10日メイン12RはB2特別「ジュライカップ」(盛岡芝1600m)。6月26日、B2・芝1600mが前哨戦だったが、今シーズンの盛岡芝こけら落とし。最初の芝だったが、そのレースから7頭がエントリーした。まずは今季、盛岡芝の結果一覧をご覧になってほしい。
6月25日 B2・芝1600m ナンベイコー=逃げ切り
6月26日 B1・芝1700m「朝顔賞」 フェブサンカラ=逃げ切り
6月27日 3歳・芝1600m準重賞「はまなす賞」 スノーパトロール=逃げ切り
7月2日 2歳・芝1000m「2歳新馬」 カリフィア=逃げ切り
7月3日 C1・芝1600m「ベンバトル特別」 レーヌデゼトワール=逃げ切り
7月4日 3歳・芝1600m クラウンエンペラー=好位抜け出し
OP・芝1700m「かきつばた賞」 ゴールドギア=直線抜け出し
先週まで盛岡芝は7R実施されたが、うち5Rが逃げ切り。7月4日の2レースだけ逃げ切りが決まらなかった。つまり前が止まらない競馬。逃げ有利の芝だったのは明らか。考えられるのは今の芝特徴に加え、ジョッキーも手探り状態。確かにペースも落ち着く傾向だった。以上のことを念頭に入れてほしい。
本命はこけら落としの芝を逃げ切ったナンベイコー。中央在籍時、函館芝1800mで2着1回。2番手キープから0秒1差2着に惜敗した。転入後はダートで1勝2着2回。右回り水沢では馬券対象を果たせなかったが、盛岡で好走を続け、盛岡芝1600m戦を迎えて鮮やかな逃げ切り勝ち。実績ある芝、そして左回り盛岡と1着要因がそろった。走破タイム1分37秒9も優秀。今度は最内にブライティアセルバがいるので2番手の可能性が高いが、控える競馬も問題なし。芝2連勝に王手をかけた。
ベルピエースは中山芝1600m・3歳新馬戦で1番人気に支持され、2番手をキープ。早め先頭に立ってそのまま押し切るかと思ったが、藤田菜七子騎手が騎乗したレッジャードロが33秒9の驚異的な末脚を駆使。2着も仕方なしだった。その後、大井、高知を経て今年転入。2勝をマークして盛岡芝へ臨み、ナンベイコーには離されたが、2着アローゴールドとはわずかクビ差3着。先行決着も影響したが、これでメドが立った。今度はスローペースにならないのは確実。盛岡芝2度目で逆転のシーンまで。
エムワンハルコは3歳芝2400m重賞・サファイア賞、芝1600m準重賞・はまなす賞を優勝を含めて盛岡芝4勝2着4回。抜群の適性を誇っている。前走は待ちに待った芝だったが、後方2番手を追走。結果的に先行決着の競馬となり、メンバー最速の上がりを使って6着に終わった。これは展開のアヤ。積極策に出て反撃に転じる。
アローゴールドは中央デビュー3戦を芝を使われて、ダートへシフト。転入後も2勝2着5回。今季未勝利ながら2着4回から芝でも2着を確保。条件、コースを問わず堅実無比。ここでも上位扱いが当然。
ブライティアセルバは今季着外の連続だったが、芝に替わって4着に反撃。過去、盛岡芝1600m3戦2勝。加えて絶好枠を引き当て、逃げ粘り必至。
ホウショウエポックは盛岡芝1勝2着2回3着1回。前走8着はスローに落とされたのが致命傷。先行激化の際に浮上の可能性がある。
◎⑥ナンベイコー
〇③ベルピエース
▲⑨エムワンハルコ
△④アローゴールド
△①ブライティアセルバ
△⑧ホウショウエポック
<お奨めの1頭>
2R アルティマボス
中央1勝クラスから転入。芝ダート1000mを5度経験し、盛岡1000m戦は望むところ
9日メインは盛岡芝1700mを舞台に行われる3歳・地方競馬全国交流「第24回オパールカップ」。今年は遠征馬5頭、地元6頭の計11頭で争うが、遠征馬はいずれも高実績で優位は動かしがたい。
ラビュリントスは北海道1勝2着2回から知床賞(盛岡ダート1400m)、ジュニアグランプリ(盛岡芝1600m)へ連続参戦。2連勝を飾り、ジュニアGPは2馬身差で完勝した。続いて大井・東京2歳優駿牝馬へ遠征して11着。直後に川崎へ移籍し、JRA・アネモネSは0秒5差8着、橘Sは1秒4差7着(いずれもリステッドレース)。
