前回の優出者が多数参戦!
前回に続き、今回の川口オートも出場するメインの選手層は地元勢。今回は8車立てに戻っての競争となる。前回からレース間隔が空いておらず、その時の動きが大いに参考になる。
前回の優勝者である梅内幹雄は今回も参戦。3月23日に周回誤認をして久々のレースだったが、初日から4連勝を決め完全優勝を達成していた。優勝戦は重走路で0ハン単騎から見事な逃げ切り。今回に向けて大きな弾みになった事だろう。ただし、その時は最重ハンの20M前からの競争だったが、今回からは流石にハンデは重くなるだろう。レース序盤の展開がカギになる。
地元の主力は永井大介と中村雅人。どちらも前走で優勝戦まで進んでいる。永井は優勝戦4着だったが、予選道中はマズマズ悪くなかった。ただ、永井の実力を考えればエンジンはまだ仕上がっているとは言えず、ここから更に上積みを求めたいところ。中村は初日から3連勝で優出し3着。その前のSG優出から良い流れをキープできている。
外来の目玉は鈴木圭一郎。前走はSGだったが、ここでは初日の不成立の後に3連勝。優勝戦はレース序盤でペースを掴むことができず7着に終わったが、近況の勢いから今回も優勝争いに参加してくるのは間違いない。浜松からもう一人S級として参戦するのは伊藤信夫。伊藤信も前走はSGで準決は7着だったが、それ以外のレースはソコソコの走りを見せていた。
前回の川口で準優勝だったのは黒川京介。33期の中でトップを独走し、着実に力を付け続けている。良走路でも重走路でも結果を出せるようになってきた。同じ優勝戦に乗っていたのは佐藤裕二や中野憲人。こちらの2人も調子が上がってきている。
佐藤摩弥と山田達也は前走で悔しい結果になってしまったが、エンジン的には十分戦える状態にある。
5月2日の浜松オートの優勝戦に乗っていたのは辰巳裕樹、高橋義弘、橋本優一の3者。辰己はこのところ調子が上がっており、思い切った走りができている。高橋義は本来のスピードが戻ってきている。橋本優はハンデ位置を活かしての粘りが光っている。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔川口 S-6(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-7(28期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-14(31期)〕
山田 達也〔川口 S-24(28期)〕
黒川 京介〔川口 S-26(33期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-35(24期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-25(24期)〕
荒尾聡が絶好調!
前回の当地はSGオールスターオートレースで、地元の27期・荒尾聡が見事な走りで優勝を決めた。今度もナイター開催で、レースの時間帯は同じ。荒尾がこのまま突っ走っていくのか。
SGの時の荒尾は気合が違っていた。相手が誰であろうが、絶対負けない強い気持ちが感じられた。優勝戦はトップスタートではなかったが、そこから怒涛の追い込みを見せていた。エンジンが仕上がっているのは間違いないし、乗り手のリズムも最高潮。今回はメンバーが大幅に軽化されているので、連続優勝も十分狙える。
荒尾と共に、SGで優出したのは篠原睦と浦田信輔。篠原は優勝戦で、先行する佐藤摩弥を交わして一旦は先頭に立った。そこからはペースを上げることができず3着に後退したが、レース序盤はSG初優勝もありそうな気配を見せていた。本人の自信につながることはもちろん、今回の開催にも闘志をぶつけてくるだろう。浦田は5着入線。シリーズ中も良い走りを見せており、今回のような追い込むレースで更に本領を発揮してきそうだ。
他では有吉辰也と岩見貴史がマズマズといったところ。有吉はもうひと仕上がりあれば、上位に食い込めそうだった。岩見は3日目の反則が響いてしまったが、スタートや道中の走りは冴えていた。
外来S級は山陽のみ。その山陽でランクトップの佐々木啓は、長らくエンジン好調が続いている。前走のSGでは準決3着で優勝戦には進めなかったが、レース道中は冷静な走りで見せ場を作っていた。スタートを含めてレース序盤の展開作りにやや難があるので、オープン戦に近いSG開催よりも今回のようなハンデ戦の方が力を出せそう。
山陽でランク次位の丹村飛竜も悪くない。前走のSGでは初日と最終日に白星を挙げて存在感を示していた。他では藤岡一樹が復調ムード。前走のSGでは初日から軽快な走りを見せていた。3日目にフライングをしてしまった点は気がかりだが、そろそろ上昇してきそうな雰囲気。
A級では牧瀬嘉葵が、前走の浜松で優勝を決めてきた。この時は最重ハンの20M前からのレースだったが、今回は流石にハンデ重化は避けられない。それでもリズムは良いので、今回も注目の選手になる。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-10(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-19(26期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-20(25期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-33(29期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-9(23期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-13(29期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-48(29期)〕
状態良い青山周平がシリーズの核!
