ばんえい最高峰・三井牧場
ばんえい競馬では生産者ランキングが公表されていなくて、だから、存外知られていないのが、三井牧場の偉大さ、である。
熱心なファン諸氏ならご承知の通り、ばんえい記念3連覇を果たし、今や史上最強馬の1頭となったスーパーペガサスは、この牧場の生産馬。のみならず、スーパーペガサスと並んで「現役3強」と言われるミサキスーパーもアンローズも、三井牧場生産馬なのである。もちろん、アンローズの兄にして97年の3冠馬ウンカイも同様。
かくの如く毎年確実に活躍馬を出し、優良農用馬生産者賞を受賞されている三井牧場は、だから、規模こそ違うけれど、まさに「ばんえい界の社台ファーム」とも言うべき大牧場なのである。
さて、そんな三井牧場に、しかし、私は今まで行ったことがなくて、だって、そんな偉大な牧場、とても恐れ多かったんだもーん。
それでも、先日、ようやく意を決して、この大牧場を訪問してみると……。
こんな凄い牧場だから、きっと怖い方が経営されているのだろう、という予想に反して、登場した牧場主の三井宏悦さんは40歳を過ぎたばかりの若さで、しかも、とっても気さくな方。20頭もの繁殖牝馬が出産、種付けを迎えている超多忙の時期だというのに、親切に牧場を案内して下さったのだから、感謝感激。
中でも、嬉しかったのは名牝ミハル(写真)との対面。前述ウンカイとアンローズを生んだ偉大な母ミハルだけれど、美形アンローズに似た優しい面差しを見た時には狂喜してしまった。
今年は残念ながら産駒のいないミハルだが、既にタツリキを種付けしたとのこと。来春には、また、この牧場の輝かしい歴史の1ページを飾る馬が誕生するのだと思うと、今から胸高鳴なる気の早い私なのでした。