9日メインは盛岡芝1700mを舞台に行われる3歳・地方競馬全国交流「第24回オパールカップ」。今年は遠征馬5頭、地元6頭の計11頭で争うが、遠征馬はいずれも高実績で優位は動かしがたい。
ラビュリントスは北海道1勝2着2回から知床賞(盛岡ダート1400m)、ジュニアグランプリ(盛岡芝1600m)へ連続参戦。2連勝を飾り、ジュニアGPは2馬身差で完勝した。続いて大井・東京2歳優駿牝馬へ遠征して11着。直後に川崎へ移籍し、JRA・アネモネSは0秒5差8着、橘Sは1秒4差7着(いずれもリステッドレース)。
2ヵ月の休養をはさんでオパールカップへ参戦する。残念ながら中央芝3戦とも着外だったが、盛岡芝適性はすで証明済み。この一戦に照準を合わせてきたのは誰の目にも明らか。ジュニアGPでマークした盛岡芝1600m1分37秒9はレースレコード。絶好の勝機を迎えた。
ナイトオブバンドは船橋でデビュー3連勝を飾った逸材。一戦置いて南部駒賞、ジュニアグランプリで連続2着。勝利は手にできなかったが、メンバー最速の上がりを披露した。その後、クラウンカップ2着から東京湾カップ6着。前走は東京ダービーへ挑戦したが、2000mも距離もこたえて14着に沈んだ。盛岡遠征も今回で3度目。芝でも適性が高く、決め手勝負になればアッサリまで。
エオリエンヌは北海道2、7着から川崎へ移籍。いきなり2連勝を飾り、3ヵ月半の休養明けの前走・東京プリンセス賞4着。重賞初挑戦で善戦し、能力の片りんを垣間見せた。芝は生涯初めてだが、祖母はウインドインハーヘア。叔父がディープインパクトなら、むしろ望むところ。
プルタオルネは門別1000m・新馬戦を快勝。知床賞へ参戦予定だったが、出走取り消し。直後に平和賞へ挑戦して2馬身差で完勝。帰郷後は北海道クラシック・北斗盃6着、北海優駿4着。芝はJRA札幌・クローバー賞9着以来2度目。先行激化なら直線台頭の可能性がある。
コスモイグロークは2歳時、JRA札幌・すずらん賞を快勝。ジュニアグランプリにも参戦したが、6着に終わった。直後に南関東へ移籍して3着最高。京都GIII・葵ステークスも18着に終わったが、芝向きは確か。あとは1700m対応がカギを握る。
トーセンカタリーナは中央芝2着1回。ハナ差で敗れて惜しくも未勝利を脱出できず岩手入り。芝準重賞・はまなす賞でもタイム差なし2着に惜敗した。地の利を生かして上位進出をもくろむ。
◎④ラビュリントス
〇②ナイトオブバンド
▲⑩エオリエンヌ
△⑪プルタオルネ
△⑥コスモイグローク
△⑤トーセンカタリーナ
<お奨めの1頭>
5R クランプ
南関東未勝利ながら2着2回。母は岩手で活躍したマツリダワルツ。ロードクエストの妹が岩手で素質を開花させる
7月2日に行われた古馬のスプリント重賞『岩鷲賞』。昨年・一昨年と連覇してきている短距離女王キラットダイヤの単勝オッズは1.0倍、前走の強さを見ても3連覇濃厚と思われましたが、レースは思わぬ大波乱の幕切れになりました。
ハナレイが逃げてアップテンペストがそれを追い、さらにキラットダイヤも大外枠から追走していくというスタート直後から激しい先行争い。見た目通りのハイペースで4番手以下との差は一時は5,6馬身にも拡がりました。
それでも外からじりじりと交わしていくキラットダイヤにこのまま押し切れるのかと思った刹那、後方から一気に突き抜けていったのがトーセンキャロル。道中は離れた4番手、直線に向いて前の集団にとりつくと脚が止まった先行勢をまさに並ぶ間もなく交わし去っての4馬身差ゴール。
そして2着争いも、いったんは2番手に上がったキラットダイヤが最後失速してハナレイに差し返される形。8番人気→5番人気→1番人気の決着は3連単32万9160円、単勝万馬券のおまけまで付く大波乱の決着に。
昨年の3歳牝馬二冠を制したトーセンキャロルは短距離路線に転じて待望の初勝利。鞍上の高橋悠里騎手は自身が初重賞制覇を果たした岩鷲賞を、その時以来の15年ぶりの勝利となりました。
7月4日のメインレースは12Rです。古馬オープン級の準重賞『かきつばた賞』、芝1700m。30日に行われるせきれい賞のトライアルとなる戦いです。
