伝統の一戦・山陽GIスピード王決定戦が開幕!
例年、この時期に開催される山陽のGIスピード王決定戦も今回で54回目を数える。数々の感動を生んできたこのシリーズ。今回はどのようなドラマが待っているのか。地区別に注目選手を挙げていく。
まずは開催地区の山陽。ランクトップの松尾啓史はエンジン状態まずまず。前走の川口GIでは準決4着で優出はならなかったが、シリーズを通して見ればエンジンは崩れておらず、十分戦える位置にあった。この大会は2006年にGIで初めて優勝したメモリアルな大会。今回で再び存在感を示すことができるか。エンジン状態としては丹村飛竜、佐々木啓、藤岡一樹も悪くない。丹村は地元GIIで優出すると、その後の飯塚ミッドナイトでも優出していた。佐々木は前走の飯塚では、優勝戦で1着入線も道中の反則妨害で失格。悔しいレースになったが、エンジンが良いのは間違いない。藤岡は前走の飯塚ミッドナイトで久々に優勝。岡部聡も調子を上げている。
全国ランク1位の鈴木圭一郎がいる浜松勢。その鈴木圭は、この大会で2連覇中。今回は3連覇がかかるわけだが、エンジンの方は全く問題ない。ここ最近は一般開催でスーパーハンデからのレースを強いられているが、しっかりと優出は果たしている。今回は通常のハンデに戻るだろうから、レース展開は楽になる。他では渡辺篤が上昇中。前走の飯塚では好タイムを連発し、優出4着の結果だった。実力的には佐藤貴也も今回、優勝戦に進む可能性大。
近年は層が厚くなっている伊勢崎勢。絶対王者・高橋貢は前走の地元3日間開催で完全優勝。優勝戦では10M後ろに鈴木圭を置いてのレースで負けられなかったが、しっかりと人気に応えてみせた。乗り換わったエンジンの感触も良さそうだ。早川清太郎も好調をキープ。地元では、ほぼ優出を逃さない安定感。ただし、遠征先でのレース内容に課題が残っているので、いつ、その状況を打開できるか。内山高秀、三浦康平らも調子は上向いている。
永井大介擁する川口勢。その永井は前走の地元GIで優出し4着。良走路ではこの時期らしい好タイムが出ていた。年末の大一番に向けてリズムが良くなっている。そのGIで優勝したのは永井と同期の若井友和。若井は今年、ずっとエンジンが高い位置で推移していたが、前走の優勝戦では猛烈な追い込みを見せて優勝をもぎとった。冬場のスピード戦でも活躍できることを証明した。他では山田達也がエンジンまずまず。特にレース後半の巻き返しはみものだ。
最後に飯塚勢。今回来場する中でランクトップは浦田信輔。地元では良い走りをしていたが、前走の川口GIではやや一息。それでも、かつての迫力ある差しは戻ってきているので、エンジンさえ並より少しでも上向けば好走必至。他にはS級として有吉辰也、鐘ヶ江将平、滝下隼平が来場する。近況は連続優出中の鐘ヶ江が勢いに乗るか。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-4(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-23(29期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-5(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-8(29期)〕
永井 大介〔川口 S-9(25期)〕
若井 友和〔川口 S-14(25期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-16(23期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-19(25期)〕
年末へ向け徐々にボルテージが高まる川口オート!
年末の大晦日にはスーパースター王座決定戦が控える川口オート。それまでに今節を含め2回、開催が用意されている。スーパースター戦に出場する選手にとっては、エンジンを仕上げる段階に入ってくる。年末に向けて弾みを付けたい。
今回出場する中でランク筆頭は中村雅人。前走となる川口GIでは、初日から連勝を決めるなど順調に予選道中をこなし優出。優勝戦では展開が厳しくなり、必死に追い込んだが3着止まり。メンバーが揃った0Mオープン戦での展開作りに課題を残したが、エンジンの方は全く問題なさそうだった。今回はハンデ戦がメインの一般開催。得意の追い込みを披露してくれるだろう。
他に、その優勝戦に出ていたのは大木光と加賀谷建明。大木もシリーズ初日から、おおむね好走を連発し、特に重走路の準決ではインベタ走法ながらハイスピードのレースを見せていた。近年の大木は重走路でかなりの自信を付けている。優勝戦は8着だったが、記念で優勝戦まで進めるのだからエンジンは良い部類。加賀谷の方は優勝戦2着で準優勝。それもシリーズ中はオール連対の安定感だった。優勝戦でもスピードある走りを見せていた。
池田政和はGIで初日から連勝。3日目はまさかのフライングで失権。それでもそのレースは2着で、最終日の良走路も1着。重走路でなければパワーある走りができている。佐藤摩弥はGIの初日は不成立になるアクシデント。2日目は1着だったが、肝心の準決は5着で優出を逃した。平田雅崇はエンジンが下降気味で厳しそうだったが、鈴木清の方はシリーズ中に2勝を挙げるなどエンジン的にはマズマズの状態。
外来S級は青島正樹ただ一車。前走の飯塚ではイマイチだったが、その前の川口一般開催では準優勝。川口走路との相性が高まっている。
S級以外では、直前の伊勢崎で優出していた選手が何人か来場。その優勝戦で5着は谷川一貴。現在はB級にランクされているが、これは長期の欠場があったためで、元々持っている実力はA級上位。ハンデ的に軽い今は絶好の狙い目。乗り手の感覚もだいぶ戻っている。優勝戦6着だったのは田村治郎。本来、スピード型の選手で、冬場のこの時期は好走が多い。優勝戦7着は柴田紘志。スタートに難があるが、ハンデ的には恵まれており、スタートを残せそうなメンバー構成なら活躍できる。優勝戦8着は清岡優一。清岡は渋太い走りが身上。展開を味方に、連対するケースが増えてきた。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-3(28期)〕
池田 政和〔川口 S-18(23期)〕
大木 光〔川口 S-21(28期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-33(31期)〕
平田 雅崇〔川口 S-36(29期)〕
鈴木 清〔川口 S-41(23期)〕
青島 正樹〔浜松 S-48(22期)〕
加賀谷 建明〔川口 A-13(27期)〕
好調荒尾聡が連続優勝を目論む!
