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2006年11月 アーカイブ

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11/26北見記念 斎藤修

アンローズ、トモエパワー中心

 ばんえい菊花賞は、あらためてばんえい競馬の難しさを痛感させられた。とはいうものの、その難しさがばんえい競馬の面白いところでもあるのだが。
 定量戦なのに格上3頭は連対できず。格よりもコース適性がモノをいったようで、エメラルド陣営は湿った馬場になって期待していたのだそうだ。さらに細川騎手によると、コーネルトップ産駒は北見コースで走る馬が多いそうだ。

 さて、北見記念。
 狙いはアンローズから。前走明らかに勝ち目のないような重量となったレディースカップ(6着)は参考外として、前々走イオンカップを制したときの重量差と、今回の重量差をタケタカラニシキ、トモエパワー、ミサイルテンリュウ、シンエイキンカイなどと比較すれば勝って当然の相手関係。ひとつ不安なのは岩見沢でほとんど完璧な成績を続けていて、さすがに牝馬でここまで好調を維持できるのかということ。岩見沢に良績が集中しているからか、北見コースは決して得意なコースではない。
 ということでもう1頭、アンローズとどっちを本命にしようかと迷ったのがトモエパワー。今シーズン、フクイズミとともに注目の上がり馬で、近走の成績云々より、そろそろ重賞を勝ってもおかしくないだろう。
 この2頭を中心に連下には、そろそろ重量が重くなってきて力を発揮しそうなシンエイキンカイと、復調が待たれるミサイルテンリュウ。
 北見で重賞4勝を挙げているサダエリコだが近走の調子では厳しそう。
 ◎アンローズ
 ○トモエパワー
 ▲シンエイキンカイ
 △ミサイルテンリュウ

 北見競馬場での開催は、ほんとうにこの月曜日で最後になってしまうのだろうか。先週、ばんえい菊花賞のときに北見競馬場を訪れたのだが、場内はとてもそんな雰囲気は感じられなかった。
 たしかに市民に財政的な負担をかける可能性も否定できず、ましてや北海道では夕張市の例を目の当たりにしているだけに、単に文化だからと安易に存続を訴えるべきではないのかもしれないが、それでも公営競技として半世紀ほどの歴史の中で出来上がってきたものがなくなってしまうのはいかにも寂しい。

今週のみどころ(11/25〜11/27)

2006年11月24日(金)

 今週で北見開催が終了し、次週から極寒の帯広開催となります。その掉尾を飾るメインレースは、もちろん北見記念。レースの詳細は北見記念プレビューに譲るとして、四市冠競走の第3ステージはまれに見る大混戦。帯広記念、そしてばんえい記念と高重量戦が続く帯広開催へ向けて、見逃せない一戦となりそうです。
 25日(土)は、雌阿寒岳特別(3歳以上550万円未満)が行われます。注目は現在3連勝中と好調のヤマサンダンサーですが、前走混合別定650万円未満を勝ったコマタイショウ、巻き返しを狙うチヨノキングなども出走を予定しており、激戦が期待できそうです。ヤマサンダンサーは前走の昇級初戦を、6番人気ながら勝利。早めの障害クリアから、コブライチの強襲をしのいだレースぶりは評価できます。絶対的とは言えませんが、勝ちグセがついているだけに無視できないでしょう。コマタイショウもこのクラスで堅実に走り続けており、上位争いは必至。前走1番人気で9着に沈んだチヨノキングの巻き返し、大崩れないゴールデンバージあたりまでが争覇圏でしょう。
 26日(日)のメインレースは北見記念(3歳以上オープン)。このレースについては、別掲の北見記念プレビューをご覧ください。
 この日の第10レースに行われるのはオホーツク特別(2歳オープン)。ここにはシベチャタイガーが出走を予定しています。ここまで12戦8勝、2着2回と2歳戦線をリードしており、今回も中心視されるのは間違いありません。ほかアローファイター、プリンセスモモ、カネサリュウなども争覇圏でしょう。
 27日(月)は最終第12レースにクリスタル特別(4歳オープン)が行われます。オープンまで登り詰めたカネサブラックもエントリーしており、その走りに注目が集まります。確かにハンデが気になるところですが、これまでもハンデを背負って快勝してきており、今回も底力を発揮するのではないかと思われます。スピード生かすナリタボブサップ、ウィナーサマーも期待でき、またエンジュダイヤ、スーパークリントンなどの堅実さ、スーパーロイヤル、コブライチらの軽量馬にも十分期待が持てそうです。

