カイセドクターが悲願の重賞初制覇
8月29日(日)には重賞・はまなす賞(3、4歳オープン)が行われ、単勝3番人気のカイセドクターが優勝。障害2番手から追い上げ、3歳牝馬イオンとの接戦を制しました。
【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
1.ゴールドハンター(700) 3.3
2.イオン(660) 4.6
3.イワキダイヤ(660) 12.3
4.コマサンダイヤ(700) 96.1
5.カイセドクター(700) 4.1
6.ネオキングダム(670) 24.4
7.トワトラナノココロ(700) 競走除外
8.キョウエイリュウ(710) 3.1
9.アルジャンノオー(670) 23.7
昨年のばんえいダービーを含め重賞4勝を挙げ、4歳世代を代表するキョウエイリュウが単勝3.1倍で1番人気。昨年の覇者で柏林賞を制したゴールドハンターが3.3倍で2番人気。柏林賞2着のカイセドクターが4.1倍の3番人気と人気上位は4歳馬が占め、3歳馬で最も人気となったのは、ばんえい大賞典を制した牝馬イオンでした。
イオンが好スタートから勢いよく第1障害を越えて先行しますが、イワキダイヤが徐々に押し上げて先頭に替わると、カイセドクターも差なく追走します。中間点を過ぎたあたりではキョウエイリュウも加わりますが、イワキダイヤとカイセドクターが並んで第2障害下へ最初に到達。ここまで56秒というペースでした。
イワキダイヤとカイセドクターがほとんど同時に障害に仕掛けると、連れてキョウエイリュウ、アルジャンノオーに、イオンも登坂を開始。その中からイオンが力強く障害を先頭で降りて、カイセドクターが2番手で通過。その後はキョウエイリュウ、アルジャンノオー、イワキダイヤの順で続きます。
障害を降りた勢いで後続に差をつけたイオンは一歩一歩、先頭で歩みを進めますが、残り20メートルを過ぎたあたりで脚色が鈍ります。そこに詰め寄ってきたカイセドクターが、残り5メートルあたりでイオンに並ぶと、最後は1秒2差をつけて勝利。3番手から追いかけたキョウエイリュウは、ゴール前で一杯になるも、立て直してそのまま3着での入線。なお、ゴールドハンターは障害で苦戦して8着と連覇とはなりませんでした。
勝ったカイセドクターは、ここまで重賞で2着3回、3着3回となかなかタイトルには手が届きませんでしたが、4歳夏にして待望の重賞初制覇。4歳馬の重賞路線は9月銀河賞、年明け1月の天馬賞と続きますが、今後はどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみな勝利になりました。
また2着惜敗だったイオンは、3歳牝馬として2003年のヒーロクイーン以来、史上2頭目のはまなす賞制覇とはなりませんでしたが、1歳上の一線級相手に力を示しました。今後の重賞でも好勝負が期待できそうです。
阿部武臣騎手「後ろから降りて届かず2着になったり、差されて2着、3着と良いレースはしてましたが、なかなか(タイトルを)獲ることができなかったので、今日は(タイトルを)獲れて本当に良かったです。ハンデはあったのですが、4歳ということもあるし、最近調子がずいぶん上向いていて絶好調の形で今日を迎えられたので自信を持って騎乗しました。道中も先行を取れて、手応えは凄く良かったのですが、2着の馬(イオン)が思ったより歩いたので必死になりました。重くても軽くても自在性のある馬で、降りても結構脚を使ってくれるので良い馬だと思います」