この開催と同じ日程で行われている川口オートでもそうだが、コロナウィルス感染拡大防止対策として、あっ旋される選手の移動が制限されている。今回は地元伊勢崎と、浜松から数名が来場するのみで、ほぼ地元勢による戦いになる。ちなみに各レース7車立ての12R制だ。
地元S級は9選手が出場予定。その中で最も状態が良いのは青山周平だ。前走となるSGオールスターでは準優勝の結果。優勝戦は序盤で苦しい位置取りになったが、そこから驚異の追い込みを見せ2着入線。優勝こそ果たせなかったが、レース内容としてはかなり価値のある準優勝だった。ここ一連の流れも悪くないので、今回も当然の優勝候補。よほどの事がない限りは優出してくるだろう。
地元3強の内、他の2人は早川清太郎と高橋貢。早川はSGで初日からリズムに乗れず、準決入りを逃してしまった。遠征先での走りに課題を残したままではあるが、4日目は白星を挙げており、全くダメと言うわけではない。今回は走り慣れた地元走路。SGの分まで取り返す走りを見せてくれるだろう。高橋貢は準決まで進めたが7着で優勝戦には乗れなかった。シリーズを通してエンジンの仕上がりがイマイチだったので、今回の地元でしっかりと立て直しておきたい。
吉原恭佑もSGでは見せ場を作ることができなかった。ただし、こういった大舞台で経験を積むうちに底力が自然と身につくというもの。新井恵匠はSGの初日と3日目に白星。準決では力を出し切れなかったが、エンジン的にはまずまずか。内山高秀は初日から着をまとめていたが、肝心の準決では7着。優出はならなかった。田村治郎、松本やすしといったところもSGではイマイチだったので、今回の地元一般開催では頑張りたい。森村亮は前走が川口一般開催だったが、活躍はできなかった。
外来S級は金子大輔と木村武之。少数ではあるが強力な2者。金子は前走のSGオールスターで優出。優勝戦は0Mオープン8枠からの競争で厳しい展開になり6着。予選中や準決などは金子らしいクレバーな走りが見られていた。エンジンがある程度仕上がっているからこそ、乗り手の方も落ち着いて走れているのだろう。伊勢崎走路との相性もバッチリで、前回のような活躍を見せてくれる。木村武はSGの準決こそ5着だったが、それ以外はソコソコの走りを見せていた。今年はまだ波に乗れていないが、そろそろ結果を出したいところ。
A級では吉田恵輔が現在3連続優出中。まだ優勝の経験がない同選手だが、その気運は高まっている。浜松の中村友和は今期A級にランクされているが、スピードだけならS級ひと桁の選手と変わらないモノがある。SGでは準決に反則妨害をしてしまったが、それ以外の4走は1着2本を含む、全て車券に絡めていた。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-3(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-18(32期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-21(30期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-30(26期)〕
金子 大輔〔浜松 S-15(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-17(26期)〕
ほぼ地元勢による開催!
