4日メイン「第8回絆カップ」は2011年10月10日、震災復興を祈念して創設された。
その年は南部杯が東京競馬場で実施され、岩手のメインがこの絆カップ(盛岡ダート1400m)。東京の最終レース終了後、絆カップがターフビジョンでも放映され、画面越しに応援を送ったのを思い出す。
第2回は"鉄の女"トウホクビジンが直線一気を決めて優勝。7番人気の低評価を見事覆した。翌年はシアンモア記念も制し、盛岡1600mが彼女にとってベストの条件だった。
また第5回ナムラタイタンが制し、翌年はナリタポセイドンがそのナムラタイタンを破って優勝。昨年は1番人気ラブバレット相手に、タイセイファントムが並ぶ間もなく交わして優勝。中央オープンの底力を見せつけた。
過去7回で1番人気2勝、2番人気2勝。一見すると本命サイド決着のような印象を受けるが、第3回248万7160円、第2回23万1070円、昨年3万6720円と3連単が高配当。穴党にも出番があるかもしれない。
エンパイアペガサスは青藍賞をベンテンコゾウとのマッチレースを制して快勝。春のマイル王を倒し、岩手No1に君臨した。
もちろん短距離路線ではJBCスプリントへ出走するラブバレットがいるが、マイル以上の王者を確定させた。
続く南部杯は自重し、満を持して絆カップへ登場。この間もずっと乗り込まれ、態勢は整ったと判断していい。
本質的には長い距離向きだと思うが、水沢1600の青藍賞を勝ったのは価値ある1勝。さらに成長したことを実感させる一戦だった。
エンパイアペガサスの最大持ち味はいい脚を長く使えること。結果は7着だったが、盛岡の交流・マーキュリーカップを経験したことも間違いなくプラス材料。終盤の北上川大賞典、桐花賞へ向けて好発進を決める。
メイショウアイアンは中央ダート1400m4勝・準オープンへ在籍。今年、北海道へ移籍して2勝2着3回。クラスターカップでも6着に善戦した。
今度はマイルが舞台だが、ワンターンの盛岡なら問題なし。むしろ切れ味を存分に発揮できる可能性も高く、ペース次第で逆転まで。
グランユニヴェールは南関東A2から2ヵ月の休養をはさんで移籍。初戦で好位抜け出しを決め、2歳以来の勝利を飾った。
元々はデビュー2戦目から3連勝をマークし、南関東クラシックへ駒を進めた強豪。羽田盃5着の実績から当然の結果だった。
前走後は絆カップ1本に絞って調整を進め、さらに上昇は確実。タイセイバンデットが逃げ、2番手キープで流れを落とせば大魚獲りも十分。カギを握る1頭となった。
ニットウビクトリーは月1回のローテーションをきっちり守り、岩手4戦2勝2着2回。古豪健在を誇示している。
今回は連闘で臨むのは次開催から水沢へ替わるから。中央4勝、岩手2勝はすべて左回り。コース適性を前面に上位をもくろむ。
タイセイバンデットは昨年、北海道で重賞2勝。秘めた素質が花開いた。今季は休み明け初戦の3着が最高と精彩を欠いているが、マイル戦に活路。スローに落とせば侮れない存在となる。
ハイパーチャージは常識にかからないタイプだが、前走は大外一気を決めて快勝。ツボにはまれば大駆けがあるかも。
◎①エンパイアペガサス
〇⑤メイショウアイアン
▲⑦グランユニヴェール
△⑧ニットウビクトリー
△②タイセイバンデット
△⑨ハイパーチャージ
<お奨めの1頭>
6R ナイトメア
転入2戦とも余裕で完勝。走破タイムも文句なしだった。距離延長を問題にせず、自身の連勝を伸ばすのみ
先週10月28日、盛岡ダート1400mを舞台に北海道、岩手2歳交流「第9回知床賞」が行われ、北海道代表ヤマショウブラックが優勝。鞍上・鈴木祐騎手に嬉しい初重賞をプレゼントした。
先手を取ったのはイコライザー。2番手にグロリアスカメオ、内にパンプキンズ、外に1番人気ラブミージュニアがつけた。
直線を向いてグロリアスカメオが先頭に立ち、8番手にいたヤマショウブラックが直線外から強襲。内で粘るグロリアスカメオをヤマショウブラックが半馬身差交わして初重賞を手にした。
鈴木祐騎手「直線を向いても手応えがほかの馬とは全然違っていたので、これなら差し切れるなと確信を持てました。次戦は南部駒賞と聞きました。そこでも騎乗できるなら全力で頑張りたいと思っています」