開催ラッシュが続いている飯塚オート。前回はミッドナイトだったが、今回は昼間の時間帯に移行しての戦いになる。ミッドナイトで優勝した藤岡一樹は今回不在。前回の飯塚昼間開催で完全優勝した荒尾聡がシリーズリーダーに。
荒尾は前々走の山陽GIIでもソコソコだったが、前走の地元3日間開催では初日の重走路で1着。その後の良走路でも全て1着。優勝戦では上がり3.375の好タイムで快勝。完全に本来の走りを取り戻している。今回も同じ時間帯、同じレース場での競争とあって、条件は整っている。気象状況もさほど変化はない。よほどの事がない限りは優出、そして優勝を狙える位置。
その荒尾に追随するのは地元の26期三羽烏。久門徹は前走の川口GIで優出。優勝戦は6着だったが、予選道中は鋭い飛び出しからの速攻が決まっていた。流れとしては悪くないので、今回も初日から激走を見せてくる。篠原睦と田中茂も前走は川口GI。田中茂は思うような結果を残せなかった。篠原も優勝戦には進めなかったが、シリーズ中に2勝を挙げており、エンジン的には戦える状態。地元S級は他に、スピードある滝下隼平や、後半の追い込みに定評ある桝崎陽介が参戦。
外来S級は佐々木啓が依然として好調をキープ。前走となる川口GIでも優勝戦まで進んだ。0オープン戦の7枠からの競争で、序盤の展開がうまく行かなかったが、試走は一番時計をマークしていたようにエンジン面は絶好調。スタートに頼らないレース運びで、中盤から後半の周回にかけて番手を上げてくる。
他に外来S級は金子大輔、渡辺篤、岡部聡の3者。金子はピリッとしない近況だが、前走の山陽GIIでは4走で車券に絡めていた。もうひと仕上げができれば優勝争いにも参加できるだろう。渡辺篤は前走の飯塚ミッドナイトはイマイチだったが、その前の山陽GIIでは優出し4着。その時の走りができればいい。岡部はエンジン並。早々に底上げを図りたい。
A級では阿部仁志、重富大輔、田中進などが前回の飯塚ミッドナイトで優出。伊勢崎の桜井晴光は地元で優出していたが、その日は全ての競争が中止になるアクシデント。予選道中はスピードある走りを見せていたので今回も期待。そして、角南一如が調子を上げてきた。前走の飯塚3日間では、荒尾に敗れはしたが準優勝の結果。久々に存在感を示した。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-6(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-10(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-25(26期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-34(28期)〕
金子 大輔〔浜松 S-17(29期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-28(31期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-26(23期)〕
岡部 聡〔山陽 S-32(19期)〕
今年は最後の伊勢崎開催!
