12日、旭川競馬場で2歳G?「第9回エーデルワイス賞」(1600m)があり、岩手からパラダイスフラワー(父ティンバーカントリー)が参戦。この日、岩手でも旭川の全レースが場外発売され、小生も仲間と画面越しに応援した。
これまでパラダイスフラワーは芝ダートを問わず、すべて逃げの戦法(6戦4勝)だったが、今回は4番手イン。6戦とも地元同士でスピードの違いで逃げていたにせよ、初めて揉まれる競馬と砂をかぶる競馬を経験し、その影響がどうでるか正直、不安がない訳ではなかった。
しかし、それは杞憂に終わった。直線を向いてタガタメ、フェアリーライドを外から鋭く捕らえ、大外アグリフェスタの強襲も封じて快勝。02年、トーホウエンペラー(名古屋大賞典)以来4年ぶりに岩手勢へグレードタイトルをもたらしてくれた。
我々も直線でパラダイスフラワーに大声援を送り、ゴールの瞬間、みんながガッツポーズで優勝を祝福した。現場にいたら最高だったが、画面越しでも興奮はいっしょ。みんなが一体になって喜び合うのは、やっぱりいいものだなぁと改めて思った。
“おめでとう!パラダイスフラワー!!”
付け加えれば今後、全日本2歳優駿も目標にすると櫻田浩三調教師はレース後、語っていたという。もう1頭、平和賞(船橋)でネバーオブライト(父ウェイオブライト)の健闘も期待したい。
さて本題。15日(日)メインも2歳馬による重賞「第26回若駒賞」(盛岡ダート1600m)。当初、北海道レイズミーアップ(父トーホウエンペラー)、前記・ネバーオブライトの登録もあったが、両馬とも平和賞へ向かうために自重。
結果、10頭立てとなったが、なかなか好メンバーがそろった。人気はセイントセーリングが集めそうだが、今回はちょっと捻ってアンダーボナンザ(父スキャン)を主軸に指名してみたい。
アンダーボナンザのデビュー戦は7月30日、盛岡芝1000m戦8頭立てだったが、1着サンサンテーストから6・3秒差7着に大敗。まったく競馬にならなかった。続く2戦目、盛岡ダート1200mに条件が変わったが、スタートで大きく出遅れ。またもや凡走か、と周囲をガッカリさせたが、直線鋭く突っ込んで3着。ひとまず『素質』の片りんは見せてくれた。
素質と書いた。その理由は母アンダースワロー、そして祖母アンダーカラードと続く母系から活躍馬が続出し、“岩手の華麗なる一族”と言われているからだ。
祖母から流れるスピードは母アンダースワローで大きく開花。現役時代、当時、無敗を誇っていた“怪物”スイフトセイダイに初めて土をつけたのが他でもないアンダースワローだった。そして岩手で活躍後、中央へ移籍した初戦、オープン・アメジストステークスでも見事な逃げ切りを決めるなどした。
またアンダースワローの妹アンダーノーザン、アンダープリンスもいくつかの重賞を制し、アンダースワロー自身の子供アンダーライデンもオープンまで上り詰めている。
アンダーボナンザはアンダースワローの最後の産駒で、均整の取れた馬体は特筆できるものがあった。その素質をようやく披露してくれたのが3戦目の水沢1300m戦以降だった。珍しく?好スタートを切ったアンダーボナンザはスイスイ逃げ切って2着に1秒差の圧勝劇を演じ、続く4戦目は出遅れながらも小回り水沢で豪快なマクリを決めて2連勝を飾った。
前走、若松賞は前記ネバーオブライト、パチョリ(今回、登録あったが、連闘のため回避)という強力2頭には先着を許したが、3着を確保。マークした盛岡ダート1400m1分27秒7は例年ならばアッサリ勝って不思議なしのタイムだった。
