
園田で走るのは一昨年9月の園田チャレンジカップ以来となるイグナイター。前走リヤドダートスプリント11着は度外視として、昨年のJBCスプリントJpnIは4着だったが、先行2頭が共倒れという展開で、その2頭を追走する3番手から勝ちに行く競馬をして、差してきたタガノビューティーに0秒4差。負けたとはい衰えはないことを示した。さすがにこのメンバーにはいると役者が違う。これといった逃げ馬がいないので、スピードの違いで逃げ切りもある。
相手は悩むところだが、オマツリオトコとした。中央時代にも出遅れが目立っていたが、転入初戦は大きく出遅れて見せ場をつくれず。2走目の前走もタイミングが合わない感じで後方からとなり、それでも4コーナー中団から追い込み、逃げ切ったフクノユリディズに1馬身1/4まで迫った。スタート次第という面はあるものの、イグナイターを追いかけず、むしろ中団〜後方からマイペースで運んで末脚を発揮すれば結果はついてくる。
スマートラプターは中央3勝クラスから転入して2連勝。前走は好位から4コーナー内をうまく立ち回り、2着かという場面があっての4着。2着オマツリオトコとは1馬身+クビ差。良馬場1分29秒9というタイムは、イグナイター以外のメンバーとなら勝負になる。
エコロクラージュは、昨年10月の兵庫ゴールドカップが3歳時以来の重賞勝利で、2走前の兵庫ウインターカップは、北海道から遠征のスペシャルエックスにクビ差2着。直線、前がカベになって外に持ち出す一瞬のロスがなければ勝っていたかもしれない。地元馬同士なら当然上位争い。
イグナイター以外のここまで3頭は展開次第で順序付けは難しい。
昨年のこのレースでタイガーインディの2着だったのがドンカポノ。その後も1400メートルの特別戦では4戦2勝、2着2回と崩れていない。相手強化の休み明け2戦目でどこまでやれるか。
◎6イグナイター
○3オマツリオトコ
▲10スマートラプター
△4エコロクラージュ
△5ドンカポノ
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ジュゲムーンがいよいよ高知で同世代との対戦。門別4勝の実績で移籍し、全日本2歳優駿JpnI、ブルーバードカップJpnIIIでともに5着はインパクト大。その2戦で先着された地方馬は、NARグランプリ2歳最優秀牡馬ソルジャーフィルド、平和賞を制したウィルオレオールという全国クラスの活躍馬。その2頭は5月1日の門別・北斗盃で一騎打ちを演じ、ソルジャーフィルドがアタマ差で制した。ここまで唯一高知で出走した古馬C2戦も完勝。今回のメンバーで古馬C3を勝った馬はいるが、C2を勝っているのはこの馬だけ。そして佐賀に遠征したネクストスター西日本でも、兵庫ユースカップを制していたエイシンハリアーを寄せ付けず2馬身差で逃げ切り完勝。3着馬には7馬身差をつけた。いよいよ高知でタイトル奪取だ。
相手筆頭にはトサノマイヒメを挙げる。佐賀に遠征したフォーマルハウト賞、地元の土佐春花賞と重賞2勝。デビュー戦の800メートル戦を除けば、前走東海クイーンカップが初めての大敗。前を射程にとらえながら追走していたものの3コーナーから追い通しになってしまった。1600メートルの土佐水木特別でも2着とはいえ、勝ったリケアカプチーノに5馬身差をつけられており、1400メートルまでなら能力上位とみる。
2歳時にネクストスター高知を古馬並みのタイムで圧勝し、デビューから4連勝としたドライブアウェイは、この世代では圧倒的な存在かに思えた。ところが金の鞍賞を出遅れで取りこぼし、兵庫クイーンセレクションは圧勝したものの、ル・プランタン賞で2着に敗れたことで評価が難しくなった。それが距離だとするなら、あらためて1400メートルでどんな競馬を見せるか。
中央未勝利との交流・竜頭盃を制して古馬C3戦も勝ったリューノス、金の鞍賞を制したリケアマキアート、同2着のヤマノアシオトなど、高知のこの世代は役者揃いだ。
◎10ジュゲムーン
○2トサノマイヒメ
▲4ドライブアウェイ
△1リューノス
△7リケアマキアート
△6ヤマノアシオト
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ムーンオブザエースは前走佐賀桜花賞で初めて連対を外す3着に敗れたが、それも古馬B級格付けの準重賞ということでは、むしろ評価できる。佐賀若駒賞では3コーナー過ぎで先頭に立って押し切ろうかというところ、ゴール前でハクアイアシストに差されてハナ差2着。古伊万里賞は直線を向いて先頭に立つと3馬身差の完勝。そして前述のとおり佐賀桜花賞は3着と、1750メートルでも安定した成績を残している。1400メートルの飛燕賞も勝っているがこの距離でこその期待だ。
ハクアイアシストは、前述のとおり佐賀若駒賞でムーンオブザエースを負かしたが、その後は勝ちきれないレースが続いている。直線末脚勝負というタイプだけに展開に左右される面はありそう。
