少し時間か経ってしまいましたが、GWのダートグレード3連発を振り返りたいと思います。
まずは名古屋『かきつばた記念』。
勝ったのは地方ダートグレード初挑戦だったノボバカラ。
スタートは少し出遅れましたが、短い直線でも突き抜ける強い競馬を見せてくれました!
ミルコ・デムーロ騎手
「今日は相手を見たら強い馬ばっかりだったけど、初めて重賞を勝つことができて嬉しいです。
出遅れてしまったし、道中も狭くなった部分があったけど、3コーナーで外に出せて上手くいきました。
勝てて良かったです。
今日は後ろからになって、砂を被ってどうかと思ったけれど平気でした。一つ課題をクリアしてくれましたね。
とても良い馬で、まだまだ成長してくれると思います。次も楽しみです」
天間昭一調教師
「スタートどうかなと思ったし、後ろからの競馬になってしまったけれど、強い競馬をしてくれましたね。
これで3連勝で重賞も勝ってくれました。やっぱり1400mというのがすごく合っていると思います。
どのコースでも上手に走ってくれるし、小回りでも中団からのレースでもこなしてくれました。
この先のことは、これから厩舎に帰って馬の様子を見て決めます。
今年の最大目標は川崎のJBCですね。川崎だから1200mじゃなくて1400mでしょう。
そこを目指してまたがんばります!」
2着はブルドッグボス。
地方初挑戦だった前走は案外な競馬になってしまいましたが、今回は上手に立ち回って2着を確保。
やはり小回り適性は高いと思いました。
3着はレーザーバレット。
マクリのイメージが強いですが、今回はバツグンの手応えで2番手を追走しました。
戸崎圭太騎手
「今日は初ブリンカーだったんですけどけっこう利いてて、いい感じに道中進むことができました。
ただ、いつもは最後にいい脚を持っているけれど、今日は使えなかったです」
そして、地方馬最先着は岩手のラブバレットで6着。
山本聡哉騎手
「黒船の時は脚を使い過ぎてバテてしまったので、今回はスタートは良かったけど馬のリズムで行きました。
どこまで辛抱できるかと思っていたけど、内深そうに走っていたし、勝ち馬は強かったです。
外枠ならもう少しスムーズに外3番手くらいに付けられたかもしれないですね」
本日は大井競馬場で、今年のダートグレード第一弾『TCK女王盃』が行われます!
*13日大井 第11R『TCK女王盃』 1800m 16:10発走*
ここはなんといってもホワイトフーガでしょう。
昨年は関東オークスを圧勝し度胆を抜かれましたが、JBCレディスクラシックでもサンビスタを千切って完勝。
ブリーダーズゴールドカップやレディスプレリュードの時には、古馬と戦って勝負できるけれど、勝ち切るまではあと一歩。来年辺りかな。
なんて思っていたら、一気に女王の座に上り詰めてしまいました。
関係者も驚くほどの早さで成長しているということですが、立ち回りの上手さと末脚の確実さに磨きが掛かって、すでに完成の域に入ったと思います。
舞台はJBCレディスクラシックと同じ大井1800m。
あの時の上位馬が揃っていないここは、負けるわけにはいかないでしょう。
対抗はディアマイダーリン。
前走は初めてのダートということで不安もありましたが、トロワボヌール、ノットオーソリティとの叩き合いを制してダートグレード初制覇を飾りました。
想像していた以上にいい位置取りにつけられたし、ダートでの走りも軽快で、これからさらに強くなってくれる馬だと思います。
前回よりも斤量は背負うことになりますが、ダート2回目でより慣れが見込めるし、ここも引き続き好走してくれるのではないかと思っています。
3番手以下の評価が迷うところですが、タマノブリュネットに注目しました。
レパードステークスでは、後方追走から直線外に切り返し、豪快に伸びて3着。
クロスクリーガー、ダノンリバティには敵わなかったものの、ゴールデンバローズを差し切った末脚は素晴らしかったです。
地方小回りに関しては、川崎の交流戦で勝っているので問題なし。
右回りも中山2勝の実績があるので、特に気にすることはないでしょう。
ただ、前走のレースぶりはちょっと心配です...
