ニシキダイジンが粘り腰を発揮!
2日(日)は重賞・帯広記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝4番人気のニシキダイジンが優勝。昨季のばんえい記念馬が持ち前の粘りを発揮して、高重量戦での強さを見せつけました。
馬場水分は1.9%とやや重め。高重量を曳いているだけに、道中はゆったりとしたペースで進みました。カネサブラック、ニシキダイジンら実績馬が先行。トモエパワーもこの一角で、再三再四脚を止めながら、各馬ようやく第2障害にたどり着きました。
真っ先に仕掛けたのはニシキダイジン。この馬らしい登坂力を見せ、天板近くまで駆け上がります。他馬は静観していましたが、ひと呼吸おいてカネサブラックが登坂開始。これを機にギンガリュウセイ、ニシキユウあたりも仕掛けます。そして満を持して動いたのがナリタボブサップ。抜群の障害力を発揮して、一気に障害を登り切りました。しかし、先頭クリアはニシキダイジン。高重量に苦戦する各馬を尻目に、ゆうゆうと障害を下りていきました。やや遅れてナリタボブサップがクリアして2番手から追撃態勢。以下ギンガリュウセイ、カネサブラックと続きました。
ナリタボブサップがギャロップでニシキダイジンに追いつき、ここからは2頭による一騎打ち。まさに一進一退の攻防が続きましたが、こうなれば強いのがニシキダイジン。いったんはナリタボブサップに前に出られたものの、持ち前の勝負根性を発揮して逆転。そしてナリタボブサップがゴール直前でストップ。勝負あったと思われたところ、ニシキダイジンもゴール線上でストップ。両馬立て直して軍配は...、1秒7差でニシキダイジン。高重量戦でのしぶとさを発揮して、5つ目の重賞タイトルを手にしました。障害で苦戦を強いられたカネサブラックが、最後の直線で挽回して3着。障害3番手クリアのギンガリュウセイが4着で、障害5番手から脚を止めずに歩き切ったエンジュオウカンが5着となりました。
この馬らしいレースぶりで、ニシキダイジンが勝利。相手が終いの脚に課題があるナリタボブサップとは言え、ニシキダイジンの持ち味が存分に発揮されたレースでした。高重量戦での障害力と粘り腰。この点に限れば、ばんえいナンバー1と言え、来たるばんえい記念でも好レースを演じてくれることでしょう。
ナリタボブサップは弱点が出ましたが、今回はギリギリまで粘ることができ、レースぶりそのものは悪くありませんでした。障害でじっくりタメたぶん、我慢が利いたのでしょう。ドリームエイジカップ制覇からも状態の良さがうかがえ、これをキープできればばんえい記念でもチャンスがありそうです。
カネサブラックは終いに脚を伸ばして地力の高さを示しましたが、やはり障害で苦戦したのがすべて。安定しているとは言え、高重量戦ではしばしば見られるシーンだけに、この点の克服がばんえい記念制覇へ向けての課題でしょう。
藤野俊一騎手「カネサブラックやトモエパワーがついてきたのは気になりませんでしたが、思ったより障害で苦戦したことに焦りを感じましたね。最後の叩き合いは自分の馬さえ止まらなければ勝てる、と思っていました。何とか頑張ってくれましたね。荷物を積まれて良さが出るタイプなので、ばんえい記念でも頑張ります」