高知のグラインドアウトは26日のマリーンカップJpnIIIにも登録があり、当初はそちらに出走ということを伝え聞いていたのだが、確勝を期してこちらに臨んできたか。佐賀では牝馬限定とはいえ花吹雪賞、ル・プランタン賞を連勝。そして関東オークスJpnIIでは3着に健闘。勝ったアンデスビエントには直線で離されたとはいえ、前半は中団につけて、勝負どころのペースアップで位置取りを上げ、4コーナーで2番手という見せ場をつくったことは評価できる。
ラインフォルテは中央未勝利から転入して目下6連勝と底を見せていない。前走、距離延長で佐賀では初めての1800メートル戦、佐賀城賞では直線突き放して2着に3馬身差をつける逃げ切りにはまだまだ余裕があった。そのレースぶりから一気に重賞初制覇も期待できそう。
カシノルーカスは佐賀皐月賞、栄城賞、霧島賞は掲示板外だったが、それ以外の特別戦では安定して上位を確保しており、近2走は古馬B級1750メートルの準重賞で1着、3着。ここにきて距離にも対応し、力をつけた。
佐賀皐月賞、栄城賞で、ともにウルトラノホシの2着と好走を見せたのはデッドフレイ。デビュー以来すべて4着以内という安定したレースぶりで、今回は4カ月ぶりの休み明けでどうか。
佐賀皐月賞、栄城賞でともに3着だったのがトレベルオール。2走前の盛夏賞ではカシノルーカスの2着、前走の長月特別ではやや差のある6着。このあたりのクラスでやや壁を感じさせる。
2歳11月から3歳春にかけ連戦連勝で佐賀若駒賞、飛燕賞を制したトゥールリーだが、その後はやや勝ちきれないレースが続いた。前走佐賀ユースカップでは2着と好走しているように適距離は1400メートルと思われる。1860メートルの距離がどうか。
◎9グラインドアウト
○12ラインフォルテ
▲11カシノルーカス
△5デッドフレイ
△10トレベルオール
△8トゥールリー
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短距離から2000メートルまでオールマイティにこなすミニアチュール。昨年末と冬休みを挟んでの今シーズン当初は調子を崩したが、盛岡1000メートルのスプリント特別で今季初勝利。その後、水沢850メートルの早池峰スーパースプリントはさすがに距離が短すぎた(4着)ものの、夏以降は1600メートルの特別、1800メートルの準重賞、そして2000メートルのビューチフルドリーマーカップと、再び距離を延ばして3連勝。短距離を使ったことが刺激になったと思われる。1400メートルは守備範囲で、地元の牝馬同士なら能力は抜けている。
グットフォーチュンは今季中央2勝クラスから転入。6戦して3着を外したのは早池峰スーパースプリントだけ。盛岡1000/1200メートルで堅実に結果を残している。今回、岩手では初めての1400メートルがどうかだが、中央時には未勝利戦で1400メートルを勝っていて、川崎1600メートルの条件交流でも3着があるだけに、距離もこなせると見る。
ルチルクォーツは、今季当初は勝ち切れないレースが続いたが、6月以降は水沢コースでは3戦3勝。オープンに再昇級して、1300メートルのハヤテ特別はコースレコードで制した。今回はミニアチュールが強そうだが、いずれ重賞初制覇も期待できそう。
大井所属として遠征したOROターフスプリント(盛岡ダート1000メートル)5着のあと岩手に転入したジュランビル、昨年盛岡1200メートルで行われたこのレースで2着だったトーセンキャロルらも上位を狙える。
◎5ミニアチュール
◯9グットフォーチュン
▲10ルチルクォーツ
△8ジュランビル
△7トーセンキャロル
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船橋のユアヒストリーは昨年9月以降、重賞では惜しいところで勝ち切れないながら、他地区遠征も含めて重賞・オープン特別で7戦すべて3着以内。今回は6月の六甲盃以来3カ月半ぶりの実戦となるが、その六甲盃では、逃げたラッキードリームに3コーナー過ぎで並びかけると、コーナーワークで一旦はやや置かれたもののゴール前でもう一度差を詰めクビ差まで迫った。ラッキードリームが大井に移籍して不在となった今回は重賞初制覇のチャンスといえそう。
地元キリンジは中央在籍時に、ジャパンダートダービーJpnIも含め地方のダートグレードで2着3回。転入2戦目の前走摂津盃では1番人気に期待されるもミステリーボックスの3着に敗れたが、向正面からペースアップした勝負どころでは中団から動き出しが遅れた。しかも勝ったミステリーボックスより5kg、2着ウインドケーヴより3kg重い58kgのハンデを背負ってのこと。定量56kgの今回は再度の期待だ。
ソリストサンダーは中央時に武蔵野ステークスGIIIを制し、かしわ記念JpnI・2着2回、南部杯JpnI・3着などの実績。昨年大井に移籍し、9歳になった今年は10カ月ぶりの復帰戦となった金沢スプリントカップ2着。そこから上積みがあれば勝ち負けまで期待できる。