2ヵ月の休養をはさんでオパールカップへ参戦する。残念ながら中央芝3戦とも着外だったが、盛岡芝適性はすで証明済み。この一戦に照準を合わせてきたのは誰の目にも明らか。ジュニアGPでマークした盛岡芝1600m1分37秒9はレースレコード。絶好の勝機を迎えた。
ナイトオブバンドは船橋でデビュー3連勝を飾った逸材。一戦置いて南部駒賞、ジュニアグランプリで連続2着。勝利は手にできなかったが、メンバー最速の上がりを披露した。その後、クラウンカップ2着から東京湾カップ6着。前走は東京ダービーへ挑戦したが、2000mも距離もこたえて14着に沈んだ。盛岡遠征も今回で3度目。芝でも適性が高く、決め手勝負になればアッサリまで。
エオリエンヌは北海道2、7着から川崎へ移籍。いきなり2連勝を飾り、3ヵ月半の休養明けの前走・東京プリンセス賞4着。重賞初挑戦で善戦し、能力の片りんを垣間見せた。芝は生涯初めてだが、祖母はウインドインハーヘア。叔父がディープインパクトなら、むしろ望むところ。
プルタオルネは門別1000m・新馬戦を快勝。知床賞へ参戦予定だったが、出走取り消し。直後に平和賞へ挑戦して2馬身差で完勝。帰郷後は北海道クラシック・北斗盃6着、北海優駿4着。芝はJRA札幌・クローバー賞9着以来2度目。先行激化なら直線台頭の可能性がある。
コスモイグロークは2歳時、JRA札幌・すずらん賞を快勝。ジュニアグランプリにも参戦したが、6着に終わった。直後に南関東へ移籍して3着最高。京都GIII・葵ステークスも18着に終わったが、芝向きは確か。あとは1700m対応がカギを握る。
トーセンカタリーナは中央芝2着1回。ハナ差で敗れて惜しくも未勝利を脱出できず岩手入り。芝準重賞・はまなす賞でもタイム差なし2着に惜敗した。地の利を生かして上位進出をもくろむ。
◎④ラビュリントス
〇②ナイトオブバンド
▲⑩エオリエンヌ
△⑪プルタオルネ
△⑥コスモイグローク
△⑤トーセンカタリーナ
<お奨めの1頭>
5R クランプ
南関東未勝利ながら2着2回。母は岩手で活躍したマツリダワルツ。ロードクエストの妹が岩手で素質を開花させる
7月2日(日)、クラスターカップ・トライアル「第55回岩鷲賞」(盛岡ダート1200m)を舞台に行われた。単勝1倍の元返し、圧倒的1番人気に支持されたのはキラットダイヤ。南関東から再転入戦の早池峰スーパースプリントを6馬身差で圧勝。3連覇の偉業を達成し、今回の舞台は6戦5勝の盛岡1200m。唯一の敗戦はJpnI・JBCスプリント10着のみ。ほかはすべてワンサイド決着で決め、岩鷲賞3連覇を誰もが疑わなかった。
逃げたのは好枠を利してハナレイ。2番手にアップテンペスト、3番手外にキラットダイヤ。道中の手ごたえもすばらしく、直線入り口では馬なりでハナレイに並んだ。これで勝利を確信したが、いきなり減速。逃げたハナレイも捕らえることができず3着に敗れた。
勝ったのは4番手インで脚を貯めていたトーセンキャロル。直線一気に突き抜けて4馬身差で圧勝した。レース上がり3ハロン37秒3に対し、トーセンキャロルは35秒8。驚異的な末脚を披露した。
高橋悠里騎手「3頭が飛ばしていったので、強い馬(キラットダイヤ)を見ながら自分のペースでレースを進めた。いいリズムで行けたと思ったが、正直あんなに脚を使うとは思っていなかったので、久々にガッツポーズが出た。気性も素直で操縦性もある。今後も楽しみです」
佐藤浩一調教師「中央2戦目で芝1200m戦を勝っていたから、オーナーと相談して短距離路線を使っていきましょうと結論が出た。実際、昨年の牝馬二冠(ひまわり賞、OROオータムティアラ)を勝った時も末脚がすばらしかった。切れを生かせる展開も味方したと思います」
次走については白紙だそうだが、この切れる脚があるならマイル以下向き。今後の動向に注目したい。
翌々日4日(火)はせきれい賞トライアル「第25回かきつばた賞」(盛岡芝1700m)は1番人気ゴールドギアが快勝した。前半は後方に待機し、2コーナーを過ぎてロングスパートを敢行。鮮やかなまくりを決め、コスモカルナックの追撃を半馬身差封じた。
