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2010年8月 アーカイブ

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ばんえい名馬ファイル(4) サダエリコ

2010年8月31日(火)

父を超える重賞コレクター サダエリコ

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 皆さんはダイヤテンリユウという馬をご存じだろうか? ニセコクイン、ヨウテイクイン、コトブキクイン。井馬アナウンサーが「ばんえいの華麗なる一族」と呼んだ三姉妹の兄である。競走成績は通算で71戦29勝、そのうち重賞10勝という驚異的な成績。種牡馬入りしてからはリーディングサイアーとなること6度。競走馬としても繁殖馬としても頂点を極めたばんえい競馬界を代表する名馬といえよう。そして、そのダイヤテンリユウの最高傑作といえる産駒が今回の主役、サダエリコである。

 サダエリコのデビュー戦は2002年4月22日旭川競馬場。手綱を取ったのはデビュー6年目の水嶋恵介騎手(後のリーディングジョッキー鈴木恵介騎手)。単勝7番人気で結果は3着だった。初勝利は舞台を北見に移したデビュー4戦目の牝馬限定戦。9番人気という低評価ながら2着に10秒近くの差をつけての圧勝となった。その後いちい賞、岩見沢に移ってあじさい賞と牝馬限定の特別戦を連勝し、次第に頭角を現しはじめる。初重賞の白菊賞は3着、ナナカマド賞は8着に敗れるも、ホクレン賞では9番人気という低評価を覆しての勝利、手綱を取った水嶋騎手ともども重賞初勝利となった。その後は牝馬限定の黒ユリ賞を制して重賞連勝。大一番イレネー記念では3着に敗れたものの、デビューシーズンの成績は21戦8勝で重賞2勝。受賞額7,756,000円はイレネー記念馬エビステンショウを抑えて2歳馬首位。若きヒロインの誕生である。

 2カ月の休養を経て迎えた3歳シーズン。さらなる飛躍が期待されたサダエリコだったが、年上馬との対戦や同年齢戦でもハンデが課せられ、なかなか勝てないレースが続く。三冠レース第一弾のばんえい大賞典ではシンガリ負け。続くクインカップ、はまなす賞でも着外と、苦戦が続いていた。
 そんな中で迎えた2003年8月31日のばんえいオークス。同い年の牝馬相手の定量戦というまたとない好条件、サダエリコは2着に8秒以上の差をつけて完勝。表彰式では井馬アナウンサーが「強いサダエリコが戻ってきた」と評したとおり、見事復活を果たした。続くばんえいダービーでは1番人気に推され、こちらも2着に10秒1の差をつけての大勝。ハイトップレディ(1998)、アンローズ(2002)に続く史上3頭目のオークス&ダービー馬となった。その後、北見コースに舞台を移して迎えたオールスターカップでは軽ハンデもあいまって、当時頂点に君臨していたスーパーペガサスらを抑えて単勝支持率5割を超える圧倒的な1番人気に応えての勝利。続くばんえい菊花賞にも勝って、この年4つ目の重賞勝ちを収めた。しかし、帯広に移ってからは一度も連対することなく、好不調の波がはっきりしていた馬でもあった。

 そして4歳を迎えたサダエリコ。5月には4歳馬の重賞・旭川記念を制し重賞7勝目、8月のはまなす賞を勝って8個目の重賞タイトル。この頃は古馬オープンが相手でも互角の勝負ができるようになっていた。そして圧巻はこの年の北見シリーズに移ってから。10月末のオールスターカップで連覇。帯広に移って銀河賞を制したほか、ヒロンイズカップ2着、チャンピオンカップ3着。北見・帯広で12戦して4-4-4-0。4着以下なしという抜群の安定感。

 この勢いは5歳シーズンになっても止まらず。旭王冠賞では7着に敗れるも、4着以下なしという安定したレースを続けた。岩見沢では北斗賞を制し、ばんえいグランプリと岩見沢記念は2着も岩見沢シリーズは9戦して6-2-1-0。北見では北見記念も制した。天才少女はいつしか「女傑」と呼ばれ、完全にばんえい競馬の中心を担う馬へと成長を遂げていた。ただ、一息入れた後の帯広記念以降は4戦連続で9着と、好不調の波が激しいのは相変わらずだった。