コロナウィルス感染拡大防止対策により、今回は選手の交流が大幅に制限された開催。参加する選手はほぼ地元川口勢なのに加え、各レース7車立てによる競争になる。12R制なのはこれまでと同じ。優勝争いに参加してきそうなS級陣は、前走がSGオールスターで、その時の動きが大いに参考になる。
そのSGで優出したのは佐藤摩弥と中村雅人。どちらもシリーズ中に白星はなかったが、予選道中を順調にこなしての優出となった。優勝戦では佐藤摩が5枠からトップスタート。その後は後退し4着入線となった。初のSG制覇はおあずけとなったが、SGの優勝戦まで進めたのだからエンジンは悪くないし、本人にとってもまた自信につながったことだろう。この結果で、年末のスーパースター王座決定戦出場へほぼ当確と言える。中村雅は優出8着だった。優勝戦は外枠からのレースで序盤に好位を奪えることができず、見せ場のない競争になってしまった。それでも準決などは中村らしい走りができていたので今回も楽しみ。
地元ランクトップは永井大介。SGでは3日目に痛恨の6着があり、準決にも進めなかった。永井にしては珍しい事だが、それ以外は初日の不成立を除き全て1着。そこまで悲観することはないか。同期の若井友和は、SGでは白星がなかったが、着はおおむねまとまっており、エンジン状態はそこまで悪くない。
池田政和は初日から波に乗れていなかったばかりか、最終日には落車妨害。今回の初日の試走には注意を払いたい。大木光と山田達也の28期コンビは、大木が最終日に白星を挙げていたが、以前の安定感は欠けている印象。山田達は連日善戦していたが、オープン戦に近いSGでは勝ち味の遅さが影響していた。ただし今回のようなハンデ戦なら、その辺は心配ない。
フレッシュな若手・黒川京介はSGでそこそこ健闘していた。4日目には白星を挙げるなど、今後の糧にはなっていた様子。森且行はシリーズ中に2回の白星があったように、スタートさえ決まればエンジンを活かせる状態にある。A級では岩田裕臣が前走の地元3日間開催で優出。武器のスタート力を駆使して、レースを盛り上げていた。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔川口 S-6(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-7(28期)〕
若井 友和〔川口 S-8(25期)〕
池田 政和〔川口 S-12(23期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-14(31期)〕
大木 光〔川口 S-22(28期)〕
山田 達也〔川口 S-24(28期)〕
黒川 京介〔川口 S-26(33期)〕
荒尾聡が強烈な走りで、その存在感をアピール!
第39回SGオールスターオートレースは、5日間のシリーズで最後まで好天に恵まれた。ファンの思いを乗せた優勝戦は地元の27期・荒尾聡が制した。荒尾は昨年に続き、この大会を連覇。地元の意地と執念を見せた。
試走タイムは荒尾聡と青山周平が27で一番時計。次いで、鈴木圭一郎、浦田信輔、金子が28。篠原睦、佐藤摩弥、中村雅人が29で、あまり差のない数字。近年のSG優勝戦では珍しいのではないか。
0Mオープンで肝心のスタート争いは、5枠から佐藤摩が飛び出す。これに2枠から鈴木圭が続く。以下は篠原、浦田、荒尾が続いていき、青山は苦しいレース展開になった。
その後は佐藤摩がペースを上げにかかるが、すばやく2番手に立った篠原がイン突っ込む。今度は篠原が逃げ態勢に入るが、そこまでペースは上がらない。この時、荒尾が2番手に浮上。鈴木圭は序盤で態勢を崩し、後方に下がってしまった。荒尾は篠原と一対一に持ち込むと、タイミングを見計らってイン突っ込む。きっちり交わすと、今度は荒尾が逃げに入った。この時、序盤で苦しい位置にいた青山が猛烈な追い込みを見せ、2番手まで浮上。しかし、荒尾は遥か前方にいたし、そこから差を詰めることはできなかった。荒尾が後続を引き離して栄光のゴールを迎えた。
荒尾はSGオールスターを連覇。2007年に初めてこのタイトルを制してから3度目のオールスター優勝。他のSGタイトルは2017年にスーパースターを制しているだけなので、4度のSG優勝の内、3度はこのタイトル。ファンの投票によって選出されるこの大会に、特別な思いがあるのだろう。しかし、荒尾の底力には感服させられる。以前はスタート力は全国屈指だが、独走時のスピードに不安がある感じだったが、今ではスタートはそこまででもなくても、道中の車速の乗りが良くなっている。スピード力が増している。これはSGなどの大舞台では大きな戦力。SG優勝回数も更に増えていくことだろう。