先週26日、水沢1400mを舞台に行われた"GRANDAME-JAPAN2018"「プリンセスカップ」はシェリーアモールが優勝。グロリアスカメオの追撃を封じ、初重賞を手にした。
さすがハイレベルを誇る北海道2歳。戦前から言われていたことだが、1着から3着までを独占。走破タイム1分27秒9も非常に優秀だった。
山本聡哉騎手「これまで3度騎乗させてもらっていましたからクセを分かっていましたし、色んな距離を経験しているので安心感を持って臨みました。
気負うタイプですが、馬体減りしないで出走できたのも良かったと思います。
ロシアンブルーが速く2番手に控えましたが、後ろの馬(グロリアスカメオ)にプレッシャーをかけられ、苦しいポジション。3、4コーナー中間で頭一つ抜けたのはグロリアスカメオが早めに動いたから。門別の騎乗で直線で甘くなるイメージがありましたから、この流れなら押し切るしかないと腹をくくりました。
地元の馬ではありませんでしたが、岩手競馬が再開して初の重賞を勝てて弾みついたと思います。これからもいいレースをお見せしますので、応援をよろしくお願いします」
また管理する山口竜一調教師も嬉しい初重賞制覇となった。「速い馬がいましたが、外なら逃げなくても大丈夫だと思っていました。コースを分かり切っている地元の山本聡哉騎手に依頼しましたからね。うまく折り合いもつけてくれました。
今回はグランダムジャパンの勝利ですから、次は東京2歳優駿牝馬へ挑戦したいと思っています」。シェリーアモールの健闘を祈りたい。
2日メインはC1特別「錦秋湖賞」(水沢1800m)。コース替わりと距離対応がカギを握る。
マイネルスカイは中央芝1800m以上を使われて東京芝2400m2着。逃げて0秒3差に粘った。
岩手移籍後も芝を使われて1勝2着2回。時計かかる盛岡芝が合うことを証明した。
前走が初のダート戦。今後への試金石となったが、内に入って砂を被る苦しい流れ。失速も考えられたが、0秒7差7着。着外に沈んだが、ダートもこなせることを証明した。
今度は1800mが舞台。距離延長は望むところだし、先行馬の動きを見ながらレースを進められる可能性大。首位奪回のチャンスと見る。
マイネルアンドゥミは中央デビュー9戦目に盛岡芝の条件交流へ参戦。1秒差6着後、そのまま岩手へ移籍。ダート2勝、芝1勝の好成績を収めている。
前走は出遅れが痛かったが、メンバー2番目の上がりを披露。3コーナーから伸びて0秒4差5着まで盛り返した。
1800m対応が最大ネックだが、いい脚を長く使えるのが持ち味。平坦水沢なら克服可能だろう。
タイセイターゲットは中央3戦とも大敗を喫し、岩手へ新天地を求めてきたのが一大転機。いきなり2連勝を飾り、3歳重賞・ウイナーカップでも無敗で不来方賞を制したサンエイキャピタルの3着。
その後も2着2回、1着にまとめ夏場を休養。復帰戦6着に終わったが、2戦目2着。前走は出遅れながらも先手を主張。結果的に前半で脚を使ったため11着に沈んだ。
以上のように2度の着外は敗因がはっきり。今回は内枠が圧倒的有利と言われる水沢1800mの2番枠。絶好枠を引き当て逃げ切りをもくろむ。
グランフルールは大崩れしないのが身上。逃げて良し差して良しのオールラウンダーだが、最後の詰めが課題。本命にはしづらいが、マークを欠かせない。
あとはペース落ち着いてエドノエレーナ、先行激化でエンリケ浮上。
◎⑦マイネルスカイ
〇⑤マイネルアンドゥミ
▲②タイセイターゲット
△③グランフルール
△⑧エドノエレーナ
△①エンリケ
<お奨めの1頭>
8R ララマ
目下3連勝中と破竹の進撃。昇級、距離延長など不確定要素が多いが、勢いに乗って突破の構え
先週24日から再開した岩手競馬。開場前から多くのマスコミが押しかけ、いつもの水沢競馬場とは違い、異様なムードが漂っていた。