伊勢崎オートは今節で今年走り納め。3日間の短期決戦だが、この後の大一番に向けリズムを上げておきたい選手は多い。S級選手を中心に近況の動きを追ってみる。
伊勢崎の現3強の内、青山周平は川口のGIに遠征しているため今回は不在。高橋貢と早川清太郎がシリーズリーダーになりそうだが、外来から強力な1車が参戦。数期連続で全国ランク1位に君臨する浜松の鈴木圭一郎だ。
その鈴木圭は近況、一般開催ではスーパーハンデからのレースを強いられている。前走となる川口3日間開催でも初日からスーパーハンデで戦っていた。連勝発進を決めて優出すると、優勝戦では不安定走路で追い込み届かず3着だった。ただし、良走路では苦しい展開をモノともせず、強烈な走りを披露していた。その前の伊勢崎一般開催でもスーパーハンデで戦っており、この時も初日から連勝。優勝戦では序盤の仕掛けが決まらず6着止まりだった。今回はその時のリベンジとばかりに闘志を燃やしてくるだろう。
高橋貢は前走の川口から主戦車である「Rウルフ」に乗り戻っている。まだ仕上がり途上ではあるが、今回は地元での開催なので整備などもやりやすいだろう。前走以上の好走に期待できる。早川も前々走から主戦車の「シナモン」に乗り戻っている。そこからは6走して1着が5本、2着が1本とオール連対が続いている。ちなみに前走の優勝戦は、当日の朝練で走路がオイルで濡れるアクシデントがあったため、1R~12Rまで全て競争中止になった。優勝戦で出走予定だった選手は特に悔しい思いをしただろう。早川以外にも今回出場する中では新井淳、米里信秀が優勝戦でレースをする予定だった。
地元S級は他に吉原恭佑、内山高秀、三浦康平、岩田行雄が参加予定。吉原は前走の飯塚3日間開催で、初日から連勝を決め優出。更にその前の飯塚ミッドナイトでも優出しており、エンジンは高い位置で推移中。内山も前走の川口3日間開催で初日から連勝。優勝戦は4着に食い込んだ。三浦と岩田は前走が地元4日間。最終日は走れていないが、シリーズ中はもう少し機力が欲しい状況だった。
外来S級は鈴木圭の他に、山陽から人見剛志が来場。前走の地元GIIでは準決4着だったものの、予選3日間はソコソコの走りを見せていた。重走路にならなければ、切れ味鋭い捌きを発揮できる現況だ。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-8(29期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-15(32期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-31(26期)〕
三浦 康平〔伊勢崎 S-35(28期)〕
岩田 行雄〔伊勢崎 S-44(15期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
人見 剛志〔山陽 S-47(28期)〕
開催ラッシュの飯塚、今回はミッドナイト!
12月3日に優勝戦が終わったばかりの飯塚オートで、今度はミッドナイトレースが開催される。3日のレースで優勝した荒尾聡は不参加。更にS級は3名のみと、A級やB級選手にもチャンスが生まれ、混戦ムードに拍車がかかる。ちなみに今回は7車8R制で実施される。
地元唯一のS級は鐘ヶ江将平。前走は11月17日が最終日の地元3日間開催で、予選道中をしっかりとこなし優勝戦まで進出していた。この優勝戦でフライングを切ってしまった点は気がかりだが、その前の山陽ミッドナイトでも優勝戦まで進んでいたし、エンジンは高い位置で安定していると言える。若手の部類ではあるが、今回は地元のA級B級選手を引っ張っていく存在になる。
外来S級は山陽から丹村飛竜と藤岡一樹。丹村の前走は地元のGIIで初日から連勝。更には準決も1着を取り、優勝戦まで進出していた。優勝戦は不安定な走路で序盤の位置取りが悪く、番手を上げることができず5着に終わった。ただ、シリーズ中の良走路ではソコソコのタイムをマークしていたので、エンジン面は悪くなさそう。藤岡は地元のGIIの後に、今回と同じ飯塚で昼間のレースに出走していた。初日は白星を挙げたが、準決と最終日はいい所がなかった。初日の走りを安定してできるようになると成績も上向いてくる。
A級で最も注目なのは緒方浩一。前走となる地元GIIで、自身2度目の記念V。優勝戦は得意の不安定走路で気持ち良さそうに走っていた。シリーズ中の良走路でも試走29を出すなど、スピード面での良化が図れている。このまま勢いに乗ってくるか。
松尾隆広、池田康範なども気配はいい。松尾は前走の地元では2、3、3着で全て車券に絡めていた。更にその前の地元ミッドナイトではブチ走路で優勝も果たしている。今回と同じレース場、時間帯で、地元ミッドナイト連続優勝を狙ってくる。池田は12月3日の飯塚優勝戦に乗っていた。結果は8着だったが、優勝戦まで進めるのだから状態はいい。
他ではS級に匹敵するスピードの持ち主の重富大輔や、近況は捌きの腕を上げている丸山智史、ハンデ位置を生かしての好走がある今田真輔などにも注目したい。B級では、一発力がある青嶋裕治と岡本信一、レース序盤でリズムに乗れれば軽快な逃げを見せる猪熊龍太にも注意が必要だ。
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主な出場予定選手
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鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-20(31期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-23(29期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-46(29期)〕
重富 大輔〔飯塚 A-26(27期)〕
松尾 隆広〔飯塚 A-51(28期)〕
緒方 浩一〔山陽 A-8(30期)〕
丸山 智史〔山陽 A-15(31期)〕
池田 康範〔山陽 A-217(21期)〕