前述のとおり53kgで摂津盃を制したミステリーボックスは、今回定量戦となり、さらに他地区からの遠征馬との対戦でどこまでやれるか。
摂津盃2着のウインドケーヴ、中央オープンから移籍して4戦目となる船橋のパワーブローキングらも争覇圏。
◎6ユアヒストリー
◯9キリンジ
▲11ソリストサンダー
△1ミステリーボックス
△8ウインドケーヴ
△7パワーブローキング
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地方馬は名古屋から4頭の遠征があって一応フルゲートにはなったが、地方重賞の勝ち馬はいても近走特別戦でも勝ちきれずという馬がほとんどというメンバー。唯一、アンタンスルフレは昨年秋に北國王冠、東海菊花賞を含め3連勝のときの勢いがあれば中央勢の一角崩しの期待にもなったが、近走の成績ではなんとも厳しい。ゆえに馬券圏内は中央勢の争い。
メイショウフンジンは昨年のこのレースで2着。逃げてケイアイパープルにぴたりとマークされる厳しい展開も、直線ではケイアイパープルを振り切り、最後はウィルソンテソーロに半馬身交わされたもののよく粘った。ただ前走マーキュリーカップJpnIIIでは1番枠で内に包まれ惨敗したように、自分の形に持ち込めないともろいところもある。今回は外目の枠でもあり、ほかに逃げる可能性はダイシンピスケスだけで、よほど2頭で競り合ったりしなければ昨年の雪辱が期待できそう。
ダイシンピスケスは1勝目、2勝目が地方の条件交流で、その後足踏みが続いたが、ここに来てオープンの仁川ステークスまで3連勝と力をつけた。今回はそれ以来7カ月ぶりの実戦がどうかだが、栗東の坂路でしっかり時計を出しており、それなりの仕上がりにはありそう。
JpnII勝ちのあるディクテオンは、1頭だけ他の牡馬より3kg重い57kgを背負うのがどうか。前述2頭が競り合ってハイペースなら末脚勝負のこの馬にチャンスが巡ってくる。
近走いまひとつのテンカハルだが、昨年、日本テレビ盃JpnIIでウシュバテソーロの2着、浦和記念JpnIIでディクテオンの3着があったように、地方の長距離戦は能力を発揮できる舞台。
サンマルパトロールも初勝利が地方の条件交流で、ここに来て2勝クラス、3勝クラスと連勝の勢いでどこまで。
中央5頭は、先行するメイショウフンジン、ダイシンピスケスに、直線末脚勝負のディクテオン、テンカハル、サンマルパトロールと、脚質がはっきり分かれているだけに、ペースや展開がカギを握りそう。
◎9メイショウフンジン
○8ダイシンピスケス
▲7ディクテオン
△2テンカハル
△12サンマルパトロール
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過去10年で750kgのトップハンデでこのレースを制した馬が5頭もいる。16年センゴクエース、17年マルミゴウカイ、19年キタノユウジロウ、20年メムロボブサップ、23年キングフェスタ。そのうちキングフェスタを除く4頭は、今回のタカラキングダムと同じく牡馬の最軽量馬と40kg差で勝った。逆にいえばタカラキングダムはこの重量差で勝てば、それら近年の活躍馬のように将来が有望になる。が、今回のメンバーでは頭までは難しいと見てタカラキングダムは△までとした。
ハンデ差が大きい同世代同士の重賞は勢い重視でクリスタルゴーストに期待する。昨年12月以降、3着以内を外したのが3回だけ。柏林賞、はまなす賞では、ともに20kg差でタカラキングダムの2着。それが今回30kg差となったとあれば逆転の可能性はかなり高い。
ジェイライフも同様に好調続きで、6月以降はすべて3着以内。山鳩賞、はまなす賞がともに3着で、先着されたのはクリスタルゴーストとタカラキングダム。前走A1特別を勝った勢いでクリスタルゴーストと同じ720kgならチャンスはある。
マルホンリョウユウは、柏林賞ではタカラキングダムより10kg重いトップハンデ720kgで3着だったが、今回は逆に10kgもらうことになった。当然勝ち負けまで。
ホクセイタイヨウは昨年3歳4月のB4格付からほとんど連対を外さない成績でクラスを上げてきた。その中には、ばんえい大賞典、ばんえい菊花賞、ばんえいダービーで2着という惜しいレースも。今回の730kgは楽ではないが、重賞でそれだけの実績があれば引き続き上位争いも期待できる。今回この馬に初騎乗となる、デビュー3シーズン目の中村太陽騎手の期待も大きいことだろう。
750kgトップハンデのタカラキングダムは3着まで。世代重賞で3着が3回あるジェイヒーローまで押さえる。
◎5クリスタルゴースト
○7ジェイライフ
▲6マルホンリョウユウ
△3ホクセイタイヨウ
△2タカラキングダム
△8ジェイヒーロー
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