東海クイーンカップの予想をしようと思い、8月9日のレース一覧を見てまず目が行ったのは、第7レースの「名古屋嬢オープン」。ファンの協賛レースか何かなのだろうか。それにしても「名古屋嬢」では何の宣伝にもならないと思うのだが。
しかしもしかして実は「名古屋嬢」なる言葉が名古屋方面ではちゃんと存在するのだろうかと不安になり調べたら……。
あった。
Wikipediaによると、<名古屋市とその近郊に在住する18歳から20代の女性を指し示す言葉の1つ>なんだそうである。
リカちゃん人形やテレビドラマのタイトルにもなってるらしいので、もしかしてそういう関係者の協賛レースでしょうか。謎だ。
というわけで予想するのは名古屋嬢オープンではなく、もちろん東海クィーンカップのほう。
このレース、ここ2年は兵庫勢に優勝をさらわれているので、地元名古屋勢としては巻き返したいところ。今年、他地区からは金沢3頭、兵庫1頭が挑戦。それに笠松3頭、地元名古屋5頭の計12頭で争われる。
今年はなかなかおもしろいメンバーが顔を揃えた。
金沢のマトリックスは、前走MRO金賞では直線一気の追い込みを決め、同世代の牡馬勢を一蹴した。
笠松のキムタツプリンセスも前走、第1回オッズパーク・ファンセレクション・イン笠松で牡馬勢を相手に勝利。
ちなみに両レースともに、2着は笠松のオクトパスだった。オクトパスは2歳時にはゴールドジュニア(笠松)を制し、重賞でも常に上位に食い込んでいるだけに、これを負かしているキムタツプリンセスとマトリックスはこのメンバーでは実力上位。
この2頭が中心だが、本命はキムタツプリンセスのほう。直線の短い名古屋でマトリックスの末脚が生きるかどうかはちょっと疑問。ただしキムタツプリンセスのほうも、名古屋コースはこれまでに2戦していずれも8着に敗れているだけに心配ではあるのだが……。
連下には、新緑賞でキムタツプリンセスに先着しているタカノハルビー、重賞勝ちこそないものの常に上位争いのマウタン、これが重賞初挑戦も底を見せていないモエレナミムラまで。
◎キムタツプリンセス
○マトリックス
▲タカノハルビー
△マウタン
△モエレナミムラ
今年は岩手ダービー・ダイヤモンドカップがあって、オウシュウクラウンがジャパンダートダービーGIで3着に入って、そして今度はもともと岩手でダービーの位置づけだった不来方賞。次々といろんなダービーがやってきてなんだかワクワクするような。
他地区からの挑戦がないのはもしかしてこのレースだけ岩手限定なのかと思ったらそんなことはなかった。実際に昨年は南関東から2頭が出走していて、今年も全国交流となっている。
この時期は各地でそれぞれ3歳馬による重賞が行われているので、外に出て行く余裕はなかなかないのだろう。それでも普通はその地区の2番目、3番目の存在がなんとか重賞タイトルをとりたいということで遠征してくるものだが、今年はオウシュウクラウンが相手ではと、思いとどまったということもあるのだろう。
とにかくここは地元岩手勢だけの不来方賞となった。
今シーズンの競馬がスタートしたころは、オウシュウクラウン、ブラックショコラ、ダンディキングで3強と言われていたものが、ここに来て完全に馬名を挙げた順にはっきりと序列がついた。
今シーズン岩手では無敗で、ジャパンダートダービーGI3着のオウシュウクラウンはいかんともしがたい不動の本命だろう。無理に不安を探すなら、ジャパンダートダービーGIでの激走の反動くらいしかない。
相手はもちろんブラックショコラ。オウシュウクラウン不在となった芝のオパールカップを制したが、その前は2戦連続してオウシュウクラウンの後塵を拝している。
一角崩しがあるとすればテンショウボス。岩手ダービー・ダイヤモンドカップは3着で、4月のスプリングカップではブラックショコラに先着している。
番狂わせがあるとすれば、正月の金杯でオウシュウクラウンに先着した実績のあるミステリーゴットだが、今シーズンは一度も5着以内がないだけに厳しそう。
