28日に荒尾競馬場で行われる『九州王冠』は、99年に『九州サラブレッド王冠』としてスタート。当初は2150メートルで行われていたが、02年に1500メートル、そして04年からは1400メートルで行われており、7月中旬の吉野ヶ里記念(佐賀)から、8月中旬のサマーチャンピオンGIII(佐賀)へと、九州地区の1400メートル重賞路線となっている。
1500メートルになった02年以降毎年、佐賀からの遠征馬は1〜2頭だが、その佐賀所属馬が勝っている。例年、近い日程で佐賀でも古馬オープンの1400メートル戦が組まれているため、よほど重賞タイトルがほしい陣営しか荒尾まで遠征しないのだろう。
しかし今年は佐賀からの遠征は1頭もなく、地元荒尾勢同士の争いとなった。中央から佐賀に移籍し、いきなりトップの座を争っているヤマノブリザードは、九州王冠と同日の帝王賞GI(大井)に遠征。タイキシリウス、ランノホシ、イカルガなどほとんどの有力馬は25日に地元佐賀の1400メートルで行われた黒髪山特別に出走してしまった(勝ったのはイカルガ)。
というのも、重賞である九州王冠の1着賞金が100万円であるのに対し、オープン特別に過ぎない黒髪山特別が150万円なので、これもしかたないことなのだろう。
さて、前置きが長くなったが、地元荒尾勢同士の対戦だけに実力拮抗かといえば、そうでもなさそうだ。
テイエムデウスが断然の様相。年明けとともに中央から移籍し、以来荒尾では負けなしの5連勝。唯一の敗戦は、佐賀に遠征した重賞・はがくれ大賞典(6着)のみ。今回は、すでに勝負付けが済んでいるメンバーか、そうでなければ格下からの挑戦。テイエムデウスにとっては負けられない一戦で、ここは相手探し。
その筆頭は、A2からの挑戦だが、3月の大阿蘇大賞典で3着と好走しているフジヤマロバリー。それから、このメンバーならテイエムデウス以外では実績上位のトウショウゼウス。
テイエムデウスからだと絞らなければならないので、せいぜいこの2頭へ流す馬券で、金額の配分はオッズとの相談ということになる。
内田利雄騎手が、6月24日から8月15日まで岩手競馬で期間限定騎乗する。昨年に続き岩手では2度目のこと。
状況はこの1年で大きく変わり、期間限定騎乗も地方競馬のすべての地区で、それぞれの条件に沿った形で受け入れられるようになった。
1年前、こういう形で(当時は「短期所属替」と言っていた)騎乗が可能になったことは驚きとともに伝えられた。
当時、ぼくは少しでも早く状況を把握したくて水沢まで話を聞きに行った。
その年の3月限りで宇都宮競馬が廃止となり、居場所をなくした内田利雄騎手は、騎手免許は全国共通のものだから、1カ所にとどまらずに全国の競馬場を転戦して騎乗できるよう希望し、その道を模索していた。
当時から、2〜3カ月ずつさまざまな競馬場に所属して全国を回りたいという希望を持っていたが、それはかなり夢物語に近かった。しかし、その後、笠松、南関東(浦和)、兵庫と所属場所を替え、そして今回また岩手に戻ってくるという、思い描いていたことを最初の年から実現してしまったことには驚くばかりだ。
3000勝ジョッキーとはいえ、いわばアウェーの地で、有力馬はなかなかまわってこないという厳しい状況。それでも岩手では、船橋からの遠征馬でクラスターカップGIIIへの騎乗を果たした(11着)。
笠松では、かつて同じ北関東の高崎で活躍していた川嶋弘吉厩舎のタイガーロータリーの鞍上をまかされ、重賞・スプリントを制した。
昨年はJBCが名古屋での開催だったことで、その時期に笠松に所属してJBCにも騎乗できれば……という希望も見事に叶え、そのタイガーロータリーでJBCスプリントに出走した。
そうこうしているうにちに最大の目標だった南関東でも期間限定騎乗の門戸が開かれ、年明けからは浦和に所属して南関東で騎乗した。
こうやって活躍している場面ばかりを挙げていくと華々しいが、やはり生活は苦しいという。賞金の高い南関東で長期間騎乗できるなら別だが、賞金がギリギリまで切り下げられたような地区ではかなり厳しいという。
それゆえ、厩舎の空き部屋か、調整ルームの一室を借りて住むという生活が続いている。
栃木にいる家族と離れた生活を強いられることも、並み大抵の苦労ではないだろう。
さて、2度目の岩手でのシーズンがスタートする。
1年間全国の競馬場をさすらい、おそらくパワーアップしているであろう騎乗ぶりを、また岩手の地で見られるのが楽しみだ。
笠松1400メートルのサマーカップは、このメンバーならクインオブクイン本命でいいように思う。
前々走のオグリキャップ記念は2番人気に支持されながら6着に敗れたが、これは勝ったレッドストーンを負かしに行ってのもの。ダートグレードを中心に使われ、常に善戦していることからも、このメンバーでは実績上位。
しかし気になることがひとつ。クインオブクインは笠松1400メートルの重賞はひとつも勝っていないということ。そもそも、04年11月のJRA認定レースを勝って以来、出走すらしていない。前走のテレビ愛知オープンを別とすれば、近走は1800メートル以上のレースばかりを使われている。
しかし、ダートグレードなら話は別だが、ここは地区交流の重賞。1400メートルとはいえ、それほど流れは厳しくならないだろう。
距離適性という面では、タイガーロータリーやレジェンドハンターのほうが上かもしれない。
タイガーロータリーはJBCスプリントGI(12着)以来の出走だが、その前のレース、笠松1400メートルのスプリントは短期移籍の内田利雄騎手が手綱をとって見事な勝利だった。
サマーカップは昨年2着で、雪辱を期したいところ。
