山陽の新走路で若獅子杯開幕!
11月11日から5日間、山陽でGII若獅子杯が行なわれる。28期から32期の選手が集結し、走りの技術が競われる。若手揃いだけにハイレベルなスピード戦が展開されそう。更に、今回から山陽オートは新走路。フレッシュな戦いを制するのは誰か。
今回出場するS級選手の前走は、川口で行なわれたSG日本選手権。優勝戦まで進んだのは鈴木圭一郎、田村治郎、佐藤貴也の3人。準決が雨だっただけに、良走路だけではなく雨走路もこなせればならなかった。この3人は天候に左右されない柔軟さがある。最も勢いがあるのは鈴木圭か。デビューしてから着実に成長しており、スピードだけならS級ひと桁の選手にも引けを取らない。スタートも良くなっており、今回も優勝戦まで駒を進める可能性は大。田村もスピード力が増しており、今回のような大会に必要なスキルは問題ない。佐藤貴も状態は上向き。闘志溢れる走りで競り合いにも負けない強さがある。
ランキング的に注目なのは金子大輔。若手に限らず、全選手の中で現在ナンバー1。若手の中では落ち着いて乗れる方で、レース展開の読みは抜群。前団の動きを見ながら冷静に車を操って行ける。青山周平は全国ランク6位だが、今回の若手の中では金子に次ぎ技量はある方だ。スタートとスピードは問題ない。前を走る若手選手のコース取りに翻弄されなければ、キッチリと結果を残せるだろう。
追い込み力で上位級なのは早川清太郎。スタートの甘さはやや気になるが、追い上げに関しては金子や青山に負けてない。前団が混み合っていても入っていける腕がある。地元の人見剛志もどちらかと言うと追い込みタイプ。今回は地元S級が一人だけなので、気を張って臨んでくるだろう。
逆に速攻タイプは平田雅崇や岩見貴史。スタート力があるので、短ハンデ戦で最大の力を出せる。レース道中の動きが良いのは大木光、桝崎陽介、新井恵匠など。展開が厳しくなっても克服できる精神力がある。また、現在女性レーサーで唯一のS級は益春菜。1級車に乗ってから確実に成長しており、優勝戦まで進んでも何もおかしくない。前走の浜松で3度目の優勝を決めた中村友和も大注目。元々、スピードには定評あったが、近況は捌きも身に付けている。地元船橋で準優勝した小林悠樹も、スタート力があるので注目したい存在。
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主な出場予定選手
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人見 剛志〔山陽 S-33(28期)〕
金子 大輔〔浜松 S-1(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
青山 周平〔船橋 S-6(31期)〕
鈴木 圭一郎〔船橋 S-15(32期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-22(29期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-28(28期)〕
平田 雅崇〔川口 S-27(29期)〕
S級は少数でも精鋭揃い!
今回出場するS級選手は6人だけの予定だが、その6人全てが好調車。A級、B級選手にとっては厳しい戦いになるが、果敢に挑んでいきたい。オートレースにはハンデがあるので、それを巧く活かしていけば十分結果を残せる。
S級6人の中で、特にこの3人は仕上がりがズバ抜けている。永井大介、高橋貢、荒尾聡だ。と言うのもこの3人は先日、川口で行われたSG日本選手権の優勝戦のワンツースリー。永井が優勝で、荒尾が準優勝、高橋が3着だった。3人の中で最も仕上っているのは永井。優勝戦では先頭に立つと、後続を引き離す圧巻のレースっぷりを見せ付けた。今回も同様の動きを出せれば、誰も永井には勝てないのではないかと思わせる。ただし、高橋も黙ってはいない。今回開催される伊勢崎は高橋の地元走路。伊勢崎の気候を熟知している事や走路状態の把握、整備のやりやすさなどアドバンテージがいくつかある。簡単には永井の思うようにはさせないだろう。また、荒尾の動向にも注意したい。選手権の優勝戦でも見せたスタートは強力な武器。現時点でスタート力は全選手の中でもナンバー1。今回も永井、高橋と同じレースになっても、度肝を抜くスタートからの速攻で先着するシーンも十分ありそうだ。