先週のはまなす賞のところでも触れましたがこの盛岡開催は芝路線の開幕でもあり、各世代共にトライアル→本番の組み合わせが続きます。
かきつばた賞は7月30日のせきれい賞のトライアル。次開催18日の桂樹杯は8月13日のいしがきマイラーズのトライアルで、それは9月26日のOROカップのトライアルとなります。先々を見据えた評価をしながらの各レース、ということですね。
さてこのレースの本命は(9)ゴールドギアとしました。
前走はあすなろ賞で2着だった同馬ですが、それが転入初戦というだけで無く実はキャリア初のダート戦でもありました。JRA時代は2歳新馬戦で1番人気に応えてデビュー勝ち、以降は主に芝中長距離路線を歩んで一昨年5月にはメトロポリタンSでリステッド勝ちも挙げました。勝ち星としてはそれ以降無いもののオープン特別クラスなら常にひと桁着順をキープしての岩手入り。初めてのダートでも好走するくらいの力量を保っているという事なら、それで芝に替わるのなら当然注目度は「大」でしょうし、札幌函館の洋芝で好走している点も魅力。
戦績から見て次戦のせきれい賞狙いと見るのが自然ですが1700mも決して短すぎることはないでしょう。まずは試金石、どんな戦いを見せてくれるのかに注目。
対抗は(5)ソロフレーズ。昨年のこのレースの覇者でありその昨年は盛岡の芝で重賞1勝・準重賞2勝を挙げています。JRA再転入は好結果でこそありませんでしたが重賞級ということを思えば大きく崩れなかった点を評価していいでしょう。盛岡の芝コースの経験が豊富という点が◎に対してのアドバンテージ。
3番手は(6)ブローヴェイスを狙ってみます。昨秋の転入初戦に3歳の芝重賞を勝っているように芝に何ら懸念は無いですし、ここに来て調子も勢いも戻っている点にも注目しておきたいところ。◎○相手はともかくとしてもその他になら全くひけを取らないはず。
ヒモはまず(7)デルマアシュラ。ディープ産駒だから芝、ということは単純には言えませんが、この馬の場合札幌函館の芝経験が十分にある。盛岡の芝適性を考える時に同じ洋芝コースで良績があるかどうか?は最初に見る部分で、この馬はそれに合致している点がピックアップのポイントに。
もう一頭は(8)ルヴァン。こちらは洋芝経験では無く、3勝クラスの芝戦で先行できる先行力に魅力を感じて。流れ掴めば上位流れ込みもアリでしょう。
●12Rの買い目
馬単(9)=(5)、(9)=(6)、(5)=(6)、(9)→(7)、(9)→(8)
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7月3日メインはA級一組「小暑特別」(盛岡ダート1600m)。一組戦だが、前々週にビッグレース・一條記念みちのく大賞典があったため、上位馬はそろってスキップ。また強力な転入馬も不在で手薄なメンバー構成となった。
ゼットセントラルは今シーズン初戦を快勝し、栗駒賞2着、あすなろ賞3着。重賞でも馬券対象を果たし、相手が緩和された前走は2着に1秒1差で圧勝。まさに能力の違いを見せつけた。
持ち味はいい脚を長く使えること。前半は控える競馬に徹し、鞍上がゴーサインを出すと素早く反応。前走がその典型例だった。マイル戦は過去<5.1.1.3>だが、南部杯13着、青藍賞5着、あとは特別戦の取りこぼし1回。本質的に盛岡マイルがベスト条件と言っていいだろう。
こんかいのライバル・トキノパイレーツとの直接対決だった栗駒賞で2着。トキノパイレーツはアタマ差3着でも上位は明らか。仮にポカがあるとすれば12頭立ての内枠2番枠。包まれた際に負ける可能性があるかもしれない。
トキノパイレーツは昨年、南関東A1級から転入。5走前5着以外は3着以上と抜群の安定感を誇っている。中央ダート2勝後、南関東へ移籍して3勝。2019年には川崎重賞・スパーキングサマーカップを制した格上の存在。転入後は勝ち味の遅さがネックだったが、前々走の1着同着を弾みにして前回も快勝。上昇ムードが最大の強みとなる。
一つ強力データがある。今回も高松亮騎手とのコンビで臨むが、同騎手が騎乗すると3戦3勝。トキノパイレーツを完全に手のうちに入れている印象があり、逆転3連勝まで十分あり得る。
