6月11日に行われた岩手の3歳クラシック二冠目『東北優駿(岩手ダービー)』は2番人気のミニアチュールが激戦を制して優勝。牝馬にして3歳二冠を達成しました。
果敢に逃げたピラヴロスを巡る展開となったレースは2週目の3コーナー、脚色が鈍った同馬に向けて後続が一斉に襲いかかる形。一足先に先頭に躍り出たのは1番人気ロッソナブアでしたがしかし突き放すほどではなく、その外にはミニアチュールがもったままで並んでいる状況。
そして直線、変わって先頭に立ったのはミニアチュール。鞍上のGOサインに応えて脚を伸ばすと一瞬でリードを拡げて最後は4馬身差、山本政聡騎手のガッツポーズと共にゴールを駆け抜けました。
前走で手綱を取った山本聡哉騎手の負傷のため一週間前に依頼が回ってきた山本政聡騎手。「この2,3日はここで"どういうふうに乗ろうか"ばかり考えていました」とレース後に語るようなプレッシャーのかかる一週間でしたが、それを跳ね返し、見事な勝利で陣営の期待に応えてみせました。
ということで本命は(2)リリーアローを採りました。
岩手での勝ち星は昨年12月の水沢1400m。それだけを見ると1900mはどうか?になりますが、以前のJRA時代には中距離主体で戦ってきており中京ダート1900m2着の実績もあります。小回りはイマイチかもというキャリアでもありますが、ある程度力のいる馬場の方が良く先行しぶとい・・・というかつてのレースぶりは今回のような条件にぴったりでしょう。この距離で大きく変わってくると見ました。
対抗は(10)ニューヴァージョンを。この馬も岩手では1600mまでの経験。JRA時代の中距離経験は芝でのもので一度は知った中京ダート1900mは大きく敗れています。ただここまでのレースぶりを見る限り距離があった方が持ち味を活かしやすい印象を受けます。水沢1900mは差しタイプにも戦いやすく外枠の不利も大きくはない。この馬にとって条件は決して悪くないのではないでしょうか。
三番手は(8)キセキノカガヤキ。基本差し追い込みに不利な今季において勝ち切れないまでも上位に食い込んでくるこの馬はやはり力があると見ていいはず。距離は実際やや長いかもという気がしますがコーナーが多い形態が合う可能性も高いと考えます。
ヒモはまず(3)ハイアキュレイト。距離はちょっと長いだろうとは思いますが近走の勢いの良さを評価して。もう一頭は(4)ザサンアップライト。こちらも距離云々よりは二走前で見せたようなしぶとさをかってみましょう。
●12Rの買い目
馬単(2)=(10)、(2)=(8)、(10)=(8)、(2)→(3)、(2)→(4)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
12日メインは1開催に一度実施される岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」。今回はB1級・水沢1400mが舞台。各馬が一長一短のメンバー構成で波乱の要素を含んでいる。
主軸にキモンリッキーを指名する。北海道1勝2着2回から一昨年11月に転入。初戦は出走取消しだったが、2戦目のJRA認定・水沢1400mを快勝し、南関東へ転籍。勝ち星をあげることはできなかったが、2着3回3着2回。再び岩手入りして初戦の水沢1600m戦で3着。勝負どころで置かれて一旦下がったが、メンバー最速タイの上がりを使った。
今度は1400mが舞台。岩手1勝を同条件でマークし、南関東でも1200mをメインに使われ、距離短縮は大歓迎。勝利を飾るお膳立てが整った。
ブルーエクセレンスは中央未勝利から園田2連勝をあげて再び中央入り。新潟芝2000mの1勝クラスを快勝した。昨年秋、転入して初戦4着。3戦目にはJBCクラシックにも挑戦した。今季はA級からB1級へ降格。3戦目の水沢1400mで鮮やかなまくりを決めて岩手初勝利を飾った。前走は2着だったが、勝った相手を誉めるべき。多少、ズブい面があるのがネックだが、地力は前々走で証明済み。同じ1400m戦で再現まで。
アブシンスは3月競馬で1600m戦5着後、短距離へ路線変更。未勝利ながら2着4回3着1回と毎回上位をにぎわしている。最後の詰めが課題だが、好調サイクルをキープは間違いなし。同型の出方次第だが、気分良くレースを進めることができれば待望の勝利も考えられる。
アレクサンドロスはダート1900m1勝から南関東を経て転入。1勝2着3回3着2回の成績でシーズンを終了。今季も安定しないが、好メンバーがそろったB2特別・エイプリルカップを快勝した。以降は足踏みだが、折り合いを気にしなくていい1400mで反撃に転じる。
ネオヴォイスは名古屋A級から転入してあっさり2連勝。幸先のいいスタートを切った。続く一戦2着から4、9着。前走しんがり負けが気になるが、地元に戻ってプラス20キロと大幅増。これが敗因だったと解釈でき、体が絞れてくれば巻き返しは可能だろう。
