本格的な冬到来でレースも高速化!
オートレースは夏場よりも冬場の方がスピードが出る。それは、タイヤが走路によく食い付くため、グリップが開けやすくなるからだ。冬場のセッティングをいち早く掴んだ者が、優勝のチャンスを得られる。
地元のランクトップは佐藤裕二。26日まで浜松で走っていた。肝心の準決で5着になり、優勝戦までは進めなかったが、初日1着で、最終日は2着。まあ、全体的には悪い状態ではない。地元勢を引っ張っていく存在になるか。大木光は前走が山陽GIIの若獅子杯。2連勝で迎えた3日目に凡走で準決に乗れなかった。この時は走路状態が特殊で、エンジンのセッティングを出しづらい状況にあった。地元に帰ってくれば、いつもの整備が決まる。
地元の他のS級選手は前走が伊勢崎GIシルクカップ争奪戦。しかし、優勝戦まで進んだ選手はいなかった。準決で3着と、善戦したのは中野憲人と鈴木清。中野は最終日以外は全て3着。諦めない走りで3連対には絡んでいた。レース後半の追い込みは相変わらず鋭い。鈴木清はこのところあまり出ていなかった試走タイムが、ようやく出るようになってきた。走りの方はスタート速攻からのイン攻め。若井友和と平田雅崇は、悪くはないがもう少し欲しい状態か。加賀谷建明はスランプに入っている。フライング多発で、スタートが攻められないのが一因。益春菜もいいところがなかった。恐らく走路にエンジンが合わなかったため。地元に帰れば大丈夫だと思いたい。
外来S級で注目なのは岩崎亮一。前走の飯塚ミッドナイトレースでは、連勝で優勝戦まで進むと、優勝戦も3着に入った。当地との相性も悪くないので、初日から活躍できそう。同じミッドナイトで優勝戦まで進んでいたのは重富大輔。課題のスタートは良い時もあれば悪い時もあるが、冬場のスピードレースは得意。序盤で多少モタついても、巻き返して行ける車速がある。角南一如もエンジンはマアマアの状態。やはり冬場の方が活躍できるタイプ。松尾啓史と西村龍太郎はエンジン下降気味。
伊藤信夫は地元の開催では準決4着だったが、それ以外は全て1着。試走タイムも出てきており、復活の日も近い。渡辺篤、田村治郎はエンジンが安定しない。それでも良い日はあるので、その時を狙い撃ちしたい。大幅に良化しているのは藤岡一樹。ちょっと前まで良走路はイマイチだったが、ここに来てスピードが出てきている。浜松で優勝した中村雅人を一時は逆転できそうな動きがあった。
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主な出場予定選手
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佐藤 裕二〔川口 S-17(24期)〕
若井 友和〔川口 S-20(25期)〕
益 春菜〔川口 S-40(32期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-8(25期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-23(26期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-24(24期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-48(31期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-37(30期)〕
充実地元勢を中心とした3日間短期決戦!
前回のミッドナイトから昼間に移行しての飯塚開催。今回は3日間シリーズで、初日がいきなり最終予選となる。恐らく、主力勢は分散されるので、初日は高配当は望めないものの、当てやすい番組構成になりそう。
前回ミッドナイトは、初日こそ良走路だったものの2日目、最終日は重走路となった。大将格・浦田信輔は準決の雨に泣いた形。ただし、最終日の重走路は気合でこなし1着。今後に繋げた。天候を問わない魅力がある田中茂はしっかり優出。遅い時間帯でのレースにも対応する柔軟さを見せた。この節で優勝したのは滝下隼平。初日からオール1着の完全V。その前の節の川口からエンジンは仕上がっていた。今回も当然、優勝候補の一人に挙げられる。他に優出したのは高林亮と松尾隆広。雨もこなせる強さに加え、車も直線がよく伸びている。
前走が伊勢崎のGIだった選手も多い。そのシルクカップで見事優勝してきたのは久門徹。久門らしい好スタートからの速攻。そして、逃げ切り。久々の記念制覇で調子も上がってくるだろう。同期の篠原睦も優勝戦まで進んだ。武器のカマシがそこまで決まらず、優勝戦では苦しいレースを強いられた。しかし、予選道中の動きを見る限り、エンジンはソコソコ安定しているので、今回も初日から飛ばしていく。そして、永井大介も優勝戦まで進み6着。優勝戦では精彩を欠いたが、そこまでの動きは本来のモノだった。優勝戦だけセットが失敗したのだと思われる。それほど不安はない。