サザンジンジャーは中央4戦0勝から高知へ移籍して素質が開花。12勝をあげ、オープンまで出世した。今年3月、岩手入りして初戦をあっさり逃げ切り勝ち。冬場も実戦を使っていた強みも生かしたが、2戦目はゼットセントラルの4着。3戦目の水沢1800m戦を逃げ切ったが、近2走8、4着。好、凡走の落差が激しいのは自分の競馬ができないとモロさを露呈するから。その意味で展開に注文がつくが、外枠発走なら巻き返しに転じて不思議はない。
ファルキートはシーズン当初、精彩を欠いていたが、徐々に調子を上げて3戦連続3着。本来の動きを取り戻し、今度は3勝2着4回3着2回。馬券対象から外れたのは一度のみの盛岡1600m戦。好走条件がそろった。
ホワイトブライドは水沢2勝に対し、盛岡は5勝2着5回。今季は5着最高だが、状態そのものは着実にアップ。そろそろ一発がありそう。
ウインカムトゥルーは3走前、盛岡マイル戦でトキノパイレーツと1着同着。成績安定しないが、地力は証明済み。
◎②ゼットセントラル
〇⑥トキノパイレーツ
▲⑨サザンジンジャー
△⑦ファルキート
△⑩ホワイトブライド
△⑧ウインカムトゥルー
<お奨めの1頭>
5R ビターモンスター
転入戦は1番人気2着だったが、勝った相手を褒めるべき。前走タイムで他をリードし、今度は首位を譲れない
2日メインはlJpnIII・クラスターCトライアル「第55回岩鷲賞」(盛岡ダート1200m)。2年連続で同レースを圧勝したキラットダイヤを巡る争いとなった。
キラットダイヤは一昨年度、昨年度と最優秀短距離馬に選出された現役屈指の快速牝馬。一昨年、中央ダート2勝から転入。初戦は3着止まりだったが、以降は圧巻の重賞4連勝を飾った。
昨年も同様、初戦は2着に敗れたが、以降は重賞3連勝。JBCスプリントにも挑戦して10着。さすがに中央一線級にはかなわなかったが、JBC盛岡を盛り上げてくれた。
その後は休養に入り、南関東へ移籍。船橋A2以下の1200m戦で復帰。果敢に逃げたが、休み明けとプラス15キロの太目もこたえて5頭立て4着。直後に岩手へ里帰りして早池峰スーパースプリントへ出走。馬体重マイナス14キロの473キロとベスト体重で臨み、レースも6馬身差で圧勝。水沢850mの自己最高タイムも0秒1更新した。
今回の岩鷲賞は一昨年6馬身、昨年は10馬身差で圧勝し、盛岡ダート1200mは6戦5勝(唯一の敗戦はJBCスプリント)最も得意とする条件。大外12番枠に入ったが、全く問題なし。早池峰SSに続いて岩鷲賞3連覇へまい進する。
ディアリッキーは南関東3勝。東京2歳優駿牝馬3着、東京プリンセス賞2着、JpnIII・クイーン賞4着と成績もすばらしく、北海道1戦を使って昨年岩手入り。2連勝を飾り、牝馬重賞・ヴィーナススプリントを快勝し、続く一戦6着から南関東へ移籍。2戦を使って再び岩手転入。2戦は忙しい850mが合わず3、6着に終わったが、盛岡1000mに替わって豪快なまくりを披露して快勝。これで弾みがついた。1ハロン伸びる1200mが大歓迎。ペース次第で逆転の可能性もある。
アップテンペストは岩手5勝から名古屋へトレード。梅桜賞、スプリングカップと3歳重賞2連勝をマークした。昨年8月、岩手へ戻り牡馬相手に重賞・やまびこ賞を完勝。冬場は笠松へ移り、今年6月に再転入。早池峰SSはデビュー以来2度目の850m戦だったが、キラットダイヤの2着を死守した。盛岡は過去6勝2着3回とコース相性抜群。自分の競馬ができれば再度好走のシーンまで十分。
トーセンキャロルは中山芝1200m1勝、南関東1勝から転入。牝馬クラシック・ひまわり賞(オークス)、OROオータムティアラと二冠を制した。以降は苦戦を強いられていたが、2走前から短距離にシフト。2戦4着だったが、今度は1200mへ延長。切れを生かせる舞台となる。
オンラインボスは今季初戦を快勝後、足踏みが続いたが、前走は出遅れて最後方からの競馬。結果的にそれが功を奏し、鮮やかな直線一気を決めて1着。収穫の多い一戦となった。今回も思い切った待機策から直線抜け出しを狙う。
