10日(土)、第4レース(発走12時15分)・2歳新馬フューチャー競走(水沢850m)で、額に可愛いハートマークがくっきり、トレジャースマイルがついにデビューする。地元メディアはもちろんのこと、8日朝のズームインなど全国のマスコミでも取り上げられ、盛り上がりの方も最高。みなさんも是非、楽しみにしてほしい。
本題。メイン9レースはA1級馬による日高軽種馬農業協同組合の協賛アドマイヤボス賞・エクセレント競走(水沢1600m)、10頭立て。
(メタモルキング 写真・佐藤到)
主軸はメタモルキングで大丈夫だろう。冬期休養明け3月25日、特別開催のA2級戦は仕上がり途上のために10着に沈んだが、それを叩かれて動きが一変。シーズン開幕のA2・リヴェール賞(4月9日)から5戦連続で2着にまとめ、6戦目には今季初勝利をマーク。その後の2戦は連続3着と伸びを欠いたものの、再び快進撃。現在まで5連連続で連対を果たし、今季<4.7.2.0>と抜群の安定感を誇っている。
身上とするのは軽快な先行力と強じんな粘り強さ。前走でも2番手追走から4コーナーで一旦4番手に下がりながらも、再び盛り返してダンディキングのクビ差2着。これには周囲もビックリした。
とは言ってもメタモルキングは驚異の安定度の半面、勝ち味が遅いことも事実。他の陣営が付け入る余地はあるかもしれない。
逆転首位を狙っているのがサンシャインヘイロだ。昨年は5勝を稼いで終盤には3連勝をマーク。ファン投票・桐花賞に出走しても勝ち負けできるのでは…とまで言われたが、無理をしたくないと自重してシーズンを終えた。
今シーズンがさらに飛躍を期待されながら、足踏み状態が続いて夏場に2ヵ月半の休養を余儀なくされてしまったが、9月末に戦列復帰。休み明け初戦は0・3秒差3着だったが、それを叩かれた前走は気配が一変。1着ダンディキング、2着メタモルキングにアタマ、ハナ差3着の僅差まで肉薄。これで復活のメドが十分に立った。
メタモルキングとは対照的に、サンシャインヘイロの持ち味は展開構わずの豪快なまくり。エンジンがかかってからの伸びはまさしく重特級の破壊力を秘め、大好きな寒い時期を迎えて一気突き抜ける可能性も十分にあるだろう。
ミナミノサニーオーは相手なりに駆ける堅実さを身上とし、今季も4勝マーク。3走前からA1級に復帰してもエクセレント競走1着、重賞・青藍賞5着、前走はダンディキングの0・1秒差4着と上々の結果を収めている。ただ、元々が詰めに課題を抱えているタイプで、ちょっとメンバーが骨っぽくなると着止まりが多く、今回が試金石の一戦となるだろう。
ミサキノハンターは岩手の4勝すべてが水沢コース。今シーズンは6月から始動とスタートで出遅れ、しかも4着が最高と精彩を欠いているが、水沢戦に限れば決して内容は悪くない。2連覇を狙ったすずらん賞では1・1秒差ながら4着に入着している。加えて今回はベストの条件と言える水沢マイル戦。今季のうっ憤を一気に晴らすかもしれない。
他ではここ2戦8、7着と凡走したが、それ以前は牝特・フェアリーカップで2着などA1でも勝ち負けを演じていたドリームカーニバル、往時の迫力は薄れたものの近2走を1秒以内にまとめたチュードサンデーも押さえが必要だろう。
◎ ?メタモルキング
○ ?サンシャインヘイロ
▲ ?ミナミノサニーオー
△ ?ミサキノハンター
△ ?ドリームカーニバル
△ ?チュードサンデー
3連単は9、10の1、2着折り返しから3、1を厚め。あとは7、5を少々
馬複は9−10、3−9、1−9、3−10
<お奨めの1頭>
8レース トウショウグローズ
前回3着だったが、2着争いはクビ、クビ差の僅差。自己のペースを守って連対はキッチリ確保する
土曜日の朝、晴れ渡った盛岡の空に下に立つ岩手山のてっぺんは、うっすらと白く雪化粧していました。これで今季2度目の冠雪。
もうこの季節がやってきましたね。平地の木々はまだ紅葉になりきっていないなぁと油断していると、あっという間に冬が山から降りて来ます。以前、桜前線が一気に駆け抜けるので写真を撮る者としては春は何かに追い立てられるような気がする、と書きましたが、秋も全く同じ。四季のメリハリが明確な日本という国の、中でも季節の移ろいを印象深く感じられる北国ならではの、ありがたい“焦燥感”でしょうか。
