31日には、荒尾競馬場で2歳馬による九州ジュニアグランプリが行われる。
出走表を見てまず思ったのが、地方競馬にもかなりの良血馬が入ってくるようになったなあということ。血統だけを見れば、中央に入ってもおかしくはないという馬が大半を占めている。
このレースは違うが、九州産馬限定のレースなどを見ていても時代の移り変わりを感じることがある。何年か前までは九州産馬限定戦というと、九州で繋養されている同じ種牡馬の産駒ばかりが出走していたのが、最近ではさまざまな種牡馬の産駒が出走してくるようになった。北海道で種付けし、受胎した繁殖牝馬を九州に連れてきて出産する、「持ち込み九州産」が増えてきているからだ。馬の移動や流通が日本全国でそれだけ活発になっているということだろう。
さて、九州ジュニアグランプリ。
さすがに2歳のこの時期の重賞だけに、あまり強気にはなれないが、デビューから2連勝のハシリノキョショウ、デビュー戦で後続に3秒3差をつけて圧勝したイタンジと、やはり佐賀勢を上位にとりたい。
迎え撃つ地元荒尾勢では、いずれも中央遠征を経験し、地元では負けていないキラキラレグルス、フジヤマロマンらに期待したい。
いずれにしても力関係がはっきりしないので、ボックス買いで手広く。
◎ハシリノキョショウ
○イタンジ
▲キラキラレグルス
△フジヤマロマン
10月29日、アラブ3歳以上によって争われる福山菊花賞のポイントは、3歳の快速馬バクシンオーをどうするかに尽きると思う。
初の古馬一線級との対戦となった金杯は、ラピッドリーランに競りかけていって馬群に沈み、屈辱のしんがり負け。しかし、続く新設のスプリントカップでは古馬を相手に快勝した。
そして前走、3歳馬同士なら間違いないと思われた鞆の浦賞では、めずらしく好位に控えたと思ったら直線ではラチ沿いで他馬に完全に囲まれてしまい、まったく出るところがなく脚を余したまま敗れれてまった。7着とはいえ、勝ち馬からは0秒3差とほとんど差はなく、まったくレースをさせてもらえなかっただけで力負けではない。
金杯では勝ったラピッドリーランと同じ55キロだったが、今回はラピッドリーラン56キロに対して、バクシンオーは51キロと斤量的にはだいぶ楽になった。5キロ差なら逆転のチャンスだろう。
そして8連勝中のラピッドリーランにはこのレース連覇がかかっている。とはいうものの、前回の敗戦は、このレースと同じ距離の福山桜花賞(4着)で、過去の成績を通して見ると2000メートルを越える距離は決して得意というわけではない。
もしこの2頭がやり合って共倒れになることがあれば、台頭するのはクロマルジョージ。前走1800メートルのA1特別では、勝ったラピッドリーランにクビ差まで迫る好走だった。
そのA1特別で単勝2番人気(6着)だったアトムビクトリーにも可能性はありそうだ。
◎バクシンオー
○ラピッドリーラン
▲クロマルジョージ
△アトムビクトリー
だいたい人気どころだと思うので、馬券はオッズを見ながらということになるが、◎→○の馬連単に、馬連複で◎▲と◎△。
今年、東海・北陸・近畿地区の2歳馬による重賞はここまでに3レース行われた。
9月12日の兼六園ジュニアカップ(金沢)はブラックムーン、9月27日の牝馬による姫路プリンセスカップ(姫路)はホクザンパラダイス、10月3日のジュニアクラウン(笠松)はトミノハマチャンがそれぞれ勝ち、これらはいずれもの地元所属馬だった。
ジュニアクラウンは地元笠松所属馬しか出走していなかったので当然だが、今年名古屋で初めて行われる2歳重賞・ゴールドウィング賞も、フルゲート12頭中遠征馬は笠松からの3頭のみ。どの陣営も、まだまだ地元で様子見といった状況なのだろう。
その笠松からの遠征馬のうち、ジュニアクラウンに出走していたのが2頭。トミノジェイジェイは5着、オグリダイアンは6着だったが、このあたりが2歳馬のレベル比較のキーとなりそうだ。
ここは、2連勝でここに臨むワイティタッチから狙いたい。800メートル戦では勝ち切れなかったが、距離が伸びた1400メートル戦では3戦3勝。単なるスピード馬でないことは、勝った3戦はいずれも好位〜中団を追走しての差し切りだったことでもわかる。
対してスピードで押し切るのは笠松のフジノビビアンだ。2戦2勝はいずれも逃げ切りで、どちらのレースでも2着馬に5馬身差をつけた。
勝つのはこの2頭のどちらかだろう。
3戦2勝のサンキンカミカゼに、未勝利だが名古屋1400メートルで好タイムの2着があるマンリョウキラリを押さえる。
いずれにしてもこの時期の2歳戦だけに、急激に力をつけてくる馬がいても不思議はなく、あまり強気にはなれない。
◎ワイティタッチ
○フジノビビアン
▲サンキンカミカゼ
△マンリョウキラリ
