12月5日に行われたBG1・ばんえいオークスは、サクラヒメが断然人気にこたえて勝利。3歳二冠目・ばんえい菊花賞に続く重賞2勝目となりました。次なる目標は、29日のばんえいダービーということになるでしょう。なお、オークス馬がダービーも勝ったのは04年エンジュダイヤが最近(当時はばんえいダービーが二冠目、ばんえい菊花賞が三冠目)で、帯広1場開催となった07年以降に達成した馬は出ていません。
12日(日)のメインには4歳以上牝馬による準重賞・レディースカップが組まれています。年明け1月30日に控えるBG1・ヒロインズカップへ向けても注目です。
【第18回開催1日目】
12月11日(土)のメイン第11レースは、射手座特別(A1級・19:25発走予定)。
※出馬表はこちら
A1級特別戦のメンバーは過去3開催から大きな変動はありませんが、3開催前のピヤシリ特別(11月6日)を勝ったカネゾウは続く北見富士特別(11月20日)には不在で、ピヤシリ特別3着のハクタイホウが勝利。そして前開催の摩周湖特別(11月27日)にはハクタイホウがおらず、勝ったのは北見富士特別で5着だったカンシャノココロ。カネゾウは今開催からオープンに昇級しており、今回はハクタイホウとカンシャノココロが対戦します。
◎ハクタイホウは、北見富士特別では障害を4番手で越えると、摩周湖特別でも2着になるコマサンブラックとの叩き合いをコンマ4秒差でモノにしています。10月までは平場戦でも障害が切れませんでしたが、ピヤシリ特別に続き障害をひと腰でまとめており、古豪10歳が復活してきました。前開催はオープン混合の知床賞を使われ、カネゾウの4着。同馬には2連敗中ですが、前述のとおり昇級しており相手に恵まれています。
○カンシャノココロは、北見富士特別での2着コマサンブラックとの3秒1差を摩周湖特別では逆転し2秒2差をつけて1着。今季2勝目を挙げています。今回は賞金ハンデ5キロを課されるため、ハクタイホウと同重量になるのは懸念材料。ただこのメンバーならハクタイホウと10歳馬ワンツーに持ち込める可能性は高いです。
▲ノエルブランは、近3開催のA1級特別戦すべてに出走し2、6、5着。ピヤシリ特別ではカネゾウを相手に上々の粘りを発揮しており、その後もそれぞれ3秒7、6秒3差と着順ほど負けていません。
△オーシャンウイナーは、8月に行われたばんえい大賞典で2着がある3歳の実力馬です。摩周湖特別がA1昇級初戦で6着。脚を溜めて追走すると障害ひと腰7番手から脚を伸ばしており、ここにつながる走りでした。
【第18回開催2日目】
12月12日(日)のメイン第11レースには、準重賞・レディースカップ(4歳以上牝馬選抜・19:25発走予定)が行われます。
※出馬表はこちら
4、5、6、7歳以上から各2頭の8頭に、4歳以上の通算収得賞金順で上位の2頭を加えたメンバー構成。帯広1場開催になった07年以降のレディースカップでは4歳馬が最も多く4頭も出走しています。
今年の4歳はそれだけハイレベルといえ、11月の重賞・クインカップ1~3着馬にはいずれもチャンスが見込めそう。なお3頭は前走の五稜郭特別(A2級-1組)がA2昇級初戦だったという点も同じです。
近2走とも2着の◎アバシリルビーに注目。ばんえいオークスを勝っている3歳女王ですが、5月の3歳以上牝馬による重賞・カーネーションカップでは10着と経験不足を感じる結果。この敗戦が尾を引きましたが、立ち直り気配を見せたのは8月。その後は体重が減っても大崩れが少なくなり、クインカップと五稜郭特別での力強さから地力強化と復調は確か。カーネーションカップのほぼ再戦メンバーで、今度は違った結果を残してくれるでしょう。
○ニセコヒカルは、ばんえいオークスではアバシリルビーに差されて2着でしたが、クインカップでは同馬の追撃をしのいで逃げ切っています。五稜郭特別は5着でしたが、B1級不出走(競走除外1回)のため、実質B2から一気にA2へ昇級する厳しい条件。障害3番手から伸びを欠く内容でも、アバシリルビーよりハンデが5キロ重い700キロをひと腰で越えており、しかも負担重量は前走から据え置き。再度の逆転も考えられます。
▲フォルテシモは、カーネーションカップ5着、9月には4歳二冠目の銀河賞で3着など、年長の牝馬や同世代の牡馬相手に善戦歴。クインカップは3着でしたが、アバシリルビー、ニセコヒカルより10キロ重い700キロで3秒1差だけに評価落ちはなし。クインカップで手綱を取った阿部武臣騎手に戻るのが好材料です。
5歳以上では6歳馬△ミスタカシマ。4歳になった19年以降、カーネーションカップで1勝、2着2回、レディースカップは2年連続3着、今年2月のヒロインズカップ3着と実績上位。今年のカーネーションカップは唯一のオープン格付でトップハンデながら2着。当時から多くの馬が昇級しており、ハンデ差が縮まり戦いやすくなっています。
【第18回開催3日目】
12月13日(月)のメイン第11レースは、ターコイズ特別(オープン-1組・19:25発走予定)。
※出馬表はこちら
前開催の重賞・ドリームエイジカップ(4歳以上選抜)は、障害を2番手で降りたシンザンボーイが、逃げるメムロボブサップをゴール直前でとらえて勝利。混戦の3着争いを制したのはセンゴクエースですが、今回は3頭とも不在。
同10着だった◎アアモンドグンシンの巻き返しなるかに注目です。7月の旭川記念、9月の岩見沢記念では障害ひと腰とはいかなかったものの3着に追い込んでいる実力馬。10月の北見記念(5頭立て)も3着とはいえ障害で大きく手間取り、完走した3頭中最後のゴール。1着アオノブラック、2着メジロゴーリキには約40秒もの差をつけられるひと息の内容でした。そして前走ドリームエイジカップは第2障害に1頭だけ取り残されています。とはいえ、北見記念の次走で2走前のオータムカップ(オープン-1組)では、逃げたメムロボブサップを早めにとらえて押し切っており、障害さえこなせば、相手関係なしに強いレースができます。今回も障害で苦戦したあとですが、メンバー的には近2走より戦いやすく、気持ちの面で尾を引かなければ、勝ち負けに期待できます。
○ウンカイタイショウは、前開催では知床賞(オープン混合)に出走し1番人気で2着。オータムカップでは、アアモンドグンシンとメムロボブサップに突き放されたとはいえ3着に健闘していた力を考えれば妥当な結果と言えます。今回アアモンドグンシンとのハンデ差が5キロつくことで、オータムカップでの8秒2差をどこまで縮められるでしょうか。
メンバーのうち、オータムカップ不出走だったのは、アオノブラックとキタノユウジロウ。▲アオノブラックは、岩見沢記念では7着も、しっかり調整されて臨んだ北見記念で復活の勝利を挙げています。そして連覇を目指したドリームエイジカップでしたが、障害でややロスがあったとはいえ、8着は残念な結果。力負けとは思えず相手が楽なここは見直しが必要でしょう。
△カイセドクターは、オータムカップ7着で、ドリームエイジカップでは10番人気ながら5着と前進。重量が増えながら障害ひと腰と立て直した島津新騎手は見事でした。今回は、3歳との混合重賞・はまなす賞を勝った時の阿部武臣騎手に手綱が戻っており、正月の明け5歳重賞・天馬賞へ向け好感触をつかみたいところです。