高知のヒロイックテイルは中央から移籍初戦となった名古屋グランプリJpnIIで2着に激走。たしかにノットゥルノの大逃げに他の中央の有力馬が翻弄されるなど展開に恵まれた面もあったが、それにしてもヒロイックテイルより前にいたキリンジや長距離得意のディクテオンら中央勢を完封したのだから、元中央オープンの実績はダテではなかった。地方馬同士のレースは今回が初めてになるが、あらためて実力が試される一戦。金沢の舞台で鞍上に吉原寛人騎手を確保できたことは大きなアドバンテージだ。
北海道のスワーヴアラミスも中央時にはダートグレード3勝の実績馬。大井移籍後は初戦の特別戦を勝ったのみだが、重賞でもたびたび2着3着に好走し、昨年の日本テレビ盃JpnIIでもウシュバテソーロの3着と健闘した。北海道移籍後も、南関東時代と同じように勝ちきれていないが、前走マーキュリーカップJpnIIIでは中央馬相手にメンバー中もっとも重い別定58キロを背負って地方馬最先着の5着は評価できる。今回別定戦となってはいるものの、牡馬は全馬57キロで同重量ならチャンスはある。
パワーブローキングは中央オープンで頭打ちとなって船橋移籍。初戦のA2特別は太め残りでも快勝したが、前走マーキュリーカップJpnIIIでは前述した5着スワーヴアラミスからも大きく離されて12着。移籍後は2度目の遠征で、地方馬同士ならもっとがんばれていい。
高知のガルボマンボは、昨年11月の黒潮マイルチャンピオンシップ以来勝ち星がなく、昨年前半までの勢いが感じられない。ただ昨年末の高知県知事賞ではユメノホノオと一騎打ちを演じており(2着)、2000メートル以上の長丁場は能力を発揮できる舞台だ。
アンタンスルフレは昨年秋、北國王冠、東海菊花賞、さらに南関東に移籍して金盃トライアルまで3連勝。長距離での強さを見せたが、その後はいまひとつ。金沢では北國王冠を連覇しているだけに、得意の舞台で復活なるかどうか。
エアアルマスは中央から川崎に移籍後、短距離を中心に使われているが、中央時代は1800メートルでの勝ち星もあり、あらためて距離延長でどうか。
◎6ヒロイックテイル
◯8スワーヴアラミス
▲7パワーブローキング
△4ガルボマンボ
△2アンタンスルフレ
△3エアアルマス
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盛岡では今年に限らず、天候や走路状況によって芝のレースがダート変更になることはそれほど珍しいことではないが、このレースがダート変更となるのは26回目の歴史で初めてのこと。今年、盛岡の2歳戦が芝で行われたのは7月14日第1レースのファーストステップが唯一。したがってここには芝を使われた馬は出走していない。
出走9頭中4頭の北海道からの遠征馬がやはり中心となる。
キングミニスターはデビューから3戦、1700メートル戦のみを使われている。フレッシュチャレンジを勝ったあとの2戦はやや差をつけられての敗戦が続いているが、4着だった2戦目の勝ち馬リコースパローは22日のブリーダーズゴールドジュニアカップを制し、2着だった前走ウィナーズチャレンジの勝ち馬ソルジャーフィルドはブリーダーズゴールドジュニアカップで1番人気に支持され2着。門別の2歳中距離戦で最上位の2頭と戦ってきたことになる。他の北海道からの遠征馬が、いずれも短距離での実績ということもあり、距離適性的にもこの馬が最上位といえる。
キエティスムもフレッシュチャレンジを勝ったのみだが、4着だった2走前の勝ち馬エイシンマジョリカは中央芝のクローバー賞に挑戦して6着。7着だった前走の勝ち馬エターナルウインドはデビュー戦2着のあと3連勝中。やはり門別のトップレベルの馬たちとの対戦だった。今回は距離延長がこなせるかどうか。
キングリーエアーもフレッシュチャレンジ勝ちで、前走も勝ち馬とコンマ8秒差の4着だった。ただ2走前の1700メートル戦でキングミニスターと一緒に走っての大敗があるだけに、距離適性がどうか。
地元勢では若鮎賞を6馬身差で圧勝したサウザンドマイルか、前走フューチャーステップで僅差の2着だったミヤギヴォイジャーだが、ともに盛岡ダート1600メートル戦で、走破タイムは1分43秒台。実施時期は3カ月後だが、盛岡ダート1600メートルの南部駒賞の過去5年の勝ちタイムを見ると、もっとも遅くても1分40秒1。そのタイム差を考えると、北海道勢が相手となって勝ち負けまではどうだろう。
◎6キングミニスター
◯1キエティスム
▲3キングリーエアー
△2サウザンドマイル
△5ミヤギヴォイジャー
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高知から移籍初戦となるイモータルスモークは、中央ではダート1200メートルのオープン特別で好走経験があった。南関東ではやや苦戦したが、その後、高知所属として出走した園田820メートルの園田FCスプリントでは、中団からレースを進めて2着争いから抜け出した。そして南関東の快速馬が集まる習志野きらっとスプリントでも勝ち馬には離されたとはいえ5着に入った。今回のメンバーに入れば、強敵相手の実績で抜けている。
金沢から遠征のハクサンパイオニアは、中央では2勝クラスの芝短距離で好走。金沢移籍後は、1400/1500メートルのA1特別を楽勝で連勝。中央時にもダートでの勝利があったが、地方のダートをこなして、距離短縮でさらにとなれば勝ち負けまで期待できる。
フォルツァエフは中央3勝クラスから転入して、準重賞・湾岸スターカップを含め920メートルでは6戦全勝。今回は相手強化となり、9歳馬には試金石の一戦となりそう。
