カネサブラック重賞20勝目!
2日(水)は重賞・帯広記念(4歳以上オープン)が行われ、王者カネサブラックが優勝。9月の岩見沢記念以来となる重賞20勝目を挙げ、ばんえいナンバー1の力を見せつけました。
好天に恵まれたこともあり、馬場水分は4.4%。高重量も相まって、道中は息を入れながらゆったりしたペースで進みました。シベチャタイガー、カネサブラック、キタノタイショウあたりが馬群をリードし、テンマデトドケもこの一角。エンジュオウカンが離れた最後方を追走するかたちで、第2障害を迎えました。
最初に仕掛けたのはカネサブラック。これを見てキタノタイショウ、ギンガリュウセイ、ホッカイヒカルあたりも仕掛けます。なかでもジワジワと障害を登ってきたのがギンガリュウセイで、カネサブラックも遅れじと腰を入れます。この2頭が並んでクリアし、その後ろからクロフネオーザンも障害を突破。後続は苦戦し、勝負はこの3頭に絞られました。
特に脚いろがよかったのはカネサブラックで、残り30メートルを切って単独先頭。ギンガリュウセイも懸命に食い下がりますが、3番手から追ってくるクロフネオーザンの脚いろも抜群。しかし先頭のカネサブラックの逃げ脚は快調。残り5メートルでいったん脚が止まったものの、セーフティーリードを広げていたうえ、立て直しもスムーズ。迫ってきたギンガリュウセイを難なく退けて、先頭でゴールしました。ギンガリュウセイはしまいまで脚を止めずに歩き続けましたが、カネサブラックのスピードの前に敗れて2着まで。クロフネオーザンは残り10メートルでストップし、3着をキープするのが精いっぱいでした。なお単勝1番人気のナリタボブサップは、いつもの障害の切れが見られず、8着に敗れました。
カネサブラックはこれで重賞20勝目。微妙に力の要る馬場状態が味方したもの確かですが、高重量戦できっちり勝ちきるあたりは、やはり底力と言えるでしょう。やや勝ち切れない面こそあるものの、実力はばんえい随一。ばんえい記念に向けて、視界は良好です。
2着のギンガリュウセイはパワー優先の重量と馬場で、その実力をいかんなく発揮しました。今回こそ王者のスピードの前に屈しましたが、今後も高重量戦では目が離せない1頭です。
クロフネオーザンは重賞初挑戦で大健闘。多少の重量差こそありましたが、父グレイトジャイナー譲りの推進力で存在をアピールしました。今後も高重量戦では要注目です。
松田道明騎手「軽いレースを使っていたせいか走りが良く、全体の流れを見ながら良い位置取りができたと思います。ギンガリュウセイは時間がかかってもしっかり歩くタイプで、しかも障害のかかりを横で見たらまだ力強さがあるなと感じました。外枠(クロフネオーザン)も勢いよく来たので、少しヒヤッとしましたが、ある程度止まっても対応できるよう気をつけて騎乗しました」