松本やすしにとっては地元開催だったが、力を出し切れなかった。その前の山陽GIIでは優出していたので、その時の走りを取り戻したい。遠藤誠は2日目に妨害行為を犯し、勝ち上がり権利を喪失。その後もエンジン的にイマイチだったので、立て直しに期待したい。他にS級で参戦していたのは桝崎陽介、竹谷隆、早船歩。いずれももう一歩の状態だった。
上昇ムードは東小野正道。前走の川口で優出してきた。最近は以前のような強引さが影を潜めているが、ここいらで復活の狼煙を上げたいところ。浜野淳は東小野とは違う節の川口以来。近況はエンジンが安定していない。試走をよく見ての取り捨てになる。他には、山陽GIIで優出してきた平塚雅樹や、川口で優出した斎藤隆充あたりが調子を上げている。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-3(23期)〕
田中 茂〔飯塚 S-11(26期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
久門 徹〔飯塚 S-25(26期)〕
永井 大介〔船橋 S-5(25期)〕
浜野 淳〔山陽 S-21(24期)〕
松本 やすし〔伊勢崎 S-42(32期)〕
遠藤 誠〔浜松 S-47(25期)〕
豪華メンバーでの3日間開催!
今回は3日間の一般開催ながら、メンバーはなかなかに強力。S級陣がシリーズの中心になって展開されそう。外来勢の猛攻を地元勢が受け止めきるか。
今回出場するS級の大半は、前走が山陽GIIの若獅子杯か、川口の3日間一般開催に分けられる。もちろん、他にも川口SG以来の伊藤信夫や、飯塚のミッドナイトレース以来の荒尾聡などもいる。
まずは若獅子組の動向から。全国ランクトップの金子大輔は、肝心の準決で5着になり優勝戦には進めなかったが、5日目のシリーズで3勝を挙げているようにエンジンは悪くない。若手期待の星・鈴木圭一郎も準決は3着で涙を飲んだが、シリーズ中はオール3連対。1着も3本決めている。様々な状況でのレースを経験し、乗り手の対応力はアップしている。川口のSGで優出し、勢いに乗りたかった佐藤貴也は、若獅子では全体的に成績がパッとしなかった。今年は船橋のGIを制し、調子も上がっていた岩見貴史も佐藤同様、若獅子ではイマイチな結果に終わった。地元走路だった人見剛志は、初日、2日目と白星を挙げたが、その後は失速。悔しいシリーズになった。しかし、この時の若獅子は、山陽が新走路になって1節目の大会。どの選手もエンジンを天候や走路状態に適合させるのが難しかったと思われる。
もう一つの川口組。最も良い成績を残したのは山田達也。自身、約3年振りとなる優勝を決めてきた。優勝戦は雨走路だったが、予選中の良走路での動きも良かった。同じ優勝戦に乗っていたのは中村雅人、佐藤裕二、内山高秀。中村と内山は、優勝戦で川口の雨走路に合わせられなかったが、中村は晴れに関しては問題ない動き。内山はもう少し欲しい状態だが、まあ戦える状態にはなっている。佐藤もエンジン状態はマズマズで、気合の入った突っ込みができている。西原智昭はエンジン流動的。良い時もあれば、イマイチな時もある。
業界初のミッドナイトレースを走ってきたのは荒尾聡。普段慣れない時間帯でのレースだったが、3日間開催でオール2着。対応力の高さを見せた。川口のSG日本選手権以来になるのは伊藤信夫。その時は力を出し切れなかった。今回は地元で立て直しといきたい。
A級では、最も若い32期ながらすでに3回の優勝を経験している中村友和。良走路での調子が戻ってきている藤岡一樹。武器の速攻が健在な青島正樹、笠木美孝の22期コンビ。逃げるレースで持ち味を出せる矢野正剛などに注目を。
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主な出場予定選手
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金子 大輔〔浜松 S-1(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-9(29期)〕
中村 雅人〔船橋 S-2(28期)〕
鈴木 圭一郎〔船橋 S-15(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-7(27期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-17(24期)〕
山田 達也〔川口 S-30(28期)〕
人見 剛志〔山陽 S-33(28期)〕
久門徹が4年振りにGI制覇!