ちょっとゲートであおってダッシュがつかず、後方から。道中じわじわと上がって来ましたが、直線に入ったところですでに失速。
あまりいいところが見られませんでした。
たとえ前に行かないとしても、スタートで後手を踏んでリズムに乗れないと苦しいです。
今回は好スタートを決めて、ある程度の位置取りで進むことを期待しています。
クイーン賞で存在感を示したノットオーソリティも気になります。
今回は斤量が52キロから55キロになりますが、最内枠を引いたのはかなりのプラスです。
この馬のリズムで逃げることができれば、十分勝負できると思っています。
◎7、ホワイトフーガ
〇5、ディアマイダーリン
▲9、タマノブリュネット
△1、ノットオーソリティ
△11、セキショウ
4月29日、高知競馬場で行われた福永洋一記念デー。
盛りだくさんの一日でしたが、まずは午前中に行われたのがサンクスホースデイズです。
サンクスホースデイズとは、
"馬に感謝する日々"と名付けられ、競馬・乗馬・障害者乗馬・ホースセラピーなど、日本の馬文化が一堂に会し、たくさんの人たちが馬と触れ合える貴重なイベントです。
もともとの始まりは、JRAの角居勝彦調教師の「馬たちに恩返ししたい」という想いから。
「厩務員の時から、勝てなかった馬はどうなっていくのかとずっと思っていました。自分の元から旅立っていく時、積まれて行く馬運車によって、これは厳しいところに行くんだろうなって。でも自分が使われてる立場の時に、そんなことを言葉にしたらいけないと思ってました。
ようやくリーディングに近くなって、馬のために何かしてあげられる立場になったのかなと。そういうことを改めて形にする、行動に移せる時期に来たんじゃないかと思いました」
その想いが核となって始まったサンクスホースデイズは、たくさんの人々の共感を得て、全国いろいろな場所で開催されています。
今回初めて高知競馬場で開催され、引き馬やポニー乗馬で、たくさんの子供たちが笑顔になっていました。
サンクスホースデイズの実行委員長である、福留健一さんにお話を伺った時、
「馬はどんな人でも受け入れてくれるんです」
と仰っていましたが、
ありのままの、そのままの人間を受け入れてくれる馬たちの優しさが、人々を笑顔にしてくれるんだと心から思います。
現在は単発で行われているサンクスホースデイズですが、角居先生のお話では、今後このイベントを告知力として、障がい者乗馬やホースセラピー、引退馬たちを取り巻く環境など、さまざまな馬文化に繋げていきたいとのこと。
「牧場で働いている時に、馬の品評会で1位になった馬が放牧中に骨折して薬殺処分になってしまったんです。経済ありきの動物だとは思っていたけれど、僕はこの世界を全然知らなかったので、速く走るためだけに生まれて来たんだな、と痛感しました。
その時、この世界に入るなら、サラブレッドは絶対に強くしなきゃいけない、負ける馬を作っちゃいけないんだと思いました。守れない馬も当然いるけど、守るために努力したいと思ったんです。
それでも、どうしてもこぼれてしまう馬がいる。どんなに努力しても、勝てない馬もいるし故障して走れなくなる馬がいる。
障がい者乗馬の馬たちは、速く走ることを求められていないんですよ。逆に性格が大人しく、動きが緩慢であればあるほどいいということで、サラブレッドと真逆だなと。それこそ、競馬で活躍出来なかった馬こそ活かされる可能性がある。そういう救い方があるかもしれないと思っています」
現在はイベントであるサンクスホースデイズと並行して、ホースコミュニティという事務局を作り、馬文化を支える土台作りが行われています。
一般財団法人 ホースコミュニティ
馬を介したノーマライゼーションの実現に向けて動いているホースコミュニティ。
日本では本当に馬が身近にいないけれど、馬の持つパワーが絶大であることはわかっているので、馬たちの力を借りて、ノーマライゼーション(障害者や高齢者がほかの人々と等しく生きる社会、その実現を目指す考え方)が実現できたら...
馬に携わる者の一人として、わたしもこの考えに賛同し、行動していきます。
ちょっとかたい話になってしまいましたが...
とにかく馬たちがもっと身近にいて、競馬や乗馬以外にも活躍の場ができたら
最高に楽しいと思っています!
それでは締めに、以前取材させていただいた馬たちの、癒しの写真コレクションをどうぞ~
☆メイセイオペラ☆
☆トップガンジョーとスーパーナカヤマ☆
☆ウイングアロー☆
☆タカラシャーディー☆
☆レギュラーメンバー☆
☆メジロベイリー☆
☆クワイエットデイ☆
☆ヘッドライナー☆
☆アドマイヤスバル☆
☆ボン様☆
☆トナカイさん☆
☆ノーザンホースパークのポニーショーにて☆
3月11日に船橋競馬場で行われたダイオライト記念。
クリソライトが久しぶりの勝利を挙げました!
スタートを決めてすんなりと2番手に付けると、少し掛かるそぶりも見せましたが、さすがJpn1馬の力を見せつけましたね!