ただ今回、絶対の自信がある訳ではない。これもアンダー一族の血なのだが、激しい気性ゆえ、デビュー戦のように気が走るほうに向かなければ大敗のケースがあるからだ。いわゆる紙一重ということだが、あえて秘めた素質に託してみたいのだ。
相手にはオペラダンディを指名する。父は岩手が生んだ最大のヒーロー、メイセイオペラ。デビュー戦は父が不得手とした芝が舞台だったが、アッサリ逃げ切って快勝(2着はパチョリ)。続く2戦目、特別・りんどう賞(水沢1400m)では逃げたフジリバティー、外パチョリの間に入って2歳馬には苦しい展開となりながら、それをはねのけて1着。メイセイオペラ産駒にしては非常に器用なところを見せ、なおかつ勝負根性もなかなかと大向こうを唸らせた。
3戦目のテシオ杯ジュニアグランプリ(盛岡芝1600m)は中団のまま6着に敗れたが、今回はダート1600m戦に替わって真価が問われる一戦となった。
セイントセーリング(父キングヘイロー)はデビュー5戦目にして初めてダート競馬を経験することになった。2走前、若鮎賞(盛岡芝1600m)はパラダイスフラワーのタイム差なし2着。前回・ジュニアグランプリはもう一つ伸び切れず4着だったが、ハイレベルのメンバーだっただけに仕方なし。
カギは初のダートに尽きるが、父キングヘイローはともかく、母父ダマスカスはアメリカ二冠を制し、年度代表馬にも選ばれた強豪。血統背景からはまず問題ないと判断していいだろう。
北海道から参戦グローリーソング(父カコイーシーズ)は強烈なマクリを武器とし、4戦目から2連勝を飾った。前回ウィナーズチャレンジは6着と末脚が不発に終わったが、これは追い込み馬によく見られるケース。コーナー2つの盛岡ダート1600m戦だし、直線350mあれば一気を決めても何ら不思議はない。
他では岩手のファンには母サクラスギで馴染み深いプリムラジュリアン(父ティンバーカントリー)も前回快勝で波に乗っている。
◎ ?アンダーボナンザ
○ ?オペラダンディ
▲ ?セイントセーリング
△ ?グローリーソング
△ ?プリムラジュリアン
3連単は4、1、3のボックス買いに2、10を3着押さえ
馬複は1−4、3−4、2−4、1−3、4−10
<お奨めの1頭>
9レース エイシンガッサン
前走・ハーベストカップでは盛岡の鬼ぶりを存分に発揮。今回もB1据え置きで55キロのハンデにも恵まれた
14日(土)メインはB1級馬による芝1600m戦「第7回オクトーバーカップ」、12頭立て。実力比較なら岩手7戦4勝、既に器はオープン級のお墨付きをもらっているインターサウンドで断然なのだが、今回は盛岡芝が舞台。
生涯初めての芝で適性未知数に加え、爪に爆弾を抱えているインターサウンドにとって、速い時計で決着する芝は客観的に見てもマイナス材料。血統的にはエンドスウィープ、母キョウエイコロナ(母父ノーパスノーセール)なら芝は問題なしかもしれないが、体型はいかにもダート向きのそれ。ここは一戦様子を見たいところだ。
このレースの取捨のカギはやはり芝適性があるか、ないか。それに尽き、主軸はラブラブサンヒコ(父ダイタクサージャン)に落ち着く。同馬は今シーズン、3勝をマークしているが、すべて白星は盛岡芝。前走、B2・区界特別(芝1700m)でも中団キープから、逃げたタイキミスティをゴール前でキッチリ捕らえて快勝した。
しかも今回は4戦3勝と、最も得意とする盛岡芝1600m。同条件での持ちタイム1分38秒1もこのメンバーでは抜けており、ここも期待に応えてくれるに違いない。
