賞なら通用する可能性はある。連下として押さえておきたい。
オヌシナニモノは金沢で900~1500メートルの重賞を5勝。ただ休養明けだった前走のレースぶりがいまひとつで、叩き2戦目での復調があるかどうか。
◎4ミスズグランドオー
◯3ハクサンパイオニア
▲5ジャックオレンジ
△7ヴァトレニ
△2オヌシナニモノ
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