さて例年この時期になりますと、みちのくレース岩手競馬は水沢競馬場へと舞台を移します。これから年明けまで、約2ヶ月半のロングラン。季節ではないですが、やはり岩手競馬は性格の異なる2つの競馬場で交互に開催するのが面白いですね。回りが違う、コース形態が違う、砂の重さが違う。特に冬の水沢は水捌けが悪く、気温が氷点に近づくと特殊な馬場になります。そのあたりも考慮して馬券の「読み」を利かせるのが醍醐味というわけです。
今年度の水沢最終開催は華々しく開幕しました。5日月曜に行われたオッズパーク&楽天競馬プレゼンツ・レディースジョッキーシリーズの第1ラウンドには、地方9名・中央2名の女性騎手が来場し、装鞍所や騎手検量室のあたりはいつもと全然違った雰囲気になりました。全国の精鋭人馬が集まる統一グレードレースも緊張感があって良いですが、こういうのも大変楽しかったです。図々しくレンズを向けさせてもらった女性騎手のみなさん、ご免なさいね(^^;)
そして!地元民としてはとても嬉しいことに、我らが皆川麻由美騎手が水沢ラウンド優勝を飾りました。いつも写真を撮ろうとすると“ヘン顔”でおどける皆川チャン。この日はレディースの前に行われたシルバーステッキ賞から良い馬ばかりを引き当て、ガチガチに緊張してしまっていたのですが、全体として素晴らしい結果になったのではないでしょうか。
もっとも本人はLJS第2戦の内容が不満でちょっと落ち込んだ表情も見せていましたが、優勝インタビューでは気合いの入ったファイティングポーズで「次も頑張って逃げ切ります!」と力強く叫びました。きっと荒尾・浦和からも吉報を届けてくれると思います!!
(文/写真・佐藤 到)
<次走へのメモ>
第27回若駒賞(2歳オープン 水沢1400m)
(写真・横川典視)
1着 コンバットキック
大外からウィンエヴリーが逃げ、前半3ハロン36秒台の超ハイペースを形成。先頭から最後方まで20馬身以上の超たて長の展開となった。コンバットキックは「ペースが速かったので後ろからでもいいかな」(高松亮騎手)と判断し、後方2番手にジックリ待機策の戦法を取る。
勝負どころの3コーナーから満を持してスパートをかけるや、矢のように反応。4コーナーで早くも先団から5馬身内の位置まで進出して、直線は大外に進路を選ぶと他を並ぶ間もなく交わしてラスト50mで先頭。高松騎手はその後も気を緩めず追い続けると2着に3馬身もの差をつけてゴールに入った。
「沢田さんが落馬したので急きょ、乗り替わりになりましたが、仕掛けどころを間違いないように追い出しをできるだけ我慢した。あと草地さんに直線で手前を替えるから…とアドバイスをもらったので、それを気をつけて追ったが、すごい伸びを見せてくれた。今回はペースにも恵まれたが、追えば追うほど伸びる馬ですね」と高松騎手。
コンバットキックはデビュー3戦目とも芝1000mを使って3戦目に初勝利をマークしたが、三野宮調教師いわく「ダートの方が絶対走ると思っていた」の言葉どおり、ダートでは信じられないような末脚を披露した。次走は南部駒賞(11月18日 水沢1600m)を予定しているが、そこでいい競馬ができるようならJRA挑戦も考えてみたいと三野宮調教師。
参考までにコンバットキックの馬名由来はビリーズ・ブートキャンプのメニュー『コンバットキック』からです、とオーナー。
2着 テンショウベスト
前半、超ハイペースの流れを見て離れた5番手をキープ。向正面からインをすくって一気にスパートをかけ、4コーナーでは先頭に並びかけたが、その外コンバットキックに一瞬のうちに交わされてしまった。これで4戦連続2着に敗れ、またもやタイトルを手にできなかった。「3コーナーまでいい感じだったけど、そこで抑えたら勢いが止まってしまった。元々、ピリッとした脚がないので決め手がある馬相手では苦しい」と村松騎手。
3着 カネショウボス