◎オウシュウクラウン
○ブラックショコラ
▲テンショウボス
△ミステリーゴット
印がつくのはここまで。人気が集中するだろうから、馬連なら◎−○を本線に◎−▲の2点。3連単でも◎が1着固定で2、3着は○と▲の折り返しで2点に絞る。
読売レディス杯は、JRAエリザベス女王杯のステップ競走代表馬選定レースで、昨年まで名古屋勢が4連勝。ここ6年のうちでも5勝と圧倒的な成績を残している。
今年もその名古屋から2頭が遠征。ほかに笠松も2頭、そして昨年からサラブレッドが導入された福山からもいよいよ重賞に遠征してくる馬が現れた。
そしてやはりといおうか、今年も名古屋勢の実績が上位。特にマイネフォクシーは、正月の新春盃、そして6月のサマーカップと、牡馬を相手に重賞を制している。またマイル争覇では2着、東海桜花賞では3着に敗れているものの、いずれも牡馬一線級と差のない競馬をしているだけに、このメンバーでは不動の本命だろう。
相手も名古屋のマヤノレハーナ。まだB級だが、中央から移籍し4戦3勝、2着1回と底を見せていない魅力がある。
そのほかでは、笠松のニッシングリン。昨年夏のくろゆり賞2着の実績があり、昨年5月以来南関東や園田への遠征競馬を除けば連対を外したのは前々走の3着1回のみ。
地元金沢勢では、前走A2特別をかったカゴヤコスモスに、その2着だったキヌガサアジュディ。それにA1でトップクラスに入って差のない競馬をしているルスナイパラダイスまで。
◎マイネフォクシー
○マヤノレハーナ
▲ニッシングリン
△カゴヤコスモス
△キヌガサアジュディ
△ルスナイパラダイス
馬券は、マイネフォクシーが頭の馬単でいいと思う。しかし人気どおりに決まるとトリガミになる可能性があるので、金額で強弱をつけるか買い目を絞る必要があるかもしれない。
3連単ならマイネフォクシー1着固定の2、3着5頭ボックスで20点買いでどうでしょう。
地元岩手VS南関東で混戦のせきれい賞
芝のせきれい賞といえば3連覇がかかっているサイレントグリーンだ。しかし昨年のせきれい賞以来勝ち星がないうえに、昨年も一昨年も勝っていた前哨戦のかきつばた賞で今年は1番人気に支持されながら3着に敗れてしまった。サイレントグリーンをどうするかが今回の予想のカギとなりそうだ。
そのかきつばた賞では、ヤマヨダイナミックのレースぶりが強烈だった。ダッシュがつかず最後方からの苦しい展開となったが、3〜4コーナーで一気にマクって進出。4コーナーでは大外を回りながらゴール前で鮮やかに抜け出した。その後2走は惨敗だが水沢でのレースでもあり、これは参考外と見てよさそう。今回と同じ舞台で、地元有力馬が同じような顔ぶれなら、この馬を地元の筆頭にしないわけにはいかないだろう。
そして3連覇を狙うサイレントグリーン、かきつばた賞2着だったジェーピーバトルも争覇権だが、遠征馬との力関係が難しい。
大井のウエノマルクンはタイトルこそないものの重賞の常連。昨年、今年と中央の日経賞GIIと福島テレビオープンに挑戦し、掲示盤にこそ載っていないが、勝ち馬との差はそれほどない。このメンバーなら十分勝ちきれる力もありそうだ。
中心はヤマヨダイナミックとウエノマルクン。3番手にやはりコース実績のあるサイレントグリーン。以下は、転入2戦目だが中央準オープンの芝の長距離で実績があるイエローボイス。それから中央の重賞で善戦していた船橋のアンフィトリオン。ジェーピーバトルまで入れたいがさすがにそこまでは印が回らない。
◎ヤマヨダイナミック
○ウエノマルクン
▲サイレントグリーン
△イエローボイス
△アンフィトリオン
人気がそれほど偏りそうもないので、3連単5頭ボックスの60点買いでも当たればプラスになりそうな気がする。
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銀杯はバクシンオーの次席を巡る争い