そして連覇を狙うのがレジェンドハンター。この馬ももう9歳になった。1900メートルまではさまざまな距離で活躍しているが、03年には1400メートルの全日本サラブレッドカップGIIIを制覇。そして昨年のこのレースも勝っている。以来、勝ち星はないが、近年は1400メートルあたりの成績がいい。
この3頭ならどれが勝ってもおかしくない感じだ。馬連は、おそらくこの3頭のうちの2頭で決まるのではないか。
穴を狙うなら、名古屋のマイネフォクシー。前走は名古屋のA1勝ちで、東海桜花賞3着もあるが、今回のメンバーと比較すると、近走(かきつばた記念は除く)の対戦相手は一枚落ちる。とはいうものの、オッズ的には穴にはならず、わりと人気になってしまうかもしれない。
◎クインオブクイン
○タイガーロータリー
▲レジェンドハンター
△マイネフォクシー
ダービーWeekもとうとう最終戦の岩手ダービー・ダイヤモンドカップを迎える。
5月28日のはまなす賞で3着以下を圧倒した2頭が中1週でどうかと思ったが、勝ったオウシュウクラウンが出走してきて、2着のブラックショコラが回避。そして5月14日の岩鷲賞でブラックショコラの2着だったダンディキングが中3週で満を持して出走してきた。
馬券的にも3強対決が実現しなかったのはやや残念だが、ここは2強がどんなレースをするのかに注目したい。
というわけで、馬券はこの2頭の1点。
以上、予想おしまい……では、文字数が少なすぎるので、せっかく3連単も導入されたわけだし、3連単の3着を考えてみる。
実績的にはやまびこ賞1、2着のテンショウボスとサイレントエクセルくらいだろう。これに重賞未出走だが北海道→南関東からこれが岩手転入4戦目となるグリーントマト。
さて、オウシュウクラウンか、ダンディキングか、どちらを頭にするかだが、昨年12月11日の寒菊賞でオウシュウクラウンが先着してはいるものの、ローテーションとコース適性を考えるとダンディキングのほうを推したい。
印をつけると……
◎ダンディキング
○オウシュウクラウン
△テンショウボス
△サイレントエクセル
△グリーントマト
2頭に人気が集中するだろうから馬券は当然オッズを見てということになるが、◎→○の馬単を厚く、裏は元返しになる程度に押さえる。
3連単は、◎→○→△3頭へ流しと、この1、2着を逆にして計6点。
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さて、ダービーWeek全体を通してだが、ダービーウイーク企画運営協議会の方々のご尽力や、スポンサーの方々のご協力などで、日刊紙などにも大きく取り上げられることが多く、地方のみの重賞としてはかなり認知度が高まったように感じた。そして何より、各地のダービーに出走させた厩舎関係者の方々に拍手を送りたい。
ダービーWeekという期間そのものは、この日で終了するが、各地のダービーを勝った馬たちが、7月12日のジャパンダートダービー(大井)に出走してきて、さらにはその馬たちの何頭かが勝ち負けにからむような好勝負をしてくれれば、来年のダービーWeekはもっと注目度が高くなるものと思う。
ダービーWeekの第1弾、九州ダービー栄城賞は、ユウワンが潜在能力の高さを見せつけた、そんな印象だった。
レース前は、オッズにも表れていたように「4強」対決という評価。
単勝1.7倍という断然人気になったのは、デビューから6戦全勝でこれが重賞初挑戦のシーキングザサン。馬連もここから売れていた。そして九州皐月賞荒尾ダービーで3着以下を離してマッチレースを演じたスターオブジャパンとユウワンが2、3番人気。やや離れて飛燕賞勝ち馬ナセが続いた。ちなみに5番人気はキングコングパワーだったが、単勝43.5倍というもので、やはり4頭以外は馬券的には蚊帳の外だった。
スタート後、一旦はナセがハナを奪ったものの、ユウワンが先頭に立ち、ナセがぴったり2番手。3番手以下はやや離れた。
3コーナー手前でユウワンが仕掛けると、ナセはついてこられず後退。3番手からスターオブジャパン、さらにうしろからシーキングザサンが追いかけたが差はまったく詰まらず、直線はユウワンの独走となった。そしてスターオブジャパンとシーキングザサンはなし崩し的に脚を使わされたのか直線では一杯になり、後方を追走していた人気薄のワンパクメロが伸びてきて2着に突っ込んだ。
この日は極端な逃げ残りの馬場だったこともあるが、逃げたユウワンを目標にレースを進めたはずの他有力3頭は、まったく歯が立たなかった。
レース前の装鞍所では、ユウワンがかなりうるさく気になっていたのだが、レース後の鮫島克也騎手によると、あれでもだいぶ成長したのだという。なるほど、これまでは気性面などから十分に実力を発揮できなかったものが、まともにレースができれば実は力が抜けていたということのようだ。さらに大人になれば、まだまだ強くなる可能性もあるということか。
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ところで、このブログで勝手に復活させた『帰ってきた今月のヤキソバ』用にネタを仕入れたかったのだが、777個限定の「ゴールデンダービーバーガー」でかなり満足してしまい、ヤキソバまでは至らず。
噂のゴールデンダービーバーガーはさすがに行列が途切れることがないほどの人気。「からつバーガー」の1日の売上げレコードは400いくつだったかということで、当然そのレコードは更新したらしい。
普段のからつバーガーは肉1枚だが、ゴールデンダービーバーガーは神戸牛のハンバーグ2枚の間に厚いチーズが挟んであるという豪華版。たしかに500円はかなりお得だった。