相手筆頭はユウワンテイオー(父トニービン)だろう。中央3勝はダート戦でマークしたもので、芝は3度使われたが、いずれも着外に沈んでいる。しかし盛岡芝では過去3、5、2着。これだけでは適性面で強調できるものではないが、前回・八幡平特別(B1 芝1700m)戦で後方待機策に徹し、直線勝負に賭けた戦法がズバリ。前半、スローペースだったにもかかわらず、直線大外を回って上がり35秒6の末脚を披露。キタノソナタにクビ差2着まで肉薄した。この切れ味こそ父トニービン譲り。おそらくレディラック、インターサウンド2頭の逃げ馬が作るペースが、スローになるとはまず考えられず、一気突き抜けるシーンまで考えられる。
ロストプロパティー(父スペシャルウィーク)は芝になると動きが一変するタイプだ。中央時代から現在まで未勝利が続いているが、盛岡芝は<0.2.2.1>。非常に安定した取り口が目につく。前々走・八幡平特別は1番人気に支持され、中団キープから伸び切れなかったが、これは本命馬ゆえ思い切ったレースができなかったため。19戦目にして待望の初勝利をゲットできるか、注目してみたい。
マチカネダイキチ(父マチカネフクキタル)は依然、底を見せていない。中央3戦0勝から昨年12月に転入し、着外に沈んだのは4走前の6着一度のみ。ほかはすべて3着以上にまとめ、芝でもC1級以下だが、きっちり2着に食い込んでいる。ここも突破ならば、B級卒業もいずれ時間の問題だろう。
転入初戦(盛岡ダート1600m)を5着と無難なスタートを切ったヒカルダイチ(父ダンスインザダーク)は、芝で全開のタイプと見ていい。中央時代の2着2回はそれぞれ東京芝1600m、福島芝1800mでマークしたもの。ダートは中山1800mで一度使われ、その時は11頭立て8着(タイム差1・8秒)に沈み、見せ場も作れなかった。
今回、このメンバーで好勝負に持ち込めれば3歳の若さからも将来の展望が非常に明るくなり、その意味でも重要な一戦となった。
他ではスンナリ逃げればうるさいレディラック(父タイキシャトル)、8歳馬ながら芝でレース巧者ぶりを発揮するエメラルスター(父エルハーブ)も軽視できない。
◎ ?ラブラブサンヒコ
○ ?ユウワンテイオー
▲ ?ロストプロパティー
△ ?マチカネダイキチ
△ ?ヒカルダイチ
△ ?レディラック
3連単は9を1着固定に2、3着は4、7、3、5と手広く
馬複は4−9、7−9、3−9、5−9
<お奨めの1頭>
11レース モエレスコーピオン
一戦ごとに成長著しく、目下2連勝中。このタイプは追いかけて損なし
すみません、こんな画像しかありませんでした…
先日、東京からやってきたカメラマンが岩手の競馬新聞を見ていて、「あれ?ゼントヨーヨーズってここにいたんだ!?」と言っていました。何のことか聞いてみると、とあるテレビ番組の中で命名された馬なのだそうです。
とりあえずネットで調べてみると、今や全国区となった北海道の地タレ(地元タレント)・大泉洋さんが地元北海道でやっているローカルのバラエティー番組、「1X8いこうよ!」内で視聴者投票により名付けられた馬なんですね。ゼントヨーヨーズは、父アブクマポーロ、母父シンボリルドルフという地方に縁の深い血統で、門別の牧場で生産され能検前から番組で応援していた馬のようです。さすがは北海道のテレビ局ですなぁ。残念ながら番組ホームページにはデビュー戦6着以降のことが載っていないのでその後の経緯はわかりませんが、ゼントヨーヨーズは北海道と東海の間を往復した後、現在は水沢の高橋眞久厩舎に籍を置いています。
