21日、盛岡ダート2000mで行われた「第50回不来方賞」は歴史に残る名勝負となった。
S1・戸塚記念(川崎)を豪快なマクリで完勝したチャイヤプーンが凱旋帰郷。不来方賞、ダービーグランプリの岩手三冠を目指した。
一方、サンエイキャピタルは長期休養をはさみながら、デビューから無敗4連勝。距離経験は1600mまでだったが、果敢に不来方賞へ挑戦した。
逃げの手に出たサンエイキャピタルに対し、チャイヤプーンは中団キープから3コーナーで徐々にスパート。4コーナーで射程圏に入れ、直線を向いて2頭のマッチレース。
内で粘るサンエイキャピタルを直線半ばでチャイヤプーンが交わしたが、サンエイキャピタルが驚異的な根性を発揮。内から差し返し、クビ差抜け出したところがゴール。スタンドから大歓声が巻き起こった。
サンエイキャピタルはこれで自身の連勝を5に伸ばし、ダービーグランプリへ直行する。仮に優勝すれば史上初の無敗二冠馬となる。
もちろんチャイヤプーンも黙って引き下がるはずがない。今年のダービーGPは盛り上がること確実だ。
27日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(B1二組・B2一組 盛岡ダート1600m)。
主軸はアイアムヒラケゴマ。一昨年9月、中央未勝利から転入。2戦目4着以外はすべて3着以上。11戦7勝2着3回の好成績を収め、南関東へ転籍。1勝2着3回3着6回とマズマズの結果を出し、B3へ在籍した。
転入前3戦は着外だったが、それ以前は大崩なし。トップハンデ57キロを背負っても500キロを優に超える大型馬。岩手B1・B2ならフリーパスと見ていいだろう。
ただ勝ち味の遅さがあり、ほかもつけ入る余地は十分。逆転筆頭はロジテースト。中央芝ダートで2勝。高知2勝、名古屋B級から移籍して4戦2勝3着2回。
前走は好位キープからアッサリ抜け出しを決めて2勝目マーク。その前2戦は差しに転じて3着とどんな戦法も取れるのが強み。マイルへ替わっても好勝負必至。
ヤコウレッシャは今季着外は守備範囲外の2000mと適性ない芝の2戦のみ。他はすべて入着を果たしている。
ここ4戦は着止まりだが、1800mが長く、近2走は1200mの忙しい競馬が合わなかった。今度は3戦2勝2着1回の盛岡ダ1600mが舞台。しかも絶好の1枠を引き当て、反撃のお膳立ては整った。
リンノメサイアは高知A級から転入して2勝2着4回3着5回。相手なりに駆ける堅実さを身上とする。前走は流れが合わず、折り合いを欠いたのが致命傷で5着。それならばマイル短縮で反撃に転じて不思議はない。
ゲットザグルーブは着順安定しなかったが、前走は思い切って最後方待機策から直線一気に台頭。メンバー最速の上がり37秒5の末脚で2着を確保した。アテにしずらいタイプだが、ペース次第で再現可能。
パラボラは前走、1200m戦で決め手を生かして快勝。1600mでも2勝マークし、延長も大丈夫。弾みついたのが不気味。
◎④アイアムヒラケゴマ
〇⑥ロジテースト
▲①ヤコウレッシャ
△⑨リンノメサイア
△⑤ゲットザグルーブ
△②パラボラ
<お奨めの1頭>
5R レヴァンタール
芝に替わった移籍2戦目をハイタイムで完勝。中央1000万下の底力を誇示した。好調馬がそろったが、ここでも地力は一枚上