ダートグレードの短距離路線は多くが中央勢が圧倒していて、クラスターカップGIIIも例外ではない。過去10年で地方勢が勝ったのは00年の名古屋・ゴールデンチェリーのみ。2着を見ても、98年にJRAから岩手に転入していたユーコーマイケルがいるだけ。
ちょっと古い話で恐縮だが、北海道スプリントカップGIIIや東京盃GIIで大穴をあけたサカモトデュラブがなぜここで好走できなかったのだろうと思う。クラスターカップには5回出走していずれも2桁着順と大敗だった。ああいうスピードタイプの馬にとっては、もしかして盛岡の坂が堪えるのだろうかと思ったり。
今年のクラスターカップGIIIもどうやら中央勢が断然というメンバー構成。プラスになるかどうかは別として、中央勢のボックスを勝えば馬連複・馬連単は当たりそうだ。
今回はさきたま杯GIII、北海道スプリントカップGIIIを連勝しているアグネスジェダイが断然人気となりそう。しかしここはあえて死角を探してみたい。58kgはさきたま杯、北海道スプリントカップで克服済みだが、盛岡の坂でどうだろう。2000メートルなので参考にならないかもしれないが、盛岡のダービーグランプリGIでは5着に敗れている。今年緒戦だった東京の根岸ステークスGIIIで13着に大敗しているのも気になるところ。
というわけで、中心にしてみたいのはトウショウギア。重賞未勝利だけに56kgは有利。アグネスジェダイが大敗した根岸ステークスでも3着と好走している。
相手には、クラスターカップで4年連続連対しているディバインシルバー。ここのところ成績はよくないが、大敗はあまりない。昨年のクラスターカップ2着のときも馬券にからんだのは7戦ぶりだった。盛岡1200メートルというコースが合うのだろう。
このメンバーならオフィサーでも十分に連対の可能性はある。
地方勢は掲示板が精一杯だろうが、3連単の3着で穴をあける可能性があれば、地元のオリエントボス、名古屋のナシュータックあたりだろう。
ただここは、3連単で冒険するより馬連複か馬連単で絞って勝負するのが賢明だろう。
◎トウショウギア
○ディバインシルバー
▲オフィサー
△アグネスジェダイ
地方競馬はどこでも年末年始とお盆のこの時期が盛り上がるが、ばんえい競馬は特にこのお盆開催は多くのファンが岩見沢競馬場を訪れる。
ファン投票によって行われるばんえいグランプリは、89年の第1回からずっと8月15日に行われてきた(00年のみ岩見沢記念と時期を入れ替えて行われた)。普段、土日月開催で行われているばんえい競馬は、この時期だけは曜日にかかわらずお盆の日付に合わせた開催を行っていたのだが、今年は曜日どおりの開催となり、ばんえいグランプリは13日の日曜日に行われる。
ばんえい記念5連覇が今年の目標となるスーパーペガサスが不在なのは残念だが、現時点でのほぼベストメンバーがそろったといっていいだろう。
定量の北斗賞を制したミサイルテンリュウのみがプラス10kgでこれが微妙なところ。
今シーズンの岩見沢コースは昨年とはガラリ一変。乾いた馬場でも時計の出る軽い馬場になっている。それゆえ第2障害を早めに越えた馬が圧倒的に有利。人気馬でも第2障害で引っかかってしまうと掲示板すらないということも珍しくない。
しかしこの重量になれば8月6日のサマーカップのように大荒れという結果はないように思う。
そのサマーカップで4着に敗れ、今回は人気を落とすかもしれないアンローズが本命。岩見沢コースへの適性は魅力的だ。
相手にはトモエパワー。同重量ならミサイルテンリュウのほうが上だが、10kg差がついたここは逆転可能と見る。前走サマーカップはトップハンデながら早めに障害をクリアし、見事に押し切った。790kgという重量も北斗賞で経験済み。
馬券の勝負はこの3頭。
人気になりそうなサダエリコは、旭王冠賞での復活こそ見事だったものの、岩見沢に来てまだ勝利がないので押さえまで。前走サマーカップでは障害で手間取ってしまい惨敗したのも気になるところ。
高重量戦には実績があり、忘れた頃に穴をあけるシンエイキンカイも少し押さえる。
◎アンローズ
○トモエパワー
▲ミサイルテンリュウ
△サダエリコ
△シンエイキンカイ
昨年のこのレースはストロングボスが連覇を果たし、2着にも2番人気のケージーアフリートが入って人気どおりの決着となった。しかしそれ以降の高知のサラブレッド古馬戦線は大混戦となっている。ダートグレードの黒船賞は別として、珊瑚冠賞、高知県知事賞、二十四万石賞と、いずれも1番人気馬が連対していない。
上位馬は勝ったり負けたりで力関係が難しいが、ここは昨年2着で重賞初制覇を狙うケージーアフリートを中心にしたい。前走で4着に敗れているが、先行できればこのメンバーでも大崩れはない。
