さていよいよダービーWeek。第1弾のダービーは、もちろん栄城賞。
九州皐月賞荒尾ダービーが終った時点では、力の抜けている馬がはっきりしていて、栄城賞はわかりやすいレース、つまり馬券的にはそれほどおもしろくないかと思っていたのだが、いやいやどうして。実際にメンバーが出てみると、一筋縄ではいかない感じだ。
まず荒尾ダービー組では、後続をちぎったスターオブジャパンとユウワンの力が抜けている。
そして、ようやくここで重賞を使ってきたかという感じのシーキングザサンは、ここまで6戦全勝。
飛燕賞を勝って短期休養に入り、前走復帰戦の古馬B2戦を勝ったナセも有力な1頭。
6戦4勝のザオリオンもここで重賞初出走だがチャンスはありそうだ。
馬券の対象は、とりあえずここまで。
大井から移籍してこれが2戦目となるキングコングパワーにも未知の魅力はあるが、佐賀のB2で差をつけられているようでは厳しいだろう。なのでこの馬は見送る。
ここは素直に連勝中のシーキングザサンを本命にする。スターオブジャパンとは3月11日のかささぎ賞で対戦していて、ここはシーキングザサンが勝ち、スターオブジャパンがクビ差の2着。しかしこのときは、シーキングザサンのほうが斤量が1kg重かった。それが今回は56kgの同斤量。シーキングザサンにとってはかなり有利と思われる。
相手には、休み明けをひと叩きしたナセを取り上げたい。その次にスターオブジャパン。
◎シーキングザサン
○ナセ
▲スターオブジャパン
△ユウワン
△ザオリオン
馬券は、◎→○▲△△の馬単に、○→◎の折り返し。
3連単を買うなら、ユウワンまでの4頭ボックスでどうだろう。
伝統の重賞、一條記念みちのく大賞典には、他地区から6頭が出走してきた。やはり地元の同じメンバー同士ばかりでなく、普段は対戦のないメンバーが何頭か入ってくれると予想のしがいがあって面白い。
まず岩手の中で実力上位は、前走シアンモア記念の1、2着エアウィードとタイキシェンロン。この2頭はコースや展開によって勝ったり負けたりなので甲乙つけがたい。
シアンモア記念で1番人気に推され、この2頭とはそれほど差のない3着だったインターセフォーは南関東ではA2クラス。しかもタイキシェンロンが一時南関東に在籍したときは、B1〜A2で勝ち切れなかったので、岩手の2頭は南関東のオープンより格下と見るのが妥当だろう。
したがって中心に推せるのは南関東のオープン級ということになる。コアレスハンターは9歳になったが、今でもオープンや重賞で入着の実力がある。
そしてもう1頭は北海道のビーファイターだ。船橋に遠征したふさの国オープンでは、山口竜一騎手の見事な騎乗で快勝。その前走道営記念では、ダートグレードで好走しているバンブーボカから2馬身差の2着と好走。これも評価できる。
比較が難しいのが中央から岩手に転厩して1戦しかしていないマンジュデンツルギ。中央時代はダートの準オープンで2着の実績があり、盛岡での初戦はグローリサンディに7馬身差の圧勝。エアウィードやタイキシェンロンより上の可能性は十分ある。小林俊彦騎手に乗り替ったのも心強い。
印をつけるならこんな感じ。
◎ビーファイター
○コアレスハンター
▲マンジュデンツルギ
△エアウィード
△タイキシェンロン
ビーファイター頭で馬単。ビーファイター1着固定の3連単でもいいかも。
6月2日、笠松のサラ・クイーンカップはなんとも難解な一戦。重賞勝ち馬がタカノハルビー1頭しかいない上に、重賞出走経験のある馬たちは勝ったり負けたりという相手関係。
どのレースを重視するかだが、今回と同じコースで行われた新緑賞の結果を素直に信じようと思う。直線は1番人気キムタツプリンセスと3番人気タカノハルビーの一騎打ちとなり、タカノハルビーがクビ差で競り勝った。外を回ったタカノハルビーのほうが終始楽な手ごたえでレースを優位に進め、最後まで抜かせなかったのは着差以上に力の差があると見る。