他のS級は田中茂、岩崎亮一、佐々木啓の3人。日本選手権では優勝戦まで行けなかったが、エンジン自体はソコソコ良好。特に、田中と岩崎は選手権の準決で3着と惜しいレースを見せている。田中はオープン戦よりも今回のようなハンデ戦の方が向いている。岩崎はオープン戦や短ハンデ戦で持ち味を出せるタイプだが、今回のメンバーならハンデ戦でもしっかりと追い込んで行けるだろう。一時期ほんの少しだけ調子を落とした佐々木だが、整備によりエンジン立て直してきている。基本的にエンジンは安定している。スタート、捌き、スピード、雨走路と全ての面において死角はない。オールラウンダータイプ。
S級以外でも優勝のチャンスを虎視眈々と狙っている選手はいる。浅香潤はS級選手にも引けを取らないスピードの持ち主。桜井晴光にしても同様のことが言える。ただし、この両者は前団がゴチャ付いてると浮上できないケースもあり、相手比較での取り捨てになりそう。それでも爆発的な車速は魅力。逆に、混戦で力を最大限に発揮できるのは五十嵐一夫。前団が混み合っていてもインを突いてジワリを浮上するタイプだ。
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主な出場予定選手
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高橋貢〔伊勢崎 S-10(22期)〕
永井大介〔船橋 S-5(25期)〕
荒尾聡〔飯塚 S-7(27期)〕
田中茂〔飯塚 S-11(26期)〕
岩崎亮一〔山陽 S-8(25期)〕
佐々木啓〔山陽 S-12(23期)〕
浅香潤〔伊勢崎 A-14(23期)〕
桜井晴光〔伊勢崎 A-44(26期)〕
地元勢が総力を挙げて牙城を守る!
SG日本選手権の興奮冷めやらぬ川口で、7日から4日間の一般開催が行われる。地元のS級は7人参加予定で、外来勢を迎え撃つには十分の構え。どのような戦いが展開されるのか。
地元のS級で最も状態が良いのは若井友和。先の日本選手権で優出している。エンジン自体はかなり高い位置にあると思われる。今回はハンデ戦になるが、前団が混み合っていても力強く進んでいける技術がある。地元勢をまとめ上げ、引っ張って行く存在になりそうだ。
若井と同期の森且行もエンジンは悪くない。試走は連日好タイムを出していた。走りの特徴として、レース後半は仕掛けが少なくなる傾向がある。スタートを含めて序盤の攻めがカギになりそう。攻撃力の高さで言ったら佐藤裕二もかなりのモノがある。前を走る選手がインコースを締めて走っていても、そのインに強引に入っていける勝負根性がある。困難な展開でも打破して行ける。レース運びが巧いのは中野憲人。SGでは全てオープン戦だったため課題のスタートで苦しい展開になることが多かったが、今回のようなハンデ戦なら持ち味を最大限に発揮できる。前を走る車の動きを見ながら、ナカから交わすか外から捲るか判断して仕掛けて行く。レース後半に威力を増すのが山田達也。序盤の仕掛けの甘さはあるが、ハンデ戦なら6周回をフルに活かして追い上げて行ける。鈴木清は逆に速攻タイプ。スタートで前の選手を叩いて、序盤で先頭に浮上するケースが多い。最後に加賀谷建明。フライング多発で、SGのオープン戦では活躍できなかったが、ハンデ戦なら追い込んで行ける。走路温度が低くなるこの時期は特に追い込みが効く。
外来勢で有力なのは浜野淳。今年は大きいレースで結果を残している。先のSGでもエンジンはそう悪くなさそうだった。卓越した捌きで魅せるレースができる。同じ山陽からは岡部聡も参戦。スタートを含め、仕掛けが早い方ではないが、堅実な攻めでレース後半追い込んでくる。天候に関わらず狙える強みもある。遠藤誠や久門徹は爆発的なスタートから一気の攻めを見せるタイプ。早船歩はエンジンがマズマズ安定。ここ最近は攻めに積極的な面が見られる。
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主な出場予定選手
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佐藤裕二〔川口 S-17(24期)〕
若井友和〔川口 S-20(25期)〕
加賀谷建明〔川口 S-26(27期)〕
森且行〔川口 S-46(25期)〕
早船歩〔船橋 S-18(27期)〕
遠藤誠〔浜松 S-47(25期)〕
久門徹〔飯塚 S-25(26期)〕
浜野淳〔山陽 S-21(24期)〕
永井大介が日本選手権4度目のV!