しかし、ありがたいもので再開初日(24日)は通常より18・8%の入場者増。全国報道された影響もあったと思うが、再開を待っていたファンが多かったことを実感した。
相次ぐ禁止薬物ボルテノン(アナボリックステロイド=筋肉増強剤)陽性馬の発生で再開のメドが立たなかった中、失った信頼のダメージは計り知れない。
現在、岩手県競馬組合は再発予防のためのあらゆる対策を講じている。きゅう舎関係者も今回の件について危機感と緊張感をもって再発防止に心がけている。
そして信頼を回復するための最善策はありきたりだが、いい競馬を見せてファンに喜んでいただくこと。その一助となるよう、これまで以上に気合いを入れて予想をしていきたいと思っている。
12月1日メインはHITスタリオンシリーズ・メイショウボーラー賞「師走特別」(水沢1600m)。
タイセイファントムは今季3勝2着1回。時に取りこぼしもあるが、毎回安定した取り口を披露。年齢的な衰えはほとんど見られない。
当初、笠松グランプリの登録もあったが、タイセイバンデットと2頭出しを考慮して自重。再開を待って満を持して登場する。
ベストは盛岡ダート1600mだが、今年1月、水沢1600m重賞・トウケイニセイ記念を制しており、水沢マイル条件はほぼ問題なし。古豪健在を誇示する。
新参センティグレードは逆転首位まで十分。中央未勝利から南関東へ移籍後、通算11勝。オープンでも勝った実績を誇る。
近5走は着外に終わっているが、6走前のサンタアニタトロフィー・トライアル(A2)で0秒2差2着。岩手A級なら当然勝ち負けに持ち込める。
イーグルカザンは昨年、赤松杯、すずらん賞、白嶺賞を優勝。時計のかかる地方ダートで最大能力を発揮した。
今季は新興勢力の台頭に押され気味で未勝利だったが、それでも着外は伝統重賞・シアンモア記念6着のみ。堅実な差し脚を披露している。
すずらん賞3着後、脚部不安のため4ヵ月の休養を余儀なくされたが、幸い軽度で済んで今回が復帰戦。久々の実戦になるが、元々が気のいいタイプ。メンバーも上位2頭以外は横一線なら、いきなり上位争いになる。
ダンストンレガーメは入着一杯のレースを繰り返しているが、ここ2戦は盛岡回りも敗因。好走が水沢に集中し、コース替わりは大歓迎。A級では展開の手助けが必要だが、前が速くなれば台頭十分。
ビッグバンドジャズも同じく水沢向き。特に1600m戦を得意としている。連戦の疲れも休養で取れたと考えれば軽視できない。
ハタノオヌールは近2走の大敗が気になるが、父サウスヴィグラス譲りのスピードで逃げ必至。小回り水沢で新境地を切り開くか。
◎③タイセイファントム
〇⑧センティグレード
▲⑩イーグルカザン
△④ダンストンレガーメ
△⑪ビッグバンドジャズ
△⑦ハタノオヌール
<お奨めの1頭>
11R マリーツァ
前走、圧巻のタイムで圧勝。C1昇級戦となるが、メンバー強化感もなく連勝疑わず
11月26日の水沢競馬メインレースは10Rです。2歳牝馬の交流重賞『プリンセスカップ』です。
地方競馬の牝馬重賞シリーズ『GRANDAME-JAPAN』2歳シリーズの一戦に組み込まれた戦いとなっており今回の出走馬、特に遠征馬はそんなポイントを狙っての遠征でもあるでしょう。
今回の出走馬はここまでまだそれほど多くのポイントを獲得していない馬がほとんどですが、シリーズ全体のポイント争いにもほとんど差がない現状なら、ここで高ポイントを獲得すれば今回の出走馬達もシリーズ上位に進出できる可能性が高まります。その点でも各馬とも力が入る所では。
さてここでの本命は(1)レスプレンデントとしました。ここまでは1勝のみに止まっている同馬ですが、戦ってきた相手のレベルは非常に高く、その中でのこの戦績ならこの馬自身の能力も重賞級と考えていいでしょう。やや出遅れるレースになるパターンが多い点も、今回のメンバーであれば楽に流れに乗れる可能性が高いと見ます。
