8月のクラスターカップJpnIIIへ向けての地元前哨戦だが、今後岩手の短距離戦線で注目となりそうなのがコスモセンサーだ。中央では2010年の3歳時にアーリントンカップGIIIを制し、一昨年には安田記念GIでの3着があった。今年になって二桁着順が続いての岩手転入。しかしその初戦は、2番手追走から3コーナー手前で前の馬に並びかけるところで、鞍上の山本政聡騎手はうしろを振り返って後続勢の脚色を確認していた。直線でもうしろを確認しながらムチを2、3発。2着のコスモフィナンシェには3馬身差だったが、明らかに脚色を計りながらで、着差以上に強い内容だった。中央時はダートを3回使われて、競走中止と最下位2回とまったく対応できていなかったようだが、前走の走りからは問題なさそう。岩手では、中距離戦線ではナムラタイタンがマーキュリーカップJpnIIIでの期待馬となるが、短距離路線ではこの馬、という期待がかかる。
昨年みちのく大賞典などを制したコスモフィナンシェは、名古屋から今シーズン再転入後は短距離のみを使われ4戦2勝、2着1回。4着だった早池峰賞は、先行勢がほぼ崩れた早い流れで追走に一杯。息の入らない流れはあまり向いていないようだ。コーナーを4つ回る水沢の1400メートルなら実力を発揮できるはず。
その早池峰賞を制したのがランドオウジ。競り合った前3頭の直後を追走して、直線ゆうゆうと抜け出した。2連勝中と好調だ。
大井のB級から転入したマイネルバルビゾンは、大井では1200メートルを中心に使われているだけに、ここより盛岡の1200メートルが狙いかも。
早池峰賞2着のチェリービスティー、前走あすなろ賞快勝のコウギョウデジタルらにもチャンスはありそう。
◎1コスモセンサー
◯8コスモフィナンシェ
▲10ランドオウジ
△9マイネルバルビゾン
△4チェリービスティー
△7コウギョウデジタル
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例によって佐賀のB級重賞。
タカノアラエビスは、前々走の若葉特別こそシゲルコギツネザと暴走ぎみに競り合ったことで大差の最下位に負けてしまったが、前走はマイペースの逃げで、1番人気のマイネルハートレーを半馬身差で振り切った。前々走までしばらく1400メートルばかりを使われてきていたが、むしろこの距離のほうが合うのではないか。
マイネルハートレーは、中央から転入初戦の前々走が6馬身差の圧勝だったため、前走で断然人気に支持されたが、タカノアラエビスをとらえきれず2着。とはいえ初戦の相手を考えれば、あくまでも結果論だが、人気になりすぎたような感じはあった。今回もおそらく前に行くであろうタカノアラエビスをどこからとらえにいくか。
イチエイオウジは金沢からの転入初戦。約2カ月ぶりの実戦となるが、金沢では近走A4~A3で勝ち負けという実力だけに、いきなりの勝利があっても驚けない。
ホワイトショウフクは、タカノアラエビスがしんがり負けだった若葉特別で2着があり、その後も3、4着だが、着差を見ると勝ち負けまではどうだろう。
ダンスインザスカイは昨年秋の転入以降、B級特別で掲示板はたびたびあるものの、勝利まではもうひと息という状況。ここでも恵まれて連下まで。
◎6タカノアラエビス
◯7マイネルハートレー
▲9イチエイオウジ
△8ホワイトショウフク
△4ダンスインザスカイ
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ドリームカトラスは昨年春に中央から転入して、昨年のこのレースは3着で、続くくろゆり賞を勝利。それ以降で連対をはずしたのは、遠征の姫山菊花賞と、地方全国交流の笠松グランプリ、オブリキャップ記念のみ。笠松のオープンや東海地区限定の重賞では崩れることがほとんどない。今回は金沢から2頭の遠征があるものの、ほとんど地元東海勢というメンバーなら久々の重賞タイトルを狙える。
クリスタルボーイも同様にこのメンバーなら能力上位。ここ2戦はダートグレードでともに5着だが、黒船賞は地方最先着、かきつばた記念は4着のピッチシフターにアタマ差。中央時代からダート短距離を中心に使われており、距離適性ならむしろドリームカトラスより上かもしれない。
