
ヒメツルイチモンジは1年以上前になるものの、高知に遠征してハイレベルなメンバーの黒潮スプリンターズカップで3着に好走。その後、今年になって笠松のブルーリボンマイルで、セブンカラーズ、スマイルミーシャ、アンティキティラという重賞をいくつも制している牝馬を相手に勝利。その後、牡馬相手の飛山濃水杯3着、兵庫大賞典でもイグナイターの5着と好走。前走金沢の読売レディス杯でも直線先頭のアンティキティラを難なくとらえて勝利。牝馬同士のここなら能力上位だ。
北海道から遠征のポルラノーチェは、今季2戦目となったA2特別を6馬身差で圧勝すると、5月のヒダカソウカップも勝利。前走は勝ち馬と0秒9着だが、牡馬相手のA1特別だったことを考えれば評価を落とすことにならない。
高知のアンティキティラはなぜ遠征ばかりで走るのだろう。4月の兵庫女王盃JpnIII以降、今年も昨年とまったく同じローテーション。読売レディス杯は昨年勝利して今年は前述のとおりヒメツルイチモンジの2着。時期的にも夏に好成績を残している。
プリメイラは中央未勝利から昨年夏に転入し、下級条件からほぼ連戦連勝に近いかたちでクラスを上げてきた。名古屋移籍後に3着以内を外したのは、重賞の名古屋記念とトリトン争覇だけ。今回、牝馬同士の重賞でどこまでやれるか注目だ。
ペップセは、昨年8月に撫子争覇を制して以降、勝ち星から遠ざかっており、連覇を狙った前走撫子争覇も差のある4着。巻き返しのかかる一戦。
川崎から転入初戦となるコパノマイアミは重賞初挑戦。その川崎ではB1B2特別を制した実力なら、牝馬同士なら通用する可能性はある。
◎7ヒメツルイチモンジ
◯2ポルラノーチェ
▲8アンティキティラ
△3プリメイラ
△12ペップセ
△5コパノマイアミ
秋桜賞の出走表はこちら
地方競馬で行われるハンデ戦では、ハンデ差以上に能力差が大きく、トップハンデの馬が活躍することもめずらしくないが、サマーチャンピオンJpnIIIは過去10年のデータを見ると、軽ハンデの馬からトップハンデ(最高は60kg)の馬までまんべんなく馬券にからんでいる。
そういうわけで狙ってみたいのは53キロで出走する兵庫のエコロクラージュ。グレード経験は昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIII・7着、今年の黒船賞JpnIII・6着の2戦のみだが、兵庫ウインターカップではダートグレード入着経験のあるスペシャルエックスにクビ差2着、兵庫大賞典では定量57キロでイグナイターに0秒2差の3着に好走した。前走高知の福永洋一記念では4〜5番手あたりから長く脚を使っての差し切り勝ち。6歳だがここにきての充実ぶりがうかがえる。過去10年で53キロでの勝利はないが、53キロ以下の馬でも2着が3回ある。さすがに勝つまではどうかだが、3連系の連軸として狙ってみたい。
アラジンバローズにも連覇の可能性十分だ。昨年はハンデ54キロに加え、台風による延期で中央勢には厳しい環境が強いられるなど、たしかに恵まれた面はあった。しかし同じ舞台のJBCスプリントJpnIでは定量57キロで3着に好走。黒船賞JpnIIIでも直線絶望的な位置から追い込んで2着。今回人気になりそうなエンペラーワケアに先着した。前走オグリキャップ記念は4着だったが、勝ったムエックスがその後さきたま杯JpnIで2着に入っていることを考えると評価を落とす内容ではない。
本命・対抗とも兵庫所属馬となったが、グレードレースに限らず佐賀では兵庫所属馬の活躍が目立ち、このレースでも過去10年で兵庫所属馬はのべ8頭が出走して2勝、2着2回、3着1回と好成績を収めている。
実績最上位はエンペラーワケアで間違いないが、地方の1400メートルでは、黒船賞JpnIII、さきたま杯JpnIでともに3着。いずれも勝ったシャマルから1秒差の完敗といえる内容。ともに背負っていたのが57キロで、今回トップハンデの59キロで果たしてどうか。
グレード未勝利のクロジシジョーも59キロは背負わされすぎなような気がする。おそらくドバイゴールデンシャヒーンで勝ち馬と0秒2差4着のレーティングからそのような評価になっているのだろう。
高知のジュゲムーンは古馬重賞初挑戦がダートグレードでは楽なレースはさせてもらえないだろうが、今回と同じ舞台だったネクストスター西日本の勝ちタイムが56キロを背負って良馬場1分27秒3。同じく良馬場で行われた昨年のJBCスプリントJpnIの勝ちタイムが1分26秒8と0秒5しか変わらない。そうしたところでハンデ53キロなら計算上は互角の勝負も可能だ。
◎8エコロクラージュ
◯7アラジンバローズ
▲2エンペラーワケア
△5クロジシジョー
△1ハッピーマン
△4ジュゲムーン
×9ヤマニンチェルキ
サマーチャンピオンの出走表はこちら