今年も北海道勢が上位を独占。1着から4着までを北海道が占めた。特に林和弘調教師は第3回ミネサランサジャ、第4回ゴオリイ、第6回リックカグラに続いて4度目の知床賞優勝。この勝利数に驚くほかはない。知床賞は北海道・林和弘きゅう舎は必ずチェックが必要だ。
3日メインはオープン「スプリント特別」(盛岡ダート1200m)。短距離に活路を求めてきた馬が多く不確定要素が増えたが、やはり適性重視がセオリーだろう。
中心はメイショウオセアン。昨年、ポスト・ナムラタイタンの期待を集めて鳴り物入りで転入。しかし重賞で2、3着は拾ったが、最終的に未勝利でシーズンを終了。
今季は短距離路線に矛先を変えたが、それが見事的中。初戦の水沢850mで待望の岩手初勝利をマークし、一戦置いて早池峰スーパースプリント2着、栗駒賞3着。
続いて岩鷲賞(盛岡ダート1200m)へ駒を進め、2番手キープからアッサリ抜け出して0秒4差で完勝。初重賞を獲得した。
今回は青藍賞4着以来の実戦となるが、仕上げに手抜かりない村上昌幸きゅう舎。今のメイショウオセアンには1200mはベスト条件と言え、貫禄の違いを見せつける。
逆転筆頭はエイシンテキサス。京都ダート1200mの3歳新馬戦を勝ち、ダート1000m、芝1000mでそれぞれ1勝。1000万下在籍から園田、南関東、佐賀と転籍。
岩手初戦は出遅れと距離1600mが長く11着に沈んだが、ハーベストカップ、OROターフスプリントと連続4着に好走。いいムードで今回の一戦に臨む。
今回はダート1200mに替わるが、揉まれなければ過去実績からも問題なし。先行馬の外を追走できればアッサリ首位まで十分。
ミスティカルは中央ダートで2、3着1回。浦和条件交流を勝って転入。初戦は太目残りも影響して4着だったが、ひと叩き2戦目を快勝。
その後はイーハトーブマイル3着、A級3着、前走4着と最後甘くなったが、相手も強かった。今度は1200mに活路を求めての参戦。先行力を武器とするタイプゆえ距離短縮は合うはず。今後の方向を決める大事なレースとなった。
ナムラバンザイにも同じことが言える。中央芝1200m1勝から南関東へ移籍。川崎1600mを勝ち、東京ダービーにも出走。果敢に逃げて4コーナーまで先頭をキープした。
岩手入り後は3着最高で、現在は試行錯誤している状態。スピードが身上なら1200m向きと判断し、逃げたい馬が絶好の1枠。自分の型に持ち込めれば初勝利まで考えられる。
ユッコは今季2着1回にとどまっているが、昨年シアンモア記念を優勝した実力牝馬。9月22日、開催取り止めとなったヴィーナススプリントが11月17日に実施予定。それをにらんで1200mを使う運びとなった。
過去最短はさきたま杯1400mで距離が微妙だが、得意の盛岡なら克服できる可能性十分。軽視すると痛い目に遭う。
コウギョウヘイローは前回快勝。メンバーにも恵まれたが、好調をアピールした。1200mでも1勝をマークし、ハイペースなら再現まで。
◎⑤メイショウオセアン
〇⑨エイシンテキサス
▲⑧ミスティカル
△①ナムラバンザイ
△②ユッコ
△③コウギョウヘイロー
<お奨めの1頭>
6R アドマイヤテン
転入初戦を2秒1差の大差で圧勝。能力の違いを見せつけた。好調メンバーそろったが、迷わず追いかける手
★重賞 知床賞/北海道のヤマショウブラックが優勝
10月28日に行われた2歳馬による北海道・岩手交流重賞『知床賞』は4番人気の北海道ヤマショウブラックが制しました。
レースは序盤から北海道勢が激しく先行争いを繰り広げる展開。ヤマショウブラックは最後方から徐々に追い上げ3コーナーからの勝負所では先行集団に取りつく位置に。最後は抜け出し粘るグロリアスカメオを外から一気に差しきってのゴール。ヤマショウブラックは初の重賞制覇、また騎乗した鈴木祐騎手にとっても自身初の重賞タイトルとなりました。
10月28日のメインレースは8Rの芝特別『秋嶺賞』。OROパーク盛岡競馬場での開催も僅かとなりましたが、今季最終となる来週は芝レースが行われないためにこの秋嶺賞が"今季最後の芝レース"となります。あいにくの雨模様で馬場状態はあまり良くないのが残念ですが、今季最後の芝戦をじっくりお楽しみ下さい。
さて本命は。ここは(8)マコトハインケルとしました。
