NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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ホクセイハリアーは昨年7月のばんえい大賞典以来勝ち星から遠ざかっていたが、2走前のB1特別を勝つと、前走も連勝。連勝しても昇級せずに今回710kgでの出走は有利。世代限定重賞では、近走不振でも過去の重賞で好走歴がある馬は好走することがよくある。それがここにきて連勝と調子を上げて臨む一戦だけにチャンスは大きい。
牝馬のスマイルカナにも期待。ばんえい菊花賞を含め重賞3勝。はまなす賞の結果を見ると、ひとつ下の3歳世代がワンツーだったように3歳世代は3強がレベルを引き上げており、一方4歳世代は、スマイルカナ、カフカと牝馬が3、4着だったように、牝馬は強いが牡馬はいまいち。710kgは牝馬の20kg減を考えれば実質トップハンデだが、前走A1特別で5着という実力なら勝負になる。
カフカも同じく710kg。柏林賞を勝ったときはスマイルカナより10kg軽かったが、はまなす賞では同重量でスマイルカナとタイム差なし。年明け以降、3着以内を外しても大崩れがないことも評価できる。
リュウセイウンカイ、スカーレットは重賞初挑戦だが、好成績を続けて急成長。現在の格付以上の実力といえそう。
重賞で3着7回というのがウルトラコタロウ。近走は人気を落としているが、ポプラ賞、柏林賞で3着に好走したときも、今回と同じく前走が6着だった。A2クラスでは苦戦しているが、4歳同士になれば好勝負も可能。
ショータイムはここ2戦5着だが、着実にクラスを上げてきて710kgなら連下候補。
◎4ホクセイハリアー
◯3スマイルカナ
▲8カフカ
△6リュウセイウンカイ
△7スカーレット
△1ウルトラコタロウ
△10ショータイム
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ナムラクレープは中央未勝利で移籍した高知で4着のあと3連勝。そして移籍した岩手初戦が3歳B2戦で、4コーナーで4頭ほどが横一線の追い比べから抜け出して完勝。今回、重賞初挑戦となるが、ひまわり賞を制したミナトミナイトも3歳B2勝ちからの重賞初勝利だっただけに、3歳牝馬同士なら能力は見劣らない。高知では1600メートル戦も勝っており、中央では1800メートルで3着があっただけに、1900メートルもこなせるだろう。
プレシャスアセットは中央未勝利から転入して勝ち切れないレースが続いたが、重賞初挑戦となった芝のオパールカップで3着と好走すると、その後2連勝。前走、中央未勝利との交流、芝のエメラルド賞を制した。中央では新馬戦で芝を走ったのみで、ダートで2着3着と好走していたが、岩手に移籍して芝で好走しているのは興味深い。今回ダート1900メートルの舞台は未知数だが、能力は高そう。
ひまわり賞を制したミナトミナイトは3番手。前走古馬初対戦となったビューチフルドリーマーカップは、南関東勢が上位独占というメンバーではさすがにハードルが高かった。ただ強い相手のレースを経験して力をつけた可能性はある。
クラリティーは中央未勝利からの転入初戦だが、阪神ダート1800メートルで2着という実績ならいきなりでも通用しそう。
芝のサファイア賞を制したサンカリプソは、エメラルド賞ではプレシャスアセットの4着だったが、前走3歳A級戦で3着に好走。インディーフィルムは中央未勝利から転入して7戦すべて4着以内の好走。ともに距離をこなせれば上位食い込みの可能性。
◎4ナムラクレープ
◯1プレシャスアセット
▲9ミナトミナイト
△10クラリティー
△7サンカリプソ
△3インディーフィルム
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西日本地区交流ではあるものの遠征馬は高知のみ5頭。地元兵庫と高知で5対5の対抗戦の様相となった。
高知移籍2戦目で重賞初挑戦ではあるが、ロレンツォを狙ってみたい。中央では短距離の3勝クラスで4着が最高という成績だが、今年になっても勝ち馬と1秒以内の差が何度かあった。高知移籍初戦はC1クラスで、中団からまくって2着に6馬身差をつける楽勝。直線競り落とした2着馬も元は中央3勝クラスで、移籍した佐賀でA1戦を勝ち、高知では最下級条件からC1選抜まで3着を外さず底を見せていないというレベル。その馬を相手にしなかったのだから、いきなりの重賞でも通用するとみる。
地元筆頭はオマツリオトコ。中央オープンから転入して、5戦目の前走で初勝利だが、5月の兵庫大賞典では勝ったイグナイターに0秒6差で4着。前走A1A2特別は7馬身差の圧勝。2着エイシンレジュームが、その後重賞初挑戦となった摂津盃で2着。3、4着も重賞勝ちがあるという実績馬を相手にしなかった。
高知のミスズグランドオーは、前走建依別賞がスタートで躓いて落馬。元気にゴールまで走っていたのでその反動はないのだろう。元中央オープンで、今年5月には大井1200メートルのA2以下特別を勝ったという実力。移籍3戦目の遠征でどんなレースを見せるか。