デビューから3連勝で世代ナンバーワンと思われたミトノドリームだが、3歳初戦のネクストスター西日本は、遠征勢が強かったとはいえ地元馬にも先着を許して6着。圧倒的に強かった高知のジュゲムーンを前半で追いかけたぶんかもしれない。巻き返しのかかる一戦だが、果たして初めてのこの距離がどうか。
佐賀若駒賞3着のあと花吹雪賞でハクアイアシストを負かしたプレミアムカインドはこの距離が向きそう。
ロトファイターは前走飛燕賞でムーンオブザエースの2着だが、佐賀若駒賞で4着に負けており、逆に距離が課題になりそう。
◎12ムーンオブザエース
○4ハクアイアシスト
▲9ミトノドリーム
△7プレミアムカインド
△10ロトファイター
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東京ダービーJpnIの指定競走ということで、北海道、南関東から各3頭ずつの遠征があっての11頭立て。地元馬には厳しい戦いとなりそう。
北海道所属ながら水沢で重賞2勝を挙げているのがバリウィール。ネクストスター北日本は、直線ミラクルヴォイスとの一騎打ちをハナ差で制した。出走権を得た兵庫チャンピオンシップJpnIIには向かわず、ここを目標に。門別でも1700メートル戦を連勝していたように、この1800メートルでこその期待だ。
シーソーゲームは中央でダート1700メートルの新馬戦を勝ち、その後2戦して大井に移籍。初戦の1600メートル戦を勝ち、クラシックチャレンジでは1番人気に支持されたものの、逃げ切り圧勝となったヴァンディヴェールの2着に敗れたことで羽田盃の出走権は得られずここに向かってきたようだ。追ってから長く脚を使えるタイプのようで、盛岡の広いコースでも力を発揮する。
冒頭で地元馬は厳しいと書いたが、期待は高知から転入初戦となるリケアカプチーノだろう。名古屋遠征も含めてここまで8戦オール連対。2歳のネクストスター高知では、抜群のタイムで圧勝したドライブアウェイの2着。1月の土佐水木特別では、同日に行われる黒潮皐月賞で人気上位になりそうなトサノマイヒメを負かした。ここ4戦は1600〜1800メートルを使われているように距離経験も豊富だ。
川崎からの遠征がアルメールヴェント。デビュー2戦目の2歳7月に1勝を挙げたのみだが、特別戦でたびたび好走。やや成績にムラはあるが、大敗は中央の芝挑戦、重賞ニューイヤーカップを含めて3回だけ。今回は初めての1800メートルが吉と出るかどうか。
門別でデビューから1700メートルのみを使われ5戦3勝のアサマ、門別1700メートルの2歳オープン勝ちのあるステラビアンカは、ともに休み明け2戦目での上積みがあれば勝負になりそう。
地元馬では金杯を制してスプリングカップ2着だったラヴェイにも期待したいが、ネクストスター北日本ではバリウィールに1秒6差をつけられての7着だっただけに印がまわらなかった。
◎3バリウィール
○10シーソーゲーム
▲2リケアカプチーノ
△8アルメールヴェント
△6アサマ
△1ステラビアンカ
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3歳スプリントシリーズとして、昨年から1400メートに距離短縮となったこのレース。マテンロウコマンドはダート1400メートルで目下3連勝。前走昇竜ステークスでは好位から直線抜け出し、2着と1馬身1/4という着差以上の完勝。デビューから2戦は差のある敗戦だったが、その後は一戦ごとにパフォーマンスを上げてきた。能力上位は間違いなく、あとは初めてのコーナー4つの園田をこなせるかどうか。
2歳時に兵庫ジュニアグランプリJpnIIを制し、コース実績があるのがハッピーマン。その後、全日本2歳優駿でも2着に好走した。しかし年明け2戦は、強敵相手だったこともあり差のある敗戦。ただ前走京浜盃は直線バッタリというレースぶりから距離が課題だったと思われる。今回は距離短縮で、一度経験した舞台なら巻き返してくる可能性はある。
リリーフィールドは前走芝1400メートルのファルコンステークスGIIIでは、ゴール前、クビ、クビ、クビという4頭接戦の3着。ダートはデビュー戦で1000メートルの新馬戦を6馬身差で圧勝。マイペースの逃げに持ち込めればチャンスは広がる。
ヤマニンチェルキは、前走バイオレットステークスでは4コーナーまだ後方の位置取りから直線まとめて差し切った。先行勢ハイペースの展開に恵まれたという面も否めないが、ダートで1勝クラスから連勝という勢いは侮れない。
デビューから6戦、すべて異なる競馬場で走っているミストレスは、今回園田で7場目。距離短縮で初めての1400メートルでどうか。
地方馬勢では前走ネクストスター中日本を勝って優先出走権を得た名古屋のケイズレーヴに上位食い込みがあるかどうか。
地元馬ではネクストスター西日本2着だったエイシンハリアーが筆頭だが、このメンバーに入るとちょっと厳しそう。
◎9マテンロウコマンド
○6ハッピーマン
▲4リリーフィールド
△8ヤマニンチェルキ
△2ミストレス
△1ケイズレーヴ
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