 6歳のシーズンを迎えたサダエリコ。シーズン初重賞の旭王冠賞を幸先良く勝利。しかし、その後はだんだん勝ちきれないレースが続き、勝ち星から遠ざかってしまう。いつもの一時的な不調の波に入ったのか? それともダイヤテンリユウの産駒は早熟馬が多いと言われてきたが、このサダエリコも例外ではなかったか? 結局このシーズンは24戦2勝、旭王冠賞のあとは1つも勝てないままのシーズンエンドとなる。
 そして帯広単独開催となった2007年4月。7歳になったサダエリコは6期目のシーズンを迎えた。北斗賞2着、ばんえいグランプリ3着と重賞では度々善戦するも、なかなか勝てないレースが続いた。そして、2008年1月オーロラ特別で1年7カ月ぶりに待望の勝利を挙げた後、オーナーの「ファンの期待を裏切らない引き際を」という思いから引退を表明。現役を退くことになった。

 1歳上のライバル、アンローズとともに、4市開催の最後を盛り上げたサダエリコ。獲得重賞は取りも取ったり、父ダイヤテンリユウを超える13個。これはばんえい競馬史上、牝馬による最多獲得重賞記録である。

文/高野直樹

サダエリコ
2000年4月3日生 半血 牝 鹿毛
父 半血・ダイヤテンリユウ
母 半血・雪椿
母の父 ペル・武潮
北海道河西郡更別村産
競走成績/138戦34勝(2002~08年)
収得賞金/36,863,000円
重賞勝鞍/06旭王冠賞(旭川)、05北見記念(北見)、北斗賞(岩見沢)、04銀河賞(帯広)、オールスターカップ(北見)、はまなす賞(岩見沢)、旭川記念(旭川)、03ばんえい菊花賞(北見)、オールスターカップ(北見)、ばんえいダービー(岩見沢)、ばんえいオークス(岩見沢)、黒ユリ賞(帯広)、02ホクレン賞(帯広)

ばんえい大賞典 予想結果

2010年8月30日(月)

山崎:馬複1-2 1,500円的中! 収支+20,800円
斎藤:馬複1-2 1,000円的中! 収支+12,200円
須田:馬複1-2 1,000円的中! 収支+12,200円
矢野:ハズレ 収支-5,000円

【ここまでの集計】
斎藤  修 +13,950円
矢野 吉彦  +9,400円
山崎エリカ  +4,400円
須田 鷹雄  +3,800円

なんと、全員プラス収支!となりました。

8/29ばんえい大賞典回顧

2010年8月29日(日)

レットダイヤがまず一冠!

 29日(日)は3歳三冠の第1弾・ばんえい大賞典(3歳オープン)が行われ、単勝2番人気のレットダイヤが優勝。イレネー記念(7着)に次ぐ2度目の重賞挑戦で、初タイトルをゲットしました。

 道中はミスタートカチとレットダイヤが馬群を引っ張りますが、馬場水分1.1%と重めの馬場が影響してかスローペース。先行2頭が脚を止めて他馬が追いつくと、もう一度2頭が突き放しにかかる展開で第2障害を迎えました。 
 早め早めの競馬を演じていたレットダイヤが第2障害も真っ先に仕掛け、ひと腰であっさりクリア。一気に突き放して独走態勢を築きます。離れた2番手で障害を下りたのはミントヒッパルゾーで、差なくツジノコウフクヒメ、ホクショウバトル、ミスタートカチが続く展開となりました。
 先頭のレットダイヤはやや脚いろが鈍ったものの、それ以上に苦戦していたのが後続馬。2番手集団から脚を伸ばしたのはわずかにツジノコウフクヒメで、その追撃もレットダイヤとの差を縮めただけ。結局レットダイヤがリードを保ったまま荷物を運びきり、一冠目を奪取しました。2着はツジノコウフクヒメ。残り5メートルで5頭が横一線となった3着争いは、最後にひと伸びしたフェイが制しました。