ベストリーガードは中央オープンから船橋を経由して転入。920メートルのA1特別で2着のあとの前走、1700メートル戦を逃げ切って3馬身差の快勝。中央時の成績でもマイル〜1800メートルでの好走で、あらためて超短距離の舞台でどうか。
ビリーヴインミーは、南関東では900〜1200メートルを中心に使われ、昨年末にはA2B1特別を勝利。名古屋移籍後は勝ち星がなく、920メートルの湾岸スターカップでもフォルツァエフの6着だったが、南関東での実績からはここで通用する可能性はある。
◎3イモータルスモーク
◯12ハクサンパイオニア
▲9フォルツァエフ
△7ベストリーガード
△6ビリーヴインミー
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昨年に続いてダート変更で行われるOROターフスプリント。
今シーズン、中央2勝クラスから転入したグットフォーチュンは、盛岡ダート1200メートル以下で4戦して2勝、2・3着各1回。水沢の早池峰スーパースプリントでは9着に沈んだが、盛岡の短距離では好走続き。前走盛岡1000メートルの勝ちタイムが58秒2(良)。昨年のこのレースがレコード決着の58秒1(重)で、2020年まで盛岡1000メートルで行われていた早池峰スーパースプリントの勝ちタイムが58秒2〜59秒1だったという比較からも勝ち負けが期待できそう。
そして昨年、コースレコードで逃げ切ったのが川崎のマッドシェリー。昨年に引き続いて神尾香澄騎手での参戦だ。重賞ゆえに昨年、減量なしの55キロでの勝利は見事だった。昨年は勝ちきれないレースが続いての参戦だったが、今年は2走前の5月28日に船橋1000メートル戦を勝った。川崎スパーキングスプリント11着は昨年と同じで、勝ち馬と1秒8差というのも去年とまったく同じ。ならば少なくとも昨年より能力を落としているわけではなさそう。ただ1番枠でもあり、他馬からのマークはきつくなりそう。
北海道・田中淳司厩舎からは2頭が遠征し、その1頭がイッツクール。グランシャリオ門別スプリントでは、昨年道営スプリントを制したスティールペガサス(2着)に2馬身差3着。そのレースぶりで、このメンバーなら勝負になる。
田中淳司厩舎のもう1頭はラビュリントス。北海道→川崎→北海道と移籍し、盛岡の芝・ダートで重賞3勝という実績。昨年12月以降、いまひとつの成績だが、前走中央に挑戦して芝1200メートルのオープン特別で勝ち馬からコンマ5秒差の好走は評価できる。2歳時の門別以来となる1000メートル戦でも、そのスピードは通用しそう。
大井のジュランビルはOROカップに遠征したが取止めとなり、あらためての盛岡遠征。中央時代は新潟の千直を経験しているが、大井移籍後はマイル前後を中心に使われてきた。昨年、佐賀ヴィーナスカップを勝ち、兵庫サマークイーン賞2着など遠征での実績があり、今回は初めてのダート1000メートルでどうか。
早池峰スーパースプリントを制したダイセンメイトだが、勝ち星が水沢に集中。ただ盛岡1000メートルでも勝ち星はあり、58秒台前半の決着になったときに対応できるかどうか。
◎6グットフォーチュン
○1マッドシェリー
▲13イッツクール
△12ラビュリントス
△9ジュランビル
△8ダイセンメイト
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ジンギが引退し、ラッキードリームは大井に移籍。兵庫の中距離戦線でしのぎを削ってきた2強が不在となって迎える一戦。
そのラッキードリームが抜けた新子雅司厩舎には中央オープンからキリンジが転入。ジャパンダートダービーJpnIなど地方のダートグレードで2着が3回あり、今年5月の名古屋グランプリJpnIIでも3着。まだ4歳だが、おそらく中央にいたのでは出走機会が限られることでの移籍と思われる。園田初戦となった盛夏特別では縦長の中団から徐々に位置取りを上げ、3コーナー過ぎでは逃げていたスマイルサルファーをとらえきれず劣勢かに思われたが、直線ではしぶとく伸びて横に広がった4頭の接戦を制した。いきなりのトップハンデ58キロでも期待だ。
ナムラタタは、昨年11月以降、3着以内を外したのが六甲盃だけで、新春賞2着に、兵庫大賞典3着など、あと一歩のところでタイトルに手が届かず。14日に兵庫所属として再スタートとなった小牧太騎手には、さっそく重賞制覇のチャンスといえそう。
前走盛夏特別で直線大外を豪快に伸びてキリンジにアタマ差と迫ったのがメイショウハクサン。4月に大山真吾騎手で連勝したときのように、早めのまくりが決まるかどうか。
このレース連覇がかかるのがツムタイザン。前走盛夏特別は接戦の3着だったが、重賞でも常に上位争い。昨年より2キロ増のハンデ57.5キロを背負うこともあって△まで。
ダッシュダクラウンは中央2勝クラスからの転入初戦となった前走は、3コーナー過ぎではまだ離れた4番手だったが、最後の100メートルほどで前をとらえると5馬身突き放した。一気の相手強化でもハンデ54.5キロを生かして見せ場以上がありそう。
北海道から転入したサンビュートの初戦となった前走近江米特別は、直線先に抜け出したアラジンバローズにゴール前で迫ったがアタマ差届かず。今回は吉原寛人騎手がどんなレースを見せるか。
◎5キリンジ
○6ナムラタタ
▲8メイショウハクサン
△1ツムタイザン
△10ダッシュダクラウン
△7サンビュート
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