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やっぱり馬が好き(第50回) 旋丸 巴

素晴しい交流の場、JRAジョッキーDAY

 お待たせいたしました! JRAジョッキーDAYが、今年も開催されました!

 7月21日、帯広競馬場に集結したJRA騎手各位は、この企画の呼びかけ人である藤田伸二騎手を筆頭に、昨年も来てくれた安藤勝己、勝浦正樹、四位洋文の4騎手に加えて、今年は、石橋守、武幸四郎、松岡正海の3騎手、それに、何と!特別ゲストとして元JRA騎手の細江純子さんまでもが来道して計8名。どーです、凄いメンバーでしょ?

 さて、そんな豪華騎手軍団が到着したのは午後4時。今年からの参加組は、そのまま調教コースへ。この日のメインイベントであるエキシビションレースに備えて、ソリ騎乗の練習を行ったのだけれど、さすがはスター騎手さん達、初めての経験なのにソリの上でのバランス感覚は抜群。普通の人ならソリが動き出しただけで、座っていても後ろに引っくり返るほど。なのに、JRA騎手諸氏といったら、はしゃぎつつも巧みにソリの上でバランスを取り、坂の上り下りも難なくクリア。コースを一周しただけで、どの騎手さんも、すっかりサマになっていたから、さすがさすが!

 で、早速、練習を終えた武幸四郎騎手に「どうでしたか、初めての馬ソリは?」と尋ねれば、

 「ううん、下り坂がムズイ」

 ぬぬぬぬぬ、「ムズイ」とは、さすが若者・幸四郎様だわ、と感心している間に、他騎手さんの練習も無事終了。

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武幸四郎騎手の練習風景。「ムズイ」と言いつつ、抜群のバランス感覚。指南役はバンゼン号と工藤騎手

 練習が終れば、次は4レース連続でJRA騎手協賛レースの実施。

 各騎手さんが協賛レースごとに表彰式を行い、その後はチャリティーオークションが行われたのだけれど、サイン入りのレプリカゼッケンと額入り写真がセリにかけられると、表彰台周辺に集まったファンから一斉に声があがる。藤田騎手のサイン入り写真などは最高値25,000円を記録。騎手グッズ欲しさのあまり、半ベソかきながら競り合う人も出現して、いやはや、凄い熱気でありました。

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チャリティーオークション風景

 かくして会場が大いに盛り上がり温まった7時過ぎには、いよいよ、待ちに待ったエキシビションレース。

 7名のG1ジョッキーが、それぞれG1制覇時の勝負服(ただし、松岡騎手だけは何故かG1、2着時サンツェッペリンの勝負服)に身を包んで登場。じゃあ細江さんは??……と見れば、この勝負服。

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さすが細江さん、勝負服姿も素敵

 はて、これは誰の勝負服? と首を捻った人は、ばんえい通じゃないよ。そう、映画『雪に願うこと』で吹石一恵さんが着た、あの勝負服。小柄な細江さんには、ちょっと大きめだったけれど、それでも、勝負服がビシッと決るところは、やっぱり元プロですなぁ。

 そんな細江さんが、レースでも大活躍。

 第2障害を降りた時点で、尾ヶ瀬騎手サポートの8番=藤田騎手が楽勝かと思われたのだが、細江さんも同乗の村上騎手と共に懸命に馬を追い、これに迫っての2着に入ったのだから、あっぱれあっぱれ!

 レース後も感想を聞けば、「楽しかったし、迫力があった」と、息を弾ませながらも、ニッコリ。

 でも、私は知っているのである。村上騎手が真剣に馬を追う余り、細江さんにビシビシと手綱が当たっていたことを……。村上さんってばぁ、もう。

 この細江・村上組を撃破して優勝した藤田騎手は、と言えば、ゴール前で余裕のガッツポーズ。レース後も、大勢の新聞記者に取り囲まれてインタビューを受け、「去年の雪辱を果たしました」なんて、真面目な受け答えをされていたから、後ろから忍び寄り、「去年は『とても一人で乗れない』っておっしゃってましたけど、今年で優勝で自信がついたでしょ? 来年は、一人乗りに挑戦されませんか?」とカマを駆けたのだけど、「いや〜、1年間のブランクがあったからね〜。難しいわ」と、上手に逃げられて、残念!

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見事優勝した藤田騎手とサポート役の尾ヶ瀬騎手

 大河原さんにサポートされた石橋騎手からは「思ったより、ずっとスピードがあった」と興奮気味のお話も聞けて、いやはや、賑々しくも、楽しいエキシビションレースだったのでありました。めでたし、めでたし。

 と、長々と報告文を書いたけど、本当に私が心打たれたのは、実は、レース後の懇親会での風景。

 ばんえい応援のために無償で駆けつけてくれたJRAジョッキー諸氏に感謝するために行われた、この懇親会の席上、安藤騎手は「僕も地方競馬出身だから、ばんえいの苦労はわかる」と語り、石橋騎手は「僕らが来ることで少しはお役に立てたかな」と心くばりを見せ、藤田騎手は「武豊さんも、マーキュリーカップで後ろの方を走ってるなら、こっちに来ればいいのに」と会場を笑わせ……。皆さん、それぞれ言葉は違っても、ばんえい競馬に対する熱い思いは、ばんえい関係者にも伝わって、胸の中がほんのり暖かくなった。

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「少しでもお役に立てたら嬉しい」と、懇親会で語った石橋騎手

 「同じ馬でメシを食う者として」とは藤田騎手の言葉だけれど、こうして、馬を絆として様々なホースマンが心を通わすJRAジョッキーDAYは、単なるイベントという域を越えて、素晴しい交流の場として定着しつつある。

 来年の「海の日」にも、また、この催しが行われることを今から楽しみにしている気の早い私なんである(鬼、大爆笑)。

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