ナルカミは間隔を空けながら使われ4戦3勝。古馬2勝クラスも5馬身差で逃げ切り難なく突破した。1勝クラスで7着に負けているが、返し馬からテンションが高かった上に、ロードラビリンスに絡まれてのハイペースで直線一杯、展開的に厳しいものだった。今回2カ月ぶりの実戦だが、1戦ごとの充実ぶりがうかがえる。
メイショウズイウンは、2走前の加古川特別ではロードラビリンスに競り負けたが、続く前走の2勝クラスを完勝。ここまで3着以内を外したのがデビュー戦だけと上位安定。ユニコーンステークスGIIIの3着も、スタートで出遅れていただけにむしろ評価できる。
ロードラビリンスは、前述のとおり2走前の加古川特別では、逃げるメイショウズイウンを直線でとらえると一騎打ちとなって競り落とした。前走レパードステークスGIIIは惨敗だったが、雨の不良馬場で参考外。接戦には強いが負けるときはあっさりというタイプだけに、やはり相手候補まで。
ルヴァンユニベールは、レパードステークスGIIIでは12番人気ながら内田博幸騎手が直線内を突く好騎乗で2着。脚質的に勝ち切るには展開の助けが必要。
地方勢の期待はリケアカプチーノ。前走みちのく大賞典はヒロシクンを競り落とし、3歳馬として初めてみちのく大賞典を制した。3走前のダイヤモンドカップは4馬身差2着だったが、勝ったシーソーゲームがその後東京ダービーJpnIで3着に好走。リケアカプチーノも当時より力をつけていると考えれば、中央勢相手にも互角の勝負は期待できる。
◎12ナルカミ
◯11メイショウズイウン
▲8ロードラビリンス
△5ルヴァンユニベール
△10リケアカプチーノ
不来方賞の出走表はこちら
2戦2勝の無敗馬が2頭。両馬とも盛岡ダートの1000メートルと1400メートルを使われた。前走の勝ちタイムもコンマ1秒しか変わらず、手応え十分に直線を向いて後続を突き放し、ともに2着に4馬身差というレースぶりも似ている。鞍上は、山本聡紀騎手と山本聡哉騎手という兄弟対決で、果たしてどちらに軍配が上がるか。
ラウダーティオは聡紀騎手が4コーナーまでがっちり抑えたままで、直線追い出されるとしっかりと伸びていた。一方でレジェンドバローズは直線で後続を離すには離したが、フワフワしてまだまじめには走っていない感じ。現時点での完成度でラウダーティオを本命にした。ただレジェンドバローズはまだ走りが幼いぶん、伸びしろは大きいかもしれない。
コンバットスネルは、デビュー戦がラウダーティオに1秒8の大差をつけられて2着で、2戦目はレジェンドバローズに0秒8差の3着。逆転までは難しそうな差をつけられているが、無敗馬2頭と戦った経験でどこまで近づけるか。
セロームは芝のデビュー戦で3着だったが、2戦目のダート1400メートルで2着に6馬身差をつけて圧勝。ただその1400メートル戦の勝ちタイムが◎◯とは1秒以上差があるだけに、よほどの上積みがないと勝ち負けまでは難しそう。
ナッツナッツはデビュー戦がレジェンドバローズに1秒8差をつけられて3着。続くダート1200メートルを6馬身差で勝利し、芝のジュニアグランプリが5着。ダートに戻ってどこまでやれるか。
◎2ラウダーティオ
◯9レジェンドバローズ
▲3コンバットスネル
△4セローム
△1ナッツナッツ
ビギナーズカップの出走表はこちら
ペップセの連覇に期待する。昨年のこのレース以来勝ち星がないが、2着好走は多数。前走名港盃は9着だが、昨年も名港盃7着からこのレースを制した。ほかに重賞勝ちがある馬が、ここ2戦惨敗のネオアマゾネスに、3歳のゴーゴーバースデイだけというメンバーなら、実績的にも最上位。
エイシンコソンテは南関東B3から転入して、笠松・名古屋ではB級からA級の特別で5戦連続3着以内。転入後重賞初挑戦となった前走くろゆり賞は6着だが、勝ったイイネイイネイイネとはコンマ2秒差。しかも逃げてぴたりと直後でマークされる厳しい展開で、直線半ばまで先頭だったことでは、紅一点というメンバーでむしろ好走といえる。今回、牝馬同士のメンバーとなればチャンスは大きい。
キスリングは、2・3歳時は重賞で好走があったが、4歳となった今年はブルーリボンマイルで7着。ただそのときは遠征勢が強かった。今回は東海限定で相手はかなり楽になった。前走920メートルのA1特別は流れも厳しく見せ場をつくれなかったが、A2・A3特別で勝ち負けという実力なら通用する。
エイシンジョルトは兵庫B級から転入初戦の前走A4B3特別を楽に逃げ切った。今回、一気の相手強化でどこまでやれるか。
コトシロは昨年11月と今年2月に1400メートルのA級特別を勝利。その後、1600/1900メートルではやや差のある結果だが、1400メートルに戻って能力を発揮できれば。
◎6ペップセ
◯5エイシンコソンテ
▲8キスリング
△2エイシンジョルト
△3コトシロ
撫子争覇の出走表はこちら