ハガキノハナは今季6戦2勝2着2回の好成績。近走は一戦置きの好走でアテにしづらい面があるが、流れに乗れれば一発を秘めている。
◎⑥キモンリッキー
〇⑪ブルーエクセレンス
▲⑤アブシンス
△④アレクサンドロス
△②ネオヴォイス
△⑧ハガキノハナ
<お奨めの1頭>
3R ロックグラス
中央1勝クラスに在籍し、岩手C2編入は恵まれた格付け。1300m対応がネックだが、地力が違い
11日メインは"ダービーシリーズ2023"第4弾、そして岩手クラシック二冠目「第31回東北優駿(岩手ダービー)」(水沢2000m)。最終的に8頭立てだが、なかなか重厚なメンバー構成となった。
ミニアチュールは昨年12月、北海道2勝2着4回から転入。2歳No.1に君臨したフジラプンツェルが不在もあったが、圧巻の5連勝。一冠目・ダイヤモンドカップは初の左回り盛岡、初輸送などの初モノづくめ。さらに盛岡坂もこたえたようで最後はお釣りがなくなったが、0秒1差しのいで優勝。重賞4連勝を飾った。
今回、最大の課題は2000m対応。完成度の高さは世代屈指だが、イメージはマイラー。2ハロン延長をどう乗り切るかだが、小回り平坦の水沢ならこなせる範囲。全馬が初の2000m戦となり、残り3ハロン勝負になるのは確実。それならば持ち味のレースセンスで克服できるに違いない。
ロッソナブアは門別・2歳新馬戦を4馬身差で圧勝し、続く一戦3着から南関東へ転籍。あっさり2連勝をマークして、以降2戦連続2着。南関東クラシック路線には乗れなかったが、すべて3着以上にまとめて底を見せていない。今回は2ヵ月ぶりの実戦だが、この東北優駿を獲るために転入してきたのは明白。鞍上は先日、東京ダービー初制覇で波に乗る御神本騎手。南関東時代の主戦ジョッキーでもあった。
裏付けも成績だけではない。兄ロッソコルサは不来方賞、ダービーグランプリ、桐花賞を制し、年度代表馬にも選ばれた強豪。2000mではなかったが、2走前に船橋1700mを使って2着の実績も心強い。馬格も500キロを優に越し、あっさりまで十分考えられる。
リッキーナイトは北海道4戦2着1回から昨年転入して2勝2着1回。直後に南関東へ移籍して2戦8、7着から再転入。スプリングカップ、ダイヤモンドカップで連続2着だったが、ダイヤモンドCではメンバー最速の上がりを披露してミニアチュールに0秒1差まで肉薄。
こちらの兄は昨年、ダイヤモンドC、東北優駿と二冠を獲得したグットクレンジング。父がコパノリチャードからコパノリッキーとなって距離延長は望むところ。あとはパドックで鼻ねじをかけているようにテンションが高くなることだが、レースに集中できれば好勝負必至。
スノーパトロールは東京ダート1600m2着1回から転入。あやめ賞4着、スプリングC3着、ダイヤモンドC3着。あとひと伸びが足りないが、前走はプラス19キロの体重増もこたえた印象。ダイヤモンドC後、テンコートレセンへ移動して調整。ここに照準をピタリと合わせた。鞍上は前回と同じく、名古屋の名手・岡部誠騎手。
ピラヴロスは今年4月とデビューは遅かったが、圧巻の3連勝。特に前回は2着に1秒9の大差をつけて圧勝した。相手強化、距離経験が1400mまでと不安要素は多いが、素質はひけを取らない。
◎④ミニアチュール
〇③ロッソナブア
▲②リッキーナイト
△⑦スノーパトロール
△①ピラヴロス
<お奨めの1頭>
10R アザル
目下2連勝中とレースを使われながら上昇一途。負担重量は1キロ増だが、今の勢いを重視する手
6月4日に行われたダート850mのスプリント重賞『早池峰スーパースプリント』。岩手では唯一になる1000m以下の距離の重賞は1番人気のキラットダイヤが6馬身差圧勝。このレース3連覇を達成しました。
10頭立ての4番枠からスタートしたキラットダイヤはゲートの出こそ横一線でしたが二の脚の速さで簡単にリードを作ると4角では早くも鞍上が後続をみて手綱を緩める余裕。最後はクルージング状態でゴールを駆け抜けました。
冬場は一度南関東に移籍して一戦叩いた状態で岩手に戻ってきた同馬。今年6歳となりましたが終わってみれば今の水沢の、例年よりも深めの馬場で49秒5という3連覇中最速のタイムを、それも流して叩きだしており、スピードに衰えなしと自らの走りで証明して見せました。次戦の予定は岩鷲賞、こちらも3連覇がかかる戦いになります。
6月6日のメインレースは12Rの『撫子特別』A級ダート1600mの10頭立てです。本命は(4)マイネルアンファン、中心は素直にこの馬でいいでしょう。
この春の岩手転入後は4戦3勝、二走前の桜花特別こそ少頭数の1800m戦という特殊な条件で勝った馬にペースを握られて・・・の敗戦を喫したものの、前走、仕切り直しのA級戦牡丹特別では初盛岡もものともせず快勝。本来の力量を改めて示しました。