キムタツプリンセスはその後の駿蹄賞(名古屋)で8着と惨敗し、マウタンが2着に好走した。ただこのときは勝ったホウライミサイルがマウタン以下を5馬身離す圧勝。こういう1頭だけ抜けた馬がいるレースでは、負かしに行って惨敗した馬や、着を拾いに行って好走した馬などがいて、2着以下の着順というのはそのまま実力差と考えないほうがよい、というのがぼくの考えだ。なので、ここでのキムタツプリンセスの惨敗は参考外と考えることにする。
そのほかで勝負になりそうなのは、コホウサンデーくらい。年明けは重賞と中央を交互に使い、前走笠松で3歳1組のレースを勝った。今回のメンバーなら勝ちきれるだけの力をつけていても不思議ではない。
判断に悩むのが中央から転入緒戦となるセントルイスガール。中央では小倉2歳S・2着や、エルフィンS・3着という実績があるが、ここまでダートは未経験。こういう馬がダートグレードに出てきたときは迷わず切るのだが、いかんせん地区限定の牝馬重賞なら潜在能力だけで勝負になってしまうということも十分考えられる。調教や能検の状態で判断することになるのだろうが、それを見ることができないのが予想の上では苦しいところ。あまり手を広げてもしょうがないので、来てしまったら諦めることにして今回は見送ることにする。
印をつけるなら、◎タカノハルビー、○キムタツプリンセス、▲マウタン、△コホウサンデーとなるが、どの馬にもこれといった強調材料がないだけに、馬券はオッズを見て強弱をつけながら4頭のボックスということになるだろう。
5月28日に行われた3歳馬による特別・はまなす賞(盛岡芝1600メートル)は、見ごたえのあるレースだった。もちろん現場で見たわけではなく、ネットの映像配信であとから見たわけだが。
そういえばこの日は日本ダービーで東京競馬場にいたので、岩手の場外発売所で見ようと思えば見ることもできた。しかしはまなす賞の発走時刻は日本ダービーが終った後で、勝利騎手・調教師の共同記者会見を待ってるところだったので、申し訳ないことにすっかり忘れていた。
ところで東京競馬場内の岩手場外は、メインスタンド1階という便利な場所に移ってからけっこうお客さんがいるようで、これはとってもよかったと思う。
と、だいぶ話がそれたが、はまなす賞の話に戻る。
馬券的には馬連複150円という、よほどの大金を賭けられるような方でないとおもしろくない配当だが、決着した2頭、オウシュウクラウンとブラックショコラの能力の高さをあらためて知らしめるレースぶりに納得だった。
4コーナーではブラックショコラが先頭に並びかけ、オウシュウクラウンは外に持ち出したがまだ中団。馬群はほとんど一団で、このあたりでは2強の決着にはならないのかと一瞬思ったが、直線半ばで2頭が完全に抜け出し一騎打ち。ゴールでは、後ろから仕掛けたオウシュウクラウンが半馬身先着した。2着ブラックショコラと3着馬との差は4馬身だが、上位2強はともに他馬より3キロ以上重い58キロだったから、やはり3着以下とは着差以上の能力差がある。
これで現時点での岩手3歳の勢力図がほぼ確定した。今回の2頭に、岩鷲賞でブラックショコラの2着だったダンディキングを加えた3頭が完全に抜けた存在。
オウシュウクラウンは父ジェイドロバリーのUAE産で、昨年の千葉サラブレッドトレーニングセール(船橋競馬場)にダーレー・ジャパンから上場されていた馬(主取り)。冬季間は船橋に移籍していたが、岩手に戻ってこれで2連勝。重賞タイトルはまだないが、昨シーズンの岩手在籍時より格段に力をつけている。