11/26北見記念プレビュー

 26日(日)に北見開催の掉尾を飾る重賞、北見記念(3歳以上オープン)が行われます。旭王冠賞はサダエリコ、岩見沢記念はアンローズと、今年の四市冠競走は牝馬が制しており、この勢いが続くのか、それとも牡馬の巻き返しがあるのか注目されます。
 中心視されるのはアンローズでしょう。ばんえいグランプリから前々走のイオンカップまで5連勝。前走レディースカップでの敗退(6着)をどう見るかですか、やはりここはハンデが厳しかったと見るべきでしょう。今回は840キロで、牝馬20キロ減を考えれば他馬とのハンデはプラス10キロ。これなら十分に主役を演じられるのではないでしょうか。
 知床賞で2着に入ったシンエイキンカイは高重量戦の経験も豊富。830キロを曳いた岩見沢記念ではアンローズの2着、昨年のこのレースでも2着に健闘しており、ここはその経験、実績に期待してみたいと思います。
 そして知床賞を制したトモエパワーも争覇圏。800キロ以上の経験は一度だけですが、その岩見沢記念(830キロ)で3着に健闘した実績は無視できません。今回は追加重量なしの850キロ。しぶとい末脚を武器に重賞初制覇を飾る姿も、十分に想像することができます。
 旭王冠賞、ばんえいグランプリでともに4着のタケタカラニシキは、その着順ほど悪くない走りを見せています。確かに毎回詰めの甘さは感じますが、それさえ克服できれば超一線級が相手でも十分勝負できる素材。今回のメンバーなら混戦模様ですし、初の古馬重賞制覇も期待できるのではないでしょうか。
 忘れてならないのは昨年の覇者サダエリコ。スピード決着となったレディースカップは5着も、先頭からはおよそ6秒差。ノーチャンスとは言えないでしょう。

出馬表はこちら

【参考レース】
8/13 ばんえいグランプリ(勝ち馬:アンローズ)
10/1 岩見沢記念(勝ち馬:アンローズ)
10/13 イオンカップ(勝ち馬:アンローズ)
10/29 オータムカップ(勝ち馬:ヒカルセンプー)
11/5 知床賞(勝ち馬:トモエパワー)
11/12 レディースカップ(5着:サダエリコ)
※映像はこちら

レース回顧(11/18~11/20)

2006年11月20日(月)

