芝のマイル戦だが、7月7日のせきれい賞が走路悪化によりダート変更になったこともあり、過去5走で芝を走った馬が1頭もいないという、能力・適性の比較が難しい一戦。
ブローヴェイスは中央未勝利から転入した3歳時、その初戦となった盛岡芝2400メートルのサファイア賞を制した。昨年盛岡で出走した芝の2戦では結果が出なかったものの、中央では未勝利戦とはいえ芝で好走していたことも含め、やはり芝適性は評価できる。そして3走前に盛岡のA一組特別で接戦を制したということでは、今回のメンバーでは能力上位とみる。
盛岡の芝実績ではギャレットが最上位といえそう。2歳時に重賞・若鮎賞を制したのを含め、盛岡芝では11戦3勝、2着1回、3着2回。しかもその3着以内6回がすべて芝1600メートル戦ということでは、距離適性面でも評価できる。
アーバンキッドは昨年のこのレースで2着。ほかにも中央からの転入初戦だった2021年のOROカップで2着など、盛岡の芝は8戦して1勝、2着3回、3着1回という実績。そして昨年10月以降、出走は盛岡・水沢のダート1600メートル戦のみだが、12戦して3着以内が8回と、11歳でも衰えはない。
トチノヒーローは芝未経験だが、今年冬休み明けに大井から転入して、B1からオープンまで順調にクラスを上げた。大井では1200メートルを中心に使われ、転入後も短距離を使われていたが、2走前の水沢で1600メートル戦を制しただけに距離もこなせる。
スターオブケリーは門別でのデビューから短距離を中心に使われているが、一昨年3歳時には名古屋1700メートルの東海クイーンカップで逃げて2着があり、今年3月にも浦和1500メートルで2着だったようにマイルあたりまでなら距離をこなせないわけではない。芝は一昨年のOROターフスプリントで4着があるだけだが、内枠に入ってマイペースの逃げに持ち込めば粘り込む場面もありそう。
2022年にこのレースを制したのがソロフレーズ。ただその後は勝ち星もなく、近走は差のある敗戦が続いているが、昨年唯一の馬券絡みが芝1000メートル戦だったように、久々の芝で見せ場という可能性はある。
◎6ブローヴェイス
○10ギャレット
▲3アーバンキッド
△12トチノヒーロー
△2スターオブケリー
△7ソロフレーズ
いしがきマイラーズの出走表はこちら
メイショウフンジンは、地方の2000メートル級のダートグレードを7戦して掲示板を外したのが1回だけ。ここ2戦の中央でも、ブリリアントSを勝ち、平安ステークスGIIIでもクビ+半馬身差の3着と好走しているように調子は上向き。ここはグレード初制覇チャンス。ただ盛岡コースは一昨年のこのレースで7着、昨年は3着とはいえコンマ8秒と差をつけられていたのが気になるところ。
クラウンプライドは、重賞勝ちは海外だけだが、GI/JpnIで2着3回という実績が光る。前走かしわ記念JpnI・12着は1コーナーで狭くなったところで躓くなど不利があってのものだけに参考外。あとは別定3kg増の57kgがどうか。
ギガキングはここまで重賞7勝で、そのうち5勝が船橋で、2勝が盛岡。一昨年のマーキュリーカップJpnIIIでは5着だが1、2着馬が3着以下の離しての結果で、盛岡のJBCクラシックJpnIは8着だが地方馬最先着。ダートグレードでも勝ち負けできる能力はある。
テンカハルは、中央でのここ2戦が案外の成績だが、地方のダートグレードは3戦していずれも好走(東京大賞典GIは7着だが勝ち馬と1秒差)。芝でも長距離で結果を残したように、ゆったり流れる地方の長距離戦は能力を発揮できる舞台。
地方初参戦のロードアヴニール、ビヨンドザファザーは実績馬相手にどこまでやれるか。北海道移籍2戦目のケイアイパープルは地方の2000m級のレースで実績を残してきただけに侮れない存在。
◎1メイショウフンジン
◯9クラウンプライド
▲11ギガキング
△3テンカハル
△5ロードアヴニール
△8ケイアイパープル
△13ビヨンドザファザー
マーキュリーカップの出走表はこちら
ブリーザフレスカは、前走期待されたトリトン争覇は見せ場なく6着だったが、強力遠征勢が相手だった東海桜花賞では3〜4コーナーで外からまくってきて、北海道のアナザートゥルースこそとらえきれなかったものの2着。直線での伸びは目立っていた。10月のゴールド争覇以来の重賞制覇に期待だ。
ロードランヴェルセは、前走トリトン争覇では8番人気ながら直線豪快に差し切った。それまで重賞では掲示板もなく、ここ2戦で急上昇。あらためて試金石となりそうな一戦。