テンショウベスト、ピンクゴールドの後ろにつけ、コンバットキックが外からマクリをかけたのを見てスパート。直線でマズマズの伸びを披露したが、「現状ではこれが精一杯かな」と関本淳騎手。
4着 シュロ
ウィンエヴリーがハイペースで逃げた2番手を追走。4コーナー手前で先頭に立ったが、さすがに直線ではバタバタになってしまった。それでも先に行ったウィエヴリー、ミラクルジョンコ、エスブレット、カネショウステージがすべて着外に沈んでしまった中、ただ1頭だけ掲示板に載る。
11月5日 レディースジョッキーズシリーズ2007、上位騎手3名コメント
(第1戦 1着エメラルケント=皆川麻由美騎手 写真・佐藤到)
第1位通過 皆川麻由美騎手(水沢) 26ポイント
「馬(エメラルケント)の力を信じて乗った。3コーナーでちょっと楽をしていたので気合いをつけたらスーと伸びたので、これなら行けそうと思った。ファンの声援に応え、1着でゴールできてとても嬉しかった。
2戦目は人気(2番人気)も背負っていただけに7着はすごく悔しい。すいませんでした。でも(1位のまま)逃げ切ります」
第2位通過 山本茜騎手(名古屋) 24ポイント
「両レースとも勝つ気でいたので第1戦の9着は残念でしたが、2戦目は結果を出せてよかった。逃げて一旦、2番手に控えましたが、自分のペースだけを守ることに心がけました。水沢は乗りやすいコースですね」
第3位通過 別府真衣騎手(高知) 24ポイント(2位、3位は2戦目の結果による)
「印が薄かった(1戦目・4番人気 2戦目・9番人気)けど、馬が頑張ってくれた。逆転を考えられる位置につけることができたので、来週も頑張りたい」
この5日月曜日、水沢競馬場で「レディースジョッキーズシリーズ2007」が開幕します。当日はこのシリーズの2戦に加え、.岩手競馬の特別戦・シルバーステッキ賞もあって特別戦が3レース。盛りだくさんですが3つとも予想してしまいましょう。
まず9R・LJS第1戦のイーバンク銀行賞。ここはエメラルケントが頭ひとつ抜けています。夏を越して調子を戻し、ここ3戦はクラスの中でも強豪といわれる馬たちと僅差の勝負を演じています。地元・皆川麻由美騎手はいきなり良い馬を引き当てましたね。
他はかなり伯仲している印象ですが、安定度でエメラルドスズラン、カイシュウハヤブサでしょうか。マイルよりは1400mというタイプですし前進ありそう。
ミスターヒョードルは力的には足りるのですが、ズブくてこの距離だと動かない心配が。穴は大外キョウエイマンボ。この条件なら差はないでしょう。
イーバンク銀行賞の買い目は7枠8番エメラルケントから3、6、9、11へ。8→9が本線、穴で8→11を。
10R・LJS第2戦オッズパーク賞はラブイズカヌマが本命。夏以降急激に安定度を増し、苦手盛岡もあっさり克服して勢いに乗っています。先行馬が多くハイペースが予想されますが、今の勢いならそれでも押し切れるのでは。
対抗はここも皆川騎手騎乗のホースメンレディーを。相手なりに勝つタイプで底を見せている感じがしない馬。少々ペースが荒れても苦にしないでしょう。
底を見せていないという意味ではタンポポプリンセスも同様。ここまで7戦連続連対中、逃げてしまえばしぶといレースを見せます。
あとは差しタイプから選びます。エムアイロイヤルとネイチャーマインド。特にエムアイロイヤルは、前走は逃げて勝ちましたが本来は差し馬。水沢得意の馬だけに要注意。
オッズパーク賞の買い目は6枠6番ラブイズカヌマを.軸にしつつ、1・3・4・5に手広く流すかできればBOXで。このレースは実力接近、展開ひとつで結果が変わりそうです。
最後になりましたが8Rのシルバーステッキ賞。岩手の若手騎手が争うこのレース、若手なりの駆け引きや意地の張り合いはあるし、本命馬に乗るとなると緊張でガチガチになっていたりして、例年面白いレースです。
中心はヒドゥンアジェンダでいいでしょう。前走の大差ぶっちぎり勝ちがあまりにも見事。周りは前走よりやや強化された形にはなりましたが、全く気になりません。今年デビューの菅原俊吏騎手にビッグチャンス到来です。