A級特別の常連達が相手になる今回ですが、マイネルアンファン自身はA級で戦うようになって3戦目ながらも水沢マイルの持ち時計で優位に立っていると見ていいここまでの戦績でもあります。勝ち負けを期待するのも自然、中心と見るのがあくまでも妥当でしょう。
対抗はこれも素直に(9)ブレイニーラン。こちらもこの春の転入馬ですが当初からA級特別で活躍、連勝でこそ無いものの常に上位を争ってきています。二走前には◎に敗れていますがこちらも走る度に岩手の水に慣れレースぶりもいろいろ手の内に入ってきているという印象あり。その時とは違う結果を期待してもいいのでは。
三番手は(3)ブローヴェイス。JRA時代は芝を主戦場としていて岩手でも芝2400mの重賞を勝っているこの馬ですがダートも問題ないのはここまで見せているとおり。小回りの水沢ダートももはや問題ないと思いますし、春の序盤に戦っていた相手との差を思えばここでの力量の差は大きくないはず。
(5)ファルキートが△の一頭目。昨秋はA級上位で重賞級の相手と互角に渡り合っていたのですから地力に遜色なし。今季は水沢・盛岡双方の深めの馬場に苦戦している印象がありますが、ここに来て上昇感を見せてきています。雨でも降れば良かったのですが恐らく乾いた良馬場、それは割引なのでしょうが、今なら克服もできるのでは。もう一頭の△は(7)ブラックバゴを。高齢馬だけに休養明けの春先の頃の方がより活気があったようには感じますが、しかし芝馬ながらパワーを要する馬場をむしろ得意にしており存在感は十分。今の馬場傾向はむしろこの馬の味方と考えます。
●12Rの買い目
馬単(4)=(9)、(4)→(3)、(4)→(5)、(4)→(7)、(9)→(3)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
5日メインはA級一組「初夏特別」(水沢1600m)。このメンバーで勝ち負けを演じる馬は、重賞路線をにぎわすのは確実。7頭立てだが、興味深い一戦。加えて波乱の要素もたっぷり含んでいる。
本命はワークアンドラブ。中央ダート1800m2勝。JpnII・兵庫チャンピオンシップでテーオーエナジーの4着に入線した。続いて北海道で2勝後、南関東へ転籍。マイルグランプリ、サンタアニタトロフィーと重賞2勝を含めて5勝をマークした。しかし一昨年3月、隅田川オープン1着以降は勝ち星なし。同年5月、川崎マイラーズ2着後は一度も馬券対象を果たせず、北海道移籍後も4着が最高。長らく苦戦を強いられている。
今回のトレードは岩手に新天地を求めてきたもの。近走成績からは狙いづらいが、メンバーが大幅に甘くなっているのは確か。ズブさが出ているということだが、勝ち星が何よりも妙薬。久々の勝利を飾り、復活に期待したい。
グットクレンジングは昨年、門別1勝、高知2勝、大井一戦を経て転入。初戦のスプリングカップはクロールキックに完敗2着だったが、ダイヤモンドカップ、東北優駿(岩手ダービー)の二冠を制した。舞台が盛岡へ替わった不来方賞は8着に終わり、三冠達成はならなかった。続くダービーグランプリも11着と大敗を喫し、4ヵ月半の休養をはさんで南関東へ移籍。2戦二けた着順に沈み、再び岩手入り。栗駒賞から始動したが、ゴールデンヒーラーの7着。
その後は盛岡開催を完全スキップ。水沢開催まで待機した。中間は意欲的に乗り込まれて態勢は万全。あとは相手関係に尽きるが、仮に通用なら今後にもメド。真価を問われる一戦となった。
マイネルアストリアは昨年、中央3勝クラスから転入。赤松杯、あすなろ賞の重賞2つを制した。好、凡走の落差が激しいのは自分の競馬ができるか否か。砂を被らない外で競馬をできれば本領を発揮し、逆に内に包まれると戦意喪失。その意味で7頭立て6番枠は幸運。5ヵ月ぶりの実戦だが、放牧先で乗り込まれて帰郷。あとは当日の馬体重をチェックしたい。
ウインカムトゥルーは中央ダート1400m1勝から大井0勝、高知6勝・B級から転入。初戦の栗駒賞を4着にまとめ、シアンモア記念9着から前走快勝。鮮やかな直線一気を決めた。コースは水沢に替わるが、高知6勝なら望むところ。あっさり2連勝まで十分。
ジェイケイブラックは休み明けを快勝し、重賞・あすなろ賞5着。今年も健在をアピールした。水沢でも4勝をマークしているが、小回りは若干割り引きが必要。前崩れの展開で連対あるかも。
◎⑤ワークアンドラブ
〇②グットクレンジング
▲⑥マイネルアストリア
△④ウインカムトゥルー
△③ジェイケイブラック
<お奨めの1頭>
7R サッポロゲッカオウ
中央0勝、門別2勝、中央1勝クラスから転入。C2クラス編入は恵まれた格付け。能力検査も叩いて臨戦態勢は整った