平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。元騎手の目線からレースを分析から、現役時代の思い出など、様々な話題を楽しく書き綴ってまいります!
平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。元騎手の目線からレースを分析から、現役時代の思い出など、様々な話題を楽しく書き綴ってまいります!ということで、総合成績はこちらです!
1位:岩永千明騎手 25P
2位:増沢由貴子騎手 25P
3位:山本茜騎手 23P
4位:別府真衣騎手 22P
5位:皆川麻由美騎手 15P
6位:下村瑠衣騎手 10P
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1位は同ポイントですが、2戦目の成績上位ということで岩永千明騎手!
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「勝てて本当に嬉しいです。
サイレントステージは、同期の高松騎手が乗っていたので色々教えてもらいました。
1戦目が終わった後、内田利雄騎手にもアドバイスをもらいました。
荒尾所属としては、今回が最後のLJSです。
荒尾を背負って頑張ります!
1位で荒尾ラウンドを迎えられるので、この勢いで2連覇を目指します」
荒尾の話になると少し涙ぐみながら、この先の健闘を誓ってくれました。
昨年は大逆転で初優勝を手にした岩永騎手。
今年はこのまま逃げ切り優勝なるか、注目です!
2位は1位と同ポイントの増沢由貴子騎手。
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「久しぶりのレースで不安もあったけど、まずまずのスタートが切れて良かったです。
どこかのレースでは絶対に勝ちたいですね。
この後まだ4戦あるので、気を引き締めて頑張ります」
とても8か月ぶりのレースとは思えなかった増沢騎手。
毎日何頭も調教を付けているし、しっかりとした騎乗技術の持ち主。
レース勘も鈍ることなく、2着3着と健闘を見せてくれました。
初優勝に向けて、この勢いで頑張って欲しいです!
3位は1戦目を完勝した山本茜騎手。
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「昨年は自分らしい騎乗が出来なかったけど、今年は1戦目に勝つことが出来て、いいスタートが切れました。
荒尾ラウンド、福山ラウンドも、上位目指して頑張ります!」
山本騎手は、現在釜山で騎乗中。
前日もレースに騎乗して、当日の朝日本入り。
そして、すぐに釜山にトンボ返りという超ハードスケジュール。
もともと技術の高さには定評がありましたが、釜山での活躍で、さらにパワーアップした印象。
釜山遠征の期間も延長が認められたし、日本だけでなく、韓国でも大活躍を期待しています。
4位は別府真衣騎手。
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「盛岡ラウンドは勝つことが出来なかったけど、ポイント差も少ないので、この後の逆転に賭けます。
昨年は大逆転されちゃったので...今年は真衣が逆転します!」
別府騎手は、韓国・ソウルで活躍中。
現在は乗り鞍がかなり増えて、勝ち星も伸ばしています。
山本騎手と同じように、日本を飛び出してさらにパワーアップ。
昨年は大逆転で悔しい想いをしましたから、今年は雪辱を期待しています。
5位は皆川麻由美騎手。
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「地元だったのに、うちが一番破天荒な乗り方したんじゃないでしょうか(苦笑)。
まだまだ差は少ないので、優勝狙ってます!
もう優勝しか欲しくないですからっ」
地元のファンに、本当に愛されている皆川騎手。
騎手紹介で挨拶した時も、表彰式に登場した時も、大きな声援と大きな笑いが巻き起こっていました。
とにかくサービス精神旺盛で、笑顔を絶やさない皆川騎手。
後半にどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみです。
6位は初参戦となった、下村瑠衣騎手。
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「初めてだったのですごく緊張したんですけど、あっという間の時間でした。
先輩たちも優しくて、楽しかったです。
結果は良くなかったけど、いい経験が出来ました。
荒尾と福山も楽しみです!」
若干18歳の下村騎手。
その可愛いアニメ声に、もうメロメロです♪
青森県出身の下村騎手は、なんと今回、ご両親や親族、お友達御一行がバスで応援に駆けつけました!
今年デビューしたばかりのニューフェイス。
今後どんな成長を見せてくれるでしょうか!
荒尾ラウンドは12月1日、最終決戦の福山ラウンドは12月19日です!!
さぁ、今年も始まりました『レディースジョッキーズシリーズ』。
開幕戦は、LJS初となる盛岡競馬場です。
当日は寒いながらもよく晴れて、決戦に相応しいお天気となりました♪
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今年の出場騎手は6名。
JRA所属:増沢由貴子騎手
北海道所属:下村瑠衣騎手
岩手所属:皆川麻由美騎手
名古屋所属:山本茜騎手
高知所属:別府真衣騎手
荒尾所属:岩永千明騎手
北海道所属の笹木美典騎手は、残念ながら怪我で休養中。
高知の森井美香騎手は、現在産休中です。
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レース前はみんなで和気藹々、リラックスした雰囲気ですが...
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レースになるとキリリと引き締まった表情を見せるジョッキーたち。
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第1戦の『アルテミス賞』は、岩永千明騎手が逃げて、山本茜騎手が2番手。