話は変わりますが、岩手で地タレといえば、「ふじポン」ですよね。いや、彼女の場合はロコドル(地元アイドル)と言っておきましょうか。県内と、岩手の放送電波が届いている範囲外の方は知らないかもしれませんが、こちらでは知らない人はいない、…たぶんほとんどいない有名タレントさんでありまして、CMにイベントにと大活躍中の方なのですが、これがまた開催日に仕事がなければ100%競馬場に来てるというくらい岩手競馬の大ファンなのです。
ふじポンもいつか大泉洋さんのように全国放送に出るようなタレントor女優になって、全国放送で岩手競馬を宣伝してくれたらいいなぁー、などと考えてしまいました。みなさんも岩手競馬サポーター・ふじポンを応援して下さい。(笑)
<次走へのメモ>
10月8日 第32回ビューチフル・ドリーマーカップ(3歳以上牝馬 全国交流)
(写真・佐藤到)
1着 サイレントエクセル
北海道ヨイチテーストが予想どおり逃げ、スローに落とす。その直後、絶好の2番手をキープし3コーナー過ぎには抑えきれずに先頭。あとは後続をグングン突き放す一方で2着に10馬身差をつける圧勝劇を演じ、従来の盛岡ダート1800mのレコード(98年10月10日 スパニッシュホーク1分52秒8)をコンマ3秒短縮し、1分52秒5のタイムをマークした。
「ペースが落ち着いてくれたので楽に追走できた。道中、手ごたえもずっと良かったので、早く動いても後ろから来ないだろうと思って行かせた。直線でちょっと物見をしたが、改めてこの馬の強さを実感した」(板垣騎手)
この日は折からの激しい雨の影響でダート芝とも不良。ダート1400mでも1分27秒台が出るなど速いタイムで決着していたが、それでも3歳牝馬でレコード更新には驚いた。板垣騎手はラスト50メートルで勝利を確信し、追うのを止めて馬なりでゴール。最後まで本気で追っていたら1分52秒も突破していたかもしれない。
さすが前走、G?・ダービーグランプリで並み居る強豪相手に3着入線はダテではなかった。レース展望でも記したが、サイレントエクセルのセールスポイントはどんな流れにも対応できることと父ウイングアロー譲り、最後の爆発力。
もはや地元に適なし。今後は牝馬グレード戦線を視界に入れてローテーションを組むそうで、まずは船橋G?・クイーン賞(12月8日)を目標に調整を進めていく。
2着 タカエイチフジ
スタンド前は6番手、向正面から4番手外につけてサイレントエクセルが先頭に立ったのを見てスパートをかける。サイレントエクセルのスピードについていけず、最後は一杯となったが、ドリームチャッターの追撃をしのいで何とか2着を死守する。
「最近は調子が上向いていたし牝馬同士ならと思ったが、相手が強すぎた。でも2着確保で格好はつきました」(阿部英俊騎手)
3着 ドリームチャッター
じっくり後方待機策を採り、先陣が固まった馬群の後ろにつけ3コーナーからジワジワ進出。直線入り口ではタカエイチフジを射程圏に入れ、いい感じで伸びてきたが、タカエイチフジをクビ差捉えきれず3着となった。
昨年、同レースの覇者で、それ以降はずっと白星から遠ざかっていたが「調子は少しずつながら良くなっていた。この馬の競馬はできたが、相手が強かった」(岩橋騎手)のコメントどおり、相性のいい盛岡での3着好走で復活のメドが立ったようだ。
10月9日 第19回マイルチャンピオンシップ南部杯(3歳以上 G?)
