兼六園ジュニアカップの過去の勝ち馬からは、レジェンドハンター、フジノテンビーなど全国レベルの活躍馬が出ていて、とくに東海地区の馬たちの活躍が目立つ。ところが今年は、他地区からの遠征は笠松と兵庫から1頭ずつのみで、出走は9頭とやや寂しい感じ。
ところでいきなり話はそれるが、キャリアが1〜2戦しかないような馬がほとんどの2歳戦の場合、競馬新聞だけで予想するのはなかなか難しい。やはり実際のレースぶりを見たいところ。
それが今なら、オッズパークのサイトでレース映像を見て確かめることができるようになった。まったくもってありがたいことである。
というわけで勝負になりそうな馬の映像を順番に見てみると……
ローランウェイクの前走は2コーナーでほとんど最後方の位置取りながら、向正面からずっと追いどおしで4コーナーで先団にとりつき、最後まで粘っていたクリスタルペガサスを差し切った。
ブラックムーンの前走、1400メートルのJRA認定レースは、後続を引きつけての先行策で、3コーナーから徐々に後続を離しにかかり、直線でムチを2発入れられただけでみるみるうちに突き放した。
デビューから2連勝のエバータイムは、直線一騎打ちとなったクリスタルペガサスをゴール前でようやく振り切った。
笠松のマツノメガミのデビュー戦、800メートルの認定レースは、他馬とのスピードの違いを見せつけ楽々と逃げ切り勝ち。
兵庫のユキノキラリもデビュー戦の認定レースでは、楽に先手を奪うと、直線では後続との差を広げるばかり。
さて、この中で他馬を圧倒していたのは、笠松と兵庫からの遠征馬と、地元ではブラックムーン。中でも目についたのは、ゼンノエルシド産駒の兵庫・ユキノキラリだ。重心の低い走りで、直線半ばではすでに手綱をゆるめられた状態で、追えばまだまだ伸びそうな雰囲気。
地元のブラックムーンも後続を引き離すと、最後は流すような感じだった。
この2頭の組み合わせが本線で、離れた3番手に笠松のマツノメガミ。
ローランウェイクは最後方からの差し切りという2歳馬離れしたレースぶりだが、かなりズブい感じで、今後の成長に期待したい。
◎ユキノキラリ
○ブラックムーン
▲マツノメガミ
△ローランウェイク
青藍賞は、地方全国交流なのだが、他地区からの遠征が1頭もないのはなんとも残念。
しかし、地元馬同士の争いとはいえ、タイキシェンロンは7月2日の栗駒賞(4着)以来顔を見せず、エアウィードもシアンモア記念を勝って以降は不振が続いていて、なんとも難解なレースとなった。
ならば本命は、南関東から戻って休養明け叩き2戦目となるウツミジョーダンを推してみる。05年の川崎記念で3着したときほどの力はないかもしれないが、昨年暮れから今年にかけても浦和記念4着、川崎記念6着と好走はしている。それだけの力が発揮できれば、このメンバーなら実力上位だろう。
相手には、マーキュリーカップ、クラスターカップと強いメンバーにもまれているベルモントシーザー。
そして本調子にないとはいえ、連覇を狙うエアウィードも地元馬同士の争いならはずすわけにはいかない。
さらに昨年2着のローランボスコに、重賞はこれが初挑戦となるヤマニンエグザルトまで。前走すずらん賞を勝ったミサキノハンターは斤量に恵まれた感があり、高松騎手でも減量特典がない今回は見送る。
◎ウツミジョーダン
○ベルモントシーザー
▲エアウィード
△ローランボスコ
△ヤマニンエグザルト
姫路というと、関西圏以外のファンにとってはどうにも行きにくい競馬場のひとつではある。
新幹線が停車する姫路駅から無料バスがあるから決して交通の便が悪いわけではないのだが、なかなか行くきっかけがない。
ダートグレードをはじめ大レースはほとんどが園田競馬場だし、園田・姫路の競馬は基本的に火水木の開催だから、たとえばJRAの京都や阪神に行ったついでにといっても間が空いてしまう。
ぼくは現存する競馬場にはJRAも含めてすべて足を運んでいるのだが、そういうわけで姫路はもっともご無沙汰している競馬場かもしれない。確かな記憶はないのだが、もしかすると21世紀に入って訪れていない唯一の競馬場かもしれない。
そして記憶が正しければ姫路競馬場に足を運んだのはこれまでにおそらく2度。近年廃止された、宇都宮や高崎や足利や上山や三条や益田や中津や(順不同)、それに旧盛岡競馬場までを含め、現存する競馬場の中では、2回というのは最小訪問回数の競馬場かもしれない。
だからといって決して嫌いな競馬場というわけではなく、行きたいんだけどなかなか行くきっかけがないんだよなあ、姫路は。ということが言いたかっただけなんだけど。