内枠を利用して、増沢騎手も好位につけます。
他の騎手がコーナーで追い出すのに対して、山本騎手は直線を向いても持ったまま。
直線半ばで少し仕掛けて先頭に立つと、そのまま余裕たっぷりで勝利☆
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山本茜騎手
「馬が強すぎました。ほとんど追うところもなかったです。
いい馬に乗せてもらえて、関係者のみなさんに感謝しています」
2着は、渋太く伸びた増沢由貴子騎手。
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増沢由貴子騎手
「久しぶりの実戦でしたが、道中楽に追走出来たし、勝負所の手ごたえがバツグンでした。
人気薄でしたが、よく頑張ってくれましたね」
そして3着は、地元岩手の皆川麻由美騎手。
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皆川麻由美騎手
「せっかくいい馬に乗せてもらったのに、上手く乗ることが出来ませんでした...。
悔しいです」
1着:山本茜騎手 20P
2着:増沢由貴子騎手 15P
3着:皆川麻由美騎手 10P
4着:別府真衣騎手 7P
5着:岩永千明騎手 5P
6着:下村瑠衣騎手 3P
第2戦の『ガイア賞』は、別府真衣騎手が果敢に逃げて先頭、岩永千明騎手がぴったりマークで2番手。
少し離れて、皆川騎手、増沢騎手が続きます。
直線では、前2頭の一騎打ちかと思われましたが、岩永騎手の手ごたえ優勢で、力強く伸びて1着☆
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岩永千明騎手
「終始手ごたえがよくて、最後まで伸びてくれました。
勝てて本当に嬉しいです!」
2着は、抜かれてからも差し返すそぶりを見せた別府真衣騎手。
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別府真衣騎手
「渋太く頑張ってくれましたが、勝った馬が強かったですね。
最後まで止まってないし、差し返すところもあって、本当によく頑張ってくれました」
3着は中団から伸びた増沢由貴子騎手。
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「4コーナーで伸びてくれて、前に付いて行けたのが良かったです
渋太く頑張ってくれました」
1着:岩永千明騎手 20P
2着:別府真衣騎手 15P
3着:増沢由貴子騎手 10P
4着:下村瑠衣騎手 7P
5着:皆川麻由美騎手 5P
6着:山本茜騎手 3P
10月10日、東京競馬場で行われた『南部杯』。
岩手の星【ロックハンドスター】が、スタート直後に競走中止し、予後不良というとても残酷な結果となってしまいました。
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パドックでのロックは、並み居る強豪の中に混じっても臆することなく落ち着いて歩いていました。
生でロックを見たのは昨年の『JDD』以来。
前はお腹回りやクビ回りなどが、少し線が細い感じでしたが、今回はお腹回りがムッチリとしていて、全体的にパワーアップしている印象でした。
返し馬では、今回初のパートナーとなった菅原俊吏騎手が、何度も芝とダートの切れ目を通って、ロックに見せていました。
それでも、レースでは切れ目を嫌ってジャンプしてしまい、その影響で骨折...予後不良と判断されてしまいました。
初めてロックに会ったのは、2009年の未来優駿『若駒賞』。
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まだあどけない表情をしていましたが、すでに圧倒的な強さを見せて、これからの岩手を背負って立つ雰囲気を持っていました。
年が明けて、2010年の『岩手ダービー・ダイヤモンドカップ』。
この時には、すでに勝つことは当然で、それよりもどう勝って南関東に乗り込むか...ということが重要になっていました。
「ダービーを勝つことが当然」というプレッシャーは、計り知れなかったと思います。
もともと、そんなに強い体質ではなくとても繊細な面があって、食も細くなかなか体が大きくならないという課題がありました。
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そんなロックを、陣営は細心の注意を払いながら鍛え上げ、岩手ダービーを圧勝!
大井『ジャパンダートダービー』へ駒を進めました。
しかし、初の南関東遠征では見せ場なく、ロック本来の輝きを見せることは出来ませんでした。
この時菅原勲騎手は、
「強い相手に揉まれて強くなるのか、心が折れていじけてしまうかは馬次第。ロックがどっちになるかは、この後の走りでわかる」
と仰っていました。
繊細な馬だけに、くじけてしまうんじゃないか...そんな不安が心を過ったと、後になって話してくれました。
続く『黒潮盃』では、『JDD』の時よりもペース慣れして5着入線。
地元に戻ってからの初戦は古馬と戦って2着。それでも、3着以下を9馬身以上突き放してのもの。
このレースで、ロックはくじけずに成長している...そう感じました。
『不来方賞』を圧勝し、迎えた『ダービーグランプリ』。
岩手三冠がかかったこのレース、大井『羽田盃』を勝った【シーズザゴールド】が遠征して来て、1番人気の座を奪います。
レースは4番手外の位置から進み、直線では前に粘る金沢【ナムラアンカー】、すぐ後ろには【シーズザゴールド】がやって来ましたが、力強く抜け出して三冠を達成☆
ロックは見事に壁を乗り越え、大きな成長を見せてくれたのです!
水沢のファンの大声援、そして大熱狂が、中継を通しても聞こえて来ました。
その後12月の『桐花賞』で古馬一蹴し、名実ともに岩手の星として君臨しました。
骨折後も一生懸命走り続けるロックの姿に、本当に胸がいっぱいになりました。
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陣営や、岩手のファンの悲しみを考えると...
