今週30日から戦いの舞台は盛岡競馬場。毎度のことだが、水沢=平坦、右回りに対し盛岡はバンケット(坂)、左回りと真逆のコース。必然的に春競馬からの水沢コースのデータは一旦クリアー。コース替わりへの対応が最大ネックとなる。
加えて盛岡競馬は昨年11月以来。先週までは盛岡所属馬が水沢への輸送競馬だったが、今回は水沢所属馬が盛岡へ輸送。久々の輸送で入れ込むケースも少なくない。当日の馬体重とパドック気配には細心の注意を払いたい。
馬場傾向も手探り状態。盛岡コースの場合、1600m以下のレースはすべてワンターン。4コーナーからゴールまで上り坂もあり、惰性では乗り切れない。そのため前半レースは流れが落ち着くことが多いが、今年はどうなるか。内コースが有利か外が有利か。先行有利か差しが届くのか―などなどチェック項目は多い。いち早く傾向をつかみたい。
30日メインは岩手クラシック一冠目「第43回ダイヤモンドカップ」。新三冠導入後、ダイヤモンドカップは水沢が舞台だったが、今年は盛岡ダート1600mが舞台。コース未経験馬は大本命ミニアチュールも含め、適性も重要なファクターとなった。
そのミニアチュールは北海道2勝2着4回から転入後、破竹の4連勝。目下、重賞3連勝中と自他ともに認めるNo.1に君臨している。今季初戦の3歳牝馬重賞・あやめ賞を完勝後、佐藤祐司調教師は早々と牡馬クラシック挑戦を表明。スプリングカップを使ってダイヤモンドカップは予定どおりのステップだった。
調教でゴールデンヒーラーにもまたがったことがある新人・佐々木志音騎手に話を乗り按配を聞いてみたところ、「タイプは違いますが、身のこなし方が2頭ともそっくりでした」。金杯でコンビを組んだ山本政聡騎手も「小柄だが、体の使い方がとてもうまい」と絶賛した。
ライバルと目されていたフジラプンツェルは回復が遅れているためダイヤモンドカップを自重。ミニアチュールが初の盛岡、初の左回り、初の輸送競馬もクリアーしてクラシック一冠目を手にする。
相手筆頭はスノーパトロール。デビュー4戦目からダートにシフトして2戦目の東京ダート1600mで2着。続くレースでは同じ東京ダートマイルで逃げて4着に粘った。転入戦・あやめ賞は1秒5差4着に敗れたが、初の地方ダートと小回りにとまどったか。2戦目のスプリングカップで0秒6差3着に巻き返した。今度は地元盛岡マイルが舞台。先に記したように東京ダート1600m2着なら、もちろん大歓迎。
リッキーナイトは北海道4戦から転入。2勝2着1回の成績を引っ提げて南関東へ転籍。2戦着外に終わったが、強豪と戦ってきた経験も生かして再転入戦・スプリングカップで2着にまとめた。すでに盛岡1勝2着1回とコースも経験済み。さらに牡馬の成長力を加味すればあっさりまであり得る。
リスレツィオの挑戦も楽しみ。北海道4戦3着1回から転入後、下級条件から圧巻の4連勝。今度はメンバーが一気に強化されたが、勢いに乗る。
ダレカノカゼノアトは高知2勝から転入初戦のあやめ賞で2着。留守杯日高賞は遠征馬が強く7着も仕方なし。地元同士の戦いで反撃に転じるか。
キタノムホウは今季1、8、5着。スプリングカップは後方のまま8着だったが、盛岡はすべて3着以上。差し脚が生かせる盛岡が合う。
◎⑧ミニアチュール
〇④スノーパトロール
▲⑤リッキーナイト
△⑦リスレツィオ
△②ダレカノカゼノアト
△⑫キタノムホウ
<お奨めの1頭>
2R ナンノコレシキ
中央ダート1200m、1400mでそれぞれ2着。南関東移籍後は4着最高だったが、岩手C2編入は恵まれた
4月23日に行われた古馬短距離重賞『栗駒賞』は1番人気のゴールデンヒーラーが優勝。昨年の青藍賞以来の重賞勝ちを収めると共にこのレースでは8年ぶりの牝馬による制覇となりました。
「休み明けの実戦、深い馬場も考慮して控えめの競馬をしようと(山本聡哉騎手)」との鞍上の意図から先行5番手あたりからレースを進めたゴールデンヒーラー。勝負所にさしかかっても他馬の仕掛けをギリギリまで待ちつつ、それで直線抜け出してからはしっかり後続を抑えきるという安定感ある戦いでの勝利。昨年10月の南部杯以来となる実戦をものともせず、青藍賞に続いて2つ目となる牡牝混合古馬重賞のタイトルを獲得。次戦はシアンモア記念、昨年3着に終わった伝統のタイトル奪取に挑みます。