22日(日)に盛岡芝1600メートルで行われる3歳馬によるウイナーカップ。川崎、船橋、笠松から各2頭、名古屋から1頭の挑戦があり、地元馬は7頭。地元岩手勢も含めいずれの地区でもトップクラスからは一枚落ちるメンバーの対戦だけに力の比較が難しい。
それをさらに難しくしているのが、7月のオパールカップで12番人気ながらブラックショコラのクビ差2着と接戦を演じたカズノマックイーンや、8月のひまわり賞で9番人気ながらサイレントエクセルの2着に好走したバルクなどの存在だ。
どちらも常にそれほど人気にはならず、忘れたころに好走するだけに始末が悪い。いや、始末が悪いというのは失礼だが、こういう馬は負けても負けても狙い続けないと馬券に生かすのは難しい。
ちなみにバルクはデビューから23戦していまだに未勝利。地方競馬は入着賞金によって格付けをするため、勝てずともクラスが上がり、未勝利馬が重賞を勝つなんてこともあるのがおもしろいところ。
で、今回は南関東の2頭から狙ってみたい。
ジェスターズコートは前走戸塚記念ではじめて3着以内をはずしたが、盛岡の芝コースはオパールカップで差のない3着の実績がある。
もう1頭はガンファイター。休み明けの戸塚記念は惨敗だったが、中央の芝で2戦して負けはしたものの、勝ちに等しいレース内容だった。
中央の芝で好走といえば笠松のオグリホットも500万下で4戦していずれも掲示板を確保しているだけに、ここでも可能性は十分にありそう。
地元岩手勢では、芝では1戦しかしていないものの、ダイヤモンドカップ3着、不来方賞2着など、このメンバーでは格上のテンショウボス。オパールカップ2着のカズノマックイーン。それに同4着のグリーントマト。
馬券を買うなら小額のボックスなどで高配当を狙いたい。
◎ジェスターズコート
○ガンファイター
▲テンショウボス
△カズノマックイーン
△オグリホット
△グリーントマト
そういえば、オパールカップを勝ったブラックショコラが大井に移籍した。19日に緒戦を迎え、古馬のB1B2ではちょっと荷が重いかなあと思ったが、14頭立てのしんがり負けは残念だった。南関東のレースに慣れれば、いずれ好走も可能だろう。しばらくは注目してみたい。
岐阜金賞:中央で鍛えたイエロージャケット
3歳馬による東海・北陸・近畿・中国地区交流の岐阜金賞。今回は東海勢のみの争いとなった。
今年の東海地区の3歳戦線は上位馬何頭かが勝ったり負けたりの混戦。それをさらに難しくしているのが、東海地区には中央への挑戦を続け、地元でのレースからは数カ月も遠ざかってしまう馬がいること。
本命は、そんな中央への挑戦を続けている1頭、イエロージャケット。ホッカイドウから笠松に移籍後、緒戦で2着に負けたのみでその後は中央挑戦を除けば4連勝。若草賞、スプリングカップの2重賞も制している。地方でのレースはその3月のスプリングカップ以来。その間3回中央の芝で走り、着順は6、8、8着だが、いずれも大敗しているわけではなく、むしろ春より力をつけている可能性はある。
対照的に中央には遠征したことがないキムタツプリンセスが相手。前走古馬A3級での勝利は、今回のメンバーでは古馬に入ってもっとも上のクラスで勝ったことになる。
この2頭の馬連複か馬連単の表裏が本線。
以下では、ダービーグランプリGIは勝負にならなかったが、地元ではこれが重賞初挑戦となるティアマットに未知の魅力。オッズパーク・ファンセレクション・イン笠松と金沢・MRO金賞で2着だったオクトパス、それから走るときと走らないときの落差が大きく忘れた頃に一発のあるタイプのマウタンまでおさえたい。
◎イエロージャケット
○キムタツプリンセス
▲ティアマット
△オクトパス
△マウタン
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九州記念:テイエムデウスの連覇濃厚
荒尾での古馬による九州地区交流戦、九州記念。
中央から荒尾に移籍後地元荒尾では8戦全勝で、このレース連覇を目指すテイエムデウスと、佐賀からの遠征組の力関係が予想の重要ポイントとなる。
今回佐賀からの遠征は3頭。このうちメキメッサーとコウエイベストはどうやら格下っぽい。メキメッサーは中央から転入後1戦のみだが、それほど人気にもならず、人気どおり負けているので、それ以上の成績は望みにくい。
勝負になりそうなのは、やはりベルガモットシール。しかし7月の吉野ヶ里記念ではアウェーのテイエムデウスが4着だったのに対し、ホームのベルガモットシールはそこから2馬身半ほど離れた7着だった。
おそらく人気どおりだろうが、テイエムデウス→ベルガモットシールの馬単で勝負したい。
何かあったときの押さえも昨年このレース2着だったダイキチムスメだけでよさそう。
◎テイエムデウス
○ベルガモットシール
△ダイキチムスメ