伊勢崎で行われた第39回シルクカップ争奪戦は、飯塚の久門徹が魂の走りで制した。毎レース善戦は多いが、最終的な結果に結びつきにくかった久門。久しぶりにタイトルを奪取し、本人も思うところがあっただろう。
良走路で行われた優勝戦。試走タイム一番時計は、久門と岡部聡、早川清太郎、篠原睦の30。次いで、三浦康平、池田政和の31。永井大介は32。岡松忠が34とやや大きい数字。
スタートは最内から岡松が飛び出す。しかし、1周バックストレッチで三浦が早々と交わす。独走力ある三浦が逃げ態勢を築くかと思われたが、久門が早い段階で差し込む。そこからの久門は神経をすり減らすレース。タイヤを滑らせないようにしながら、抜かれないコースを走り切る。すぐ後ろでは池田がピタリ追走。そして、再三にわたる果敢なアタック。その全てを久門が封じ切り、先頭を守ってのゴール。ゴール直前ではチョイ差しを警戒して周りを確認。池田がそのまま2着入線。岡部が3着に食い込み、実力者・永井は序盤で好位を奪えず後方のまま。篠原や早川もいいところがなかった。
選手としてはかなり早熟と言われた久門。デビュー翌年にはGIIを制し、その2年後に再びGIIを制す。そして、デビューして4年後には最高グレードであるSGを制覇。この時はまさに破竹の勢いだった。その2年後には、再びSGを獲った。しかし、その後はスランプ。記念レースで優勝戦まで駒を進めることはあっても、優勝争いにまで参加することは少なくなった。2011年に浜松のゴールデンを制した時は、復活を予感させたが再び低迷。そして、ここにきてまた結果を残した。
久門は早熟ではあったが、それだけで終わるわけではない。むしろ、不死鳥に近いイメージ。調子の悪い期間が長くなろうとも、何度でもよみがえる。何度でも立ち上がる。何度でも魅せ続ける。
カマシ炸裂させる永井大介が一気に!
伊勢崎のGIシルクカップ争奪戦も優勝戦を迎えた。予選、準決を通して良い天気でレースが開催された。戦前の週間予報では、優勝戦の日は雨になりそうだったが、直前の予報では雨は午後6時以降になりそう。恐らく、優勝戦の時間は良走路で行われそう。
優勝戦のハンデ構成は10Mオープン戦。最内の岡松忠は、今節が始まった時点では最重ハンの10M前だったが、準決から最重ハンにハンデが引っ張られた。その受難をモノともせず、見事に優勝戦まで駒を進めた。
10Mオープン戦は、0Mオープン戦と違って内枠が断然有利。優勝戦のスタート争いは、岡松が先行すると思われる。それに、三浦康平が乗って行く形。もしくは久門徹が乗って行くか。
岡松の逃げでどこまでペースが上がるか。もしくは、岡松を交わす三浦や久門で外枠勢を振り切れるかどうか。4枠から外のスタート争いは流動的。池田政和が4番手に出ることもあるし、篠原睦がカマシ気味で出る可能性もある。篠原が好スタートを切ると永井大介も乗って行きやすい。
当ブログでの本命には永井を推す。10Mオープンの大外は展開的に苦しい。しかし、今回の永井は初日から安定した走りを見せている。今年前半の不調をまとめて取り返す勢いだ。篠原のスタートに乗って出て、一気に好位を奪い、あっさりと勝負を付けるとみた。
相手候補には篠原を挙げる。エンジン状態に関わらずスタート力は安定しているし、道中の走りもしっかりしている。これだけの力量を示しながらGI以上の優勝がないのが不思議なくらい。優勝戦もある程度のスタートを見せ、自分の展開に持ち込めればGI初制覇もできる状態。次に推したいのは早川清太郎。高橋貢が優勝戦まで進んでいない以上、早川が地元の牙城を守る一番手。不安のスタートも、ここ一番では枠ナリに切れることもあり、それができるなら優勝争いにまで参加できる。GIの優勝戦で2周延びるのは、早川にとって好材料。池田も復調ムードで怖い存在。元々、冬場のスピード戦は得意とする。今回出ているタイム的に十分通用する。一発あれば、三浦康平。一時期の爆発的な活躍は見られないが、スピード面では常に警戒したい存在。10Mオープンの2枠なら、早めに先頭に立ってリズムを掴むと、展開がどうなるか全く分からない。
◎永井大介
○篠原睦
△早川清太郎
△池田政和
▲三浦康平