(写真・佐藤到)
1着 ブルーコンコルド
枠差を利して地元ベルモントシーザーが逃げ、前半3ハロン34秒9のハイラップを刻み、ブルーコンコルドは5、6番手のインをキープ。これは「シーキングザダイヤをマークした」(幸騎手)戦法で3、4コーナーからジンクライシス、タイムパラドックスが動いたのを見てからじっくりスパート。直線で一瞬、前が壁になるシーンもあったが、それをうまくさばいて先に抜け出したヒシアトラスをゴール寸前でクビ差交わして快勝。昨年11月、JBCスプリント(名古屋1400m)に続くG?2勝目をマークした。
「外から2頭にスパートをかけられて楽な位置ではなかったが、馬を信じて我慢した。直線でちょっと壁になったが、ハミを掛けなおしたらまた伸びてくれた。これでマイルも克服できたと思います」(幸騎手)
「仕上がりは8分ぐらいだったが、5ヶ月の休養期間はマイルの競馬に対応できるような教育をした。前回シーズン、ガーッと行くのを覚えてチグハグな競馬をしてしまったので、テンで気を抜けるように調教をしたつもり。そうすればマイルにも対応できるようになるはずと踏んでいたが、思った以上の成果を出してくれた。次走にはJBCマイルを考えている。その後は園田ゴールドトロフィーまで予定をしている」(服部利調教師)
今回のカギはかしわ記念(2着)以来のレースと実績が薄い左回り、そしてこれまで未勝利のマイルだったが、服部利調教師のコメントにもあるようにそれらをすべて克服。非常に収穫の多い一戦となった。
2着 ヒシアトラス
終始2、3番手につけ、早め積極策から3コーナー過ぎに先頭。直線は馬場の中ほど進み、脚色も決して衰えていた訳ではなかったが、最後の最後で内をすくわれて2着惜敗した。
前走、エルムステークスから間隔があまりなく、当日の馬体重がマイナス8キロの536キロ。「前回を使って調子が落ちていたけど、これだけ走ってくれたのだから良く頑張ってくれた。でもあと一歩、伸び切れてくれたらと思うと悔しい」と横山典弘騎手。こちらはブルーコンコルドとは逆に距離が短い点が不安だったが、それについては「まったく問題なかった」(横山典弘騎手)
3着 ジンクライシス
向正面では後方にいたが、3コーナー手前から徐々にスパート。タイムパラドックスが先に仕掛けてから動いて一旦、ヒシアトラスに並びかけたが、もうひと伸びが足りなかった。エルムSからマイナス10キロ、アバラが浮いてちょっと細めに映ったが、それが最後に影響したかもしれない。
「ペースが速かったし、出たなりで考えていたので位置取りはベスト。折り合い、手ごたえも最高で勝てると思ったが、最後、あの脚を使われてしまったら力の差だろう」(五十嵐騎手)
4着 シーキングザダイヤ
コース取りは終始インの好位につける。4コーナー手前で外に出られそうなシーンもあったが、ベルモントシーザーがもたれたため直線でも最内を突いたが、外の馬のほうの勢いが上回っていた。
「いい感じで抜け出せると思ったが、思ったほど伸びなかった。二走ボケかも」(武豊騎手)
5着 タイムパラドックス
こちらは終始外めを回って3コーナーからスルスルと進出。直線半ばではヒシアトラスを交わしそうになったが、最後は瞬発力の差が出てしまった。8歳馬でピークを過ぎた感もあったが、今回のレースができれば今後、もう一花咲かせる可能性もありそう。
「上がり方がとてもスムーズ。最後は伸び切れなかったが、距離への適応力もあるし、まだ良くなるんじゃないかな」
この土曜日、東北地方は台風並みの強風と雨に見舞われました。盛岡競馬場も土曜日の土曜日の午後あたりまで激しい雨と風が続いたんですが、この雨で盛岡競馬場には珍しく、コースにすっかり水が浮いて田んぼのようになってしまいました。
盛岡競馬場はかなり水はけの良いコースでして、騎手が言うにはJRAの競馬場よりずっと水はけがいいくらいだそうですが、今回はそれでも追いつかずコースのあちこちに水たまりができ、それがコースを横切って流れているような状態に。こんな事、昔一度あったかな、というコースの状態でした。