エーシンハダルは中央から転入して6戦、勝ち星はないものの、やはり一線級を相手に好走。2走前の東海クラウンでは、ドリームカトラスに2馬身差の2着と差のない競馬をしている。
ズンダモチも中央から転入して好走はあるものの勝ち星はまだない。前走名古屋でら馬スプリントは見せ場なく6着だったが、スタート後に外から他馬に寄られて位置取りを下げざるをえず、さすがに800メートル戦で巻き返しは無理だった。人気にならないようであれば、連下の穴候補としておもしろい。
古馬と初対戦となるリックタラキチがどこまでやれるか。
エイシンナナツボシも実績を考えれば勝負になっておかしくないが、1400メートルはちょっと距離不足かもしれない。
◎2ドリームカトラス
○7クリスタルボーイ
▲10エーシンハダル
△8ズンダモチ
△3リックタラキチ
△4エイシンナナツボシ
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デビュー戦で圧倒的なスピードを見せたクリノショウスーシから狙う。そのデビュー戦では、スタート後にハナを奪うと、直線では気合をつけられるとあっという間に後続を突き放してという次元の違うレースぶり。不良馬場とはいえ勝ちタイムの1分0秒7はかなり速い。
新種牡馬カネヒキリ産駒のコールサインゼロは、デビュー戦ではスタートこそあまりよくなかったが、3番手追走から持ったままで先頭に立って直線突き放すという強い勝ち方。そのデビュー戦が1000メートルで、今回が1200メートルだが、血統的にもさらに距離が伸びてという気がする。
オヤコダカは、1番人気に支持されたウィナーズチャレンジでは前後左右を囲まれ道中揉まれての追走で、ゴール前は伸び切れなかった。力を発揮できればここでも勝負になる。
1000メートルのフレッシュチャレンジを好タイムで勝ったアイスバードック、同じくフレッシュチャレンジ快勝のルージュロワイヤル、ウーマンらも好走が期待できそう。
◎9クリノショウスーシ
◯7コールサインゼロ
▲3オヤコダカ
△10アイスバードック
△8ルージュロワイヤル
△13ウーマン
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ピッチシフターは、昨年3歳時に古馬との秋桜賞も制し、JBCレディスクラシックJpnIでは地方最先着の5着。そして4歳になっての活躍が期待されたとおり、休み明けの東海桜花賞ではサイモンロードを相手に4番人気ながら完勝。かきつばた記念JpnIIIでも4コーナーで2番手まで押し上げる見せ場があっての4着だった。グランダム・ジャパン古馬シーズンの最有力候補といっていいだろう。
エーシンサルサは園田のA1特別3連勝中と好調。サウスヴィグラス産駒ゆえか、これまでほぼ1400メートルのみを使われてきたのが、前走1700メートル戦でも他馬を寄せつけずというレースを見せたのは、今後グランダム・ジャパンのシリーズを戦っていく上で自信になることだろう。
吉原寛人騎手が手綱をとるのが、船橋から遠征のエミーズパラダイス。今年は4戦していいところがないが、もともと牝馬同士のダートグレードで上位を争っていた実力。軽視はできない。
グランダム・ジャパン3歳シーズンで総合3位だったクロスオーバーが古馬シーズンにも挑戦してきた。古馬に対して3キロ減の53キロは有利で、4月の段階でマリーンカップJpnIII(8着)に出走し、すでに古馬一線級と対戦しているという経験も大きい。
キモンレッドは中央所属として出走したJBCレディスクラシックJpnIで3着があり、しかしその後は大井に転厩したものの4着が最高という成績。JBCレディスクラシックと同じ金沢1500メートルの舞台で復活の走りを期待したいところ。
地元勢は実績的に物足りないメンバーだが、イイデジャストがA3までとはいえ目下4戦連続連対中という勢いで、上位争いに加われるかどうか。
◎2ピッチシフター
◯9エーシンサルサ
▲10エミーズパラダイス
△6クロスオーバー
△11キモンレッド
△4イイデジャスト
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