川口で行われたSG日本選手権は、船橋所属の永井大介がパワーのある走りでブッチ切った。永井にとっては今年初めてのSGV。胸にこみ上げてくるモノもあっただろう。
最内の荒尾聡が注文通りのスタートを決め主導権を握る。マズマズのスタートを切った鈴木圭一郎が、1周バックストレッチで中団をすり抜け2番手に立つ。しかし、永井がすかさず捌き、鈴木に代わり2番手に。鈴木はその後、すぐに永井を差し返す動きを見せるが入りきれず。むしろ、後ろを走っていた高橋貢に交わされてしまう。
逃げる荒尾を永井が追う展開。少しずつ差が詰まって行く。5周回2コーナーで、荒尾が軌道を乱す。立ち上がりでやや流れてしまう。そこを永井が見逃さずイン入り込む。これが功を奏し永井は先頭に立つ。ここからは独壇場。永井が2番手以下を引き離す一方の横綱相撲。脅威の上がりタイムで圧勝した。2着には、高橋の猛追を振り切った荒尾が残り、4着には鈴木が粘った。佐藤貴也、中村雅人、若井友和は見せ場もなく終始後方のままだった。
今節は永井の走りが光っていた。予選中から気合の入ったレース運びを見せていた。エンジンも納得いく状態になっていたのだろう。永井らしい力強い走りができていた。
永井は船橋支部長として、レース以外にもいろいろと仕事がある。時間を割かれ、体力を削がれ、精神力を擦り減らされる。そのような厳しい状況にも打ち負けず、SG最高峰の舞台で結果を残すのは流石の一言。レースを含め、これからもオートレースを引っ張って行く存在であり続けてもらいたい。
好調者不在で大混戦の様相!
今回は直前にSGが行なわれている関係で、S級選手は不在。更にA級でも有力な選手は参加していないので、誰にでもチャンスがある。3日間開催で2日目に行なわれる準決は8個レース。最終日の優勝戦は7周回で行なわれる。選手のタイプ別に注目の選手を挙げていく。
まずは巧腕タイプ。今回出場する選手の中で、最も捌きがあるのは山陽の小林啓二。前走の浜松では優勝戦まで進めなかったが、最終日の選抜戦は1着で締めている。軽ハンでペース上げる選手がいなく、混戦になりそうなレースでは最大限の力を発揮できるだろう。同地区の松本康晃も混戦に強いタイプ。こちらはハンデがやや軽いので、序盤で後ろの選手にスタートで叩かれないかが不安。しっかり残せれば好レースを見せられる。同じくスタート不安だが捌きがあるのは田島敏徳。現在2連勝中。
地元で捌きがあるのは牧野貴博。試走タイムがやや劣勢でも狙っていける。栗原勝測も同じタイプ。試走タイムが出なくてもインをシッカリ回って結果を出すタイプ。岩佐常義も安定したコース取りで渋太さがある。
次に速攻タイプ。今回出場する地元では小林悠樹が典型的な速攻型。スタート力は2級車の時から定評があり、序盤の仕掛けも早い。ただし、前走の最終日に反則したのが気がかり。深沢隆もスタート力があり、インコースを外さずに回る走法。西村健も一気の抜け出しから粘り込むタイプだ。
外来では鈴木辰己が速攻得意。絶頂時の迫力は薄れているが、そのスタート力は健在。10M前の選手がスタート甘いと、迷わず叩き込んで行く。今回はメンバーも軽いので、優勝戦まで駒を進める可能性ある。同地区の鈴木静二も速攻が巧い。同ハンに何車か並んだ外枠に置かれても、1コーナーに飛び込むまでにはカマシて行くケースが多い。山陽は池田康範が速攻タイプに当てはまる。こちらはレース後半に伸びが止まる傾向あるので、序盤で先頭まで抜け出せるかがカギ。
最後にスピードタイプ。地元でスピードがあるのは佐久間健光と白次義孝。どちらもスタートにやや不安を抱えているが、道中でツボに入った時の車速はかなりのモノ。冷えてくるこの時期は活躍が期待できる。スタートも走りもムラあるが、爆発力が高いのは新村嘉之。試走タイムに関係なく強烈な走りを見せる時がある。平川博康もスピードはある。課題のスタートも近況は良くなってきている。
外来では千葉泰将や田中進など。どちらも安定した走りができるタイプではないが、時折り大駆けを見せる事がある。
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主な出場予定選手
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小林 悠樹〔船橋 A-2(28期)〕
落合 淳〔船橋 A-68(29期)〕
佐久間 健光〔船橋 A-85(26期)〕
永瀬 敏一〔船橋 A-96(11期)〕
小林 啓二〔山陽 A-33(8期)〕
鈴木 辰己〔浜松 A-75(13期)〕
青山 文敏〔飯塚 A-80(16期)〕
福田 勝則〔伊勢崎 A-86(24期)〕