確か、メイセイオペラが最初に勝ったみちのく大賞典の時も凄い豪雨がやって来て、競馬場に登ってくる道路が土砂崩れで通行止め(!)になったほどだったけど、それでもこんなに水が浮く事はなかったですからね。久しぶりに芝レースのダート変更があったし、普段はなかなかない事が続いた土曜日の盛岡競馬場でした。
しかし、雨が止んでしまうとあっという間にコースの水が消えて普通の不良馬場に(他の競馬場なら重馬場発表になるくらいの)。やはり盛岡競馬場のコースの水はけはいいんだなと感心。
馬券的に気になるのは芝コースの状態です。これも騎手の方から聞いた話ですが、盛岡の芝コースは「雨が降り始めた頃」より「止んで、次の日」くらいのほうが状態が悪くなるそう。はじめは雨もコースの表面に留まっているけども、時間が経つと下まで染み込んでしまうからだそうです。日曜も天気が良くないようですし、日曜・月曜とも芝コースの状態はあまり良くないのではないでしょうか。
さあ、月曜日の予想に行きましょう。月曜メインはG1・マイルチャンピオンシップ南部杯です。今年の岩手のグレードレースはこれがラスト。カネヒキリの回避は残念でしたが、それでもなお現ダート戦線最高レベルのメンバーが集まってくれました。
中でもやはり主力となるのはグレード勝ち馬で固めたJRA勢。地方勢も今年はなかなか魅力的なメンバーとなりましたが、それでもJRA勢優位は揺るぎそうにありません。
その中で本命に推すのはシーキングザダイヤです。昨年のこのレース2着をはじめG1での2着7回。G1級の力があるのは間違いないにせよ、その一方でなかなか勝ちきれないもどかしさもついて回っていました。
しかし、この春「咽頭蓋エントラップメント」の手術に踏み切って、その復帰初戦となった日本テレビ盃G2を快勝。この「咽頭蓋エントラップメント」がシーキングザダイヤの能力を殺いでいた原因でしょうから、それが取り除かれたとなれば、以前のこの馬のイメージで見てはいけないのではないでしょうか。
そしてこの馬の良いところはどんな距離・どんなコース・どんな展開でもしっかり自分のレースができる事。カネヒキリやアジュディミツオーといったダート最強と見なされる馬にも僅差に迫った実力と安定度。これはやはり侮れません。この南部杯を勝って、更なる飛躍をしそうな予感があります。
対抗はブルーコンコルド。1400mでは圧倒的に強い馬もマイルでは勝ち星なし、確かに距離が一ハロン長いのかもしれませんが、フェブラリーS・かしわ記念と次第に内容に進境を見せていて今なら克服可能と見ます。休み明けでここ狙いは予定通りのローテーション、陣営もマイルG1獲りに意欲を見せています。
単穴評価をしたいのは2頭。まずJRAのヒシアトラス。同馬の戦績は中距離でのものが多いですが、昨年のフェブラリーSや武蔵野Sを見る限りマイル適性も相当高い模様です。
そしてもう一頭は、エルムSでヒシアトラスを追いつめた道営ジンクライシス。JRAから道営競馬に移籍して以前の凄みを取り戻した感がありますし、やはりダートマイルのスピード決着がベストの馬。雨が入って時計の速いコース状態が続くならチャンス拡大でしょう。
岩手の馬がなかなか挙げられませんが、一頭加えるならエアウィードを推したいですね。ウツミジョーダンも安定していますが、一発の魅力ならエアウィードこそ面白いと思います。馬が走る気にならなければ着外。走る気になってくれれば、地方勢の中では上位の力を見せてくれるはずです。
買い目はフォーメーションで1・2着に5枠7番シーキングザダイヤと4枠6番ブルーコンコルドを裏表で並べ、3着に5番、10番、そして14番。
安全策なら6−7のワイド。穴を狙っていくなら5番ジンクライシスを含めたBOXで。
◇お奨めこの一頭
8レースの銀河賞は東北産馬限定レース。昨年のこのレースを勝ったセイカモリオカが今年も有力。相手にはヘライカントリーの巻き返しを期待で。