4月25日のメインレースは12レースになります。C1級ダート1400mの特別戦『駒形賞』10頭立て。本命は(2)ラストヴィグラスを採りました。
門別でデビューして1勝、南関東・大井に転じて3勝を挙げて前走から岩手で戦っている同馬。前走は初の小回りコースながらも直線脚を伸ばして2着以下に4馬身差を付ける快勝でした。
今回の課題はまず距離。これまでの主戦場は短距離で、過去には1400m・1600mでの出走経験もあるもののいずれも大敗と言っていい敗戦でした。実は前走が1200m以上の距離での月勝利でもあります。もうひとつは馬場状態で過去の好走例の多くが稍重や不良といった軽い馬場でのものでした。
この辺は父サウスヴィグラスということを思えばある意味血統印象通りかもしれません。スピード勝負の短距離型、雨馬場でやたら強いですからね。
しかしマイルまでこなすサウスヴィグラス産駒は普通にいますし重不良馬場でなくとも好走するのも同様。1400mは守備範囲、良馬場も対応できると考えるのが妥当でしょう。
次週からは左回りの盛岡開催です。これまで右回りの経験しか無い本馬にとっては経験豊富な条件でもう一勝を狙いたいところだ・・・とも想像します。58kgのハンデもここは主立ったライバルがほとんど+2kgだから実質的な影響はないでしょう。
対抗は(8)チベリウスを狙います。昨秋の岩手在籍時はC2~C1級で5戦3勝、1200m・1400mの距離もこなしていました。南関では勝ち星なく終わったものの極端に大きく負けたことはなく、時計面でも、大井C1の◎と同C3の本馬と、クラスは大きく違いますが1200mの時計では遜色がありません。直前のそんな戦績で盲点になるならむしろ狙い目になると判断。
三番手は(5)アザル。少し細身で馬場が軽いに越したことはなさそうな印象ですが、馬格の割にしっかりした動きで力がいる馬場にも対応できそう。力関係の比較が難しい顔ぶれの今回ですが勝ち抜く力は持っていそうです。
以下、(6)ジェミニテソーロには今週の馬場はちょっとつらいかもしれませんが、直近も着順以上の状態の良さを感じさせている点に期待して一点。そして(10)ハイアキュレイトも同様の理由で一点。
●12Rの買い目
馬単(2)=(8)、(2)=(5)、(5)=(8)、(2)→(6)、(2)→(10)
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24日メインはA級一組「桜花特別」(水沢1800m)。5頭立ての少頭数になった理由は5月7日(日)に春のマイル王決定戦・シアンモア記念が控えているから。加えて次週から舞台は盛岡競馬場。岩手競馬の場合、開催替わりにはクラスを問わず出走を見送るケースが多く、今回もその一例。必然的に馬券もオッズを見ながら、かなり絞って購入しなければならない。
マイネルアンファンは中央ダート1800m2勝、ダート2100m1勝。2歳時に北海道2歳優駿(JpnIII)で4着の実績があり、3勝クラスへ在籍した。一昨年1月、南関東へ移籍して大井2000m1勝、大井1800m1勝をマークし、岩手入り。岩手B1編入と格付けに恵まれて1秒6、0秒7差で圧勝。地力の違いを見せつけてアッサリ2連勝を飾った。
今回からA級へ昇格したが、南関東B1級在籍ならまったく不安なし。しかも今回は水沢1800mが舞台。上記に記したようにマイルから1800m延長は望むところ。なおかつ強力馬が不在とくれば追いかける一手。単不動、3連勝へ王手をかけた。
リリーモントルーは一昨年、中央2勝クラスから転入。9勝2着5回と抜群の安定感を誇っている。しかも昨年は春競馬から9戦連続で連対を確保。5勝2着5回、重賞・あすなろ賞2着、トウケイニセイ記念でも3着を確保した。
しかし今季は4、6着止まり。9歳を迎え、年齢的な衰えが見え隠れしている印象がある。ただ今回の1800m戦は巻き返しに転じるチャンス。あすなろ賞(水沢1900m)2着、1800m戦で過去3勝。いい脚を長く使えるタイプで、距離延長は大歓迎。