対抗は(8)グロリアスカメオ。やはり前走、速い流れの中で先行して2着に粘った走りは見せ場十分。遠征でも力を出せることが証明できた点、3回目のチャレンジになるここはより一層力が入るところ。
そして3番手は(4)シェリーアモールです。この馬もここまでは重賞路線でも健闘してきており先行力はここでも互角以上。鞍上も北海道で騎乗経験がある点が有利な材料になるでしょう。
地元勢からは敢えて(7)サンエイフラワーをピックアップ。現状は芝の方が良い成績になっていますが、この馬自身も走るたびに安定感が増しておりダートでも十分戦えるとみます。もう一頭は(10)ハッピーエマーブル。実戦での粘りが課題だった馬ですが知床賞では厳しい流れの中で大きく崩れない走りを見せていました。平坦の水沢だったら知床賞以上の走りも期待できるのではないでしょうか
●10Rの買い目
馬単(1)=(8)、(1)=(4)、(1)→(7)、(1)→(10)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/11月26日(対象7R~11R)
7R/評価A: 6番 評価B: 4番、 8番 穴:9番
8R/評価A: 2番 評価B: 1番 穴:9番、4番
9R/評価A: 9番、 4番 評価B: 8番 穴:2番
10R/評価A: 1番 評価B: 8番、 4番 穴:7番
11R/評価A: 4番、 2番 評価B: 3番 穴:9番
11月22日、ラブバレットが笠松へ遠征。前人未到の笠松グランプリ4連覇を目指したが、内3番枠に入ったのが災い。終始、馬群の中でレースを進めなければならない状況に置かれ、伸びを欠いて4着。偉業達成はならなかった。
道営スプリントでも同様の包囲網が敷かれたが、それをはねのけて1着。しかし、今回はJBCスプリント挑戦の反動もあったかもしれない。
現在、ラブバレットの通算獲得賞金は9899万円。トニージェント以来、岩手生え抜きの1億円馬誕生はならなかったが、残り101万円。今度こその期待をかけたい。
一方、勝ったのは兵庫エイシンバランサー。見事な直線抜け出しを決め、JpnIII・サマーチャンピオン優勝の実力を見せつけた。
父がゴーストザッパーでカナダ生まれの持ち込み馬。まだ6歳の若さも魅力で、今後どこまで活躍するか、楽しみがまた一つ増えた。
25日メインはB1特別「ひいらぎ賞」(水沢1900m)。実力比較に加え、距離対応も大きなファクターとなる。
主軸はアイアムヒラケゴマ。一昨年、中央未勝利から移籍後、11戦7勝2着3回の快進撃。その後、南関東へ移籍して1勝。B2へ在籍した。
岩手再転入はB1格付け。初戦は2番人気だったが、直線豪快に抜け出して快勝。好発進を決めた。
これが南関東B2の底力。それでも距離1600mは短かった印象もあり、1900m延長は望むところ。さらに本領を発揮するお膳立てが整った。
エルノヴィオは逆転首位まで十分。中央未勝利から岩手入り。実戦を使われながら頭角を現し、3歳重賞・やまびこ賞3着、岩手ダービー・ダイヤモンドカップ2着。
夏場は暑さに泣いて精彩を欠いたが、涼しくなってきて反撃。不来方賞4着で復調の兆しがうかがえた。
瞬発力勝負よりも持久力勝負に強いタイプで長距離向き。1900mはおあつらえの舞台と言っていいだろう。しかも絶好の1枠。マイペースに持ち込み、逃げ切りをもくろむ。
ミラクルメーカーは園田から移籍して2勝2着6回3着3回。相手なりに駆ける堅実さを身上とする。
勝ち切れないのはジリ脚のため。詰めが課題だが、それならば長丁場は歓迎。レースが流れてくれれば単まで考えられる。
アドマイヤイバマも同じく長距離向き。ラップが速い盛岡だとマクリ不発のケースも多いが、水沢ならロングスパートが決められる。