本馬の父マコトスパルビエロは2009年のマーキュリーカップを制しているようにダートの中長距離の馬という印象があります。産駒もダート向きかと思いきや、マコトハインケルは昨年のジュニアGPで僅差の5着に、また今年のオパールカップでも2着に入っていたりするように少なくとも盛岡の芝との相性は悪くありません。
前走は11着でしたがこれは2000mという距離でハイペースの先行争いに巻き込まれたため。馬の状態は非常に良く映り、より適距離に近い1700m、それも自己条件なら前走のようなことにはならないでしょう。
対抗は(1)ピンクスパイダー。最近は大きな着順の数字が目だってしまっていますが基本的に芝でこその馬。それは前走で改めて証明もしています。差し馬のこの馬にとって最内枠が意外に悩み所かもしれませんが芝適性と堅実度では上位になる存在です。
3番手も(5)タイキパラドックスと前哨戦が良かった馬をピックアップ。1000mもこなしましたがやはりちょっと短かったのでしょう。強気に立ち回って押し通した前走は高く評価していいと思いますし、馬場状態の悪い芝なら先行力が大きな武器になるのでは。
(6)プリムラブルガリスの前走、タイキパラドックスやピンクスパイダーの3着の内容は悪くないと言えるのですが、もうひと押し何か欲しかった気も。ここは芝云々よりは本来格上の安定感に期待してみる方向で。(4)メドゥシアナの近走は状態自体は悪くないように見えます。大きく出遅れずに立ち回れれば上位争いも。
●8Rの買い目
馬単(8)=(1)、(8)=(5)、(8)→(6)、(8)→(4)
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★オッズパークLOTO 5重勝/10月29日(対象8R~12R)
8R/評価A: 8番 評価B: 5番、 6番 穴:4番
9R/評価A: 8番 評価B:11番、 4番 穴:1番
10R/評価A: 6番 評価B: 7番 穴:8番、9番
11R/評価A: 3番 評価B: 4番、11番 穴:7番
12R/評価A: 7番 評価B: 8番、 9番 穴:2番
10月28日メインは北海道、岩手2歳交流「第9回知床賞」(盛岡ダート1400m)。
このレースは人馬の交流を促進する目的でスタート。1年ごとの持ち回りで実施された。初年度2008年は門別1200mで「岩手山特別」の名称で行われ、北海道クラフィンライデンが優勝。翌年は「知床賞」が水沢1600mで行われ、岩手のダンストンルティーが優勝。
3回目の岩手山特別は北海道ドラゴンウィスカーが、4回目(2011年)の知床賞は岩手アスペクトが優勝した。
5回目(2012年)の岩手山特別はグレイスウォードが優勝したが、知床賞の重賞昇格に伴い、岩手山特別は発展的解消。盛岡ダート1400mを舞台にして現在に至っている。
その第3回以降は北海道勢が6連勝中。昨年もスタークニナガ、ヒガシウィザードで北海道ワンツーでフィニッシュを決めた。
さすがハイレベルと層の厚さを誇る北海道2歳。今年も優位は動かないだろう。
本命はラブミージュニア。デビュー戦2着から2戦目を圧勝。続く栄冠賞は1番人気14着に沈んだが、軌道修正して1、2着。前走は2ヵ月ぶりの実戦だったが、直線いい脚を使って連対を確保した。
父ゴールドアリュール、母ラブミーチャン、母父サウスヴィグラスはダート界を代表する名馬の結晶。個人的にも知床賞を優勝し、今後の飛躍台になることを期待したい。
イコライザーは盛岡芝1600m交流・ジュニアグランプリへ参戦。カネヒキリ産駒で芝が不安視されたが、3着同着。優勝リンゾウチャネルが完勝したが、2着とは僅差の戦いを演じた。
今度は実績のあるダートが舞台。コースは違っても盛岡競馬場を走ったのも強み。角川きゅう舎のワンツーが本線となった。
ウィズジョイは水沢850mを10馬身差で圧勝し、衝撃のデビュー戦。直後に放牧に出て帰郷2戦は2、3着に終わったが、前走ダート1000m戦を逃げ切り完勝。コースレコードに0秒5の破格タイムもマークし、改めて能力あることを証明した。
北海道勢は強力だが、スケール引けを取らないはず。地の利を生かして7年ぶりの岩手勢優勝なるか。