サザンジンジャーは中央未勝利、高知12勝から転入。初戦は実戦を使われていた強みも生かして0秒6差で逃げ切った。気になるのは前走4着。ハナを奪えなかった上、ハイペースにも巻き込まれたが、2番手から直線失速4着。評価が微妙になったが、高知時代もそうだったが、逃げがベスト戦法。過去の勝利は1600m以下だが、自分の競馬ができれば1800mもこなせるはず。
メイショウメイスイは中央未勝利、南関東3勝から岩手入り。6勝を荒稼ぎした。今季3戦はいずれも着外だが、持ち味の先行力を発揮できなかったのも凡走理由。少頭数、スローの流れなら反撃の可能性がある。
リッジマンはステイヤーズステークス覇者。岩手所属馬で初めてジャパンカップ挑戦で話題を呼んだ。門別デビュー戦を勝ちあがったが、ダートがネック。3着の押さえ候補。
◎⑤マイネルアンファン
〇②リリーモントルー
▲③サザンジンジャー
△①メイショウメイスイ
△④リッジマン
<お奨めの1頭>
8R ゴールドルパン
中央未勝利から転入後、2勝2着1回の好成績。C1昇級戦だが、相手はむしろ楽。タイムでもリードし、もう一丁いける
23日メインは水沢1400m重賞「第35回栗駒賞」。一昨年まで7月前後に行われ、クラスターカップへの道だったが、昨年から4月に以降。優勝馬ロックスピリットはシアンモア記念へ向かった。
今回の主役ゴールデンヒーラーも同様のステップを選んだ。昨年6戦2勝2着1回3着2回。重賞は青藍賞1勝のみだったが、JpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯でJRAの強豪を相手に5着善戦。フロックでないのはメンバー最速タイ36秒7をマークしたことでも証明した。
続いてJBCレディスクラシック(盛岡)へ挑戦予定だったが、脚部不安が発生したため無念の出走取り消し。その後は北海道の牧場で休養に入り、2月に水沢へ帰郷した。
2月に行われた岩手競馬アワードで担当の渡邊正彦きゅう務員にゴールデンヒーラーの近況を聞いたところ「デビュー後、初めて放牧に出たが、これでリフレッシュできたと思う。一回りも二回りも大きくなって戻ってきた。ちょうど成長期に休んだことが良かったと思う。間違いなくパワーアップしたと思う」と。
当初、赤松杯にも登録があったが、無理をせずスキップ。栗駒賞→シアンモア記念の路線を選び、満を持して出走する。今回の水沢1400mは3歳時、あやめ賞以来だが、2戦2勝とパーフェクト成績。過去に2000mもこなしているが、ベストはマイル。シアンモア記念へつながるパフォーマンスを期待したい。
中心に迷いなしだが、相手は伯仲。筆頭にゼットセントラルを指名する。昨年4月、中央1勝クラスから再転入。5勝2着5回3着2回の好成績を収めた。今季初戦はマイナス15キロと大幅な体重減を問題にせず、ロングスパートを決めて完勝。好タイムもマークした。重賞では青藍賞5着が最高だが、水沢1400mは信頼の条件。
オンラインボスは北海道1勝、南関東2勝・B2級から転入。2勝2着2回3着3回。馬券対象から外れたのは芝にとまどった3歳芝・サファイア賞8着のみ。抜群の安定度を誇った。今季初戦は2番手キープからあっさり抜け出して快勝。ひと冬を越して成長の跡ものぞかせた。3歳冬に去勢手術を施され、まだまだ伸びしろ十分。今回の挑戦は注目に値する。
ケイアイサクソニーは中央芝短距離で4勝後、門別へ移籍。芝1000m交流・OROターフスプリントへ参戦し、5馬身差で圧勝した。今回のトレードは連覇を狙ったのは明らかだが、ダートでも門別で2着2回。4ヵ月半ぶりの転入戦でも逃げて3着に粘った。気分良く逃げれれば残る可能性は高い。
グットクレンジングは昨年、ダイヤモンドカップ、東北優駿(岩手ダービー)の二冠を獲得した。不来方賞8着、ダービーグランプリ11着に敗れ、南関東へ移籍。2戦着外から再転入した。近走成績からは強気になれないが、水沢コース適性抜群。