高橋悠里騎手「中央実績がある馬なので自信をもって臨んだ。前回ダート1800m(あすなろ賞2着)でクセが分かりましたからね。今日も同じような感じでだった。道中は思った以上に追走が楽だったので、イメージしたとおりの競馬ができた。前回、乗った感じだと3~4コーナーでもたつきそうな印象があった。それでレース前から2コーナーを回ったらロングスパートをかけるつもりでした。早め先頭に立ってトボけたが、内から馬が来たらまた伸びてくれた。まだ余裕がありそうなので、次も楽しみです」
伊藤和忍調教師「先頭に立つと気を抜くところがあると、レースが終わってからジョッキーが言った。それで中央時代も僅差の勝負だったんだと納得した。並べばもっと伸びると思う。若干、体重が減っていたが、次はふっくらして出走させます。次走予定はせきれい賞。中央成績から2400mはさらに合うと思うので期待している。今回は赤の胸かけだったが、今度はぜひ、紫(重賞)を取りたいですね」
せきれい賞は盛岡芝を目指して全国の地方競馬場から強豪が参戦するが、岩手の大将格はゴールドギアとなった。
今週の岩手競馬
7月9日(日) 「第24回オパールカップ」(3歳・地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)
7月10日(月) 「ジュライカップ」(B2級 盛岡芝1600m)
7月11日(火) 「第37回ひまわり賞(オークス)」(3歳牝馬 盛岡ダート1800m)
7月2日に行われた古馬のスプリント重賞『岩鷲賞』。昨年・一昨年と連覇してきている短距離女王キラットダイヤの単勝オッズは1.0倍、前走の強さを見ても3連覇濃厚と思われましたが、レースは思わぬ大波乱の幕切れになりました。
ハナレイが逃げてアップテンペストがそれを追い、さらにキラットダイヤも大外枠から追走していくというスタート直後から激しい先行争い。見た目通りのハイペースで4番手以下との差は一時は5,6馬身にも拡がりました。
それでも外からじりじりと交わしていくキラットダイヤにこのまま押し切れるのかと思った刹那、後方から一気に突き抜けていったのがトーセンキャロル。道中は離れた4番手、直線に向いて前の集団にとりつくと脚が止まった先行勢をまさに並ぶ間もなく交わし去っての4馬身差ゴール。
そして2着争いも、いったんは2番手に上がったキラットダイヤが最後失速してハナレイに差し返される形。8番人気→5番人気→1番人気の決着は3連単32万9160円、単勝万馬券のおまけまで付く大波乱の決着に。
昨年の3歳牝馬二冠を制したトーセンキャロルは短距離路線に転じて待望の初勝利。鞍上の高橋悠里騎手は自身が初重賞制覇を果たした岩鷲賞を、その時以来の15年ぶりの勝利となりました。
7月4日のメインレースは12Rです。古馬オープン級の準重賞『かきつばた賞』、芝1700m。30日に行われるせきれい賞のトライアルとなる戦いです。
先週のはまなす賞のところでも触れましたがこの盛岡開催は芝路線の開幕でもあり、各世代共にトライアル→本番の組み合わせが続きます。
かきつばた賞は7月30日のせきれい賞のトライアル。次開催18日の桂樹杯は8月13日のいしがきマイラーズのトライアルで、それは9月26日のOROカップのトライアルとなります。先々を見据えた評価をしながらの各レース、ということですね。
さてこのレースの本命は(9)ゴールドギアとしました。
前走はあすなろ賞で2着だった同馬ですが、それが転入初戦というだけで無く実はキャリア初のダート戦でもありました。JRA時代は2歳新馬戦で1番人気に応えてデビュー勝ち、以降は主に芝中長距離路線を歩んで一昨年5月にはメトロポリタンSでリステッド勝ちも挙げました。勝ち星としてはそれ以降無いもののオープン特別クラスなら常にひと桁着順をキープしての岩手入り。初めてのダートでも好走するくらいの力量を保っているという事なら、それで芝に替わるのなら当然注目度は「大」でしょうし、札幌函館の洋芝で好走している点も魅力。
戦績から見て次戦のせきれい賞狙いと見るのが自然ですが1700mも決して短すぎることはないでしょう。まずは試金石、どんな戦いを見せてくれるのかに注目。