岩手4勝のうち3勝が水沢でマークし、それを裏付けている。近走のうっ憤を一気に晴らすか。
ワイルドソングは昨年の不来方賞でキングジャガーの2着。中央では苦戦を強いられたが、再転入戦を1秒1差で圧勝した。多少、ムラな面をのぞかせるが地力は確か。一発ならこの馬。
サンエイホープは成績安定しないのがネックだが、折り合いが難しいため。外枠は微妙だが、馬群がばらけてうまくインに入れれば能力発揮。展開次第だろう。
◎⑧アイアムヒラケゴマ
〇①エルノヴィオ
▲⑦ミラクルメーカー
△⑨アドマイヤイバマ
△④ワイルドソング
△⑪サンエイホープ
<お奨めの1頭>
11R ダイヤモンドベガ
転入初戦をアッサリ逃げ切って圧勝。B1昇級戦だが、レースぶりを見ればさらに上を望める器。追いかける一手だ
一連の報道などでご存知の方も多いと思うが、岩手競馬は11月10日から12日、17日から19日の計6日間。2週間にわたって開催自粛していたが、今週24日から再開する。
詳細は岩手競馬公式ホームページをご覧になってほしいが、すべては公正競馬を確保するための自粛期間とご了解ください。
40年近く岩手競馬にかかわってきた小生だが、何度か経験してきた休止期間は、羽を奪われた鳥みたいなもの。競馬が占める度合いがいかに大きいかを改めて実感した次第。
著しく失墜した信頼を回復するため、末端にいる自分も岩手競馬を応援していきますので、よろしくお願いします。
24日メインは恒例の「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」。この冠レースは東日本大震災で被災された方々に対し、岩手県調騎会騎手部会が進上金の一部を"いわての学び希望基金"へ募金。騎手部会は震災後から現在までずっと継続している。
今回はB1一組・水沢1600mを条件にフルゲート12頭で争われ、主軸にジーパワーを指名する。
中央4戦未勝利から3歳10月に転入。初戦・不来方賞は出走取消したが、仕切り直しの一戦を快勝。続くレース3着後、南関東へトレード。5勝2着2回3着4回の成績を収め、C1へ在籍した
。
以上の実績があれば岩手B1は通用。近走は1200mのみを使っていたが、1600mでも通算3勝と距離延長はまったく問題ない。
何よりも強調できるのは馬体重。岩手2戦は460キロ台だったが、現在は490キロ台まで成長。これもパワーアップした要因と受け止めて差し支えない。
逆転筆頭はヒライズミナンバー。今シーズンはB2からC2最下級へ降格。メンバーに恵まれて4勝2着4回の好成績。B1昇級後は白星から遠ざかっているが、前走は自らハイペースで逃げて2着確保。実績の低い盛岡で好走が光った。
今度はベストの水沢平坦1600m。先行力と粘りを身上とし、得意コースで久々の白星を手にする。
リンノメサイアは高知A級から転入。これまで<2.4.6.3>と安定度一目。相手なりに駆ける堅実さを身上とする。意外にも水沢未勝利だが、2着2回3着3回とすべて馬券対象。苦手意識はなく、展開合えばアッサリまで十分。
ロッジポールパインは南関東B2から転入。中央時代にダート1勝2着4回の実績があり、移籍直前のレースで果敢に2番手から3角先頭。結果7着ながら見せ場を十分作った。ジーパワーがC1に対し、南関東B2の格が不気味。
コアレスフェーブルは岩手5勝のうち3勝が芝。前走も適性を発揮したが、ダートも水沢ならこなせるのが強み。好調キープし、好枠も後押しする。
トウショウブランドは3走前の白神賞で直線一気に伸びて0秒4差4着。調子そのものは悪くなく、大駆けあって不思議なし。
◎②ジーパワー
〇⑦ヒライズミナンバー
▲⑧リンノメサイア
△⑫ロッジポールパイン
△①コアレスフェーブル
△⑤トウショウブランド
<お奨めの1頭>
8R サクセスストーリー
転入2戦とも格の違いマザマザに完勝。B2昇級でもまだまだ行ける