キタノタイショウの2連覇に期待
他の著名人の方たちが綴っているように、ばんえい記念は連覇か、複数回勝つなどリピーターの出現がとても高いレースです。これはばんえい記念が1tの重量を背負う特殊カテゴリーだからでしょう。ばんえい記念の次に基礎重量が重い(牡馬890㎏、牝馬870㎏)、帯広記念までは、ギリギリで「障害をひと腰で越える力」が求められますが、ばんえい記念は、どの馬も、まず、ひと腰では越えられません。ばんえい記念では障害で一度止まっても、すぐにふた腰、さん腰を入れる力が要求されるのです。
2008年シーズン未勝利のトモエパワーがこのレースを制して3連覇を達成したように、このレースは、今シーズンの実績が参考程度にしかなりません。また、近年はこの特殊カテゴリーにしっかりとマッチした先行力もあって、障害力もあって、最後まで歩き続ける力もあるような馬がいないので、何かひとつに目を瞑って予想を組み立てなければなりません。だから頭を悩め、正直、どの馬にもチャンスがあるように感じますが、最終結論として歴史に習うことにしました。
よって、◎には、昨年のこのレースの覇者キタノタイショウを推します。キタノタイショウは障害がとても苦手で、わりと軽量のレースでも障害でスムーズさを欠いて、取り残されてしまうことがしばしばあります。しかし、キタノタイショウは、障害を越えられないわけではなく、何度か腰を入れて障害を越え、降りてから最後までしっかりと歩いて常に善戦はしています。昨年のこのレースのように先行して障害でじっくりと脚を溜めて、障害でやや遅れをとっても、降りてからは最後まで止まらずに歩き続けることが出来るので、この馬を本命にするのが一番リスクが少ないように感じました。
○は、昨年のばんえい記念では先頭で障害を越え、勝利を手中の収めながらも最後で止まってしまって4着に敗れたフジダイビクトリー。この馬は夏のばんえいグランプリを2連覇した実力馬で、見方によっては、昨年のばんえい記念でもっともいいレース内容だったのはこの馬と言えます。ただ、2010年のばんえい記念で障害を先頭で越え、ゴール線上で止まって3着に敗れたナリタボブサップがその後のばんえい記念でもゴール手前で止まり続けたように、止まり続ける馬は止まり続けるとも解釈できるし、チャンピオンCから直行というローテーションにもやや疑問を感じるので対抗評価までとしました。
▲は、一昨年のばんえい記念の勝ち馬インフィニティー。この馬は一昨年と比べると全体の成績が落ちていますが、メンバー屈指の障害の上手さがあり、大崩れもしていません。そして何よりも先行力があり、多少、障害でスムーズさを欠いても潰しが利くのがこの馬を狙うメリット。確かにこの馬の有終の美に賭ける手もあるのですが、かつてと比べると障害での腰の入りに甘さが感じられるので、これまでの実績に敬意を払っても3番手評価までしか出来ませんでした。
△に8歳にしてばんえい記念初挑戦となるオイドン。この馬は軽量戦ばかり使われていたために、スピードタイプというイメージが根強く、北見記念を2年連続で大敗した経緯を考えれば、通常は狙えないでしょう。ただ、この馬は軽量戦を主体に使われていたせいか、前半スローの重賞では折り合いを欠く場面が度々見られることや高重量戦の経験不足が結果を出せずにいる理由のようにも感じます。しかし、障害がひと腰で超えられないのは相変わらずでも、近2走では次の腰がしっかりと入っているので、この馬の一発に期待してみました。ひと腰で障害を越えられなくてもオーケーのばんえい記念だからこそ、あっと言わせるシーンが見せられるかもしれません。
他では一昨年のばんえい記念で3着、昨年のばんえい記念では5着のホリセンショウ。この馬もインフィニティー同様に先行力と障害力があり、一昨年の帯広記念では障害を先頭で越えて3連単39万馬券のアドバルーンを打ち上げたこともありました。この馬も切れる脚がないので、常に善戦止まりですが、最後まで歩き続ける力はあります。それがばんえい記念で2年連続で好走している理由でしょう。ある意味、ばんえい記念にマッチしている馬とも言えます。ただ、先行力、障害力、最後まで歩き続ける力のどれを取り上げても突出したものがないので、下の評価です。他馬が自滅する形でしか連対圏内突入までは期待できない馬です。
あとは昨夏のばんえいグランプリ2着を始め、重賞では常に上位常連のコウシュウハウンカイ。この馬は先行力がないのが弱点ですが、障害上手はこれまでの実績から明らか。帯広記念で10着に敗れたことがこの馬の評価を下げた理由ですが、休養明け2戦目のレースで本調子ではなかったのは明らかでしょう。しかし、近走では調子を上げていて、初めてのばんえい記念でいきなり通用しても不思議ではないのですが、今回の重量をこなせる裏付けがないので狙い下げました。先行力がないので、障害でスムーズ差を欠いた場合には大敗も考えられるでしょう。
最後にもし連対すれば高配当のフクドリとトレジャーハンターも少々加えます。フクドリは一昨年のばんえい記念の2着馬で、近走では復調気配を見せているのでそのあたりに期待しました。トレジャーハンターは障害が得意でありながら、高重量を背負う重賞では障害をスムーズに越えられないところがあります。しかし、9歳馬にしては高重量戦の経験が少なく、昨年のばんえい記念の経験が生かされれば一発あっても不思議ではありません。
けっして一昨年のばんえい記念4着、昨年のばんえい記念2着のニュータカラコマにチャンスがないわけではないのですが、障害をうまくまとめてくると直線でズブズブになるところがあり、高重量戦では他馬が自滅の形でしか浮上できないところがあるので、この馬を切って穴目の馬を馬券に加える作戦にしました。ニュータカラコマが連対したら「ごめんなさい」です。
◎ (8)キタノタイショウ
○ (6)フジダイビクトリー
▲ (10)インフィニティー
△ (3)オイドン
△ (7)ホリセンショウ
△ (9)コウシュハウンカイ
△ (1)フクドリ
△ (5)トレジャーハンター
馬複
8-6,10,3,7,9 1000円 計5000円
8-1,5 500円 計1000円