ブラックショコラは、中央遠征の1戦を除けば地元岩手では10戦4勝、2着4回、3着2回と安定した成績で、重賞も金杯と岩鷲賞を制した。2歳時の盛岡開催では芝コースのみを使われ、今回は、その後JRA東京に遠征して以来の芝のレース。父ブラックホーク、母の父リアルシャダイという血統からも、芝ダート兼用なのだろう。
そして今回出走しなかったダンディキングだが、重賞タイトルはないものの、4月23日のスプリングカップ(水沢)でブラックショコラ(3着)に決定的な差をつけて勝った。デビュー勝ちは盛岡の芝コースだったが、以降はダートのみを使われている。母はアラブのミスハクギンだけに、ダートのほうがいいのかもしれない。父は北九州記念を勝ったダンディコマンドだが、その父はニホンピロウイナー。母のミスハクギンもマイル以下で好成績を残した馬で、ダンディキングの適性はもしかしたらダートのマイル以下である可能性がある。
さて、6月11日に行われる岩手ダービー・ダイヤモンドカップだが、もちろんこの3頭が中心。舞台がスプリングカップと同じ水沢ダート1600メートルならダンディキングにとっても適性面での不安はない。
気になるのは、はまなす賞から中1週しかないというローテーション。ダンディキングの出走は間違いないだろうが、はまなす賞に出走した2頭は、果たしてどうだろう。
3強のうち2頭しか出走しないなら、馬連はまた200円前後のオッズになるだろう。ダンディキングしか出ない場合は、2着争いが混戦で馬券的にはおもしろいだろうが、そんなレースは望まない。
岩手ダービー・ダイヤモンドカップは、馬券よりも、3強の動向、そしてレースぶりに注目したい。
今年、新たな試みとして行われる「ダービーWeek」が近づいてきた。念のため日程を掲載しておく。
6/4(日) 九州ダービー 栄城賞(佐賀)
6/6(火) 札幌ダービー 北斗盃(札幌)
6/7(水) 東京ダービー(大井)
6/8(木) 兵庫ダービー(園田)
6/9(金) 東海ダービー(名古屋)
6/11(日) 岩手ダービー ダイヤモンドカップ(水沢)
ぼくは今のところ、九州ダービーと東京ダービーに行く予定だ。
レースはもちろんだが、中でもやはり佐賀競馬場で行われるオープニングイベントが楽しみ。わざわざ佐賀まで行くのは、このオープンニングイベントの取材のためといってもいいくらいだ。
あの関口房朗氏が来場するというから、何が起こるかわからない。
そして、ぜひとも食べてみたいのが、777個限定販売の「ゴールデンバーガー」(500円)だっ!!!
佐賀競馬場の開催日にワゴン車で販売している「からつバーガー」と、関口会長とのコラボレーションということらしい。
自慢じゃないが、ぼくは佐賀競馬場でこの「からつバーガー」を今までに2度食べている。プレーンのハンバーガーは230円だが、写真はもっとも高価な380円也の「スペシャルバーガー」。食べかけなのは、まことにまことに申し訳ない。
「からつバーガー」は、注文するとまずバンズを温めるところからはじまって、卵や肉もそのつど焼いているので10分ほど待たされるが、間違いなくできたてが食べられるのはうれしい。かなりのボリュームがあり、手作り(たぶん)の上に、新鮮なレタスもたっぷりなので、街中のハンバーガーチェーンのものなどと違ってヘルシーな感じがする。
で、佐賀ダービー当日に販売される「ゴールデンバーガー」だが、特別に高級神戸牛を使用し、なんと金粉入り。普段の「からつバーガー」は写真のような包装紙なのだが、これが関口会長の顔写真入りになるらしいというから、なんともシュールだ。
『佐賀ダービー栄城賞』当日、第1レース前に佐賀競馬場に着いてまずやることは、限定777個の「ゴールデンバーガー」を食べること。これに決まり。