あやめ賞馬・マルルットゥも南関東から里帰り。初戦の1400m戦で2着に好走した。前走は6着止まりだったが、1400m短縮で反撃一考。
◎⑦ゴールデンヒーラー
〇⑫ゼットセントラル
▲③オンラインボス
△⑥ケイアイサクソニー
△⑤グットクレンジング
△⑨マルルットゥ
<お奨めの1頭>
1R ヴァロンダンス
前走は1年1ヵ月の長期休養明けで3着も仕方なし。ひと叩きされて上昇必至に加え、850m2度目と好走要因がそろった
4月16日に行われた3歳牝馬の地方競馬全国交流重賞『留守杯日高賞』は大井からの遠征馬ワイズゴールドが優勝しました。
他地区からの遠征馬が上位の人気を集めた中で1番人気に推されたワイズゴールド。好発からハナに立ってレースの主導権を握ると、途中3~4コーナーで2番手キャッツライズの攻勢を受けたものの凌ぎきり、直線は後続を引き離しながらのゴール。4着に終わった前走の浦和・桜花賞の雪辱を果たしました。
「頭が良くて頑張る馬。小柄な牝馬だからどんな距離でもとは言えないが、牝馬同士なら1800m位はこなしてくれそうな距離の融通性もある。まだまだこれから力を付けていって良い馬です」と市村調教師もこの馬の走りを褒める嬉しい勝利でした。
2着は先行競り合ったキャッツライズが粘り切り、2番人気フークエンジェルはスローペースが災いして3着まで。4着ラピスアダマンス、5着エイシンレアと5頭の遠征馬が掲示板を占める結果となりました。
4月18日のメインレースは11レースです。B1級ダート1400mの特別戦『桜並木賞』。レース名の由来でもある水沢競馬場・向こう正面の桜並木は"史上最速"の早さで先週既に満開を迎えており、今週はすっかり葉桜に。今年は"葉桜並木賞"になってしまいましたが、見逃された方はぜひ来年を楽しみにお待ちください。
このレースの本命は(5)ドルズプライスレスです。
3月12日のB1ダ1400m戦を大差の逃げ切り勝ちと衝撃的な走りを演じた同馬は返す刀の前走も同様の逃げ切り勝ち。春初戦のレースはまだデキすぎ・うまくいきすぎとそれだけでは過信できないものだと思っていましたが、連続で見せつけられるとこの勢いは"本物"と見ざるをえません。加えて勝って同メンバー、むしろ春初戦よりは少し楽にも感じる今回の相手関係なら、これは中心不動と言う他はないでしょう。
一応懸念材料を挙げるならば、まずひとつは今回は現級で連勝してきた分58kgの負担重量になっている点。これは馬格がある逃げ馬だからあまり気にしないとして、これで意外に気難しいところがあるという点には注意が必要かも。前走なども道中でちょっと遊ぶところを見せていました。同じ走りを何度もできる、何度も再現できるタイプではないかも・・・という点は一応念頭には置いておきたいですね。とはいえもっと上のクラスに行った時にどうか?であって現級ならそれも気にしなくていいでしょう。
対抗は(7)ストロングフォース。昨季終盤にC1を勝ち上がって今季はB1スタート、その初戦こそ3着に敗れましたが現級二度目の前走は完勝と地力のあるところを見せています。敗れた初戦にしても勝ったのはユノートルベル、2着はヤマショウブラックと古馬重賞勝ち負けレベルの相手。対ドルズプライスレスの筆頭としての期待をかけるにふさわしい存在と考えます。
三番手は(9)ハッピーホンコンを。ちょっと勝ち切れずにいる近走ですが相手関係や馬場傾向、展開等に関係なく上位に食い込んでくる堅実さが魅力的。2着以下の争いが例えば◎の前走や前々走時のように後方集団が競り合っている形になったなら、この馬のしぶとさが武器になってくるでしょうし、そこからもう一段階上に迫ることも可能では。
あとは、今回のメンバー相手には若干不利な近走成績ですがまだコース慣れ上昇の余地があって良い(1)キットクル、同様に右回り経験積んで変わってきていい(8)ノースリュシオル。それぞれの上昇分を見込んで上位に食い込める存在として押さえに。
●11Rの買い目
馬単(5)=(7)、(5)→(9)、(5)→(1)、(5)→(8)、(7)→(9)
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