昨年秋、金沢・北國王冠から東海菊花賞を連勝し、さらに南関東に移籍して2600メートルの金盃トライアルまで3連勝と長距離で能力を発揮したのがアンタンスルフレ。その後は強敵相手のレースで結果を残せなかったのはともかく、東海桜花賞でもやや離された4着。今回東海勢同士のメンバーとなって巻き返しなるかどうか。
中央オープンから転入して2戦好走のテイエムアトムは、初めての2000メートルでどうか。
エマージングロールは中央オープンで頭打ちとなって、移籍した大井でもA2以下の特別で5着が最高という成績。今回、印上位の馬たちとの比較ではやや落ちるが、連下争いなら。
昨年3歳時に重賞で活躍したペップセもここに来て特別2連勝で調子を上げてきた。
◎12ブリーザフレスカ
○3ロードランヴェルセ
▲9アンタンスルフレ
△5テイエムアトム
△11エマージングロール
△10ペップセ
名港盃の出走表はこちら
6頭立てと寂しい頭数になったなかで、中距離で可能性を見せているのがアエノブライアン。大井でも1600~2000メートルを使われ、転入初戦の高千穂峰特別で2着のあと重賞初挑戦となった佐賀スプリングカップは、縦長の中団から徐々に位置取りを上げ、逃げ切ったテイエムフェローに1馬身半差まで迫った。人気のサトノディードが向正面で競走中止というアクシデントもあり、展開次第ではチャンスはあったかもと思える内容。前走阿蘇山特別では前半から3番手以下を離して競り合ったエイシンダンシャクを3コーナー過ぎで競り落とすと、接戦の2着争いに7馬身差をつけて圧勝。今回、転入初戦のダイキチホマレ、2戦目のブルーアロー以外の3頭とはすでに勝負付が済んでおり、重賞初制覇に期待がかかる。
となると相手筆頭は転入馬でダイキチホマレ。アエノブライアンが大井ではA2B1の特別戦で2着までという成績で、ダイキチホマレはB級上位で入着という成績。ただ今年2月にC1選抜の2000メートル戦を勝って以降、B3、B2の特別戦でも好勝負と調子を上げているだけに、佐賀コースに適性があれば初戦から勝負になりそう。
リネンファッションは中央在籍時にJBCレディスクラシックJpnI(2021年金沢)3着などの実績があり、南関東ではオープンでやや頭打ちになって佐賀に転入。1年近く実戦から遠ざかって復帰し、佐賀ではまだ勝ち星はないながら徐々に良化はしている。
ブルーアローは、兵庫B1特別勝ちがあり、今年春に高知で5戦してB級で常に上位争い。佐賀転入初戦となったA2の1300メートル戦を勝っての重賞初挑戦。距離延長は問題なさそうだが、今回は相手強化となるだけに、どこまで食い下がれるか。
◎1アエノブライアン
○3ダイキチホマレ
▲4リネンファッション
△6ブルーアロー
佐賀王冠賞の出走表はこちら
王者メムロボブサップがしばらくお休みという状況ならアオノブラックの天下かと思いきや、残念ながら出走取消となってしまった。一転混戦となって多くの馬にチャンスありという状況。
北斗賞は雨の軽馬場となって、インビクタが障害を先頭で越えたものの、5歳の伏兵クリスタルコルドに交わされて2着。この週末は天気はよさそうだが、今シーズンは乾いても時計の出る馬場が続いていて、しかも790kgという重量はインビクタにとって能力を発揮できる舞台。今シーズンも安定した成績を続けており、2強不在となればチャンスは大きい。
現8歳世代に続く黄金世代と言われている5歳世代からの出走は、北斗賞を8番人気で制したクリスタルコルドのみ。この世代の上位馬の多くが8日の瑞鳳賞に出走し、世代最強キングフェスタもお休み。クリスタルコルドにしても当初このレースに登録はなく、追加での出走。そこにきてアオノブラック回避は願ってもない幸運といえそう。
帯広記念3着であっと言わせたコウテイは、北斗賞こそ7着だったが、軽馬場ゆえにそれほど差はなく、今シーズンも引き続き好調。
いつどこで走るかわからないゴールドハンターは連下の穴として魅力。
今シーズン4着が最高という成績のオーシャンウイナーだが、オッズパーク杯5着、北斗賞4着とまずまずの好走。2強不在ならそこから着順が繰り上がる可能性はある。
昨シーズン重賞3着が3回あったコマサンエースも、いずれどこかで重賞タイトルのチャンスが巡ってきそう。
◎7インビクタ
○5クリスタルコルド
▲6コウテイ
△4ゴールドハンター
△9オーシャンウイナー
△8コマサンエース
旭川記念の出走表こちら