でも、ロックの残した功績は、ずっとずっと消えません。
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ありがとう、ロックハンドスター
安らかに...
10月10日、東京競馬場で『南部杯』が行われました。
大きな震災を乗り越えて、前に進んでいる岩手に向けて、競馬ファンの心がひとつになって熱い気持ちを送りました。
当日はたくさんの岩手関連の催しがありましたよ!
チャグチャグ馬コの披露や...
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岩手のアイドル・ふじポンが駆け付け...
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東京競馬場内の岩手場外で、たくさんのファンの方と盛り上がっていました!
レースは【エスポワールシチー】がロケットスタートを決めてハナ、外から【トランセンド】が押しながら2番手に続きます。
直線に入った時には【エスポワールシチー】が押し切るかに見えましたが、好位にいた【ダノンカモン】がグイグイ伸びて先頭、その内で【トランセンド】も踏ん張って、大外からは【シルクフォーチュン】が豪快に伸びて来ました。
ゴール前に【トランセンド】が内から差し返してアタマ差で1着!
2着は一度先頭に立った【ダノンカモン】、3着は後方から追い上げた【シルクフォーチュン】でした。
1着【トランセンド】
藤田伸二騎手
「岩手の支援に繋がるレースで、期待に応えられて本当に嬉しいです。
今日は休み明けのせいか、いつもより落ち着いていました。スタートは出たけど、そこから行き脚がつかなかったですね。
この馬はもともとおっとりしていて、どっちかというと走るのそんなに好きじゃないみたいで(笑)、道中は遊びながら走ってました。
だから、余力が残ってるのはわかってたし、馬がバテてないので人間がバテないよう気を付けました。
最後は世界で戦った力を見せてくれましたね。
この後は距離も伸びるし、次のレースは今日より気合いが乗って乗りやすいと思います。
道中遊びながら走ってこのメンバーで勝つんだから、まだまだ可能性を秘めていると思いますよ」
安田隆行調教師
「直線に入って、今日は3着か...と思った所からまた頑張ってくれました。かなり力が入ったので、ゴールした後はどっと疲れましたよ(笑)。
ドバイ以来のレースだったけど、仕上がりは良かったし、追い切り本数も十分で息は出来ていました。それでも1倍台の人気になったのでちょっと怖かったですね...
今日はエスポワールがいるし、トランセンドよりも内枠に入ったので、行くようなら2番手でと相談していました。今後のためにも、控えるレースを教えたかったので。味のある勝ち方をしてくれましたね。
この後、最大目標は『ジャパンカップダート』を連覇することです!
ジョッキーも話していましたが、ちょっと落ち着き過ぎる所があるので、馬の体調次第ですが『JBCクラシック』にも登録します」
トランセンド、本当に味のある勝ち方を見せてくれましたね。
馬券を持っていた方はハラハラしたんじゃないでしょうか?
道中遊びながら、しかも直線に入ってからもなかなか本来のエンジンが掛からなかった中で、ゴール前きっちり交わす...
本当に強いと感じました。
パドックに現れた【トランセンド】は、本当にリラックスしていて、サラサラのタテガミをなびかせながら、同じペースで歩いていました。
周回を重ねるごとに気合いが乗って入れ込みが見られる馬が多い中、何周回っても変わることなくずっと同じペースで軽やかに歩いている姿からは、精神的な余裕と芯の強さを感じました。
順調に行けば、来年またドバイに挑戦したいというお話もありました!
この先の夢が大きく広がりますね♪
2着はいったん先頭に立った【ダノンカモン】
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福永祐一騎手
「最後ソラ使ってしまいました...
先頭に立つとフワッとするのはわかってたけど、相手も強いし加減出来るような手ごたえじゃなかったんで、思いのほか早めに先頭に立ってしまいました。
悔しいけど...、馬はよく頑張ってくれたので。
今日はスムーズに3番手が取れたのが大きかったですね」
後方からすごい追い上げを見せた【シルクフォーチュン】が3着
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藤岡康太騎手
「やったと思ったんだけど...
スタートも出たし、無理せずいいポジションが取れました。直線もすごく良く反応してくれましたね。
ただ、道中掛かってはいないけど、少しハミを銜えてるんで、最後はその分かな。
本質的には1400がベストです。
でもこの距離でこの相手で、本当に頑張ってくれましたね」
4着は逃げた【エスポワールシチー】
松岡正海騎手
「行ったと思ったんだけど...、申し訳ないです。
佐藤哲三騎手とも相談して、今のエスポにはきっかけが欲しいということになって、一番の薬は圧勝だ!と思って、早めに追い出す積極的なレースをしました。
帝王賞の時より具合は良くなってると思うし、今日もすごく頑張ってくれました。
まだ良くなりますよ」
ここ2戦、頂点に輝いたエスポワールにしては物足りないレースが続いていました。
毎回佐藤哲三騎手や陣営が、一生懸命にケアしていますが、今回その想いを託された松岡騎手。
「また哲三さんと話してきます」と、競馬場を後にしました。
今回のパドックでは、最初に現れた時は少し覇気がないのかなと思ったんですが、よく見るとかなり目つきが鋭く、内に秘める闘志を感じました。
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松岡騎手が騎乗してリップチェーンが外されると、さらに目力が強くなっていました。
今回着順は4着でしたが、内容的にはすごく濃かったし、強いレースを見せてくれましたね。
鳥肌が立つほど強いエスポワールが、もうすぐ帰ってくると信じています。
再び釜山競馬場。