 これで今季【8・4・1・3】とし軌道に乗ってきた印象のレットダイヤ。670キロの重量に加え力の要る馬場状態だけに、先行策から後続になし崩しに脚を使わせたレースぶりは非常に中身が濃いものと言えるでしょう。かつては能検で一番時計を出した好素材。今後の成長次第で、さらなる活躍が期待できそうです。

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大口泰史騎手「670キロと荷物は今までより重くなっていましたが、ハンデ差もあっただけに、この馬の先行力を生かすレースができました。今季入れ替えた砂が、この馬に合っているのかもしれませんね」

8/29ばんえい大賞典予想 山崎エリカ

最軽量のツジノコウフクヒメに期待

 3歳3冠初戦のばんえい大賞典は、最重量テンマデトドケの700㎏から、最軽量ツジノコウフクヒメの650㎏の別定戦で行われます。ばんえい大賞典といえば、ニシキユウやプリンセスモモ、昨年のワタシハスゴイなど軽量牝馬の活躍がやたらと目立つレースですから、今回もC1クラスを3連勝中の上がり馬で最軽量650㎏を曳くツジノコウフクヒメを◎に推します。

 ツジノコウフクヒメは近走第2障害をスムーズにまとめていますから、650㎏の重量なら耐えられると見ました。死角は近年このレースを勝利した牝馬と比べると、これまでの実績が足りないということですが、そこは目を瞑ります(ワイド馬券が発売されていれば、ワイドで買いたい)。

 ○には2歳チャンピオンのテンマデトドケ。同馬はイレネー記念を勝利した後の今シーズンの成績が振るわず、人気下落の気配が感じられます。しかし今シーズン4戦目、休養明け3戦目で、前走とかちむらオープン記念では復調気配を見せての6着でしたから、今回で通用する可能性は十分あります。

 ▲には今シーズン7勝、2着4回と目下絶好調のレットダイヤ。同馬はテンに置かれ気味だった作シーズンとは違い、ハナを奪うような先行力を身に付けたことで着順が安定してきました。重量も牡馬の中では最軽量の670㎏ですから、十分チャンスがあると見ます。

 あとは△に前々走の3、4歳限定のオープンで▲レットダイヤと差のないレースをしているミントヒッパルゾー。同馬は馬場水分0.8%の前走で大崩れしたことで、軽馬場巧者と評価され、重馬場の今回は人気急落の気配が感じられます。しかし馬場水分0.6%で行われた5月23日の3歳限定オープンで今回上位人気に支持されると思われるミスタートカチ、ダイリンビューティ、ホクショウバトルに先着していることを考えると、そう決め付けてしまうのは早計な気がします。確かに調子落ちの可能性もありますが、人気急落の今回は同馬の一気巻き返し、予想バトルの体勢逆転を狙うには相応しい馬です。

 他では前走で目一杯の走りを見せ、今回はおつりがないイメージがあるので評価を下げましたが、昨年のヤングチャンピオンシップの勝ち馬で目下2連勝中のホクショウバトル。

 ◎ (2)ツジノコウフクヒメ
 ○ (5)テンマデトドケ
 ▲ (1)レットダイヤ
 △ (7)ミントヒッパルゾー
 △ (8)ホクショウバトル

 馬複
 2-5、1-2 各1500円
 2-7、2-8 各1000円

8/29ばんえい大賞典予想 須田鷹雄

2010年8月28日(土)

充実ぶりが目立つレットダイヤ

 出だしの好調さとは裏腹に、最近は予想が本当にちぐはぐ......。今回は外れたら外れたでよしというくらいの思い切りで予想していこう。

 3歳かつ別定ということで、ポイントになってくるのはやはり重量。テンマデトドケの復調に賭けるよりは、いまちょうど伸びてきて、かつ加量されないちょうどいいところを狙いたい。

 そこで、◎レットダイヤ。かつては能検で一番時計を叩きだし、私の編集する「POGの達人」に掲載されたばんえいの広告ページにも写真が載った素質馬だ。
 前々走の635キロをこなしたあたりに最近の充実ぶりが見てとれる。670キロはしんどいが、重量についてはみな同じことだろう。

 馬券は、シンプルに馬複で5点。これで抜け目が来たらどうしよう......。

 馬複
 1-2,3,4,5,8 各1000円

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