武豊騎手
「スタート次第と思っていました。行けたらハナに行こうと思っていましたが、そこまで速くなかったし、とにかく揉まれない位置でと考えていました。
道中はずっと掛かってました。けっこう掛かってましたね。
勝つ時は早め先頭で押し切るパターンなので、その形を狙っていました。
スタミナがあるし、自分の形になれば強いですね。
(この後はかしわ記念を視野に調整されることに対して)マイルの流れは少し忙しいかもしれないけど、対応してくれると思います。揉まれたくないので、外枠がいいですね。力のある馬です」
音無秀孝調教師
「豊くんとは、揉まれないようにということだけ話ました。日本テレビ盃でも今日のようなレースで勝てたし、こういう2~3番手から揉まれないレースがいいですね。
長い距離で、スローペースになったのも良かったんだと思います。
今日は長距離輸送していたのに+11キロ。これは少し太かったです。
その中で、自分のレースが出来たこと、スローの流れというのがあって、力を出すことが出来ました。
左回りは得意だし、船橋のコースは合いますね。
今後はオーナーと相談して決めますが、かしわ記念には使いたいです。そこまでどうするか相談ですね」
2着は初の地方交流重賞出走だったトウシンイーグル。
中団からのレース運びとなりましたが、最後の直線ではしっかりと伸びていました。
今後の活躍が楽しみな1頭です。
アンドレアシュ・シュタルケ騎手
「コーナーコーナーで内にササってしまい、減速せざるを得ませんでした。本来のイメージでは、コーナーで上がって行きたかったのですが...。最後は良く伸びてくれたし、それがなければ勝っていたかもしれません」
3着は4歳馬アスカノロマン。
こちらも初の地方場所でしたが、今後に繋がるレースを見せてくれました。
太宰啓介騎手
「ポジションは理想的でした。4コーナーを回った時にはクリソライトを捕まえるだけだと思っていたんですけど、そこからが思ったほど伸びなくて...ジワジワという感じでした。
今日はマイナス17キロと、体が大きく減っていたことも響いたのかもしれません。
自信があったんですけど、とても残念です」
そして、地元の期待を背負って1番人気に支持されたサミットストーンは、残念ながら7着という結果に...
石崎駿騎手
「この馬の走りではなかったです...。もたれる癖も今日は酷かったですし。
ここまでGIを使って来た疲れがあったのかもしれません」
期待が大きかっただけに残念な結果でしたが、これを糧に次のレースに向けてがんばって欲しいですね。
昨日川崎競馬場で行われた『エンプレス杯』は、アムールブリエが3馬身差の完勝でした!
直線ではワイルドフラッパーを競り落とし、新女王に相応しい強いレースをみせてくれましたね。
各陣営のコメントをお伝えします。
1着アムールブリエ
濱中俊騎手
「期待通り強いレースが出来て、ホッとしています。直線を向いた頃には大丈夫だろうと思っていました。
今日もいつもと変わらず落ち着いていたし、状態も良かったです。
小回りはあまり向かない印象で、出来ればいいポジションを取って早めに仕掛けたいと思っていました。飛びが大きい馬なので窮屈にならないように注意していましたが、いい位置で運ぶことが出来ました。
キツイコーナーでぎこちない面はありましたが、能力でカバーしてくれました。ワイルドフラッパーを目標に、早めに行こうと思っていましたが、手応えも良かったし、強い相手に勝つことが出来て、先の楽しみが広がりました。
この馬はメンタル面もどっしりしているし、どんどん力を付けています。このまま行けばもっと強くなると思います。牝馬の交流重賞で主役になれるよう、全部勝つつもりで挑みたいです。
メーデイアと比べてですか?
タイプが違うので一概には言えないですが、そのくらいの可能性は感じています」
松永幹夫調教師
「年末からどんどん力を付けてくれていますね。ついに重賞を勝つことが出来て嬉しいです。
この中間は牧場で乗り込んでいて、いい状態でここに挑戦することが出来ました。
強い相手ですから、どこまでやってくれるかと思っていましたが、濱中くんが前半に押していい位置を取ってくれました。そんなに反応のいい馬ではないんですけど、最初のコーナーでいい位置に付けられて良かったです。
いつも4コーナーからの手応えはいいので、今日もあそこからひと伸びしてくれると思っていました。
使いつつ体が絞れて来て、逞しくなって、走れるようになりましたね。今は注文付けるところはないです。
今後はダートの長いところを中心に、牝馬の交流重賞も視野に入れてます。とりあえずは1回休ませてリフレッシュしてからですね。
僕自身も、ヘヴンリーロマンスの仔で重賞を勝つことが出来て、とても嬉しいです」
2着は1番人気に支持されたワイルドフラッパー。好スタートを決めて自ら逃げる形になり、最後の直線でも意地は見せてくれました。
森泰斗騎手
「アクティビューティが行けば2番手でもと思っていましたが、スタートも良かったしアクティはあんまりスタートが良くなかったので、自分から行く形になりました。
道中は上手く行ったと思ったんですけど...。勝った馬が強かったですね。
交流重賞でこれだけの馬に乗せていただけるチャンスはなかなかないので、本当に勝ちたかったです。悔しいです...」
3着ケイティバローズ
戸崎圭太騎手
「初めて乗せていただきましたが、とても乗りやすい馬です。距離も大丈夫そうですね。
ただ少し、砂を被るのを嫌がる面もありました。そこがこれからの課題になってくると思います。ダートの走りに関しては全く問題なかったです」
4着アクティビューティ
内田博幸騎手
「まくられた時に動けなかったです。それでもよく頑張ってくれました。
8歳ですからね。今回は馬券に絡めなかったけれど、相手次第ではまだまだ頑張れる馬です。本当にえらい馬ですよ」
いつもレースを盛り上げてくれる、川崎恒例のコスプレ誘導馬☆
この日はエンプレス杯を意識して、お姫様のような装いでした。
毎回楽しませてくれる誘導馬たちと、この装いを手作りで作成している誘導馬担当の方々に感謝します♪