かなり天気が良くて、子供用プールは大盛況☆

キャッキャッと楽しそうな声が響いていました。
この日は内田利雄騎手が、今回の遠征の最終日。

2勝を挙げ、強烈な存在感を残して騎乗を終えました。さすがはピンクさんです。
釜山は直線が長いので、直線を向くまでジッとしていて、最後方から豪快に差し切る姿がとてもカッコ良かったです。
馬もレースも日本とは違うようで、山本茜騎手に色々とアドバイスしていました。
山本騎手は勝ち星こそなかったものの、ピンクさんとワンツーフィニッシュするシーンもありましたよ!

2人の馬券を買っているだけでプラスになりました。ありがたや~。
内田騎手最終騎乗の後は、釜山リーディング2位のチョ・ソンゴォン騎手と、勝負服を交換こして記念撮影☆

自分の勝負服じゃないと、なんか変な感じしますよね。
チョ・ソンゴォン騎手に抱き着かれ、ちょっと笑顔が引きつってます。。

ピンクさんは、釜山の伝説のジョッキーと呼ばれているそうですよ。
レースの後は、お疲れ様会♪

お料理の名前は忘れましたが、骨付き牛&野菜の煮物です。
お肉トロトロで最高でした~☆
そして、通訳を務めたヨンちゃんから、内田さんへのお礼の気持ち!

茜ちゃんからも、お礼の気持ち!!

どちらのケーキも、ピンク色で可愛くて、とっても美味しかったです。
内田騎手、来年早々から浦和で騎乗することが決まっていますが、この後はどこに現れるのでしょうか。
日本での活躍、楽しみですね♪