福山アラブ3歳馬といえば、福山ダービーで2着に3秒1もの差をつけぶっちぎったバクシンオーだが、福山ダービーの勝ち馬はこの銀杯には出走資格がないらしい。そのため7月23日の古馬A3特別(1600メートル)を使ったのだが、ここでも後続を3秒2もちぎった。古馬のこのクラスに入っても楽勝なのだから、力は断然抜けている。
さて、そのバクシンオーの抜けた銀杯だが、出走10頭中、福山ダービーに出走していたのが7頭で、残り3頭はこれが重賞初挑戦。その3頭の中にはこれといった上がり馬もなく、前走広島県馬主会会長賞を勝ったパラディースが目立つ程度で、それでも連下が精一杯の感じ。
それでは、ということで取り上げたいのは福山ダービー4着のラッキーハート。福山ダービーではスタート後にバクシンオーに競りかけていって4着に粘ったレースぶりは価値がある。
同じくバクシンオーに競りかけ、しんがり10着に敗れたフジノコウザンは、その後3連勝と好調。
福山ダービー2着のユタカオーサマは中団からレースを進め、展開が味方した感じだったので、ここは押さえまで。
◎ラッキーハート
○フジノコウザン
▲パラディース
△ユタカオーサマ
◎−○の馬連複を厚く、あとはその2頭から▲△に流す。
北陸・東海・近畿地区のJRA天皇賞・秋ステップ競走代表馬選定レースとして名古屋競馬場で行われる名港盃。
今年6月、デビューから約8カ月で50勝を挙げた山本茜騎手がここは重賞初制覇のチャンス……と思ったが、ウイニングウインドは丸野勝虎騎手に乗替りとなった。4月の東海桜花賞では、逃げて、粘って、粘って、粘って、タイトルはもう少しのところまで来ていたのだが、中央から移籍緒戦のマヤノモーリスに最後の最後で半馬身差されてしまった。ここ2戦も2番人気ながら勝利。特に前々走ではレッドストーンの追撃を許さずの逃げ切りは価値がある。2キロ減量での勝利だが、57キロは東海桜花賞で経験済みで、ここは初重賞制覇のチャンス。
で、山本茜騎手はといえば、こちらもお手馬のマジックスクエアに乗るわけだが、今年名古屋に移籍してきてからは勝ち星がなく、勝ち負けは難しい。
本人にとっては残念な乗替りとなったが、これも一流ジョッキーとなる過程での試練かもしれない。
ウイニングウインドが本命で、相手筆頭は園田フレンドリーカップを制したケイアイダンシングで、もう1頭は中央から戻ってきたタカラアジュディ。
中央の障害オープンから移籍緒戦となるシアトルリーダーは、平地を走っていた時代は1000万下を勝ったが、ダート経験は1戦のみで大敗だったため、ここは疑ってかかる必要がある。押さえはこの馬と、オグリキャップ記念3着のトーコーカントまで。サラのオープンクラスで好勝負をしているアラブのモナクカバキチだが、重賞のこのメンバーでは流れが厳しくなりそうで、ここは見送る。
◎ウイニングウインド
○ケイアイダンシング
▲タカラアジュディ
△シアトルリーダー
△トーコーカント
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荒尾競馬場で行われる3歳馬による荒炎賞は、佐賀から2頭が参戦。
佐賀の牡馬トップクラスが出走してこなかったのがやや残念だが、それでもここは佐賀勢2頭が有力。中心は、ル・プランタン賞を制し、前走は関東オークスGIIに遠征(9着)したブライダルサンデーで間違いないだろう。
相手には、鯱の門特別でブライダルサンデーの3着があるスイングブレーヴ。母が荒尾から大井に移籍し、重賞戦線で活躍したスイングバイということでも注目される。
荒尾勢で一角崩しがあるとすれば、ケイウンヘイロー。九州皐月賞荒尾ダービーで9着に敗れたあとは、3連勝と好調だ。
3連複や3連単の3着ならほかの馬にもチャンスがあるだろうが、1、2着の勝負はこの3頭のように思う。
◎ブライダルサンデー
○スイングブレーヴ
▲ケイウンヘイロー