というわけで、姫路チャレンジカップ。
笠松と名古屋から各2頭に、金沢と福山、それに地元兵庫が5頭というメンバー構成。おもしろいのが、前走盛岡のクラスターカップGIIIに出走した馬が4頭もいるということ。
最先着は金沢から遠征して岩手に期間限定所属していた内田利雄騎手が手綱をとったマヤノチャーナで、勝ったアグネスジェダイから0.7秒差の5着は大健闘だった。中央から金沢に移籍して2戦は4、5着という成績だったが、中央時代も活躍のしていたのは短距離で、これは距離が長かった。クラスターカップでの厳しいペースの経験は必ずや生きると見て、この馬から狙ってみたい。
相手は、同じくクラスターカップに挑戦し9着だった名古屋のナシュータック。それから地元勢では、ホクザンスターダム、プリティスキャン、トーセンノースランへ流す。
◎マヤノチャーナ
○ナシュータック
▲ホクザンスターダム
△プリティスキャン
△トーセンノースラン
せっかく「今月のヤキソバ」を復活させたのに、4月に笠松のを2つ取り上げたままごぶさたになってました。最近はなかなかそれなりのヤキソバってのも少なくなっちゃったのよ。
というわけで『帰ってきた「今月のヤキソバ」 その3』は岩見沢。
ばんえいの競馬場にはなかなかそれなりのヤキソバというのがないんだけど、久々に岩見沢で発見。
スタンド2階のいちばんスタート寄り、馬場側に面したところに、その400円のヤキソバはあった。
中を覗くと調理場のようなところがあるので、そこで作ってるのかとも期待したけどどうやら作り置きらしい。売り切れたらおしまいという雰囲気。
具は、キャベツ、玉ねぎ、ピーマンに、肉は豚肉ではなくハム。写真を見てもわかるとおり、ソバとは別に炒めているようで色鮮やかなのが目を惹く。
ひと口食べてみた感想。
やきそばパンに入ってるヤキソバみたい。
何がそう感じるかはわからないけど、まずそう思った。もしかして温かくなくて、ソースがしっとりしてないからでしょうか。
これをもう一度熱したフライパンにバサッとやって、出汁をかけてさらにソースをかけてしっとりさせたらおいしくなると思うんだけどなあ。鰹節と青海苔もかけたいところではある。
* * * *
さて、ばんえいの重賞は4歳牝馬のクインカップ。
実績では黒ユリ賞とばんえいオークスと重賞2勝を挙げているウィナーサマーが断然。しかし、それ以外は270万と220万のクラスの馬たちで、なんと重量差は60kg。いくら実績があっても同世代同士のレースでこの差はきびしい。ゆえにウィナーサマーは見送りの一手。
中心は、今シーズン成績が安定していて、270万のクラスでも好勝負を続けているニシキシャープ。
藤本匠騎手に乗替ったラヴクイーンが相手で、昨年12月のばんえいオークスではウィナーサマーと差のない3着のアロアローズも実績では上位。
ここまで3頭の勝負だとは思うが、トヨトミタカラヒメ、ハヤフジクインまで押さえる。
◎ニシキシャープ
○ラヴクイーン
▲アロアローズ
△トヨトミタカラヒメ
△ハヤフジクイン
重量差が結果を大きく左右するレースで、例年荒れる傾向にあるだけに、絞らず手広く狙いたい。
九州3歳3冠目のロータスクラウン賞だが、九州ダービー栄城賞の上位馬が顔を見せず、栄城賞組では5着エクセルクレバー、6着キングコングパワー、7着セイトカイチョウ、8着ナセ、そして競走中止だったハクコウガバナーが出てきた。
この顔ぶれなら、荒尾の荒炎賞を制したブライダルサンデーを中心にしたい。4月23日のル・プランタン賞を制して以降は、関東オークスGII遠征(9着)以外は負けていない。
相手は混戦だが、やはり栄城賞出走組でよさそう。
その筆頭はナセ。古馬B2、B1と連勝し、前走荒尾の九州産限定・えびの特別でも九州勢最先着の3着。ブライダルサンデーに先着できる可能性があるのはこの馬だけかもしれない。
新興勢力では、大井から転入緒戦こそ4着に敗れたもののその後は古馬B2を連勝しているオンゾーシ。
その次が、栄城賞後は2、3着と安定しているエクセルクレバー。さらに、ここのところ2連勝と好調のセイトカイチョウ。佐賀デビューでこれが重賞初挑戦のカミノチカラにも可能性がありそうだ。
3月の3歳戦でブライダルサンデーに先着しているハクコウガバナーだが、九州ダービー栄城賞で競走中止したあとはイマイチの成績で、ここは見送る。
◎ブライダルサンデー
○ナセ
▲オンゾーシ
△エクセルクレバー
△セイトカイチョウ
△カミノチカラ
ブライダルサンデーとナセを軸で3連単マルチで4頭に流す。押さえでブライダルサンデーからの馬連複流しでどうでしょう。