ツルマルハナコは盛岡1200m7戦4勝2着3回3着1回とすべて馬券対象。メンバーは大幅に強化されたが、適性は引けを取らない。
◎⑫キラットダイヤ
〇⑦ディアリッキー
▲⑩アップテンペスト
△①トーセンキャロル
△⑥オンラインボス
△⑤ツルマルハナコ
<お奨めの1頭>
1R クライアウト
前走2着は相手が強く仕方なし。それでも1分21秒8の破格タイムをマークした。今度は首位を譲れない
6月25日に行われた3歳重賞『ウイナーカップ』は4番人気のケンジャが優勝。自身初の重賞制覇を初めての重賞挑戦で成し遂げました。
逃げたドロットニングを巡って人気上位馬が前へ前へと押し上げていく中で最後方を進んでいたケンジャ。そんな先行勢が一頭また一頭と落伍していく横を縫って上昇してきた同馬は4角ではそのまま先頭に飛び出す勢いを保っていました。先に抜け出したヌンヌンシー、ユウユウレラシオンを並ぶ間もなく交わすとその勢いのままゴール。終わってみればこの馬が大本命だったかと思うような強い競馬で重賞タイトルを手にしました。
2着には後方から追い上げた8番人気セイレジーナが飛び込み、1番人気のユウユウレラシオンは3着に踏みとどまったものの3連単は6万2020円の波乱。また今期の3歳重賞で初めての牡馬による制覇ともなりました。
6月27日のメインレースは11R、3歳芝の準重賞『はまなす賞』。今週から始まった夏の盛岡開催の目玉は、二つのグレードレースももちろんですがなんと言っても芝。5月の開催は芝レースが設定されていなかったのでこの開催からが芝シーズンの開幕で、このはまなす賞も7月9日に行われる3歳芝の交流重賞『オパールカップ』のトライアル。ここからしばらくは各世代いずれも芝が中心、トライアル→本番の流れが続いていきます。
しかしこのはまなす賞。11頭中岩手デビュー馬は3頭、盛岡の芝を経験している馬は2頭しかいません。初芝という馬も5頭おり、少ない芝経験・芝実績を頼りながらの予想になりました。
本命は(11)トーセンジニアールです。これが岩手転入2戦目、前走は水沢ダート1300m、3歳C2級という下のクラスではありましたが直線しっかり後続を突き放す強い走りを見せています。
この馬の"売り"はやはり芝経験。JRA時代は芝で5戦していずれもひと桁着順を確保。直近の一戦以外は勝ち馬から1秒圏内に食い込んでいます。上がり3ハロンの脚も常にメンバー最上位クラスで、未勝利脱出は目前という走りを見せていました。今回、元JRA馬という馬も複数いますが勝ち馬との時計差は大きめで、その比較でも上位と見ていいはずです。
課題はまず盛岡芝への対応。ただこれは他の馬も同様として、この馬の場合は上がりの脚がある割にワンパンチ足りないという評価だった点が、いわゆる勝ち味に遅いタイプなのかもという懸念を感じます。今回のところは過信はできないまでも実績信頼で、という本命。ここでそれを払拭して次戦へ、ということでいいでしょう。
対抗も新規勢力で(4)トーセンカタリーナ。こちらも未勝利脱出寸前までいった実績あり。左回りコースの方が良い成績だったのも、コース形態の違いがあるとはいえ心強い材料になります。岩手では初戦ですが休み明けを叩かれての転入なら体勢は整っていると見ていいでしょう。
(2)スノーパトロールを3番手に。今季ここまでの戦績どおり3歳世代の中では上位の力を持っていますし芝経験もあり。その芝が、札幌函館の洋芝というのも魅力的な材料。激戦の東北優駿から中一週をきらってこの印にしましたが、勢いある牝馬は狙い続けるのがセオリー・・・という手ももちろんあり。
以下はちょっと悩みつつ(9)ペルトラン、(3)ベロニカブレイン。前者は2歳時の芝実績から、盛岡芝マイルにも勝ち星がある点に注目して。後者は芝経験はJRA時代の一度だけですがダートでのここまではメンバー中でも上位の内容だという点を評価して。
●11Rの買い目
馬単(11)=(4)、(11)=(2)、(4)=(2)、(11)→(9)、(11)→(3)
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