 18日(土)に行われた常呂川特別(3歳以上800万円未満)は、1番人気のホクリュウイチが優勝。障害を先頭でクリアし、そのままゴールまで押し切りました。道中はキタノスサノオが引っ張る展開。第2障害もキタノスサノオが真っ先に仕掛けましたが、遅れて仕掛けたホクリュウイチがひと腰でクリア。その後も追いすがる各馬を逆に引き離し、ゆうゆうと先頭でゴールしました。障害4番手から追い込んだカツテンリュウが2着で、3頭横一線となった3着争いはイッスンボウシが制しています。
 19日(日)のメインレースはばんえい菊花賞(3歳オープン)。このレースについては別掲のばんえい菊花賞回顧をご覧ください。
 その前に行われた北見産駒特別(2歳産地限定)は、ニシキガールが優勝。白菊賞、いちい賞に続く、特別戦3勝目を挙げました。第2障害はパンチテンリュウ、ニシキガールの順でクリア。しかし残り10メートル付近でニシキガールが前に出ると、そのまま先頭でゴールしました。差のない3番手で障害を越えたコーネルフジが、そのまま流れ込んで3着。
 また、この日の第9レースには3歳以上オープン混合の一戦が行われ、大友栄人厩舎の牝馬2頭、プリンセスサクラコ、ギャンブラークインで決着しました。第2障害はツルマキシンザン、プリンセスサクラコ、ギャンブラークインの外枠3頭が並んで先頭クリア。そこからプリンセスサクラコとツルマキシンザンの激しい追い比べとなり、さらに内からホシマツリも伸びてきて大混戦に。しかし、最後は貫禄か、プリンセスサクラコがこれらの追撃を振り切って先頭でゴールイン。きわどくなった2着争いは、ゴール寸前で鋭く伸びたギャンブラークインが同タイムの争いに持ち込み、結果2着を確保。悔しい3着にツルマキシンザンで、内からいい伸び脚を見せたホシマツリは、2頭と0秒1差4着となりました。
 20日(月)に行われた雄阿寒岳特別(3歳以上650万円未満)は、2番人気のプランドルドラゴンが優勝。今季は2、3着が多く勝ちきれない印象でしたが、混戦から抜け出す力強さを見せました。第2障害はトミサトクイーン、プランドルドラゴン、ヤマトモンジューの順で越えるも、各馬も続々クリアして5、6頭が一団となる激戦。いったんは内から伸びたハマナカキングが先頭に躍り出るも、残り10メートル付近で失速。しぶとく歩いたプランドルドラゴンが、追いすがるトカチタカラを振り切ってそのままゴールへ飛び込みました。先頭集団からやや遅れて障害を下りたレオユウホーが3着を確保しています。

映像はこちら

11/19ばんえい菊花賞回顧

2006年11月19日(日)

牝馬エメラルド、世代トップへ名乗り

Kikkasho_1  19日(日)に行われたばんえい菊花賞(3歳オープン)は、6番人気の牝馬エメラルドが優勝。ばんえい大賞典のニシキユウに続く牝馬優勝で、三冠ロードは混戦を極めることとなりました。
 道中はニシキセンプーが馬群をリード。馬場水分4.6%もあって、平均よりやや速めのペースで第2障害に到達しました。真っ先に仕掛けたのはニシキセンプー。各馬も続き、ニシキセンプー、ナカゼンスピード、エメラルド、ツジノコウフクらが一団となって障害をクリアしました。
 その後、残り30メートル付近でニシキセンプーの脚いろが鈍り、ナカゼンスピードが先頭へ。しかしエメラルドが徐々に差を詰めはじめ、10メートル手前でこれを交わすと、そのまま先頭でゴールしました。ナカゼンスピードも追いすがりましたが及ばず2着。最後まであきらめることなく粘ったニシキセンプーが3着。結果として岩本正好厩舎2頭のワンツーフィニッシュとなりました。
 今年前半の3歳戦は牡馬がリードしていましたが、ここへきてニシキユウ、エメラルドが台頭。三冠最終戦のばんえいダービー(12月24日)は、02年のアンローズ以来、4年連続で牝馬が優勝しており、非常に楽しみが増えたといえます。しかし、その前に行われるばんえいオークス(12月10日)が、なおさらクローズアップされることになり、3歳戦のすべてから目が離せなくなりました。
 なお、1番人気ホクショウダイヤは障害で詰まってしまい、7着に敗退。2番人気カネサテンリュウは障害6番手から追い込むも4着までと、ともに精彩を欠く結果となりました。

成績はこちら
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細川弘則騎手
「馬の調子が上がっていたので、一発を狙っていました。ナカゼンスピードが先頭に立ちましたが、あの馬は末が甘くなるので勝てるかなと思って乗っていました。でも僕の馬も最後は一杯でしたね。湿った馬場だと、この馬は走りますよ」

岩本正好調教師
「馬場が軽くなると、この馬の持ち味が活きてきます。エメラルドの体調も上がってきていましたから、出走させた3頭のうちどれかが勝ってくれれば、と思っていました。次はばんえいオークスを目指したいと思います」

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