高知のルコルセールは、川崎からの移籍初戦として臨んだ"兵庫×高知交流"園田1230メートル戦を勝利。2着だった同じく高知のバリチューロは、その後、建依別賞でハナ差2着と好走した。再度の園田遠征で、鞍上も引き続き小牧太騎手だ。
昨年のこのレースで重賞初制覇を果たし、連覇を狙うのが高知のイモータルスモーク。その後も、兵庫ゴールドカップでクビ差2着、兵庫ウインターカップで3着と、園田・姫路で好走を続けている。前走A-3の一般戦で9着に負けたのは気になるが、それ以来半年ぶりの実戦で巻き返しなるかどうか。
スマートビクターは前走摂津盃は8着だったが、中央2勝クラスから転入初戦の1400メートル戦では、2着に1秒8の大差をつけ、良馬場1分28秒5という重賞レベルのタイムで圧勝していた。1400メートルの舞台であらためて期待となりそう。
◎10ロレンツォ
◯4オマツリオトコ
▲5ミスズグランドオー
△6ルコルセール
△2イモータルスモーク
△9スマートビクター
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メンバー中唯一の転入馬、エイシンイワハシルが強そうだ。門別のフレッシュチャレンジを制したあと、2歳最初の重賞・栄冠賞はダッシュがつかず後方からとなったが、直線大外から脚を伸ばし、勝ち馬から1馬身半+1馬身半差の3着。勝ったベストグリーンはその後ブリーダーズゴールドジュニアカップも勝ってデビューから3連勝。2着だったゴッドバロックはサッポロクラシックカップを制した。出世レースとして知られる栄冠賞だが、勝ち馬だけでなく2着、3着馬からも活躍馬が出ることが多い。
相手筆頭は2戦2勝のミルトイブニング。1400メートル1分31秒台でデビュー戦を勝った馬が複数頭いるなかで、2戦目の1分32秒2はそれほど速くはないものの、上がり勝負の2着馬と一騎打ちとなってクビ差で競り勝ち、3着馬には6馬身差をつけた。そしてその上がり勝負で脱落して4着だったのが、その後に園田プリンセスカップを制したココキュンキュン。レベルの高い一戦だった。
1戦1勝の4頭の中ではゴッドフェンサーに期待。スタートでは押さえきれないような手応えで一旦はハナに立つも、かかり気味に進出した馬に先頭を譲ったが、3コーナーでこれをとらえると8馬身差、3着馬には7馬身という差をつける圧勝だった。
1400メートルの持ちタイム最速は、1分31秒3のリーガルタイムとアングレ。7月31日の新馬戦ではこの2頭の一騎打ちとなり、リーガルタイムがクビ差で制した。一方のアングレも2戦目で危なげなく逃げ切った。
◎5エイシンイワハシル
◯4ミルトイブニング
▲1ゴッドフェンサー
△3リーガルタイム
△6アングレ
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近4年では、兵庫、名古屋、金沢、笠松と、異なる所属の馬が勝利しているこのレースだが、今回は東海地区以外からの遠征は兵庫のみ3頭。そして前走重賞勝ち馬が3頭いるが、摂津盃のナムラタタが9番人気、くろゆり賞のイイネイイネイイネが8番人気、岐阜金賞のサンヨウスフィーダが7番人気と、いずれもけっこうな人気薄での勝利だっただけに、ここも狙いが難しい。
ナムラタタは前2頭が競り合って息の速い流れで後方からの追走。向正面から徐々に位置取りを上げて直線大外から豪快に差し切った。1年以上勝ち星から遠ざかっていたが、吉村智洋騎手は末脚に賭けた自信の騎乗だったようだ。6歳での重賞初制覇だが、昨年1月には1870メートルの新春賞で2着もあり、地方での7勝のうち5勝が1400メートルだが、脚質的にこの距離でも能力を発揮できる。
3歳のサンヨウスフィーダは、今年春は苦戦が続いたが、6月以降は3歳の特別戦や準重賞で好走を続け、前走岐阜金賞が8馬身差の圧勝。ここに来て急上昇という印象。3歳牝馬で古馬の牡馬より4キロ軽い53キロも有利といえそう。
イイネイイネイイネは、くろゆり賞では6着までコンマ2秒差というゴール前の接戦を制した。2022年の金沢・MRO金賞以来、じつに3年ぶりの重賞制覇。前走名港盃7着で人気を落としたと思われるが、一昨年12月に中央から戻って以降、24戦して3着以内を外したのは6回だけ。特に今年はA1特別で常に好走していた。
中央オープンから昨年兵庫に移籍したサンライズホープは、重賞では4着が最高という成績だが、A1の特別戦では上位争い。前走摂津盃はナムラタタの5着だが、0秒5差ということでは能力的にそれほど差はない。
昨年3歳でこのレースを制したのがキャッシュブリッツ。続いてウインター争覇でも2着と好走したが、休み明けの前走くろゆり賞が9着。ひと叩きされての上積みがあるかどうか。
◎2ナムラタタ
◯8サンヨウスフィーダ
▲5イイネイイネイイネ
△4サンライズホープ
△9キャッシュブリッツ
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