対抗はサンエムブレイブで。前走はヒドゥンアジェンダに完敗の形でしたが本来はA級で善戦していた馬。ここなら格上といっていい存在。
そしてトーホウカムカム。3歳の中では中堅レベルで目立つ存在。牝馬といえど侮れないですね。
あとはコアレスコンドル、ダンストンリアルまで。買い目は6枠6番ヒドゥンアジェンダから3、4、7、10へ。連単で狙います。
◇お奨めこの一頭
第4レース エアテムジン&カヤドープラン
やはり力が抜けているこの2頭。一騎打ち濃厚。
4日(日)メインは社台スタリオンステーション協賛・ファルブラヴ賞「第27回若駒賞」(2歳オープン 水沢1400m)、10頭立て。
ファルブラヴは02年、ジャパンカップを優勝した他、香港カップ、インターナショナルステークス(イギリス)、ミラノ大賞典(イタリア)などG?レースを計8勝。03年にはイギリスの年度代表馬に選出され、大種牡馬フェアリーキングの代表産駒の1頭に数えられる。
04年、社台SSで種牡馬入りし、05年には93頭が血統登録され、今年6月12日にホッカイドウ競馬でモエレヒストリーが産駒第一号の勝ち馬になり、JRAでは同じ6月(30日)にピーチアイドルが中央初勝利を飾っている。ファルブラヴはオーストラリアのシャトル種牡馬でもあるが、一昨年はイギリスでけい養され、昨年から再び社台SSでけい養中。
本題に戻る。昨年まで若駒賞は重賞競走で実施されていたが、レース日程の変更などによって今年は特別(2歳のカテゴリーは変更なし)で行われる。
現時点での2歳トップは言うまでもなく重賞1勝、特別2勝を含めて目下4連勝中のジェベルロバーツだが、今開催はローテーションを考えて登録なし。よって今回の焦点は第2グループからどの馬が抜け出すかに尽きるだろう。
(テンショウベスト 写真・佐藤到)
主軸にテンショウベストを指名。7月、盛岡芝1000m・JRA認定競走を勝ちあがり、特別・ビギナーズカップ(水沢1400m)へ挑戦。当時はキャリア不足のために5番人気と低評価だったが、果敢に逃げてジェベルロバーツの2着を確保。以降も重賞・ジュニアグランプリ、黄菊賞と3戦連続ですべてジェベルロバーツの2着に入っている。
これはテンショウベストの詰めが甘いわけではなく、ジェベルロバーツとの完成度の差。480キロ台と馬格にも恵まれ、いずれ頭角を表す存在であることは間違いない。この一戦を勝って弾みをつけたいところだ。
逆転筆頭はピンクゴールド。デビュー戦・水沢850m戦は逃げ切ったが、2戦目・りんどう賞はスタートで出遅れて後方からの競馬。これでは持ち味が生きないと大方は思ったが、直線で鋭く伸びて3着。そして前走・プリンセスカップでも差し競馬に徹して直線鮮やかに抜け出して快勝し、初タイトルを手に入れたように一戦ごとに成長を遂げている。今回、小回り水沢へ替わってどんな戦法を採るのか興味深い。
ウィンエヴリーも大器ぶりを発揮している。デビュー前から評判が高かった馬だが、初戦はインディゴブルーとの叩き合いの末、惜しくもアタマ差2着。その後、ひと息を入れて2戦目、3戦目と芝ダートで逃げ切り2連勝を飾り、ついに表舞台に登場した。距離延長、初特別など未知数の部分は多いが、ここも突破できるようなら一気に頂点に立つ可能性も十分にある。
他にも前回、出遅れながらもウィンエヴリーの0・1秒差2着シュロ、黄菊賞で3着善戦エスブレット、プリンセスカップはスタート直後に落馬のアクシデントが痛かったミラクルジョンコの巻き返しなど伏兵も散在。馬券抜きでもおもしろい一戦となった。
◎ ?テンショウベスト
○ ?ピンクゴールド
▲ ?ウィンエヴリー
△ ?シュロ
△ ?エスブレット
△ ?ミラクルジョンコ
3連単は4、5、10のボックスが本線。あとは4を1頭軸に2着5、10、3着1、6、3
馬複は4−5、4−10、1−4、5−10、4−6
<お奨めの1頭>
10レース セイントプラウド
道中の手応えを見ると着すらも苦しいと思わせながら、直線で確実に台頭。連軸の信頼度は非常に高い