対抗は(5)ソロフレーズ。昨年のこのレースの覇者でありその昨年は盛岡の芝で重賞1勝・準重賞2勝を挙げています。JRA再転入は好結果でこそありませんでしたが重賞級ということを思えば大きく崩れなかった点を評価していいでしょう。盛岡の芝コースの経験が豊富という点が◎に対してのアドバンテージ。
3番手は(6)ブローヴェイスを狙ってみます。昨秋の転入初戦に3歳の芝重賞を勝っているように芝に何ら懸念は無いですし、ここに来て調子も勢いも戻っている点にも注目しておきたいところ。◎○相手はともかくとしてもその他になら全くひけを取らないはず。
ヒモはまず(7)デルマアシュラ。ディープ産駒だから芝、ということは単純には言えませんが、この馬の場合札幌函館の芝経験が十分にある。盛岡の芝適性を考える時に同じ洋芝コースで良績があるかどうか?は最初に見る部分で、この馬はそれに合致している点がピックアップのポイントに。
もう一頭は(8)ルヴァン。こちらは洋芝経験では無く、3勝クラスの芝戦で先行できる先行力に魅力を感じて。流れ掴めば上位流れ込みもアリでしょう。
●12Rの買い目
馬単(9)=(5)、(9)=(6)、(5)=(6)、(9)→(7)、(9)→(8)
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7月3日メインはA級一組「小暑特別」(盛岡ダート1600m)。一組戦だが、前々週にビッグレース・一條記念みちのく大賞典があったため、上位馬はそろってスキップ。また強力な転入馬も不在で手薄なメンバー構成となった。
ゼットセントラルは今シーズン初戦を快勝し、栗駒賞2着、あすなろ賞3着。重賞でも馬券対象を果たし、相手が緩和された前走は2着に1秒1差で圧勝。まさに能力の違いを見せつけた。
持ち味はいい脚を長く使えること。前半は控える競馬に徹し、鞍上がゴーサインを出すと素早く反応。前走がその典型例だった。マイル戦は過去<5.1.1.3>だが、南部杯13着、青藍賞5着、あとは特別戦の取りこぼし1回。本質的に盛岡マイルがベスト条件と言っていいだろう。
こんかいのライバル・トキノパイレーツとの直接対決だった栗駒賞で2着。トキノパイレーツはアタマ差3着でも上位は明らか。仮にポカがあるとすれば12頭立ての内枠2番枠。包まれた際に負ける可能性があるかもしれない。
トキノパイレーツは昨年、南関東A1級から転入。5走前5着以外は3着以上と抜群の安定感を誇っている。中央ダート2勝後、南関東へ移籍して3勝。2019年には川崎重賞・スパーキングサマーカップを制した格上の存在。転入後は勝ち味の遅さがネックだったが、前々走の1着同着を弾みにして前回も快勝。上昇ムードが最大の強みとなる。
一つ強力データがある。今回も高松亮騎手とのコンビで臨むが、同騎手が騎乗すると3戦3勝。トキノパイレーツを完全に手のうちに入れている印象があり、逆転3連勝まで十分あり得る。
サザンジンジャーは中央4戦0勝から高知へ移籍して素質が開花。12勝をあげ、オープンまで出世した。今年3月、岩手入りして初戦をあっさり逃げ切り勝ち。冬場も実戦を使っていた強みも生かしたが、2戦目はゼットセントラルの4着。3戦目の水沢1800m戦を逃げ切ったが、近2走8、4着。好、凡走の落差が激しいのは自分の競馬ができないとモロさを露呈するから。その意味で展開に注文がつくが、外枠発走なら巻き返しに転じて不思議はない。
ファルキートはシーズン当初、精彩を欠いていたが、徐々に調子を上げて3戦連続3着。本来の動きを取り戻し、今度は3勝2着4回3着2回。馬券対象から外れたのは一度のみの盛岡1600m戦。好走条件がそろった。
ホワイトブライドは水沢2勝に対し、盛岡は5勝2着5回。今季は5着最高だが、状態そのものは着実にアップ。そろそろ一発がありそう。
ウインカムトゥルーは3走前、盛岡マイル戦でトキノパイレーツと1着同着。成績安定しないが、地力は証明済み。
◎②ゼットセントラル
〇⑥トキノパイレーツ
▲⑨サザンジンジャー
△⑦ファルキート
△⑩ホワイトブライド
△⑧ウインカムトゥルー
<お奨めの1頭>
5R ビターモンスター
転入戦は1番人気2着だったが、勝った相手を褒めるべき。前走タイムで他をリードし、今度は首位を譲れない