ハッピーエマーブルはデビュー2戦目を逃げ切り勝ち。父サウスヴィグラスから豊かなスピードを受け継いだ。コース広い盛岡はタイプ的に若干不安あるが、4番枠は好材料。マイペースに持ち込んで逃げ切りをもくろむ。
グロリアスカメオはデビュー2戦2着から3戦目を勝ち、園田プリンセスカップへ挑戦。3番人気に支持されたが、1コーナーで外方逸走。これで戦意を喪失した。その意味でワンターンの盛岡で反撃があるかも。
ヤマショウブラックは距離延びて頭角を現し、1700m2勝。ジリ脚タイプの印象があり、距離短縮がカギだが、早めに動ければ連対十分。
◎⑨ラブミージュニア
〇⑥イコライザー
▲②ウィズジョイ
△④ハッピーエマーブル
△⑪グロリアスカメオ
△⑧ヤマショウブラック
<お奨めの1頭>
4R ウインカルナヴァル
転入2戦も完勝し、C2では地力の違いが明らか。距離延長も難なくクリアーする
21日、盛岡ダート2000mで行われた「第50回不来方賞」は歴史に残る名勝負となった。
S1・戸塚記念(川崎)を豪快なマクリで完勝したチャイヤプーンが凱旋帰郷。不来方賞、ダービーグランプリの岩手三冠を目指した。
一方、サンエイキャピタルは長期休養をはさみながら、デビューから無敗4連勝。距離経験は1600mまでだったが、果敢に不来方賞へ挑戦した。
逃げの手に出たサンエイキャピタルに対し、チャイヤプーンは中団キープから3コーナーで徐々にスパート。4コーナーで射程圏に入れ、直線を向いて2頭のマッチレース。
内で粘るサンエイキャピタルを直線半ばでチャイヤプーンが交わしたが、サンエイキャピタルが驚異的な根性を発揮。内から差し返し、クビ差抜け出したところがゴール。スタンドから大歓声が巻き起こった。
サンエイキャピタルはこれで自身の連勝を5に伸ばし、ダービーグランプリへ直行する。仮に優勝すれば史上初の無敗二冠馬となる。
もちろんチャイヤプーンも黙って引き下がるはずがない。今年のダービーGPは盛り上がること確実だ。
27日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(B1二組・B2一組 盛岡ダート1600m)。
主軸はアイアムヒラケゴマ。一昨年9月、中央未勝利から転入。2戦目4着以外はすべて3着以上。11戦7勝2着3回の好成績を収め、南関東へ転籍。1勝2着3回3着6回とマズマズの結果を出し、B3へ在籍した。
転入前3戦は着外だったが、それ以前は大崩なし。トップハンデ57キロを背負っても500キロを優に超える大型馬。岩手B1・B2ならフリーパスと見ていいだろう。
ただ勝ち味の遅さがあり、ほかもつけ入る余地は十分。逆転筆頭はロジテースト。中央芝ダートで2勝。高知2勝、名古屋B級から移籍して4戦2勝3着2回。
前走は好位キープからアッサリ抜け出しを決めて2勝目マーク。その前2戦は差しに転じて3着とどんな戦法も取れるのが強み。マイルへ替わっても好勝負必至。
ヤコウレッシャは今季着外は守備範囲外の2000mと適性ない芝の2戦のみ。他はすべて入着を果たしている。
ここ4戦は着止まりだが、1800mが長く、近2走は1200mの忙しい競馬が合わなかった。今度は3戦2勝2着1回の盛岡ダ1600mが舞台。しかも絶好の1枠を引き当て、反撃のお膳立ては整った。
リンノメサイアは高知A級から転入して2勝2着4回3着5回。相手なりに駆ける堅実さを身上とする。前走は流れが合わず、折り合いを欠いたのが致命傷で5着。それならばマイル短縮で反撃に転じて不思議はない。
ゲットザグルーブは着順安定しなかったが、前走は思い切って最後方待機策から直線一気に台頭。メンバー最速の上がり37秒5の末脚で2着を確保した。アテにしずらいタイプだが、ペース次第で再現可能。
パラボラは前走、1200m戦で決め手を生かして快勝。1600mでも2勝マークし、延長も大丈夫。弾みついたのが不気味。
◎④アイアムヒラケゴマ
〇⑥ロジテースト
▲①ヤコウレッシャ
△⑨リンノメサイア
△⑤ゲットザグルーブ
△②パラボラ
<お奨めの1頭>
5R レヴァンタール
芝に替わった移籍2戦目をハイタイムで完勝。中央1000万下の底力を誇示した。好調馬がそろったが、ここでも地力は一枚上