もう1頭取り上げたいのはニッタレヴュー。近走3戦連続2着で勝ち馬はすべて異なるが、ケージーアフリート、シルキーゲイル、マリスブラッシュと、今回有力視されそうな馬ばかり。この馬の安定感を買う。
そのほかでは、そのニッタレヴューに先着しているシルキーゲイルにマリスブラッシュ。あとは人気になりそうもないが黒船賞GIII最先着のゲイリーファングまで。
3連覇を狙うストロングボスだが、今年1月に勝利して以降は10戦勝ち星から遠ざかっている。特に近走はレース内容がよくなく、残念ながらここは見送りだろう。
◎ケージーアフリート
○ニッタレヴュー
▲シルキーゲイル
△マリスブラッシュ
△ゲイリーファング
高配当を期待して◎○を軸にした3連単マルチの18点買いでどうでしょう。
盛岡のマーキュリーカップGIIIに挑戦したビッグドンとビッグゴールドは、それぞれ8、9着と案外の結果で残念だった。
特にビッグゴールドは、スターキングマン、グラッブユアハートに続く3番人気という高い支持を集めた。昨年の天皇賞・春2着という実績があり、血統的にもダートで走っても不思議はない。しかも金沢に転入してからは圧倒的なレースぶりで2連勝。金沢勢悲願のダートグレード初制覇の可能性もと思ったが、中団のまま見せ場をつくれなかった。
今回は笠松から3頭、名古屋から2頭の挑戦があるが、これといった実績馬がいないため、地元金沢勢でイケるのではないだろうか。
そうなれば、やはりビッグの2頭を狙ってみたい。
ビッグゴールドの前々走A1特別は、相手はやや軽かったものの、向正面で軽く気合を入れられるとぐんぐんと後続を突き放すというレースぶりは圧巻。百万石賞でテンリットルに3馬身差をつけたビッグドンのほうがダートでの力は上の可能性もあるが、今回はビッグゴールドのレースぶりを評価したい。
百万石賞は5着だったが、名古屋に遠征した名港盃でタカラアジュディと叩き合って惜しくもアタマ差2着に敗れたマヤノオスカーにもチャンスはありそうだ。
テンリットルはやや距離不足だが、展開次第では一角崩しがあるかもしれない。
他地区勢では、これが重賞初挑戦となる3連勝中のバクシンテンニョに未知の魅力がある。
昨年の覇者テーマミュージックは、今年5月の休養明け以降B級で4戦1勝という成績で、今回このメンバーに入っては厳しい。
◎ビッグゴールド
○ビッグドン
▲マヤノオスカー
△テンリットル
△バクシンテンニョ
霧島賞は、九州産馬限定の中央との交流レースで、1着賞金1000万円は、実は荒尾の最高賞金レースでもある。その次が800万円のたんぽぽ賞で、中央との交流ではない普通の重賞の1着賞金が100万円台であることを考えると、荒尾ではかなり突出している。
近年は3〜4歳の若い世代の活躍が目立つが、97、98年のウットマン以降、連覇した馬はいない。中央勢は1000万円以下という条件なので、連覇できるような実力のある馬は1年のうちに上のクラスに昇格してしまうからという理由もあるのだろう。
そんな中、興味深いのは中央のカシノコールミーの存在。霧島賞はこれまで4回の出走で6、1、2、2着という成績。「カシノ」の冠号のオーナーさんは九州産馬をたくさん所有しているが、まさにこのレースのために走っているといってもいいかもしれない。
さて、7月18日に行われたトライアルのえびの特別からは、1着のテイエムミゴテカ、2着のキングプログレスが出走。
25日の大隅特別からは、勝ったドリームホマレ以下、3着のテイエムトッパズレ、4着のテイエムハエドー、5着のコニヤ、8着のカシノサンデーが出走してきた。
中央勢の力関係を見てみると、だいたい1000万クラスで好走している馬が狙い目になりそう。まあ、条件設定が1000万以下なのだから、当たり前といえば当たり前なのだが。
本命には、えびの特別を勝ったテイエムミゴテカを推したい。3歳牝馬でまだまだ強くなると思う。
相手にはカシノコールミー。すでに霧島賞を勝っているため、500万条件のえびの特別や大隅特別には出走できないが、ここ3年の好走を見れば今年も勝負になりそうだ。
地方勢で可能性があるのは、一昨年の勝ち馬ベルガモットシール。格付け的にも、地方勢で連対できる可能性があるのはこの馬くらいだろう。
そのほかでは、昨年5番人気ながらレコード勝ちを演じたキングプログレスに、大隅特別を制してここに臨むドリームホマレまで。
カシノコールミーが勝った3年前こそ1、2番人気での決着だったが、人気どおりの決着はむしろ珍しく、馬券はボックスなどで手広く狙いたい。
◎テイエムミゴテカ
○カシノコールミー
▲ベルガモットシール
△キングプログレス
△ドリームホマレ